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第180話
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「はい。これ」
グレイはイズの目の前に数冊の本を置いていく。
イズは目を輝かせながら、
『おお!本か!?嬉しいぞ!!』
本の題名を眺めながら喜ぶ。
『中々興味深そうなものばかりだな・・・さては、アリシアに選んでもらったな?』
イズがグレイに尋ねる。
「うっ・・・確かにそうだけど。その発想は何と言うか少し傷つくぞ・・・」
グレイがイズの言葉を聞いて呻く。
『はっはっはっ、すまんすまん。感謝しているぞ』
イズが楽しそうに謝ってくる。
「はいはい」
(まぁ、いいか。イズの機嫌がいいなら)
グレイはイズの様子を見て安心すると、
「ちょっと待ってな。今夕飯作るから」
グレイはイズに断りを入れると料理をしに台所へ向かった。
『ほう!【魔法武闘会】とな。何とも面白そうだな』
食事中の会話のネタに今日あったことをイズに話すと興味深そうに返事をしてくる。
「そうか?なら詳しく話していくけど、どうやら【魔法】と【武闘】のいずれかか両方を駆使して優劣を競う大会らしい」
意外とイズが前のめりに聞いてきたので、詳細を説明していくグレイ。
「ふむ。なるほどな。それで、グレイは参加するのか?」
「うーん。まだ参加できるか分からない。何か今年は例年よりも俺の学年である4年生で参加できる人数が多くなっていて3人参加できるらしいけどそれに選ばれないとだし」
『ほう。学年とは何人いるのだ?』
「正確な数字は覚えてないけど少なくとも2000人は超えている」
『ふむ。何だ。大した数ではないな』
グレイはイズの予想外の反応に戸惑う。
普通、2000人中の3人と言われたら驚くものだろう。
「いやいや・・・0.15%だぞ?結構な競争率じゃないか?」
グレイが思わずイズの言葉に反応する。
すると、イズは何と言うことのないように、
『ふっ。グレイ、お前が成したことは何だ?』
逆に尋ねてくる。
「は?俺が成したこと??」
グレイはイズが何を言いたいのか分からず、戸惑う。
『ああ。そうだ』
「うーん。あ、バルム家の『付き人』になったことか!確かに、0.15%どころではない競争率だなっ!」
グレイはイズの言いたいことを理解し、声を上げる。
『違うわっ!』
イズが割と本気でツッコミを入れる。
興奮しているのか口の中に含んだものが飛んでいる。
グレイは冷静にイズが汚したものを掃除しながら、
「おいおい、せっかく作ったんだから勿体無いことしないでくれよ」
イズに苦言を呈す。
『それは済まなかった』
イズは素直にグレイに謝った後、まずは口の中にあったものを食べ終えてから、
『グレイ!お前は我のいた『迷宮の踏破者』だろうがっ!』
大きな声でグレイに訴えかける。
「ああ!」
グレイはイズの言葉に納得したように声を上げた後、
「えっ?そんなに競争率高いものだったのか??」
と思わず尋ねたのであった。
グレイはイズの目の前に数冊の本を置いていく。
イズは目を輝かせながら、
『おお!本か!?嬉しいぞ!!』
本の題名を眺めながら喜ぶ。
『中々興味深そうなものばかりだな・・・さては、アリシアに選んでもらったな?』
イズがグレイに尋ねる。
「うっ・・・確かにそうだけど。その発想は何と言うか少し傷つくぞ・・・」
グレイがイズの言葉を聞いて呻く。
『はっはっはっ、すまんすまん。感謝しているぞ』
イズが楽しそうに謝ってくる。
「はいはい」
(まぁ、いいか。イズの機嫌がいいなら)
グレイはイズの様子を見て安心すると、
「ちょっと待ってな。今夕飯作るから」
グレイはイズに断りを入れると料理をしに台所へ向かった。
『ほう!【魔法武闘会】とな。何とも面白そうだな』
食事中の会話のネタに今日あったことをイズに話すと興味深そうに返事をしてくる。
「そうか?なら詳しく話していくけど、どうやら【魔法】と【武闘】のいずれかか両方を駆使して優劣を競う大会らしい」
意外とイズが前のめりに聞いてきたので、詳細を説明していくグレイ。
「ふむ。なるほどな。それで、グレイは参加するのか?」
「うーん。まだ参加できるか分からない。何か今年は例年よりも俺の学年である4年生で参加できる人数が多くなっていて3人参加できるらしいけどそれに選ばれないとだし」
『ほう。学年とは何人いるのだ?』
「正確な数字は覚えてないけど少なくとも2000人は超えている」
『ふむ。何だ。大した数ではないな』
グレイはイズの予想外の反応に戸惑う。
普通、2000人中の3人と言われたら驚くものだろう。
「いやいや・・・0.15%だぞ?結構な競争率じゃないか?」
グレイが思わずイズの言葉に反応する。
すると、イズは何と言うことのないように、
『ふっ。グレイ、お前が成したことは何だ?』
逆に尋ねてくる。
「は?俺が成したこと??」
グレイはイズが何を言いたいのか分からず、戸惑う。
『ああ。そうだ』
「うーん。あ、バルム家の『付き人』になったことか!確かに、0.15%どころではない競争率だなっ!」
グレイはイズの言いたいことを理解し、声を上げる。
『違うわっ!』
イズが割と本気でツッコミを入れる。
興奮しているのか口の中に含んだものが飛んでいる。
グレイは冷静にイズが汚したものを掃除しながら、
「おいおい、せっかく作ったんだから勿体無いことしないでくれよ」
イズに苦言を呈す。
『それは済まなかった』
イズは素直にグレイに謝った後、まずは口の中にあったものを食べ終えてから、
『グレイ!お前は我のいた『迷宮の踏破者』だろうがっ!』
大きな声でグレイに訴えかける。
「ああ!」
グレイはイズの言葉に納得したように声を上げた後、
「えっ?そんなに競争率高いものだったのか??」
と思わず尋ねたのであった。
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