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第283話

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「・・・お前たちの意思は良く分かった。未熟者ではあるがこれからよろしく頼む」

グレイがしばらくして、魔人形に右手を差し出す。

【では・・・】

涙を拭かぬまま魔人形が嬉しそうに声を上げる。

「ああ。迷宮の外で助けてくれ」

【畏まりました!我々一同、この身を賭して主に仕えさせていただきます!!】

【【【主!ありがとうございます!!!】】】

魔人形がグレイの両手で握ると、他の16人の魔人形達が地面に頭が付くくらい深々と頭を下げた。

アリシアもイズもその様子を穏やかな表情で見守っていた。


「良し、まずは今後の具体的な方針を相談しよう」

魔人形達を自分を中心に半円になるように集め、グレイが話し始める。

魔人形達は全員、人の姿に変身し、真剣な表情でグレイの言葉に集中する。

やはり、全員、メイド服のような恰好をしている。

だが、全員が全員同じ顔の者は一人も居なかった。

中にはスカートでは無く、ズボンを履いている者もいるため全員が女性?という訳では無いようだ。

17人中の5人がズボンを履いている。

「まず、しばらくの間は、迷宮の外で常識を学んで貰おうと思う」

グレイはそう言うとアリシアの方を向く、

「アリシア、お願いしても良いかな?」

グレイがアリシアに尋ねると、前に出る。

「皆さん、初めまして私《わたくし》はアリシア・エト・バルムと申します。グレイの住む王国の三大貴族の一つのバルム家の長女ですわ」

【よろしくお願いいたします】

魔人形達を代表してリーダーが挨拶を返す。

「こちらこそよろしくお願いいたしますわ」

アリシアはにっこり笑う。

だが、和やかな雰囲気は魔人形の次の言葉で崩れ始めた。

【失礼ですが、あなたは主とはどのような御関係の方なのでしょうか?】

魔人形のリーダーはもっとも疑問を尋ねる。

周りの魔人形達も同意見なのかうんうんと頷いている。

「・・・」

魔人形の質問にアリシアはどう返すべきか迷った。

(どうしましょう。グレイを主と定める魔人形達の前で雇用主と言うのは・・・不味いですわよね・・・)

「アリシアは俺の主だ」

「グレイッ!?」

アリシアが迷っているとグレイが正直に答えを言ってしまう。

思わず、グレイを見るアリシア。

「?」

グレイは何故アリシアが自分を困った様子で見て来るのかが分からず疑問符を浮かべる。

【・・・何ですって??】

【【【主の更に主だと・・・】】】

アリシアの予想通り過剰に反応する魔人形達。

(・・・地雷を踏んだかも知れませんわね)

アリシアはさり気なく臨戦態勢に入る。

(場合によってはただではすまないことになるでしょうね)

アリシアが緊張状態に入ってると、グレイが続けて話し始める。

「そうだ。だから、お前たちも俺だけでなくアリシアの話も聞いてくれ」

「っ!?」

アリシアはグレイの続けての言葉に更に驚く。

(グレイーーー・・・何故そう言う事を言うのですかーーー)

アリシアは心の中で叫び声を上げたのであった。
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