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2話まで読ませていただきました。引き込まれる冒頭で続きが気になります。シーンが鮮明に思い浮かぶ言葉選びも好きです。
物語の全体像が見えるようなプロローグと、すぐ本題にはいっていく一話目を目指して執筆しました。
感想をいただきまして、ありがとうございます!
※ネタバレ要素が多い返信です。未読の方はご注意願います。
・世界はどうして存続できたのか
たぶん、これがもっとも解釈のわかれるところかなと。
立夏だけが乃蒼のことを忘れなかった理由については、「体験したことに応じて小説の原稿を修正したから」、であると考えています。
創作の内容が現実に寄せられることによって(繰り返し原稿に向き合っていく中で)、記憶が強固になったのだろうと。あるいは、世界の定着にも一役買っているのかもしれませんが。
ですが世界の存続を決定的にしたのは、「世界の記録」を乃蒼が残したからだと考えています。
目覚めてすぐに乃蒼が執筆を始めたことによって、夢という名の空想が終わって終焉するはずだった世界は、再度構築されることになったのです。
小説の中の世界として乃蒼が想像し、記録を残すことによって、ですね。
ちなみに、ふたつの世界で時間軸にズレが生じているのは、世界が構築されるまでに相応のタイムラグがあったせいでした。
本作のテーマとなっていたのは、中心となっている二人の「心の成長」と、「家族との向き合い方の変化」でしょうか。
成長に観点を絞ってみると特に顕著なのは立夏の方で、「失恋」をし「後悔」をし「無気力」になっていた彼が、「告白」をして「罪を精算」して「夢を見る(将来を見据える)」ことができているのですからね。
彼を変化させたのは、まちがいなく乃蒼です。
一時的にでも彼と両想いになって、告白できなかった彼の未練を解消し、共同作業で新人賞に応募することによって、生きるための目標を与えたのですからね。
二人の人生はこの先もう二度と交わりません。
同時に、二人はお互いのことを決して忘れません。それは決して心の傷としてではなく、いい思い出となってお互いの心に残り続けるんじゃないかなと思っています。
改めまして、読了していただきまして、ありがとうございました。
まずは、感想ありがとうございました。
この物語にまっすぐ向き合ってくださったとわかる考察で、本当に感謝が絶えません。
物語の本質部分は作中であまり明白にしておらず、読者の判断にすべて委ねるとの方針をとっていたのですが、ここでは自分なりの「考え」をまじえながら返信をさせていただきます。
※ここから、だいぶネタバレ要素が多くなります。未読の方はご注意願います。
・終盤で乃蒼が姿を消した理由について
「自分のことを忘れてほしい(立夏に独り立ちしてほしいから)」
「彼のそばにいると辛いから(忘れなくてはならないから)」
表向きとしてはこうです。
ですが、本音と建て前の狭間で心理が揺れた結果、相反する行動を一部で取っています。
(考察していただいている、イド、エゴといった心理学の通りかなと)
本心としては「忘れたくない」し「忘れてほしくない」ので、一夜で関係を深めようとしていますし、「立夏のことをよろしくね」と朝香に懇願しながらも納得できていません。
立夏が福岡まで来てくれることを、本心では期待していたのだと思います。
こうして考えると、「よくやった、立夏」となります。
(続きます)