身体検査

RIKUTO

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検査本番

第三検査

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第三検査。
メインの検査だ。
射精してその精液を採取することと、僕がどうオーガズムをするか、その声と様子を観察、記録するものだ。
予習では多くの中学生、高校生が射精する様子を見てきた。
動画は全て公開されているが、ものすごく量が多い。特に射精するその10秒前の映像だけ見られるようになっており、みんなものすごく気持ちよさそうだった。特に顔カメラからの映像は圧巻だ。
声も録音され声紋分析にかけられる。
僕は予習のときに試しに検索で、都道府県別には沖縄県、部活動別にはサッカー部、といれて検索をかけてみた。過去数年間の記録で500人ヒットし、とても全部は見きれない。高校サッカーに出場し現在はJリーグで活躍しているこの子も検査に参加しており、とても気持ちよさそうな表情で射精している。
天井まで届きそうな勢いだった。
だが、不思議なことに検査官は手しか写っておらず、どういう人が手淫するのかわからない。
いよいよそれが明らかになる時だ。
「さて、この検査はとても敏感だから、我々は他の部屋で観察するよ。今度は別の人が来るからね。その人と君の二人きりになるよ。」
そういうと今までいた検査官たちは部屋から出ていった。
「仰向けになってしばらく待っていなさい。」
天井からマイクで指示が聞こえた。
いつの間にかカメラや検測機器が変わっていた。
僕の顔の真上には相変わらず顔だけを映し出すカメラがある。さらに僕の顔の左右にもカメラがあり、集音マイクがその隣りにある。
さらには足のあたりにもマイクとカメラがある。メインで全身を映し出すものだろう。予習でみてきた映像はそのアングルからだ。僕もその資料の中に載るんだな。
「今から注意事項を言うからね。気持ちよくて声が出ると思うけど、素直に何も考えず声を我慢しないように。検査にならないからね。手足はある程度バタつかせても大丈夫だよ。むしろ、動かしたかったらちゃんと動かすんだよ。」
そんなに気持ちがいいのか?その手淫する人はそんなにうまいのか?
そう考えているとなんだか眠くなってきた。
ん?これは寝てはダメなのか?
眠たいことは検査官たちにはカメラや計測機器からわかるはず。
すぐに強烈な眠気が襲ってきた。
到底耐えられるものではない。
その睡魔に身を任せると、深い眠りに落ちていた。

そしてしばらく寝ていただろうか、はっと目が覚めた。
どれくらい寝ただろうか。僕にはよくわからない。
検査室の時計を見ようと少し身体を起こす。
ん?まだこんな時間?
時計は11時だ。
そんなに経っていなかった。しかし、何時間も寝たような気がしてならなかった。
「おはよう。起きたかね?よく寝ていたよ。肛門の粘膜から投与する睡眠薬を塗っておいたんだ。これから最後の検査には、十分な睡眠を取ってから万全の体調で臨んでもらわなきゃね。」
スピーカーから検査官がそう言う。
いつの間に。
そんな射精は大事なのか?

「今から検査を開始するよ。今からは専門の検査官と君との二人きりになるからね。そのまま横になっていなさい。それじゃあ、専門の人が入るよ。」
そうスピーカーから声が聞こえると。しばらく静寂が訪れた。天井には相変わらず顔を撮影するカメラだけがこちらを見つめている。
その他マイクと両脇には別のカメラがあるだけである。
コツコツコツ。。。
足音が聞こえる。
そうか。この検査のためだけの検査官が来たんだ。すぐにそうわかった。
どんな人だろう?頭の中で色々と想像してみる。
射精の時余計雑念を払うために一切の余計な人員は室内には残らないんだな。

「カチャ」
ドアが開いた。人影我慢しないようにこちらに向かってくる。「桑くん。気持ちよくさせてあげる。」
心地よい女の人の声だ。
顔と身体が見えた。
「!!!!!!」
見た瞬間、驚愕と同時に物凄い何かが込み上げてきた。
艷やかな黒髪のショートカットで透き通った肌、つぶらな瞳。女性らしいきれいなボディーライン。豊かな胸と乳首、綺麗に手入れされた陰毛。
その人はまさに、僕が理想とする女性であった。
どうして?検査官たちは僕の性的指向や性的興奮を感じるものをすでに見抜いていたのだ。
まさにタイプとする女性が全裸で立っていたのだ!
それに近い人物を連れてきたのだからなんという準備の良さだろう。
すぐさま凄まじい性的興奮が身体中を襲い、一瞬にして性器が反応し塔のようにそそり立ち石のように固くなる。
すぐさま彼女は親指と人差指で幸せの輪っかを作り性器を手淫し始めた。
「うっっっ。。。」
あまりの気持ちよさに逆に声が出ない。
身体は鋼鉄のように硬直し彼女の世界に入り込んだ。
正しいリズムで手淫をする彼女はなにか特別な訓練でも受けているのか?それとも風俗嬢などのプロなのか?
じっと僕の顔を見つめ、目が合うとニコッて笑うその笑顔はまるで天使のようだが、どことなく女郎蜘蛛のような、小悪魔のようなものを感じる。
ピクピクと腰が浮き痙攣する。今にでも射精しそうな感じであるが、自分でも意識が遠くなる。
バタバタと足が小刻みに動き、両手はなぜか台に力を入れてくっつけてしまう。
ピッピッ!
無機質なカメラとマイクは時々赤い光を放つ。
何かを観測しているのだろう。
すると彼女がカメラから隠れるように台の下に隠れた。
手はそのまま僕の性器を愛撫している。いよいよ
撮影のクライマックスつまり、射精のその瞬間に近づいているのだろう。
「ウィーン」
カメラがゆっくりと動いてベストアングルへと移動する。
同時に僕の快楽は絶頂に達している。
その瞬間に射精感が込み上げ、彼女のストロークが激しくなる。
「あっ。うはぁ。。。あっ。。。」
情けないような声を出してしまう。感じるがまま、素直声を出した。
これは国家の正当で厳正な検査であり、青少年がオーガズムの際に発声する内容とその解析は健全な性教育及び我が国の性犯罪防止や生殖研究、男性学、医学生理学にとって極めて貴重な資料となり、さらに被検体の出身地、部活動、性的指向を解析して統計学的に処理することで貴重な資料となる。これは全過程においても同じことである。

「あっ!気持ち。。。。逝く。。。」
ついにその瞬間が来た。
自然と声に出る。
「逝く。。。。。」
小さい声が出る。
それと同時に彼女の手は離れた。性器から検査官たちの最大の研究対象かつ国家的な資料が飛び出した。
白くてドロッとしたそれは、きれいな放物線を描き、3回ほど飛び出し、台の上に落ちた。一部は僕の太ももに落ちた。
その瞬間カメラは最高レベルの性能で記録し、一瞬で精子の飛距離、高さ、体積、性質を画像から解析した。
隣の部屋の検査官たちは食い入るようにモニターを見つめ、パソコンのキーボードが一斉に音を立てているのがここからでも聞こえる。
聴覚のみハッキリしていたが、視覚がぼやける中、かろうじで顔を横に振ってみた。
あまりの気持ちよさにしばらく動けなかったが、彼女のテクニックはプロそのもの。それをまだ中学生のうちに堪能できたのはこの検査のおかげである。
その彼女は体勢を起こし、顔を近づけ耳元で囁いた。
いい匂いがする。。。。
それに加えて、なんとも甘い吐息の香りと混ざり合う。
「お疲れさま。よく頑張ったね。それでは、さようなら。」
彼女は一瞬のうちにそう言い残すと、くるりとドアに向かって歩き出ていった。全裸の後ろ姿はきれいなシルエットだ。
そのシルエットは横からの自動ドアで完全に見えなくなった。

少し寂しさがこみ上げる。

「ハイ。桑原陽翔君。検査はこれで終わりだよ。しばらく横になって待機していてね。」
現実に引き戻す声が天井から聞こえた。

彼女が出ていったドアからゾロゾロと検査官たちが入ってくる。
すかさず僕の体についた精子や台の精子を拭き取っていく。冷たいアルコール綿の感覚だけだ。
もう性的な何かも何もかも感じなくなっていた。
ただ無表情に天井のカメラを見つめているだけだ。
一部はスポイトで取り、素早くサンプル回収される。
これから精子検査を別の専門機関に持って行くのだろう。
顕微鏡の映像も予習で見たことがある。
すると、検査官が周りのカメラやマイク、機械を撤収し始めた。常にあった顔専用のカメラもだ。久しぶりに常時監視状態が溶けたいや、もとに戻ったのだ。

「さぁ、ゆっくりでいいから起き上がるんだ。」
主任検査官が、ゆっくりと僕の身体を起こす。
台からゆっくりと立ち上がり、ガウンを着せた。
なぜか、何年も台に寝ていたような感じだ。
撤収作業をする検査官たちを横目に主任検査官に付き添われた僕はガウンのまま部屋に戻った。
着ていた服など私物はすべて返され、その日のうちに解散となる。
僕は特に感じることもなく学校の体育着に着替えた。
ホテルの玄関まで主任検査官に付き添われ、数日ぶりに外に出た。
「お疲れさま。よく頑張ったね。これで君は自由だよ。」
主任検査官の見送りの後、僕は少しだけ挨拶をかわし家路についた。

1ヶ月後、僕の検査記録は大量の写真と動画、音声と共にホームページに公開される。
なんだか、恥ずかしようで誇らしいような少し複雑な気持ちだ。
明日から家のベットで目覚め、いつもの生活が待っている。
どこにでもいるただの中学生に戻る。

検査のお陰なのだろうか?今の日本からは性病、青少年の性行不良や、性犯罪はほぼ0になっており、遺伝子優生学の成果なのか、障害者の出生は今までの10分の1だ。

社会貢献を自らの体で示したのだろうか?すると僕は日本の未来を救った英雄か?
そんな事を考えながら家路を歩くと、もうすでに家についていた。
「おかえりなさい。」
母親が玄関まで迎えに出てきていた。
その光景はありふれた家庭の光景だ。



。。。。
こうして彼は、日常生活へと返って行った。
どこにでもいる、普通の少年へと戻ったのだ。
彼の家からは夕食の支度だろうか?
美味しそうなご飯の炊ける匂いがしている。
すでに街は夕暮れ。
夕日は街の山の向こうに沈みかけていた。














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