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7 辺境で待っていたのは

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 その後ステファンは季節の境目で寝込んだ。
 この冬で僕の命は散るかもしれない……
 そう言ってはアリーの手を握り甘え、アリーも痩せていくステファンの姿に涙した。
 アリーは冬の間はステファンの手足となれるように領主の代理として仕事をした。叔父のすすめで学校へ行った事がここで少し活かされた。
 それ以外の時は常に彼の横にいた。
 ステファンは春がくるとベッドから出られるようになり、すっかり削げ落ちた肉を元に戻すように食べる事を楽しんだ。
 どんな時も二人は寄り添っていた。
 
 そんな二人の間に子供はできた。間をおかずに長男次男と出産し、小さな屋敷は子供の声で賑やかになった。
 どちらもステファンに似た顔立ちと性格で、よく双子に間違えられる。
 父親のプニプニのお腹の上が大好きな二人は、よく場所を取り合い喧嘩していた。
 一般的に子供は母親が特別な存在であるはずだが、二人の息子は母親と同じくらい父親が好きだった。
 喧嘩して泣いては父親の足にしがみつき、昼寝から起きては父親の姿を捜し歩いた。
 きっと美的感覚が優れているのだとアリーは思った。ステファンは元々顔のつくりがいい、年を重ねるごとに増すのは輝きと、滲み出る優しさだった。
 その頃ステファンの髪は一気に色が抜けグレイヘアになっていたが、渋みが増した旦那様にアリーが見とれるだけだった。



『今度こそ僕は死ぬだろう……子供たちを頼むよ……アリー、愛している』
『ステファン様、私を置いていかないでください。好きです、大好きなんです』

 そんなやりとりは続き、ステファンは孫の顔を見るまで長生きする事となった。
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みんなの感想(1件)

たろじろさぶ

なんという、ほのぼの🥰
泣けました。
もっと、ふたりのお話を読みたいです😄

宇井
2024.12.31 宇井

たろじろさぶさま
かわいい二人を目指した結果ほのぼのしました。
楽しんでいただけたようで嬉しいです。
おじさん視点や子供を交えたお話とか、何か思いついたら投稿しますね。
感想ありがとうございます!

解除

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