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学院編 14
459 悪役令嬢は首を鳴らす
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「うーっ、ここのベッド、硬いわー」
翌朝、ベッドから起きたジュリアは、バキバキと首から音をさせながら伸びをした。
「うちのベッドに比べたら、仕方がないわよ」
既に完璧に身支度を整えたマリナは、椅子に座って紅茶を飲んでいた。
「なっかなか寝付けなくてさ。おかげで寝坊しちゃった」
「あら、誰よりも先に寝ていたじゃない?いびきが聞こえた気がしたのは気のせいだったかしらね」
「それを言うなって。……アリッサは?」
「領主館の中を歩いているわ。お庭が見たいのですって。迷子になっても誰かが連れてきてくれるでしょうけど」
「初めての場所で一人歩きは危険じゃん」
「いつかは一人で歩けるようにならないと、ってアリッサも思っているみたいよ。私達も四人ずっと一緒に暮らすわけではないし。ジュリアが心配する気持ちも分かるけれど、今は見守りましょう?」
「むぅー。あ、そうそう。アリッサの魔法、どうにかならないの?いつまでも無口じゃ、ちょっとね」
テーブルの上のスケッチブックを開き、昨晩のアリッサの発言を辿る。長い話ができないのは不便だ。
「エミリーが解かないことには……」
「かけた本人じゃなくてもいいよね?」
「少なくとも、エミリーより上級者でなければならないわね。魔力でエミリーを上回るのは、国内には一人しかいないけれど」
「あー。そうだったね。マシューは牢屋に入ってるんだもんね。簡単には頼めないか」
寝癖の立った髪を厭わず頭をがしがしと掻き、胡坐をかいた姿勢のまま、ジュリアはぐったりと脱力した。
◆◆◆
王宮の奥では、グランディア王国王太子セドリックが、再従兄に苛立ちをぶつけていた。
「どうして!パーティーに呼べないんだ?」
バサバサ……。
机の上の書類の束を手で払う。新年を祝う王宮の舞踏会の招待者リストにはマリナの名前がなかった。国王の指示により、ハーリオン侯爵夫妻の名前もない。
「陛下のお考えがあってのことだ。何度言ったら分かる?」
レイモンドは不機嫌さを隠さず、セドリックが散らかした書類を拾って机に置いた。
「納得できないなら、自分で陛下にかけ合うんだな。お許しになるとは思えないが」
「よくそんな……平然としていられるよね。アリッサも参加できないのに、レイはどうするのさ?」
「別にどうということもない。同伴者の出席は必ずしも求められていないのだから、ダンスを踊らなければいいだけのことだ」
「ずるい……僕はダンスが必須なのに」
「ブリジット様か、あるいは……」
レイモンドの緑色の瞳が鋭く輝き、意味ありげに細められた。
「心当たりがあるの?」
「こちらから舞台を用意してやればいい。アイリーン・シェリンズに」
「冗談じゃないよ!」
「権力を握りたがっているなら、間違いなくお前の妃の座を狙って画策してくるはずだ。妃候補として扱ってやれば、自分の思い通りにことが進んだと勘違いするだろう」
「勘違い?」
「ああ。国内の有力貴族が集まる場で、大恥をかかせてやればいいさ。二度と王太子妃になりたいなどと言い出さないように。貴族は噂好きだからな。特にご婦人方の目は厳しい。アイリーンは令嬢として身につけるべき教養も十分ではない。ハーリオン侯爵令嬢マリナの足元にも及ばないと、すぐに噂が広まるだろうな」
「……つまり、周りから固めるってことか?」
「俺たちが仕掛けた罠にはまって、アイリーンは使い物にならなくなる。個人の企みなら諦めざるを得ないだろうし、組織の一人としてあの女が動いているなら……」
「蜥蜴の尻尾か……」
「そういうことだ」
「僕がアイリーンを指名することになるね。傍から見れば、僕が彼女を気に入っているように思えるだろう。……うわあ、嫌だな」
口の端を下げたセドリックを見て、レイモンドはくすくすと笑っている。いつもの意地悪なのだろうが、不愉快で仕方がなかった。
「男爵令嬢をパートナーに指名する理由が必要だな。何か……と言っても、これといった功績があるわけではない。さて……」
腕組みをし、右手の指先で自分の顎を撫で、レイモンドは窓の外を眺めた。
「……ん?」
「どうかした?」
「いや、見てみろ。あれを」
セドリックが窓から見下ろすと、木箱を積んだ台車を魔導士達が引いていた。金の縁取りのあるローブを着ており、宮廷魔導士だと分かる。
「王宮の魔導士が、物運び……?」
「何かあるのか?随分と大量の物資を運び入れているようだ。新年のパーティーで魔導士が何かをするとは聞いていない。それに、魔導士達自身が運ぶ物とは何だ?」
「知らないよ。……まさか、どこかに戦いを仕掛けようとして?」
「あそこからは地下牢の入口が近いが、コーノック先生に何かあったのだろうか」
「行ってみようよ、レイ」
「危険だからお前はここにいろ。行っても近づかせてもらえないだろう?俺が様子を見てくる」
深緑色の上着の裾を翻し、レイモンドは王太子の私室を出て行った。
◆◆◆
廊下と階段を怪しまれない速さで通り、レイモンドは件の魔導士達の近くへ寄った。出入りの商人が王宮に物を入れる際に使う共用の台車三台に、木箱を一つずつ積んで押したり引いたりしている。わざと彼らの行く手を遮るように前に飛び出した。
「おっと!危ないよ」
「すまない。……宮廷魔導士の方か?随分と重そうだな」
台車を引いていた若手の魔導士に声をかける。どことなく見たことがある気がするのは、王立学院に同時期に在学していたからだろうか。とすれば、歳の差は殆どないだろう。
「ああ。普段は魔法で運んでいるから、肉体労働はどうも苦手だ」
若い魔導士は情けなく笑った。
「魔法では運べないのか?」
「魔法石だからな。魔法を使って運ぼうとすれば、魔力を吸収して終わりだ。浮かび上がりもしないさ」
「大変だな。重労働は騎士にでも頼めばいいのに」
「騎士団はフロードリンやコレルダードに行っていて人数が少ないんだ。余計な仕事を頼むのは気が引けてね」
「それにしても、年明けの休みのうちから、こんなに働かなくてもよさそうなものじゃないか」
「団長のご命令だから。地下牢の囚人が……」
「おい!」
後ろから先輩格の魔導士が怒鳴った。
「無駄話をするな。さっさと運べ!」
レイモンドと視線を合わせないようにして、魔導士達は台車を押し始めた。
◆◆◆
「魔導師団長か……」
「地下牢の囚人がどうのと言い始めたら口止めされた。魔法石と地下牢にどういう関係があるのか……」
「地下牢に魔法石を持ち込んで、何をするつもりなのかな」
「魔法石は魔力を吸収するから、魔法で浮かせて運ぶことができないらしい。つまり、コーノック先生が魔法を使っても、魔法石が吸収すれば発動しない。あれだけの魔法石が常に必要だということは、先生は魔法を使っているのだろう」
「脱獄は罪を重ねるだけなのに」
「罰を受けても、牢から抜け出したい理由があるのか。……ああ、そう言えば」
「なんだい?」
「アリッサとジュリアが訪ねてきた時、マリナとエミリーがビルクールに行くと言っていたな。エミリーに何かあったと気づいたか……」
「マリナが?ビルクールに?」
エミリーの話をしていたはずが、セドリックはマリナのことを聞きだそうとくいついてきた。レイモンドはやれやれと苦笑いをし、
「それ以上は俺もしらないぞ」
と青い瞳を輝かせる王太子を軽くいなした。
翌朝、ベッドから起きたジュリアは、バキバキと首から音をさせながら伸びをした。
「うちのベッドに比べたら、仕方がないわよ」
既に完璧に身支度を整えたマリナは、椅子に座って紅茶を飲んでいた。
「なっかなか寝付けなくてさ。おかげで寝坊しちゃった」
「あら、誰よりも先に寝ていたじゃない?いびきが聞こえた気がしたのは気のせいだったかしらね」
「それを言うなって。……アリッサは?」
「領主館の中を歩いているわ。お庭が見たいのですって。迷子になっても誰かが連れてきてくれるでしょうけど」
「初めての場所で一人歩きは危険じゃん」
「いつかは一人で歩けるようにならないと、ってアリッサも思っているみたいよ。私達も四人ずっと一緒に暮らすわけではないし。ジュリアが心配する気持ちも分かるけれど、今は見守りましょう?」
「むぅー。あ、そうそう。アリッサの魔法、どうにかならないの?いつまでも無口じゃ、ちょっとね」
テーブルの上のスケッチブックを開き、昨晩のアリッサの発言を辿る。長い話ができないのは不便だ。
「エミリーが解かないことには……」
「かけた本人じゃなくてもいいよね?」
「少なくとも、エミリーより上級者でなければならないわね。魔力でエミリーを上回るのは、国内には一人しかいないけれど」
「あー。そうだったね。マシューは牢屋に入ってるんだもんね。簡単には頼めないか」
寝癖の立った髪を厭わず頭をがしがしと掻き、胡坐をかいた姿勢のまま、ジュリアはぐったりと脱力した。
◆◆◆
王宮の奥では、グランディア王国王太子セドリックが、再従兄に苛立ちをぶつけていた。
「どうして!パーティーに呼べないんだ?」
バサバサ……。
机の上の書類の束を手で払う。新年を祝う王宮の舞踏会の招待者リストにはマリナの名前がなかった。国王の指示により、ハーリオン侯爵夫妻の名前もない。
「陛下のお考えがあってのことだ。何度言ったら分かる?」
レイモンドは不機嫌さを隠さず、セドリックが散らかした書類を拾って机に置いた。
「納得できないなら、自分で陛下にかけ合うんだな。お許しになるとは思えないが」
「よくそんな……平然としていられるよね。アリッサも参加できないのに、レイはどうするのさ?」
「別にどうということもない。同伴者の出席は必ずしも求められていないのだから、ダンスを踊らなければいいだけのことだ」
「ずるい……僕はダンスが必須なのに」
「ブリジット様か、あるいは……」
レイモンドの緑色の瞳が鋭く輝き、意味ありげに細められた。
「心当たりがあるの?」
「こちらから舞台を用意してやればいい。アイリーン・シェリンズに」
「冗談じゃないよ!」
「権力を握りたがっているなら、間違いなくお前の妃の座を狙って画策してくるはずだ。妃候補として扱ってやれば、自分の思い通りにことが進んだと勘違いするだろう」
「勘違い?」
「ああ。国内の有力貴族が集まる場で、大恥をかかせてやればいいさ。二度と王太子妃になりたいなどと言い出さないように。貴族は噂好きだからな。特にご婦人方の目は厳しい。アイリーンは令嬢として身につけるべき教養も十分ではない。ハーリオン侯爵令嬢マリナの足元にも及ばないと、すぐに噂が広まるだろうな」
「……つまり、周りから固めるってことか?」
「俺たちが仕掛けた罠にはまって、アイリーンは使い物にならなくなる。個人の企みなら諦めざるを得ないだろうし、組織の一人としてあの女が動いているなら……」
「蜥蜴の尻尾か……」
「そういうことだ」
「僕がアイリーンを指名することになるね。傍から見れば、僕が彼女を気に入っているように思えるだろう。……うわあ、嫌だな」
口の端を下げたセドリックを見て、レイモンドはくすくすと笑っている。いつもの意地悪なのだろうが、不愉快で仕方がなかった。
「男爵令嬢をパートナーに指名する理由が必要だな。何か……と言っても、これといった功績があるわけではない。さて……」
腕組みをし、右手の指先で自分の顎を撫で、レイモンドは窓の外を眺めた。
「……ん?」
「どうかした?」
「いや、見てみろ。あれを」
セドリックが窓から見下ろすと、木箱を積んだ台車を魔導士達が引いていた。金の縁取りのあるローブを着ており、宮廷魔導士だと分かる。
「王宮の魔導士が、物運び……?」
「何かあるのか?随分と大量の物資を運び入れているようだ。新年のパーティーで魔導士が何かをするとは聞いていない。それに、魔導士達自身が運ぶ物とは何だ?」
「知らないよ。……まさか、どこかに戦いを仕掛けようとして?」
「あそこからは地下牢の入口が近いが、コーノック先生に何かあったのだろうか」
「行ってみようよ、レイ」
「危険だからお前はここにいろ。行っても近づかせてもらえないだろう?俺が様子を見てくる」
深緑色の上着の裾を翻し、レイモンドは王太子の私室を出て行った。
◆◆◆
廊下と階段を怪しまれない速さで通り、レイモンドは件の魔導士達の近くへ寄った。出入りの商人が王宮に物を入れる際に使う共用の台車三台に、木箱を一つずつ積んで押したり引いたりしている。わざと彼らの行く手を遮るように前に飛び出した。
「おっと!危ないよ」
「すまない。……宮廷魔導士の方か?随分と重そうだな」
台車を引いていた若手の魔導士に声をかける。どことなく見たことがある気がするのは、王立学院に同時期に在学していたからだろうか。とすれば、歳の差は殆どないだろう。
「ああ。普段は魔法で運んでいるから、肉体労働はどうも苦手だ」
若い魔導士は情けなく笑った。
「魔法では運べないのか?」
「魔法石だからな。魔法を使って運ぼうとすれば、魔力を吸収して終わりだ。浮かび上がりもしないさ」
「大変だな。重労働は騎士にでも頼めばいいのに」
「騎士団はフロードリンやコレルダードに行っていて人数が少ないんだ。余計な仕事を頼むのは気が引けてね」
「それにしても、年明けの休みのうちから、こんなに働かなくてもよさそうなものじゃないか」
「団長のご命令だから。地下牢の囚人が……」
「おい!」
後ろから先輩格の魔導士が怒鳴った。
「無駄話をするな。さっさと運べ!」
レイモンドと視線を合わせないようにして、魔導士達は台車を押し始めた。
◆◆◆
「魔導師団長か……」
「地下牢の囚人がどうのと言い始めたら口止めされた。魔法石と地下牢にどういう関係があるのか……」
「地下牢に魔法石を持ち込んで、何をするつもりなのかな」
「魔法石は魔力を吸収するから、魔法で浮かせて運ぶことができないらしい。つまり、コーノック先生が魔法を使っても、魔法石が吸収すれば発動しない。あれだけの魔法石が常に必要だということは、先生は魔法を使っているのだろう」
「脱獄は罪を重ねるだけなのに」
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「なんだい?」
「アリッサとジュリアが訪ねてきた時、マリナとエミリーがビルクールに行くと言っていたな。エミリーに何かあったと気づいたか……」
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