281 / 362
第280話
しおりを挟む
グレイとアリシア、イズが地下101階まで戻ってくると、魔人形達は先ほどと同じ格好で待機していた。
(・・・そのままの姿勢で待機していなくても良かったんだがなぁ)
グレイは待たせてしまって申し訳ないと思いながら中央にいる魔人形に向かって歩いて行く。
【・・・】
魔人形はグレイが近づいても何も言わない。
グレイから話しかけるのを待っているのだろう。
「・・・返事をする前に、いくつか教えてくれるかな?」
【何でも仰ってください】
グレイが話しかけると直ぐに返事をする魔人形。
(グレイはどう話をしていくのでしょう。楽しみですわ)
アリシアはいざとなればフォローをしようと思いながらグレイの少し斜め後ろに待機する。
「君たちは、姿を変えられるか?現代では君たちの存在は確認されていないことになっているが、教科書に載っているくらい有名だからさ」
【そうでしたか、それならこの姿では不味いですね。もちろん、姿は変えられます】
魔人形はそう言うや否や体から影を放ち始める。
「「!?」」
グレイやアリシアが驚いている中、魔人形の体がみるみる変形していく。
そしてしばらくすると褐色の肌をした女性が立っていた。
髪の色は銀色で身長は魔人形だった時と変わらない。
顔立ちも整っており、背の小ささの割にはきりっとしていた。
成人女性といっても通じる雰囲気だ。
そして、どういう原理か分からないが、服もちゃんと着ていた。
「・・・というか、何故にメイド服?」
女性だったのかとか魔人形だった頃は服は無い様子だったのにどうやって出したのかとかツッコミ処が満載だったか、グレイは魔人形の服装が少し古めのデザインながらメイド服だったことに対して思わず声を上げていた。
「ぷっ」
アリシアもグレイと同意見だったのでそれをいの一番で言ったグレイが可笑しくて思わず吹き出す。
グレイは思わず、斜め後ろにいるアリシアの方を向く。
「・・・失礼致しましたわ。お話を続けてください」
グレイに見られたアリシアは思わず声を出してしまったことが恥ずかしくなったのか少し顔を赤くしながら先を促す。
「・・・りょうかい」
グレイはアリシアの様子に何故照れているかに興味が湧いたがそれだと話が進まないため返事をすると再度変身した魔人形の方に顔を向ける。
【めいど服ですか?この服は我々が生み出された時に普通に皆が来ている服でしたが・・・何か変でしょうか?】
グレイの言葉を聞いた魔人形が戸惑いながら答える。
「えぇ・・・」
グレイは魔人形の言葉に対して何とも言えない声を出す。
『・・・【リーダー】の言っていることは正しいぞ。言ってはいなかったが、何故かは知らんが当時の服装は現代でいうメイド服に酷似している。我もアリシアの屋敷で初めて見た時に驚いたものだ』
アリシアの右肩に居たイズが、グレイの左肩にやって来て補足する。
「まじか・・・」
グレイは一生知らなくても良かった事実を知って思わず呟いていた。
(・・・そのままの姿勢で待機していなくても良かったんだがなぁ)
グレイは待たせてしまって申し訳ないと思いながら中央にいる魔人形に向かって歩いて行く。
【・・・】
魔人形はグレイが近づいても何も言わない。
グレイから話しかけるのを待っているのだろう。
「・・・返事をする前に、いくつか教えてくれるかな?」
【何でも仰ってください】
グレイが話しかけると直ぐに返事をする魔人形。
(グレイはどう話をしていくのでしょう。楽しみですわ)
アリシアはいざとなればフォローをしようと思いながらグレイの少し斜め後ろに待機する。
「君たちは、姿を変えられるか?現代では君たちの存在は確認されていないことになっているが、教科書に載っているくらい有名だからさ」
【そうでしたか、それならこの姿では不味いですね。もちろん、姿は変えられます】
魔人形はそう言うや否や体から影を放ち始める。
「「!?」」
グレイやアリシアが驚いている中、魔人形の体がみるみる変形していく。
そしてしばらくすると褐色の肌をした女性が立っていた。
髪の色は銀色で身長は魔人形だった時と変わらない。
顔立ちも整っており、背の小ささの割にはきりっとしていた。
成人女性といっても通じる雰囲気だ。
そして、どういう原理か分からないが、服もちゃんと着ていた。
「・・・というか、何故にメイド服?」
女性だったのかとか魔人形だった頃は服は無い様子だったのにどうやって出したのかとかツッコミ処が満載だったか、グレイは魔人形の服装が少し古めのデザインながらメイド服だったことに対して思わず声を上げていた。
「ぷっ」
アリシアもグレイと同意見だったのでそれをいの一番で言ったグレイが可笑しくて思わず吹き出す。
グレイは思わず、斜め後ろにいるアリシアの方を向く。
「・・・失礼致しましたわ。お話を続けてください」
グレイに見られたアリシアは思わず声を出してしまったことが恥ずかしくなったのか少し顔を赤くしながら先を促す。
「・・・りょうかい」
グレイはアリシアの様子に何故照れているかに興味が湧いたがそれだと話が進まないため返事をすると再度変身した魔人形の方に顔を向ける。
【めいど服ですか?この服は我々が生み出された時に普通に皆が来ている服でしたが・・・何か変でしょうか?】
グレイの言葉を聞いた魔人形が戸惑いながら答える。
「えぇ・・・」
グレイは魔人形の言葉に対して何とも言えない声を出す。
『・・・【リーダー】の言っていることは正しいぞ。言ってはいなかったが、何故かは知らんが当時の服装は現代でいうメイド服に酷似している。我もアリシアの屋敷で初めて見た時に驚いたものだ』
アリシアの右肩に居たイズが、グレイの左肩にやって来て補足する。
「まじか・・・」
グレイは一生知らなくても良かった事実を知って思わず呟いていた。
95
お気に入りに追加
1,446
あなたにおすすめの小説
俺の妖精すぎるおっとり妻から離縁を求められ、戦場でも止まらなかった心臓が止まるかと思った。何を言われても別れたくはないんだが?
イセヤ レキ
恋愛
「離縁致しましょう」
私の幸せな世界は、妻の言い放ったたった一言で、凍りついたのを感じた──。
最愛の妻から離縁を突きつけられ、最終的に無事に回避することが出来た、英雄の独白。
全6話、完結済。
リクエストにお応えした作品です。
単体でも読めると思いますが、
①【私の愛しい娘が、自分は悪役令嬢だと言っております。私の呪詛を恋敵に使って断罪されるらしいのですが、同じ失敗を犯すつもりはございませんよ?】
母主人公
※ノベルアンソロジー掲載の為、アルファポリス様からは引き下げております。
②【私は、お母様の能力を使って人の恋路を邪魔する悪役令嬢のようです。けれども断罪回避を目指すので、ヒーローに近付くつもりは微塵もございませんよ?】
娘主人公
を先にお読み頂くと世界観に理解が深まるかと思います。
無能だとクビになったメイドですが、今は王宮で筆頭メイドをしています
如月ぐるぐる
恋愛
「お前の様な役立たずは首だ! さっさと出て行け!」
何年も仕えていた男爵家を追い出され、途方に暮れるシルヴィア。
しかし街の人々はシルビアを優しく受け入れ、宿屋で住み込みで働く事になる。
様々な理由により職を転々とするが、ある日、男爵家は爵位剥奪となり、近隣の子爵家の代理人が統治する事になる。
この地域に詳しく、元男爵家に仕えていた事もあり、代理人がシルヴィアに協力を求めて来たのだが……
男爵メイドから王宮筆頭メイドになるシルビアの物語が、今始まった。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
魔王を討伐したので年上メイドと辺境でスローライフします!
弾
ファンタジー
「はい、僕は本当はのんびり生きたいだけなんです」
圧倒的な強さを誇った魔王を打ち倒した、無敵の聖剣ブレイブを使う勇者ユウキは、世界を救った報酬に辺境ではあるが風光明媚と名高いフロア村のお屋敷を貰った。
お屋敷には勇者の護衛兼メイドとして絶世の美女であるアイリーン・ド・ブラック、通称アイリさんという妙齢の女性が付いてきた。母性があって料理が上手で床上手で(処女だが)
彼女は男の憧れがぎゅっと詰まったスーパー可愛いメイドさん。
アイリさんが用意してくれる地元食材を使った絶品料理に舌鼓を打ち、釣りをしたり家庭菜園をしたりとスローライフを満喫するユウキ。
二人は急速に接近してラブラブに……わたくしはただのメイドですからと澄ましてみるも、女の子の色んな部分が反応しちゃう。
そこへユウキのかつての恋人大聖女ルシアがやってきて、なにやら事件を持ち込んできたのだが……。
しっかりメイドさんにお世話されながらのスローライフな日常、たま~に冒険があったり。
小説家になろう及びアルファポリスで掲載です。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
異世界でもうちの娘が最強カワイイ!
皇 雪火
ファンタジー
大人気フルダイブ型オンラインRPG『ワールド・オブ・エピローグ』、通称WoE。
1人の男がそのゲームに全身全霊をかけ、シラユキという美少女キャラクターを作り上げる。
その後、彼女をもっとカワイく輝かせる為に『シラユキ』という人間を演じながらプレイをしていたが、ある事件により命を落としてしまう。
目を覚ませばシラユキの姿に転生しており、メインストーリーが始まる1年も前の『WoE』の世界だった。
紛い物から本物になった彼女は、数々の事件に巻き込まれながらもゲーム知識を駆使し、再びシラユキのカワイさを世に知らしめる為に活動を始めるのだった。
※なろう/カクヨムにも投稿しています。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる