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学院編 12 悪役令嬢は時空を超える 

350 悪役令嬢と用心棒

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「レイモンド坊ちゃん、まだですかねえ……」
エイブラハムは首の後ろをぽりぽりと掻いて、校舎の門柱に凭れている。やけに堂々とした彼を横目で見て、アリッサは一人、そわそわしっぱなしだった。
――よく知らない男の人と、二人きりなんて……。
アリッサには、父ハーリオン侯爵やレイモンド以外の男性と、長時間一緒にいた経験がない。緊張して落ち着かないのだ。
「アリッサ様は、坊ちゃ……レイモンド様と仲がよろしいんですねえ」
「え、あ、はい……」
「寮でも、坊ちゃ……あー、坊ちゃんでいいや。アリッサ様のことを話す坊ちゃんは、とっても幸せそうな顔をなさるんですよー」
「そ、うです、か……」
――どうしよう、照れる。顔、絶対真っ赤になっちゃってるよ。
アリッサは顔を両手で覆って、何もない壁を向いた。

「ほら、そうやって恥ずかしがるところも、可愛いっすねえ」
「……っ」
「さぞ、おモテになるんでしょうねえ。これじゃあ、坊ちゃんも男の使用人を近づけたがらないはずだ」
「そんなこと、ないです」
「いやいや、きっと男友達はみーんな、口に出さないだけでアリッサ様に夢中ですよ。坊ちゃんの他にも、仲良くしている方が」
「いません!……そんな人」
おや、とエイブラハムは驚いた顔をする。本当に驚いているのか怪しいものだが。
「王太子殿下や、ヴィルソード侯爵家のアレックス様とは仲がいいでしょう?」
「マリナちゃんとジュリアちゃんの婚約者だから……あと、キース君も」
「エンウィ伯のお孫さんですか。坊ちゃんと一緒に、生徒会役員をしているとか」
エイブラハムは適当なようでいて、学校生活でレイモンドに関わりがある人物は把握している。家名と名前、髪や目の色などだ。顔かたちまでは実際に会って見なければ覚えられない。
「はい。……他の方とは、あんまり……お話ししたことがなくて」
「奥ゆかしいんですねえ、アリッサ様は」
――何て言ったらいいか分からないわ。レイ様、早く来て!
心の中では祈り続けているものの、レイモンドの姿はまだ見えない。エイブラハムは口の端に笑みを浮かべて、小動物のように怯えるアリッサを観察している。

「アリッサさん、今帰りですか?」
――!!
声の主を見たアリッサは絶望した。
――どうしてこのタイミングで、この人が……。
「……こちらは?」
マクシミリアンは鋭い視線でエイブラハムを射抜いた。
「レイさ……レイモンド様の執事です。ご用事が終わるのを二人で待っているんです」
彼の顔を見るだけで、先日のキスが思い出される。
――怖い。
「そうですか。……副会長なら、先ほど職員室でお見かけしましたよ。何か込み入った話で学院長先生に呼ばれたようでした。一時間はかかると思いますよ」
「そうですか……」
フローラの一件で、レイモンドは何度か事情を訊かれていた。伯爵令嬢を退学させるに十分な不祥事なのか、学院側は見極めたいようだ。今日も同じだろうか。

「寒いですし、ここで待っていてはあなたの身体が冷えてしまいます。道に迷ってしまうのなら、私が寮までお送りしますよ」
「でも……」
アリッサはちらりとエイブラハムを見た。助け舟をだしてくれないかと目で訴える。適当な執事見習いは、訳知り顔で頷いた。
「ご心配なく、アリッサ様。坊ちゃんには後で私からお伝えしますから」
――って、ちがーう!そうじゃないのぉっ!
脳内でアリッサはムンクの叫びのようになった。彼は読み間違えているのだ。
「では、行きましょうか、アリッサさん」
「私、行きません」
「彼が副会長に伝えるそうですし、さあ」
マクシミリアンは抑揚のない声で言い、アリッサの肩を押した。
「おっと、俺……私もお供しますよ」
「……何ですか?」
静かな口調ではあるものの、マクシミリアンの表情は思い切り不機嫌だ。執事相手だからか、不機嫌さを隠そうともしない。
「私が一緒では、何か問題でも?あなたはレイモンド副会長を待っているのが仕事でしょう?」
「いいえ。問題など……滅相もございませんよ。ただ、坊ちゃ……コホン、レイモンド様が狙われているとなると、親しいご友人のお二人も標的にされる可能性があります。先ほど、ご用事は一時間以上かかる見込みとのお話でしたので、男子寮と女子寮にお二人をお送りしてから戻っても十分間に合います。私のことでしたらご心配には及びません」
エイブラハムはにっこりと作り笑顔をしてマクシミリアンの鋭い視線に耐えた。

「……」
「……」
マクシミリアンに腕を引かれたまま、アリッサは中庭を歩いていた。歩幅が狭いアリッサを気遣う様子もなくどんどん歩いていく彼に、小走りでついていくしかない。
歩く速さを上げつつ、彼は時折後ろに視線を走らせる。口笛を吹きながら、不謹慎な執事兼用心棒が蟹股で歩いてきている。適度な距離を保ち、二人の会話が聞こえる場所にいる。
――よかった、来てくれた!
アリッサは初めてエイブラハムがいてよかったと思った。
「アリッサさん」
「は、はい」
知らない男が後ろから見張っているからだろうか、まだ彼は『穏やかなマックス先輩』のようだ。怒らせないようにして、寮の傍まで行ったらエイブラハムにさっさとマクシミリアンを送っていくように告げて、建物の中に逃げればいい。アリッサはそっと様子を窺った。
「あなたと話ができればいいと、この数日思っていました」
「……はい」
――話すことなんてないのに。パーティーであんなこと……。
執拗な口づけの記憶が何度もフラッシュバックし、アリッサはこのところ悩んでいた。原因は全てこの男にある。

「ハーリオン侯爵とハロルドさんが捕まっているのは、どうやら本当です」
「……そうですか」
「私の実家は貿易会社をしていますから、アスタシフォンとの関係には常に気を配っているんです。グランディア側が原因で何かあれば、忽ち商売にも影響が出ます」
「はあ……すみません」
よく分からないが、謝っておくのが無難だろうと、アリッサは謝罪の言葉を口にした。
「どうして謝るのですか?あなたに非はないでしょう」
「……はい。おと……父も、義兄も、悪いことはしていないと思っています。でも、グランディアの貿易船が悪事を働いたと風評が広がれば、先輩のご実家の貿易会社が損害を被ることがあるかもしれません」
「ええ。ですから、私も困っているのです」
受けた損害の代わりに何を要求されるのだろうか。アリッサは恐怖で涙が出そうだった。

「事態を打開しないことには、私も安心して学院に通えません。問題を解決するために、どうすればいいのか考えまして」
「問題を、解決……?」
マクシミリアンは薄い唇を微かに上げた。
「調べたところによると、夫と息子の無実の証拠を持って出国した侯爵夫人は、何らかの理由でアスタシフォンに足止めされているようです」
「無実の証拠があるんですか?」
「恐らくあなたの母上がお持ちですよ。アスタシフォンに行って証拠を持ち帰れば、国王陛下や宰相閣下も、無実のハーリオン侯爵を助けに動く……私はそう考えています」
「陛下が、お父様を……」
国王と宰相がこちらの味方になれば全てが解決する。マリナは王太子妃候補に戻るだろうし、アレックスとジュリアの婚約は白紙に戻されずに王女降嫁の話も立ち消えになるだろう。マシューが逮捕されているのも、どうにかできるかもしれない。勿論、宰相は息子とハーリオン侯爵令嬢の婚約継続を望むだろう。

「私がアスタシフォンに赴き、侯爵夫人から無実の証拠をお預かりしようかと思いましたが、そんな大事なものをどこの馬の骨ともわからない平民の私に渡してくださるとも思えず……」
残念そうに視線を逸らし、マクシミリアンは弱々しく頭を振る。狼狽えているアリッサの両腕を掴み、抑揚のない声で続けた。
「ですが、娘のあなたになら、信頼して預けてくださるのではと思うのです」
「私に?」
「ビルクールは騎士団があちこち嗅ぎまわっています。ハーリオン家の馬車で乗り付け、ビルクール海運の船でアスタシフォンに向かえば、すぐに王宮に連絡が行き、途中で捕まってしまうかもしれません。あなたには、当家の馬車に乗り……ベイルズ商会所有の船で、アスタシフォンのロディス港へ行っていただきたい。勿論、誰にも内緒で。姉妹の口から洩れる恐れもあります」
「……私、そんな、外国は……」
怯えた瞳で見上げると、マクシミリアンは冷たい視線でアリッサを見下ろした。
「あなたならアスタシフォン語もできるでしょう?」
「あ、はい……それなりには」

でも、と戸惑い俯いたアリッサの耳に、
「お前に、拒否権なんてないだろう?」
とマクシミリアンはそっと囁いた。
二人の顔が近づいた時、後ろを歩いていたエイブラハムが急に距離を詰めてきた。
「お話し中のところすみません。ちょっといいですかね?」
「……チッ」
――い、今、マックス先輩、舌打ちした!?
「向こうの……少し背が高い木がある辺りに、ジュリア様……ですよね?ご友人と歩いていらっしゃるのは」
ぱっと顔を上げてアリッサは遠くを見た。ジュリアがアレックスとレナードとふざけ合いながら歩いている。
「そうです!姉です!わ、私、呼び止めて一緒に帰ることにいたしますわ」
「それがよろしゅうございますねえ」
「……どこが」
笑顔で胸の前で手を重ねたエイブラハムに、マクシミリアンが小声で毒づく。
「何か仰いましたか、マクシミリアン様?」
「いいえ、何も」
「男子寮へは、ジュリア様のご友人と一緒に……」
「私に護衛は必要ありません。失礼いたしますよ、アリッサさん。休み明けに、生徒会室でお会いしましょう」
素早くアリッサの手を取り、マクシミリアンは口づけようとしたが、その前に白い手が離れていく。ジュリアがアリッサ達に気づき、こちらに手を振りながら走って来たのだ。
「アリッサ!一緒に帰ろ!」
「ジュリアちゃん!」
ひし、と姉に抱きつく。ジュリアは軽く首を傾げ、マクシミリアンと謎の男を見て合点がいった。
「ええと、生徒会の先輩、よいお年を!じゃっ!」
アリッサの腕を引き、ジュリアは全速力でアレックスの傍へ駆け戻った。

「はあ、はあ、はあ……ジュリア、ちゃ、ん、私、息、できな」
「アリッサは運動しなさすぎだよ。でも、ま、あいつらから離れられてよかったじゃん」
「あいつらって……」
アレックスが後方の二人を見る。
「一人は生徒会役員の二年生だよな。もう一人、大人の……あの服、執事か?」
「レイ様の執事なの。怖い人じゃないのよ。私がマックス先輩に連れ去られそうになったのを、二人きりにしないようについてきてくれたの」
「へえー。レイモンドさんは徹底しているからね。アリッサちゃんが入学する前から、校内で予防線を張っていたって噂だよ」
レナードが唇に人差し指を当てながら小声で話す。どうやらオフレコらしい。
「うわあ……」
「うわあ……」
ジュリアとアリッサの声がハモった。おえぇ、と吐きそうな顔をしているジュリアと、頬を染めているアリッサは対照的だ。
「三人とも雪まみれだけど、どうしたの?」
「ちょっと雪合戦してて」
「明日から練習どうする?って話をしていてさ。俺の家に二人を招待することにしたんだ」
「レナード君のお家に?ご迷惑かけちゃダメよ、ジュリアちゃん」
「失敬だぞ、アリッサ!……って、冗談だけど。日も暮れるから帰るよ!」

   ◆◆◆

「マクシミリアンが?」
先生との面談が終わったレイモンドは、校舎の前で待っていたエイブラハムを伴い、男子寮へと帰る道すがら、先刻の報告を受けていた。
「俺が後ろを歩いていたのが余程気に入らなかったんでしょうねえ。時々こっちを見て、おっそろしーい顔で睨んでましたよ。他の人には親切そうな笑顔なのに」
「それは随分と嫌われたな」
「睨まれた話はさておいて、問題は別のことですよ」
レイモンドと距離を詰め、エイブラハムは囁くように言った。自然とレイモンドの歩調が緩くなる。
「別の?」
「あー、と。ハーリオン侯爵様は何かまずいことをやらかしたんですか?」
「というと?」
「マクシミリアン様が、侯爵様が捕まったせいで実家の稼業に影響が出ているとか何とか」
「侯爵様がアスタシフォンに足止めをされているのは事実だが、それでマックスの実家のベイルズ商会に影響が出るとは考えにくいな」
「ですよねえ。俺も胡散臭い話だと思ってました」
レイモンドは中指で眼鏡を押し上げ、無造作に髪を掻いている執事を見た。
「侯爵様を追って行かれた奥様が無実の証拠を持っているから、それをいただいてくれば、グランディアの国王陛下も侯爵様をお許しになる。んでもって、侯爵夫人に自分が会いに行っても怪しまれるから、アリッサ様にアスタシフォンに行ってほしいと」
「無茶苦茶だ」
「ビルクール海運の船では怪しまれるから、自分のとこの……ベイルズ商会でしたっけ?そこの船で行けばいいって。本当にアスタシフォンまで連れて行くつもりがあるのかどうか」
「お前は違うとみたか」
「ありゃあ絶対、十中八九誘拐の線ですね。マクシミリアン・ベイルズがアリッサ様を見る時の目……罠をかけて待っている蜘蛛って言うのか、寒気がしました」
何度も頷き、レイモンドは執事に向き直った。
「エイブラハム、頼みがある」
「坊ちゃんの頼みなら何でも……あ、何か嫌な予感が」
「勘がいいな。父上に話をつけてきてくれ。アスタシフォンまでの転移魔法陣の使用許可が欲しい」
「やっぱり……」
がっくりと項垂れた執事は、腰に手を当てて自信たっぷりに微笑む主人に、
「仰せの通りに」
と言うしかなかった。
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