2 / 11
野球の道を諦めた、現在の俺(2)
しおりを挟む
俺が帰宅してリビングに入ると、絨毯の上に寝そべっていた母親が顔を上げた。まだ夕飯の準備もしていないのか、と少々呆れる。
「おや、お帰りなさい新。今日はいつもより少し遅いのね」
「講義は午前中で終わったけど、その後で図書委員会の仕事があったからね。なあ、麦茶ないの? 外むっちゃ暑いんだけど、もう喉がカラカラ」
「冷蔵庫開けてみなよ。入ってるだろ?」とテレビの真ん前で横になったまま告げた母親を跨いで、台所に向かう。
冷蔵庫を開けてみると、はたしてそこに、目的の物はあった。我が家にとって夏の風物詩ともいえる麦茶だ。
小学三年生のころから野球を始めた俺だったが、練習中の水分補給といえば、スポーツドリンクよりも麦茶派だった。チームメイトが、お前って変わってるよな、とか、なんか爺臭くね? などと失礼な言葉を投げてきた過去を思い出した。
古びた茶棚からコップを取り出すと、麦茶を注いでからリビングに戻る。
相変わらず寝そべっている母親を跨ぐと、親を跨ぐなんて失礼だよ、ととがめられた。「へいへい」と横柄に謝罪の言葉を残して二階に上がり、自室の扉を開けた。
部屋に入って左手の壁に並んでいるのは、綺麗な額縁に入れられた賞状。その下にある棚の上に置かれているのは、幾つもの優勝カップやトロフィーだ。
賞状に書かれてある内容が伝えてくるのは、地区予選会優勝、全県大会優勝などの、中学時代の野球部で掴んだ栄光の数々。
床の上に、無造作に転がされているのは、マイボールとグローブ。
胡坐かいて座ると、真新しいグローブを手に取ってみる。高校入学後に購入したそれは、いまだ革が固くていまひとつ手に馴染んでいない。
今でもグローブが綺麗なままで残されている理由。それは、買って直ぐのタイミングで、事故に遭ってしまったからだ。
一方で、中学時代に買ってもらったボールは、だいぶ年季が入っている。グローブを絨毯の上に置きボールを拾うと、ベッドの上に仰向けで寝転がった。
軟式球の規格が変更される以前のものなので、現状のM号ではなくB号の規格球だ。そういったくだらない雑学だけは持っていることを自覚すると、虚しさとやるせなさとが、暗雲となって胸中にたちこめてくる。
B号規格球の表面には、どんなに磨いても落ちない茶色い汚れが付着していた。土か。それとも汗による汚れか。
かつては、これと同じボールを何球も持っていた。なんとなく捨てたり無くしたり。そうして数を減らしながらも、結局は捨てられずに残ってる最後の一球。
その茶色い染みが、頑張れなくなった今の自分を責め立ててくるようで、無性に居心地が悪くなる。
家の中には、自分が野球選手を志していた頃の名残りが幾つも残されている。
夏を迎えると、欠かすことなく冷蔵庫に入ってる麦茶。
過去の栄光を伝えてくるカップと賞状。
どんなに拭いても取れない汚れが付着したボールと綺麗なままのグローブ。
そして何よりも──いまだに忘れることのできない、事故の記憶だ。
もちろん、事故のことは今でもショックだ。それでも、ここ最近ようやく心の傷が癒えてきたのか、当時のことを思い出して心を痛めることも減った。それなのに、こうしてまた気持ちが沈んでしまうのは、先日行われた同窓会で、『彼女』と交わした会話が原因だった。
※
「新君ってさー、今も野球続けているの?」
小学校時代の同級生霧島七瀬にこんな話題を振られたのは、港北小卒業生で行われた、同窓会の二次会会場だった居酒屋だ。
その時点で俺は中ジョッキを一つ空けており、すでに頭がぽわーんとしていたのだが、彼女の言葉で一気に酔いが醒めてしまう。
俺が酒の味を覚えたのは、高校を卒業してから直ぐのことだった。自分が酒に強くないことには間もなく気がつく。
ビールのジョッキ一杯で顔が赤くなり、二杯目で呂律が怪しくなってくる。三杯目以降は何杯飲んだのか基本的に覚えていない。烏龍茶に切り替えるか、ペース配分を考えるかしないと、文字通り記憶ごと消えてしまうのだから。
ついでに嫌な過去の記憶まで消し去ってくれるのならば、何杯だろうと喜んで飲むんだがな。そう上手くいかないのが、人生ってもんだ。
「もうやってないよ。野球なら、高校時代に辞めたんだ」
意図的に、やや声のトーンを落として答える。これ以上、野球の話を掘り下げないでくれ、という意思表示。
だが残念ながら、俺同様、彼女も酒に滅法弱いのだろう。もちまえの、雪のように白い肌を紅潮させた霧島に、俺の意図は届かない。空気を読まずに、なおも話し続ける。
「えー、そうなんだ。なんだかもったいないね? 確か中学のとき、県大会で胴上げ投手になっていたよね?」
「そんな事まで知っていたのか」
反射的に、肩をすくめてしまう。
まあ確かにあの当時、地方新聞やらテレビのニュースで、俺の名前はそこそこ報道されていた。同級生である霧島の目に留まっていたとしても、なんら不思議ではない。
けど……。
「昔の話だよ」と口を濁しておいた。それなのに。
「そうそう、コイツ中学の時はマジ凄かったんだって! 当時既に、百三十キロ台の球を投げてたんじゃね? 中学軟式で百三十キロはスゲーらしいよ?」
などと、テンション高く会話に参加してきたのは、向かい側に座っていた男子。
コイツは中学時代俺と同じクラスだったし、高校も一緒だった。つまり、俺の事情を色々と心得ている。「余計なことは言うなよ?」とばかりに視線に圧をこめて睨むと、彼は両手を広げて了解の旨を示した。
要領よく、『俺が活躍したエピソード』だけを抜き出して披露していくソイツ。「へえ~」と興味深そうに霧島は耳を傾けていた。
自分の武勇伝であるにもかかわらず、二人の会話に参加する気が起こらない俺は、飲めもしないビールのお代わりを注文した。
多少は酔いでも回さないと、やってられない気分だった。
その時不意に、霧島が俺の方に話題を振ってくる。
「新君。もし良かったらなんだけど、港北小のクラブチームで野球教えてみる気ない?」
「はあ?」
小学生に野球を教える? 俺が? 頭の中に幾つかの疑問が浮かび、思わず間抜けな声が漏れた。
彼女いわく、仕事の関係で教えられる父兄が少なくて困っている。地区予選会が近いので、指導力の高い経験者を求めている。大会終了までの期間、平日の夕方だけでもいいので、という条件で、サポートしてくれるコーチを探している、とのことらしい。
「もし、引き受けてくれるならさ、保護者の人に私から連絡しておくから。……どうかな?」
腰まで伸ばされた艶のある長髪を指で弄びながら、上目遣いで訊ねてくる霧島。海底のように深い紫紺の瞳が、真っすぐに俺をとらえた。
もちろん彼女に悪気なんてないってことを、頭では理解している。でも──。
これには嘆息してしまう。正直、もう野球に関わり合いになる気持ちはまったくなかった。
──やだよ。やりたくないよ。
頭に浮かんだ否定の言葉を、無理矢理に喉の奥に流し込んで、俺はこう返事をした。「行けたら、行くよ」と。
否定でも肯定でもない、曖昧さを具現化したような台詞に、内心で自嘲する。
だがしかし、俺の本音も事情も知らない霧島は、「じゃあ、一応話を通しておくね」と嬉しそうに笑い、練習のある日時を俺に伝え始めたのだった。
さっきよりも紅潮した顔で、話題を変えて盛り上がっている霧島の姿を見ながら思う。
そんな顔でお願いなんてされたら、断れるはずがないだろう、と。
その整った容姿で人目を引く存在だった霧島七瀬は、小学生当時から男子生徒の間で人気があった。
教師になりたい、という夢を抱いていた彼女が、小学校教員認定試験に合格し、母校である港北小学校に就任したのが今年の春。その経歴だけでも、直視できぬほど眩しい存在なのだが、小学校卒業から八年の歳月が、彼女の美しさをより一層洗練したものに変えていた。
いや、この際、そんなことは問題ではない。
俺は小学生の頃、霧島七瀬のことが好きだった。そして今現在も、彼女のことを忘れられていない。
※
「おや、お帰りなさい新。今日はいつもより少し遅いのね」
「講義は午前中で終わったけど、その後で図書委員会の仕事があったからね。なあ、麦茶ないの? 外むっちゃ暑いんだけど、もう喉がカラカラ」
「冷蔵庫開けてみなよ。入ってるだろ?」とテレビの真ん前で横になったまま告げた母親を跨いで、台所に向かう。
冷蔵庫を開けてみると、はたしてそこに、目的の物はあった。我が家にとって夏の風物詩ともいえる麦茶だ。
小学三年生のころから野球を始めた俺だったが、練習中の水分補給といえば、スポーツドリンクよりも麦茶派だった。チームメイトが、お前って変わってるよな、とか、なんか爺臭くね? などと失礼な言葉を投げてきた過去を思い出した。
古びた茶棚からコップを取り出すと、麦茶を注いでからリビングに戻る。
相変わらず寝そべっている母親を跨ぐと、親を跨ぐなんて失礼だよ、ととがめられた。「へいへい」と横柄に謝罪の言葉を残して二階に上がり、自室の扉を開けた。
部屋に入って左手の壁に並んでいるのは、綺麗な額縁に入れられた賞状。その下にある棚の上に置かれているのは、幾つもの優勝カップやトロフィーだ。
賞状に書かれてある内容が伝えてくるのは、地区予選会優勝、全県大会優勝などの、中学時代の野球部で掴んだ栄光の数々。
床の上に、無造作に転がされているのは、マイボールとグローブ。
胡坐かいて座ると、真新しいグローブを手に取ってみる。高校入学後に購入したそれは、いまだ革が固くていまひとつ手に馴染んでいない。
今でもグローブが綺麗なままで残されている理由。それは、買って直ぐのタイミングで、事故に遭ってしまったからだ。
一方で、中学時代に買ってもらったボールは、だいぶ年季が入っている。グローブを絨毯の上に置きボールを拾うと、ベッドの上に仰向けで寝転がった。
軟式球の規格が変更される以前のものなので、現状のM号ではなくB号の規格球だ。そういったくだらない雑学だけは持っていることを自覚すると、虚しさとやるせなさとが、暗雲となって胸中にたちこめてくる。
B号規格球の表面には、どんなに磨いても落ちない茶色い汚れが付着していた。土か。それとも汗による汚れか。
かつては、これと同じボールを何球も持っていた。なんとなく捨てたり無くしたり。そうして数を減らしながらも、結局は捨てられずに残ってる最後の一球。
その茶色い染みが、頑張れなくなった今の自分を責め立ててくるようで、無性に居心地が悪くなる。
家の中には、自分が野球選手を志していた頃の名残りが幾つも残されている。
夏を迎えると、欠かすことなく冷蔵庫に入ってる麦茶。
過去の栄光を伝えてくるカップと賞状。
どんなに拭いても取れない汚れが付着したボールと綺麗なままのグローブ。
そして何よりも──いまだに忘れることのできない、事故の記憶だ。
もちろん、事故のことは今でもショックだ。それでも、ここ最近ようやく心の傷が癒えてきたのか、当時のことを思い出して心を痛めることも減った。それなのに、こうしてまた気持ちが沈んでしまうのは、先日行われた同窓会で、『彼女』と交わした会話が原因だった。
※
「新君ってさー、今も野球続けているの?」
小学校時代の同級生霧島七瀬にこんな話題を振られたのは、港北小卒業生で行われた、同窓会の二次会会場だった居酒屋だ。
その時点で俺は中ジョッキを一つ空けており、すでに頭がぽわーんとしていたのだが、彼女の言葉で一気に酔いが醒めてしまう。
俺が酒の味を覚えたのは、高校を卒業してから直ぐのことだった。自分が酒に強くないことには間もなく気がつく。
ビールのジョッキ一杯で顔が赤くなり、二杯目で呂律が怪しくなってくる。三杯目以降は何杯飲んだのか基本的に覚えていない。烏龍茶に切り替えるか、ペース配分を考えるかしないと、文字通り記憶ごと消えてしまうのだから。
ついでに嫌な過去の記憶まで消し去ってくれるのならば、何杯だろうと喜んで飲むんだがな。そう上手くいかないのが、人生ってもんだ。
「もうやってないよ。野球なら、高校時代に辞めたんだ」
意図的に、やや声のトーンを落として答える。これ以上、野球の話を掘り下げないでくれ、という意思表示。
だが残念ながら、俺同様、彼女も酒に滅法弱いのだろう。もちまえの、雪のように白い肌を紅潮させた霧島に、俺の意図は届かない。空気を読まずに、なおも話し続ける。
「えー、そうなんだ。なんだかもったいないね? 確か中学のとき、県大会で胴上げ投手になっていたよね?」
「そんな事まで知っていたのか」
反射的に、肩をすくめてしまう。
まあ確かにあの当時、地方新聞やらテレビのニュースで、俺の名前はそこそこ報道されていた。同級生である霧島の目に留まっていたとしても、なんら不思議ではない。
けど……。
「昔の話だよ」と口を濁しておいた。それなのに。
「そうそう、コイツ中学の時はマジ凄かったんだって! 当時既に、百三十キロ台の球を投げてたんじゃね? 中学軟式で百三十キロはスゲーらしいよ?」
などと、テンション高く会話に参加してきたのは、向かい側に座っていた男子。
コイツは中学時代俺と同じクラスだったし、高校も一緒だった。つまり、俺の事情を色々と心得ている。「余計なことは言うなよ?」とばかりに視線に圧をこめて睨むと、彼は両手を広げて了解の旨を示した。
要領よく、『俺が活躍したエピソード』だけを抜き出して披露していくソイツ。「へえ~」と興味深そうに霧島は耳を傾けていた。
自分の武勇伝であるにもかかわらず、二人の会話に参加する気が起こらない俺は、飲めもしないビールのお代わりを注文した。
多少は酔いでも回さないと、やってられない気分だった。
その時不意に、霧島が俺の方に話題を振ってくる。
「新君。もし良かったらなんだけど、港北小のクラブチームで野球教えてみる気ない?」
「はあ?」
小学生に野球を教える? 俺が? 頭の中に幾つかの疑問が浮かび、思わず間抜けな声が漏れた。
彼女いわく、仕事の関係で教えられる父兄が少なくて困っている。地区予選会が近いので、指導力の高い経験者を求めている。大会終了までの期間、平日の夕方だけでもいいので、という条件で、サポートしてくれるコーチを探している、とのことらしい。
「もし、引き受けてくれるならさ、保護者の人に私から連絡しておくから。……どうかな?」
腰まで伸ばされた艶のある長髪を指で弄びながら、上目遣いで訊ねてくる霧島。海底のように深い紫紺の瞳が、真っすぐに俺をとらえた。
もちろん彼女に悪気なんてないってことを、頭では理解している。でも──。
これには嘆息してしまう。正直、もう野球に関わり合いになる気持ちはまったくなかった。
──やだよ。やりたくないよ。
頭に浮かんだ否定の言葉を、無理矢理に喉の奥に流し込んで、俺はこう返事をした。「行けたら、行くよ」と。
否定でも肯定でもない、曖昧さを具現化したような台詞に、内心で自嘲する。
だがしかし、俺の本音も事情も知らない霧島は、「じゃあ、一応話を通しておくね」と嬉しそうに笑い、練習のある日時を俺に伝え始めたのだった。
さっきよりも紅潮した顔で、話題を変えて盛り上がっている霧島の姿を見ながら思う。
そんな顔でお願いなんてされたら、断れるはずがないだろう、と。
その整った容姿で人目を引く存在だった霧島七瀬は、小学生当時から男子生徒の間で人気があった。
教師になりたい、という夢を抱いていた彼女が、小学校教員認定試験に合格し、母校である港北小学校に就任したのが今年の春。その経歴だけでも、直視できぬほど眩しい存在なのだが、小学校卒業から八年の歳月が、彼女の美しさをより一層洗練したものに変えていた。
いや、この際、そんなことは問題ではない。
俺は小学生の頃、霧島七瀬のことが好きだった。そして今現在も、彼女のことを忘れられていない。
※
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
ノアの箱庭~Noah's Ark Garden~
木立 花音
青春
【その日、世界の命運は一人の少女の命に委ねられた】
哘乃蒼(さそうのあ)が死んだ。
自分をかばって彼女だけが死んでしまったことを、主人公である長濱立夏(ながはまりっか)はずっと後悔していた。
そんな立夏の前に、死んだはずの乃蒼が再び現れる。
死んだはずの乃蒼がなぜここにいるのかはわからず、また彼女も、なぜ自分がここにいるのかわからないのだという。乃蒼が死んだあの日から、彼女の記憶は飛んでいるらしい。
何か未練を残していることによって、乃蒼がここにやってきたのだとしたら、それを解消するべきなんじゃないのか。そう考えた立夏は、二人でかつて書いていた、未完成のままになっている小説を二人で完成させよう、と提案する。
小説の完成が間近に迫ったある夏の日。二人の元に木田(きだ)と名乗る女性がやってくる。
「哘乃蒼は生きている」と木田に告げられ、向かった先の病院で、二人は衝撃的な光景を目にする。
見えてきた世界の秘密。乃蒼の正体。
世界の命運か。それとも彼女の命か。
二人は、厳しい選択を迫られることになるのだった。
タイムリミットは、彼女の命日である十一月三日。
黄昏は悲しき堕天使達のシュプール
Mr.M
青春
『ほろ苦い青春と淡い初恋の思い出は・・
黄昏色に染まる校庭で沈みゆく太陽と共に
儚くも露と消えていく』
ある朝、
目を覚ますとそこは二十年前の世界だった。
小学校六年生に戻った俺を取り巻く
懐かしい顔ぶれ。
優しい先生。
いじめっ子のグループ。
クラスで一番美しい少女。
そして。
密かに想い続けていた初恋の少女。
この世界は嘘と欺瞞に満ちている。
愛を語るには幼過ぎる少女達と
愛を語るには汚れ過ぎた大人。
少女は天使の様な微笑みで嘘を吐き、
大人は平然と他人を騙す。
ある時、
俺は隣のクラスの一人の少女の名前を思い出した。
そしてそれは大きな謎と後悔を俺に残した。
夕日に少女の涙が落ちる時、
俺は彼女達の笑顔と
失われた真実を
取り戻すことができるのだろうか。
気まぐれの遼 二年A組
hakusuya
青春
他人とかかわることに煩わしさを感じる遼は、ボッチの学園生活を選んだ。趣味は読書と人間観察。しかし学園屈指の美貌をもつ遼を周囲は放っておかない。中には双子の妹に取り入るきっかけにしようとする輩もいて、遼はシスコンムーブを発動させる。これは気まぐれを起こしたときだけ他人とかかわるボッチ美少年の日常を描いた物語。完結するかは未定。
お茶会でお茶しましょ!
田上総介
青春
高校一年生の北条麦(ほうじょうむぎ)は幼い頃から思入れのある喫茶店『喫茶ニシキノ』でのアルバイトを頼み込む。
何とか許可してもらうも得た役割は恰も客のように振る舞い、繁盛しているかのように見せる「お客様役」だった。
納得のいかない麦は喫茶店への熱い思いを伝えると、店長らはクラッカーを取り出し「合格」を告げる。
ここまでが採用審査の流れだったのだ。
しかし、帰り道同じ高校の生徒にアルバイトをしていることがバレてしまう。
そして、アルバイト禁止の高校で数日後に停学処分を下されるが、その理由はストーカー行為で…
(二話までのあらすじ)
昔飲んだ珈琲が忘れられない 麦
祖母の残した店を引き継ぐ高校生店長 モモ
実はアルバイト歴たったの三日! ポンコツ先輩 緑
シャイなお手伝いJC 穂乃果
自身を最かわと称するボクっ娘 紅花
店長の座と崩壊を狙う 檸檬
喫茶店に異常な執着を持つ みるく
天然キャラになりたいチェーン店店長 茶茶
「ツンデレだからモテてしまう」と考えるツンデレラ 龍子
弱みを握られたイマドキギャル 日向
妹(みくる)に嫌われたい変態冷酷美人 いちご
そんな高校生達が起こすほのぼの喫茶店日常です。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……
金色の庭を越えて。
碧野葉菜
青春
大物政治家の娘、才色兼備な岸本あゆら。その輝かしい青春時代は、有名外科医の息子、帝清志郎のショッキングな場面に遭遇したことで砕け散る。
人生の岐路に立たされたあゆらに味方をしたのは、極道の息子、野間口志鬼だった。
親友の無念を晴らすため捜査に乗り出す二人だが、清志郎の背景には恐るべき闇の壁があった——。
軽薄そうに見え一途で逞しい志鬼と、気が強いが品性溢れる優しいあゆら。二人は身分の差を越え強く惹かれ合うが…
親が与える子への影響、思春期の歪み。
汚れた大人に挑む、少年少女の青春サスペンスラブストーリー。
バレンタインにやらかしてしまった僕は今、目の前が真っ白です…。
続
青春
昔から女の子が苦手な〈僕〉は、あろうことかクラスで一番圧があって目立つ女子〈須藤さん〉がバレンタインのために手作りしたクッキーを粉々にしてしまった。
謝っても許してもらえない。そう思ったのだが、須藤さんは「それなら、あんたがチョコを作り直して」と言ってきて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる