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第54話
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「なーに、自分の勝手にしただけだから気にするな。だがもし・・・もし実物の私に会えることがあったら、話し掛けてやってくれ。お前がどうなったか知ることができずに生き続けているから・・・」
そうか、この思念体を残した人物は『審査するもの』がどうなったかわからないのよね。
あたしは心の底から『審査するもの』と本物が会えたらいいなぁと思い、またあたしも会ってみたいと思った。
それにはなんとしてでも成功させなくちゃね。
「私はこの“箱”を開けた時点で消滅してしまうから、その後のことは任せるぞ、レベン・アインターブそして、マーヘンリバースよ」
「善処するよ」
「任しといて」
レベンとあたしがそれぞれ答える。
「さぁて、用意はいい?レベン」
あたしは神経を研ぎ澄ます。
「うん。いつでもいいよ」
手をぷらぷらさせながらレベンが答えた。
「私もいつでもいいぞ」
『審査するもの』は目を瞑る。
「よーし、行くわよ」
あたしの言葉にレベンは走りだした!
その後に続くあたし。
正直言って不安はある。
失敗したらと思うと恐ろしくなる。
・・・けど、あたしは何とかしてみせると心に決めたのだ。
遣り遂げてみせる。
決意を胸にあたしは全力を尽くした。
「ふぅ、何とか一段落したね」
「そうね、どっと疲れたわ・・・」
レベンもあたしも地面に座り込んでいる。
「たしかに。右腕が上がらないや」
力なく垂れ下がっている右腕を擦りながらレベンが同意する。
「うまくいったかな?」
「さあ?どうかしら。“外”に行けばわかるんじゃない?」
もう、“箱”の姿も『審査するもの』の姿もない。
レベンはあたしの手の上にある『審査するもの』の意思が宿っているはずの箱を見やって、
「そだね。その箱に入っているものに意思が定着する時間を考えたら丁度そのくらいだね」
と同意した。
「さあて、そろそろ行きま・・・!」
あたしは言葉を途中で辞め、
「・・・レベン?」
見やるとレベンが頷いて返す。
どうやらレベンも気付いているみたいね。
何かが近づいている事に。
コツ・・・コツ・・・
近づくにつれて小気味の良い音が聞こえてきた。
あたしたちは二人して気配のする方・・・すなわち入り口を見ていた。
そうか、この思念体を残した人物は『審査するもの』がどうなったかわからないのよね。
あたしは心の底から『審査するもの』と本物が会えたらいいなぁと思い、またあたしも会ってみたいと思った。
それにはなんとしてでも成功させなくちゃね。
「私はこの“箱”を開けた時点で消滅してしまうから、その後のことは任せるぞ、レベン・アインターブそして、マーヘンリバースよ」
「善処するよ」
「任しといて」
レベンとあたしがそれぞれ答える。
「さぁて、用意はいい?レベン」
あたしは神経を研ぎ澄ます。
「うん。いつでもいいよ」
手をぷらぷらさせながらレベンが答えた。
「私もいつでもいいぞ」
『審査するもの』は目を瞑る。
「よーし、行くわよ」
あたしの言葉にレベンは走りだした!
その後に続くあたし。
正直言って不安はある。
失敗したらと思うと恐ろしくなる。
・・・けど、あたしは何とかしてみせると心に決めたのだ。
遣り遂げてみせる。
決意を胸にあたしは全力を尽くした。
「ふぅ、何とか一段落したね」
「そうね、どっと疲れたわ・・・」
レベンもあたしも地面に座り込んでいる。
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力なく垂れ下がっている右腕を擦りながらレベンが同意する。
「うまくいったかな?」
「さあ?どうかしら。“外”に行けばわかるんじゃない?」
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「そだね。その箱に入っているものに意思が定着する時間を考えたら丁度そのくらいだね」
と同意した。
「さあて、そろそろ行きま・・・!」
あたしは言葉を途中で辞め、
「・・・レベン?」
見やるとレベンが頷いて返す。
どうやらレベンも気付いているみたいね。
何かが近づいている事に。
コツ・・・コツ・・・
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