いじめ物語 美花学園

よう

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希望

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(私とは違う)
それが、ちさとがもった遠藤美咲の第一印象だった。
雰囲気なのか、見た目なのか、オーラなのか、分からない。
だが、ちさとに限らず皆がそう感じた。
ー3日後ー
美咲が転入してきて、3日たった。
が、すでに美咲は孤立していた。はぶられているわけではない。美咲が寄せ付けないのだ。
ー転入初日ー
(遠藤さんずっと本読んでる....)
美咲は、ずっと1人きりで誰にも話しかけようとしないどころか、誰も寄せ付けなかった。
まさに「一匹狼」という感じで、孤立していることを気にもしていないようだった。
だが、5☆は美咲の元へ行った。新入りに、自分がどういう立場か、5☆はどういう立場かを教えるためだ。
さな『私、金本さなよ。』
さなは、少し自慢げに自分の名を告げる。
美咲『....』
みう『みう達はぁ、寄付金額トップ6に入ってるんだぁ。』
あこ『教師もうちらにはめっちゃペコペコしててウケるよw』
めい『まあ誰だろうと生意気な事したらぶっとばすけどなww』
れいか『めいは県の柔道大会の優勝者ですしね。私は美城れいかと申します。』
れいかはそう言い、名刺を美咲の机に置いた。
さな『で、あなたの家は何をやっているの?名前を聞いただけでは分からなかったわw』
(すごい喧嘩売られてる......遠藤さん大丈夫かな....)
クラス中の視線が美咲と5☆に集まっていた。
そんな中、美咲はやっと本から目を離すと、一言こう言った。
美咲『自慢はそれで終わりか?』
クラス中が固まった。5☆だけでなく、ゆうすけでさえも、自分の耳を疑った。
ゆうすけ(チッ...面倒臭いのがきちゃったな)
(嘘.....)
そして美咲は、何もなかったかのように再び本を読み始める。
さなは顔を真っ赤にして、美咲を睨みつけた。
さな『覚えておきなさい!1人でいたいならずっと1人でいればいいわ。あんたの望み通りにしてあげる!』
さなは教室から出て行き、他の4人も小走りで教室を出ていった。
ーそして今に至るー
あれから教師でさえも美咲に話しかけないようになり、美咲は完全に孤立した。
(孤立している状況は同じなのに....私とは全然違うな....堂々としてて、ちゃんと自分をもってる.....だけど私は)
いきなり、めいがちさとを教室の後ろの方へ無理やり連れていった。
そして、突き飛ばす。
(いつもの.....パターン)
この二、三日ちさとへのいじめは収まっていた。多分、美咲を無視する方が重要だったのだろう。だが、美咲が全く弱らないので5☆はターゲットをちさとに戻したのだった。
みうとあこが、モップをちさとの顔や頭に押し当てる。
ちさと『げほっ...』
あこ『このモップ、トイレ掃除用でずっと洗ってなくて超くさいんだよねーww』
みう『お似合いだよぉwww』
ちさと『っ....ごほっ...』
めい『くせえんだよ』
いつもの調子でめいがちさとを殴ろうとした。
その時だった。
美咲『何してんだよ』
美咲はめいの腕をつかみ、そう言った。
教室中がざわめいた。
めい『あ?』
あこ『何ヒーローぶっちゃってんの?ww』
さな『調子のってんじゃないわよ』
美咲『調子のってんのはてめえだろ』
さな『は?』
美咲『1人じゃ何にもできねえくせに、数人集まると今度は調子にのって弱いやつをいじめる。そうやって弱いやつをいじめていると、自分は強い、偉いって過信するんだ。周りにいるやつらも、1人そういうターゲットがいると、自分は助かったって安心する。お前、さなっつったっけ。てめえに心からついていってるやつなんて一人もいねえからな。調子のってんじゃねえよ。クソが。』
そう美咲は言い切ると、ちさとの手を引き教室を出ていった。
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