45 / 83
第45話
しおりを挟む
レベンが包喉をあげた!頭から『審査するもの』に向かって真っ逆さまに落ちてくる。「はぁ」
『審査するもの』が腰ダメに構えていた右拳をちょうどレベンな左頬に来る位置にくりだす。だめだ。完璧なタイミングすぎる!?「あああああああっ!!」
あろうことかレベンは『審査するもの』の拳目がけて左拳を放ったのだ!折れた拳を。
バキャ
何ともいいようのない音をたてた。
完全に砕けたわ・・・ね。
目を背けたくなるのを何とか堪える。
そこからだった、もっと信じられないことをレベンがしたのは。
「ぐぅぅぅ」
レベンが苦痛の声をだしながらあろうことか、左拳を支点にして『審査するもの』の右側面に降り立ったのだ!
レベンはそのまま右拳を『審査するもの』の腹に向かって突き出す。
負けじと『審査するもの』もレベンに向かって繰り出す。
ほんの少し、レベンの拳が早く当たった!ピタッと、二人とも動かなくなった。
まるですべての音が止まったかのように。
ドサッ
レベンが力なく崩れ落ちた。
「レベンッ!」
思わず反射的に叫ぶものの、声はあまりでない。
「次は、貴様だな」
冷徹に、『審査するもの』があたしに向かって死の宣告とも言えることばを投げかける。
「なぜ・・・レベンが倒れているの?先に攻撃が当たったのはレベンの方だったのに」
「・・・たしかに、この人間の攻撃が先に私に当たった。しかし、その瞬間に直接“力”を叩きつけたのだよ」
「そう・・・なの・・・」
信じられなかった。
何も感じ取れなかったからだ。
まさに、見えない攻撃。
レベンが避けきれなかったのも無理ないわ・・・。
「もう思い残すことはないだろう」
『審査するもの』が一歩一歩足を進める。
「冥土におくってやる」
「そう簡単には、やられないわっ!」
あたしは、声を張り上げ、虚勢をはる。
なんとか、声は出るようにはなったけど、戦えそうにはないわね。
「そうだ。何も死を受け入れ、殺されろとはいってはいない。貴様の納得いくまであがいてみろ」
『審査するもの』が立ち止まり、右腕をあげ、手のひらをこちらに向ける。あがいてやろうじゃない。一か八かの賭けだ。
『審査するもの』の手に力が収束していく。
「死ね!」
その言葉と同時にあたしは転がり、力の及ぶ範囲と思われる場所から身を退かせる。
ここから、一気に仕掛ける!
あれっ。しかし、転がるだけで精一杯だったようだ。
力が出ない。
ちぃ、まだ動かないの!?
あたしは状況を把握しようと顔を上げる。
一体どうしたというのか、『審査するもの』が膝をついて俯いている。
そういえば・・・あたしは自分が元いた場所をみてみる、しかし、力が放たれた形跡は全くなかった。
「へっ、やっと効いたようだね」
「この声は・・・」
声のした方を見ると、満身創痍だったはずのレベンが膝に右手をおいて立っていた。
「レベン!無事だったの!?」
「かなりぼろぼろだけど・・・何とか生きているみたい」
レベンが少しずつ足を引きずるようにして、こちらに近づいてくる。
「大丈夫マーヘン?」
「いや・・・それを聞くのはあたしの方でしょ・・・」
『審査するもの』が腰ダメに構えていた右拳をちょうどレベンな左頬に来る位置にくりだす。だめだ。完璧なタイミングすぎる!?「あああああああっ!!」
あろうことかレベンは『審査するもの』の拳目がけて左拳を放ったのだ!折れた拳を。
バキャ
何ともいいようのない音をたてた。
完全に砕けたわ・・・ね。
目を背けたくなるのを何とか堪える。
そこからだった、もっと信じられないことをレベンがしたのは。
「ぐぅぅぅ」
レベンが苦痛の声をだしながらあろうことか、左拳を支点にして『審査するもの』の右側面に降り立ったのだ!
レベンはそのまま右拳を『審査するもの』の腹に向かって突き出す。
負けじと『審査するもの』もレベンに向かって繰り出す。
ほんの少し、レベンの拳が早く当たった!ピタッと、二人とも動かなくなった。
まるですべての音が止まったかのように。
ドサッ
レベンが力なく崩れ落ちた。
「レベンッ!」
思わず反射的に叫ぶものの、声はあまりでない。
「次は、貴様だな」
冷徹に、『審査するもの』があたしに向かって死の宣告とも言えることばを投げかける。
「なぜ・・・レベンが倒れているの?先に攻撃が当たったのはレベンの方だったのに」
「・・・たしかに、この人間の攻撃が先に私に当たった。しかし、その瞬間に直接“力”を叩きつけたのだよ」
「そう・・・なの・・・」
信じられなかった。
何も感じ取れなかったからだ。
まさに、見えない攻撃。
レベンが避けきれなかったのも無理ないわ・・・。
「もう思い残すことはないだろう」
『審査するもの』が一歩一歩足を進める。
「冥土におくってやる」
「そう簡単には、やられないわっ!」
あたしは、声を張り上げ、虚勢をはる。
なんとか、声は出るようにはなったけど、戦えそうにはないわね。
「そうだ。何も死を受け入れ、殺されろとはいってはいない。貴様の納得いくまであがいてみろ」
『審査するもの』が立ち止まり、右腕をあげ、手のひらをこちらに向ける。あがいてやろうじゃない。一か八かの賭けだ。
『審査するもの』の手に力が収束していく。
「死ね!」
その言葉と同時にあたしは転がり、力の及ぶ範囲と思われる場所から身を退かせる。
ここから、一気に仕掛ける!
あれっ。しかし、転がるだけで精一杯だったようだ。
力が出ない。
ちぃ、まだ動かないの!?
あたしは状況を把握しようと顔を上げる。
一体どうしたというのか、『審査するもの』が膝をついて俯いている。
そういえば・・・あたしは自分が元いた場所をみてみる、しかし、力が放たれた形跡は全くなかった。
「へっ、やっと効いたようだね」
「この声は・・・」
声のした方を見ると、満身創痍だったはずのレベンが膝に右手をおいて立っていた。
「レベン!無事だったの!?」
「かなりぼろぼろだけど・・・何とか生きているみたい」
レベンが少しずつ足を引きずるようにして、こちらに近づいてくる。
「大丈夫マーヘン?」
「いや・・・それを聞くのはあたしの方でしょ・・・」
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
俺は5人の勇者の産みの親!!
王一歩
ファンタジー
リュートは突然、4人の美女達にえっちを迫られる!?
その目的とは、子作りを行い、人類存亡の危機から救う次世代の勇者を誕生させることだった!
大学生活初日、巨乳黒髪ロング美女のカノンから突然告白される。
告白された理由は、リュートとエッチすることだった!
他にも、金髪小悪魔系お嬢様吸血鬼のアリア、赤髪ロリ系爆乳人狼のテル、青髪ヤンデレ系ちっぱい娘のアイネからもえっちを迫られる!
クラシックの音楽をモチーフとしたキャラクターが織りなす、人類存亡を賭けた魔法攻防戦が今始まる!
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
俺のギフト【草】は草を食うほど強くなるようです ~クズギフトの息子はいらないと追放された先が樹海で助かった~
草乃葉オウル
ファンタジー
★お気に入り登録お願いします!★
男性向けHOTランキングトップ10入り感謝!
王国騎士団長の父に自慢の息子として育てられた少年ウォルト。
だが、彼は14歳の時に行われる儀式で【草】という謎のギフトを授かってしまう。
周囲の人間はウォルトを嘲笑し、強力なギフトを求めていた父は大激怒。
そんな父を「顔真っ赤で草」と煽った結果、ウォルトは最果ての樹海へ追放されてしまう。
しかし、【草】には草が持つ効能を増幅する力があった。
そこらへんの薬草でも、ウォルトが食べれば伝説級の薬草と同じ効果を発揮する。
しかも樹海には高額で取引される薬草や、絶滅したはずの幻の草もそこら中に生えていた。
あらゆる草を食べまくり最強の力を手に入れたウォルトが樹海を旅立つ時、王国は思い知ることになる。
自分たちがとんでもない人間を解き放ってしまったことを。
異世界から帰ってきたら終末を迎えていた ~終末は異世界アイテムでのんびり過ごす~
十本スイ
ファンタジー
高校生の時に異世界に召喚された主人公――四河日門。文化レベルが低過ぎる異世界に我慢ならず、元の世界へと戻ってきたのはいいのだが、地球は自分が知っている世界とはかけ離れた環境へと変貌していた。文明は崩壊し、人々はゾンビとなり世界は終末を迎えてしまっていたのだ。大きなショックを受ける日門だが、それでも持ち前のポジティブさを発揮し、せっかくだからと終末世界を異世界アイテムなどを使ってのんびり暮らすことにしたのである。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる