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第三章 あの人の居場所とすまし汁
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「金吾さんの評判はどうです? 失礼ながら、酒癖が悪いとか何か」
「ない、ない。悪い噂もなけりゃ目立った功績も無いな。逆に、無趣味のつまらねぇ男かもよ」
そう言って三郎は白湯を欲しがった。
アタシが白湯を二人に運ぶ時、弥次郎が恐る恐る口を開いた。
「心配なのは歳の差かな」
弥次郎の計算だと、姉と金吾は十も歳が離れているらしい。
「えっ! そんなに歳が離れているようには見えませんでした」
「仕立て屋はずっと屋内にいますからね。日に当たらないから老けるのが遅いんだ」
たしかに彼は色白だった。三十歳に見えなくもないが……。
「十歳差かぁ。価値観が合わなそうですね」
姉の先行きが益々心配になってきた。
「三郎さんと奥様は何歳差ですか?」
「五だ。女房の方が歳上」
「ふぅん、姉さん女房というやつですか。頼りになりそう」
「全然だよ。この前も料理だかゴミだか分からない物を食わされそうになった」
どんな日常なのだ。弥次郎は思い出して吐きそうになっている。
聞けば聞くほど興味深い一家だ。
「おタキ。ただいま」
表から声がしたと思ったら、買い出しに行った母と姉が帰って来た。
「ない、ない。悪い噂もなけりゃ目立った功績も無いな。逆に、無趣味のつまらねぇ男かもよ」
そう言って三郎は白湯を欲しがった。
アタシが白湯を二人に運ぶ時、弥次郎が恐る恐る口を開いた。
「心配なのは歳の差かな」
弥次郎の計算だと、姉と金吾は十も歳が離れているらしい。
「えっ! そんなに歳が離れているようには見えませんでした」
「仕立て屋はずっと屋内にいますからね。日に当たらないから老けるのが遅いんだ」
たしかに彼は色白だった。三十歳に見えなくもないが……。
「十歳差かぁ。価値観が合わなそうですね」
姉の先行きが益々心配になってきた。
「三郎さんと奥様は何歳差ですか?」
「五だ。女房の方が歳上」
「ふぅん、姉さん女房というやつですか。頼りになりそう」
「全然だよ。この前も料理だかゴミだか分からない物を食わされそうになった」
どんな日常なのだ。弥次郎は思い出して吐きそうになっている。
聞けば聞くほど興味深い一家だ。
「おタキ。ただいま」
表から声がしたと思ったら、買い出しに行った母と姉が帰って来た。
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