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第284話
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【【【・・・】】】
グレイの言葉を聞いた魔人形達は急に静かになった。
【【【・・・】】】
全く持って微動だにしない。
まるで、声を出さずに魔人形達で会議でもしているのかというくらい静かだ。
(・・・これは下手に動けませんわね)
アリシアはこっそりと冷や汗をかく。
何がきっかけでどう転ぶのかが予想できない。
仮に魔人形達がアリシアを襲うという事態になったとしたら絶望しかない。
(もしかしたら一対一であればやりようがあるかもしれませんが、流石に17体となると・・・)
ポン
アリシアが緊張していると後ろから誰かに肩を叩かれた。
「っ!?」
驚きで思わず体が浮き上がるアリシア。
声を出さなかった自分を自ら褒めつつ振り返ると自然体なグレイがアリシアをじっと見ていた。
そして、アリシアが何かを言う前に深く頷いて見せるグレイ。
その表情を見たアリシアはグレイの先ほどの言葉の真意を見抜く。
(・・・遅かれ早かれ私《わたくし》がグレイを付き人にしていることは知られる。だから、グレイは最初に言っておこうと考えたのですわね・・・そして、その事を伝えても理解して貰えるとグレイは信じているから話したのでしょう)
アリシアは緊張を和らげる。
(なら、私《わたくし》はグレイの判断を信じましょう)
アリシアの覚悟が決まるとそのタイミングを計っていたかのように魔人形が話し始める。
【お待たせして申し訳ございません。『アリシア・エト・バルム様』】
そう言った魔人形のリーダーに合わせて17人の魔人形達が一斉に頭を下げる。
グレイの見込み通り、アリシアも自分たちの主に相当すると判断したということだろう。
「お気になさらないでください。それと私《わたくし》の事はアリシアで大丈夫ですわ」
アリシアはほっとしながら返事をする。
【・・・では、『アリシア様』とお呼び致します。大変恐縮ですが我々が主と認めるのはただお一人のみ。基本的には主と同等の位置として捉えさせていただきます。ただ、いかに主の主であろうとも厳密には我々の中では主の次という形の認識ですのでもし御二方の御命令が相反する場合にはアリシア様ではなく主を優先させていただきます】
魔人形のリーダーが申し訳なさそうにそうアリシアに告げる。
その様子からすると、やはり、魔人形達は声を出さずとも会話をすることが出来るのだろう。
決定事項のようにしっかりと意思を伝えて来る。
「もちろん構いませんわ」
異論のないアリシアは魔人形の言葉を肯定する。
そして、アリシアは後ろを振り返ると、納得の言っていない顔のグレイに向かってこう言う。
「・・・いっそのこと私《わたくし》もグレイ様と呼ぼうかしら」
「・・・馬鹿なことを言うのは止めてくれ・・・」
これはアリシアなりのちょっとした仕返しなのだろう。
ウインクをしながら楽しそうに笑うアリシアに対して、グレイは絞り出すように抗議をするのが精一杯であった。
グレイの言葉を聞いた魔人形達は急に静かになった。
【【【・・・】】】
全く持って微動だにしない。
まるで、声を出さずに魔人形達で会議でもしているのかというくらい静かだ。
(・・・これは下手に動けませんわね)
アリシアはこっそりと冷や汗をかく。
何がきっかけでどう転ぶのかが予想できない。
仮に魔人形達がアリシアを襲うという事態になったとしたら絶望しかない。
(もしかしたら一対一であればやりようがあるかもしれませんが、流石に17体となると・・・)
ポン
アリシアが緊張していると後ろから誰かに肩を叩かれた。
「っ!?」
驚きで思わず体が浮き上がるアリシア。
声を出さなかった自分を自ら褒めつつ振り返ると自然体なグレイがアリシアをじっと見ていた。
そして、アリシアが何かを言う前に深く頷いて見せるグレイ。
その表情を見たアリシアはグレイの先ほどの言葉の真意を見抜く。
(・・・遅かれ早かれ私《わたくし》がグレイを付き人にしていることは知られる。だから、グレイは最初に言っておこうと考えたのですわね・・・そして、その事を伝えても理解して貰えるとグレイは信じているから話したのでしょう)
アリシアは緊張を和らげる。
(なら、私《わたくし》はグレイの判断を信じましょう)
アリシアの覚悟が決まるとそのタイミングを計っていたかのように魔人形が話し始める。
【お待たせして申し訳ございません。『アリシア・エト・バルム様』】
そう言った魔人形のリーダーに合わせて17人の魔人形達が一斉に頭を下げる。
グレイの見込み通り、アリシアも自分たちの主に相当すると判断したということだろう。
「お気になさらないでください。それと私《わたくし》の事はアリシアで大丈夫ですわ」
アリシアはほっとしながら返事をする。
【・・・では、『アリシア様』とお呼び致します。大変恐縮ですが我々が主と認めるのはただお一人のみ。基本的には主と同等の位置として捉えさせていただきます。ただ、いかに主の主であろうとも厳密には我々の中では主の次という形の認識ですのでもし御二方の御命令が相反する場合にはアリシア様ではなく主を優先させていただきます】
魔人形のリーダーが申し訳なさそうにそうアリシアに告げる。
その様子からすると、やはり、魔人形達は声を出さずとも会話をすることが出来るのだろう。
決定事項のようにしっかりと意思を伝えて来る。
「もちろん構いませんわ」
異論のないアリシアは魔人形の言葉を肯定する。
そして、アリシアは後ろを振り返ると、納得の言っていない顔のグレイに向かってこう言う。
「・・・いっそのこと私《わたくし》もグレイ様と呼ぼうかしら」
「・・・馬鹿なことを言うのは止めてくれ・・・」
これはアリシアなりのちょっとした仕返しなのだろう。
ウインクをしながら楽しそうに笑うアリシアに対して、グレイは絞り出すように抗議をするのが精一杯であった。
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