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第280話

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グレイとアリシア、イズが地下101階まで戻ってくると、魔人形達は先ほどと同じ格好で待機していた。

(・・・そのままの姿勢で待機していなくても良かったんだがなぁ)

グレイは待たせてしまって申し訳ないと思いながら中央にいる魔人形に向かって歩いて行く。

【・・・】

魔人形はグレイが近づいても何も言わない。

グレイから話しかけるのを待っているのだろう。

「・・・返事をする前に、いくつか教えてくれるかな?」

【何でも仰ってください】

グレイが話しかけると直ぐに返事をする魔人形。

(グレイはどう話をしていくのでしょう。楽しみですわ)

アリシアはいざとなればフォローをしようと思いながらグレイの少し斜め後ろに待機する。

「君たちは、姿を変えられるか?現代では君たちの存在は確認されていないことになっているが、教科書に載っているくらい有名だからさ」

【そうでしたか、それならこの姿では不味いですね。もちろん、姿は変えられます】

魔人形はそう言うや否や体から影を放ち始める。

「「!?」」

グレイやアリシアが驚いている中、魔人形の体がみるみる変形していく。

そしてしばらくすると褐色の肌をした女性が立っていた。

髪の色は銀色で身長は魔人形だった時と変わらない。

顔立ちも整っており、背の小ささの割にはきりっとしていた。

成人女性といっても通じる雰囲気だ。

そして、どういう原理か分からないが、服もちゃんと着ていた。

「・・・というか、何故にメイド服?」

女性だったのかとか魔人形だった頃は服は無い様子だったのにどうやって出したのかとかツッコミ処が満載だったか、グレイは魔人形の服装が少し古めのデザインながらメイド服だったことに対して思わず声を上げていた。

「ぷっ」

アリシアもグレイと同意見だったのでそれをいの一番で言ったグレイが可笑しくて思わず吹き出す。

グレイは思わず、斜め後ろにいるアリシアの方を向く。

「・・・失礼致しましたわ。お話を続けてください」

グレイに見られたアリシアは思わず声を出してしまったことが恥ずかしくなったのか少し顔を赤くしながら先を促す。

「・・・りょうかい」

グレイはアリシアの様子に何故照れているかに興味が湧いたがそれだと話が進まないため返事をすると再度変身した魔人形の方に顔を向ける。

【めいど服ですか?この服は我々が生み出された時に普通に皆が来ている服でしたが・・・何か変でしょうか?】

グレイの言葉を聞いた魔人形が戸惑いながら答える。

「えぇ・・・」

グレイは魔人形の言葉に対して何とも言えない声を出す。

『・・・【リーダー】の言っていることは正しいぞ。言ってはいなかったが、何故かは知らんが当時の服装は現代でいうメイド服に酷似している。我もアリシアの屋敷で初めて見た時に驚いたものだ』

アリシアの右肩に居たイズが、グレイの左肩にやって来て補足する。

「まじか・・・」

グレイは一生知らなくても良かった事実を知って思わず呟いていた。
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