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学院編 13 悪役令嬢は領地を巡る
417 悪役令嬢は領地をかき回す コレルダード編2
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「酷い目にあった……」
腫れあがった頬に水で濡らした冷たい布を当てながら、レイモンドは反省を繰り返していた。あの瞬間の判断はまずかった、ああ動けばきっと殴られずに済んだだろうと、実戦向きではない自分を悔やんだ。
「いいじゃん。うまくいったんだからさ」
ジュリアはレイモンドの隣の椅子に座った。
二人が座っているのはバーのカウンターである。
「ね?アントニアさん?」
「はい。……助かりました。この三か月、生きた心地がしませんでした」
アントニアと呼ばれた女性は、この店の店主だという。宿屋で女将に聞いた情報では、恋人を人質に取られて愛人にされていた。ジュリアははっきりと訊ねずにいたが、ボウベルが我が物顔でこの店を拠点にしていたところからして、噂の通りなのだろう。
「さあて。ここからどうする?」
「先の考えなしに実行に移した、か。あの状況では致し方あるまい」
痛みに顔を顰め、レイモンドが溜息をついた。
◆◆◆
作戦会議の後。
想定通り、ジュリアが騒いだところへボウベルがドアを開けて入って来た。レイモンドは彼の足にロープを絡めて引っ張ったが、一つだけ想定外の事態が起こった。
ボウベルの体重が重く、レイモンドが引っ張っても階段を落ちるどころか、あまり効果がなかったのである。
「あ?何しやがる!」
階段から飛び降りたボウベルは、重そうな体躯からは想像もつかない機敏さでレイモンドの襟首を掴み、倒れた彼の上に馬乗りになった。
「もっと痛い目にあいたいらしいな?望み通り、くれてやるぜ!」
鬱憤晴らしだったのか、レイモンドは拳で殴られた。咄嗟に躱しきれず、顔に衝撃を感じた。
「ぐっ……」
次の瞬間、呻いたのはレイモンドではなかった。
大きな音と共に、目の前の巨漢が倒れてきたのだ。後ろには割れた鍋の蓋を持っているジュリアがいた。
「あれ?やりすぎた?……ま、いっか。さっさと縛ろう!」
ボウベルをうつ伏せにして転がし、二人は手際よく手足を縛った。
ギイ。
地下室のドアが開き、女性が顔を覗かせた。大きな音がしたので何事かと思ったのだ。瞬時に状況を理解して彼女は叫んだ。
「ベルトに鍵の束がついています。それを取って早くこちらへ!」
言われるままに鍵を取り、地下室から出て施錠した。ボウベルが意識を取り戻してロープを解いたとしても、これで閉じ込めておける。
「あなたは先ほどの……」
レイモンドは女性――彼女がアントニアだった――を訝しんだ。
「ボウベルとはどういう関係だ?」
「疑うのも無理はないわ。……でも、信じてほしいの」
水で濡らした布を渡し、アントニアは潤んだ瞳で二人を交互に見た。
◆◆◆
ジュリアがアントニアから、ここ数年のコレルダードの状況を聞きだしている間、レイモンドは黙って眉間に皺を寄せて考え込んでいた。
「アントニア、君はどれだけ知っているんだ?俺は、ボウベルはこの町の支配者ではないと見ている。違うか?」
「ええ。ボウベルは傍若無人な振る舞いをしてきたけれど、支配者ではないわ。労働者を募集してフロードリンへ連れて行くのが仕事だから、彼の言うことを聞かないと連れて行った家族を酷い目にあわせると言えば町の人は従ってしまう」
「では、誰がボウベルに指示を出している?どこかから手紙が来たことは?」
「手紙は来ないわ。ただ、時々どこかへ行って半日程度戻らないことがあった。戻ってくると必ず不機嫌になって」
「不機嫌?どういうこと?」
「『あの野郎、いつかぶん殴ってやる』って息巻いていたわ。きっと、もっと人手を集めろとでも言われたんでしょう。フロードリンに行った人達が誰一人帰って来ないのを知って、町の人達も怪しいと思い始めているから」
ドレスを売っていた洋品店の老婆を思い出し、ジュリアは一人頷いていた。彼女の孫と、追いかけて行った息子夫婦が戻っていない。連絡もつかないというのだ。
「叱責されて腹が立ったのか。成程な。……つまり、ボウベルが約束通り労働者を集めて連れて行かなければ、その支配者は彼を呼び出そうとするんだな」
「呼び出し待ちするの?」
「悠長に構えている暇はない。……こちらから仕掛けて、速やかに御登場願うとしようか」
脚を組み替え、腕を組んで指先で何度かこめかみを叩く。眼鏡をかけていないレイモンドの緑の瞳が妖しく輝いた。
◆◆◆
宿屋が並ぶ一帯に戻り、通りの真ん中でレイモンドはジュリアを木箱の上に立たせた。
「皆さん!聞いてください。私達は今こそ立ち上がる時です!」
路上に転がっていた酔っ払いも、客引きをしている酒場の店員も、ジュリアの凛とした声に注目した。生徒会役員選挙で培ったスキルは無駄ではなかった。
「何だ?」
「姉ちゃん、どうした?酔ってんのかぁ?」
「酔ってないよ。……聞いて!私、さっきボウベルをやっつけたの!」
勝利宣言が高らかに街角に響き、人々はざわめき始めた。
「あんたが勝てる相手じゃないよ」
「冗談だろ?」
「ううん。冗談なんかじゃないよ。ボウベルはいない。私はフロードリンに行って、町の人を取り返してくるつもり。一人じゃできないから……お願い。皆さん、手を貸して!」
懸命に訴えるジュリアの横で、レイモンドは人々の動きに目を光らせた。こちらを見ていた男が一人、通りの奥へと消えるのを確認し、しめしめと口の端を上げた。
腫れあがった頬に水で濡らした冷たい布を当てながら、レイモンドは反省を繰り返していた。あの瞬間の判断はまずかった、ああ動けばきっと殴られずに済んだだろうと、実戦向きではない自分を悔やんだ。
「いいじゃん。うまくいったんだからさ」
ジュリアはレイモンドの隣の椅子に座った。
二人が座っているのはバーのカウンターである。
「ね?アントニアさん?」
「はい。……助かりました。この三か月、生きた心地がしませんでした」
アントニアと呼ばれた女性は、この店の店主だという。宿屋で女将に聞いた情報では、恋人を人質に取られて愛人にされていた。ジュリアははっきりと訊ねずにいたが、ボウベルが我が物顔でこの店を拠点にしていたところからして、噂の通りなのだろう。
「さあて。ここからどうする?」
「先の考えなしに実行に移した、か。あの状況では致し方あるまい」
痛みに顔を顰め、レイモンドが溜息をついた。
◆◆◆
作戦会議の後。
想定通り、ジュリアが騒いだところへボウベルがドアを開けて入って来た。レイモンドは彼の足にロープを絡めて引っ張ったが、一つだけ想定外の事態が起こった。
ボウベルの体重が重く、レイモンドが引っ張っても階段を落ちるどころか、あまり効果がなかったのである。
「あ?何しやがる!」
階段から飛び降りたボウベルは、重そうな体躯からは想像もつかない機敏さでレイモンドの襟首を掴み、倒れた彼の上に馬乗りになった。
「もっと痛い目にあいたいらしいな?望み通り、くれてやるぜ!」
鬱憤晴らしだったのか、レイモンドは拳で殴られた。咄嗟に躱しきれず、顔に衝撃を感じた。
「ぐっ……」
次の瞬間、呻いたのはレイモンドではなかった。
大きな音と共に、目の前の巨漢が倒れてきたのだ。後ろには割れた鍋の蓋を持っているジュリアがいた。
「あれ?やりすぎた?……ま、いっか。さっさと縛ろう!」
ボウベルをうつ伏せにして転がし、二人は手際よく手足を縛った。
ギイ。
地下室のドアが開き、女性が顔を覗かせた。大きな音がしたので何事かと思ったのだ。瞬時に状況を理解して彼女は叫んだ。
「ベルトに鍵の束がついています。それを取って早くこちらへ!」
言われるままに鍵を取り、地下室から出て施錠した。ボウベルが意識を取り戻してロープを解いたとしても、これで閉じ込めておける。
「あなたは先ほどの……」
レイモンドは女性――彼女がアントニアだった――を訝しんだ。
「ボウベルとはどういう関係だ?」
「疑うのも無理はないわ。……でも、信じてほしいの」
水で濡らした布を渡し、アントニアは潤んだ瞳で二人を交互に見た。
◆◆◆
ジュリアがアントニアから、ここ数年のコレルダードの状況を聞きだしている間、レイモンドは黙って眉間に皺を寄せて考え込んでいた。
「アントニア、君はどれだけ知っているんだ?俺は、ボウベルはこの町の支配者ではないと見ている。違うか?」
「ええ。ボウベルは傍若無人な振る舞いをしてきたけれど、支配者ではないわ。労働者を募集してフロードリンへ連れて行くのが仕事だから、彼の言うことを聞かないと連れて行った家族を酷い目にあわせると言えば町の人は従ってしまう」
「では、誰がボウベルに指示を出している?どこかから手紙が来たことは?」
「手紙は来ないわ。ただ、時々どこかへ行って半日程度戻らないことがあった。戻ってくると必ず不機嫌になって」
「不機嫌?どういうこと?」
「『あの野郎、いつかぶん殴ってやる』って息巻いていたわ。きっと、もっと人手を集めろとでも言われたんでしょう。フロードリンに行った人達が誰一人帰って来ないのを知って、町の人達も怪しいと思い始めているから」
ドレスを売っていた洋品店の老婆を思い出し、ジュリアは一人頷いていた。彼女の孫と、追いかけて行った息子夫婦が戻っていない。連絡もつかないというのだ。
「叱責されて腹が立ったのか。成程な。……つまり、ボウベルが約束通り労働者を集めて連れて行かなければ、その支配者は彼を呼び出そうとするんだな」
「呼び出し待ちするの?」
「悠長に構えている暇はない。……こちらから仕掛けて、速やかに御登場願うとしようか」
脚を組み替え、腕を組んで指先で何度かこめかみを叩く。眼鏡をかけていないレイモンドの緑の瞳が妖しく輝いた。
◆◆◆
宿屋が並ぶ一帯に戻り、通りの真ん中でレイモンドはジュリアを木箱の上に立たせた。
「皆さん!聞いてください。私達は今こそ立ち上がる時です!」
路上に転がっていた酔っ払いも、客引きをしている酒場の店員も、ジュリアの凛とした声に注目した。生徒会役員選挙で培ったスキルは無駄ではなかった。
「何だ?」
「姉ちゃん、どうした?酔ってんのかぁ?」
「酔ってないよ。……聞いて!私、さっきボウベルをやっつけたの!」
勝利宣言が高らかに街角に響き、人々はざわめき始めた。
「あんたが勝てる相手じゃないよ」
「冗談だろ?」
「ううん。冗談なんかじゃないよ。ボウベルはいない。私はフロードリンに行って、町の人を取り返してくるつもり。一人じゃできないから……お願い。皆さん、手を貸して!」
懸命に訴えるジュリアの横で、レイモンドは人々の動きに目を光らせた。こちらを見ていた男が一人、通りの奥へと消えるのを確認し、しめしめと口の端を上げた。
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