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第52話

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ん、まてよ・・・回復?

あたしはその言葉に引っ掛かるものを感じた。

どこかで聞いたような・・・。

あっ!そうだ!?

「あんた確かこの外にいる人を治癒したって言ってたわよね?」

「いかにも。それが何か?」

「レベンを治せない?」

『あっ』“箱”と『審査するもの』の声が見事にハモる。

「その手があったな。人間・・・レベンとやら、今から私がお主を治癒するが、かまわぬか?」

何いってるのかしら、治療してもらえるのにそれを断るわけないじゃない。

しかし、レベンの答えはあたしの予想外の言葉をうちに含んでいた。

「へへ・・・普段なら絶対にお断わりだけど、状況が状況だから仕方ない。よろしく頼むよ」

あらま・・・普段なら断るのね・・・変なやつ。

「くくっ、やはりそう言うと思ったよ」

『審査するもの』が笑いながら、レベンに手の平をかざす。

すると、青白い光がレベンを包み込んでいく。

だんだんとレベンの呼吸がととのっていき、怪我が治っていく。

「ありがと、楽になった」

完治したレベンが砕けていた左手を握ったり開いたりしながら『審査するもの』に礼を言う。

「自分の怪我は治せないの?」

あたしは尋ねる。

「ああ、無理だ。たぶん力の循環はできないからだと思う」

「へー」

『審査するもの』がよくわからないことを言うが、あたしはとりあえず適当に相づちをうっておく。

どうせ実感しないと納得できないだろうしね・・・。

「具体的にはどうするの?マーヘン」

レベンがあたしに尋ねる。

「そうね。あんたのあの技。あれだけでなんとかなると思う?」

逆に問い返す。

「あの技?・・・ああ“連破弾”のことか。うーん、難しいと思う。もう一要因欲しいね」

「そうね。・・・じゃあこんなのはどう?」

あたしはみんなにきこえるように策を披露した。
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