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17 竜鱗①
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武具店の帰りに、服を買った。
俺は白い服を一揃い。
ルディアには、丈夫な戦闘用の服と普段着を。
同じ色がいいと言い出したので、全部白だ。
服は手に持ち、鎧はルディアも着けてる。
鎧を持ち歩くのは骨だからな。
白い鎧を着て並ぶと、通行人から注目を浴びた。
ルディアが美少女だからかと最初は思った。
だが、聞き耳を立ててみると、
――ちっ、イチャつきやがって。
というような声が多かった。
(べつにイチャついてないんだが)
気にしてみると、ルディアは俺への距離が近い。
はたから見るとそんな風に見えるのかもな。
(だとしたら俺はロリコンだと思われてんのか?)
……深く考えないことにした。
宿は光の拝剣殿に近い方に取った。
家を買ってもいいが、やめておく。
サリーの警告してた件がある。
居所は定期的に変えたいところだ。
俺たちには守るべき秘密もあるからな。
「おいひいれふ」
宿の食卓で、デザートを頬張りルディアが言う。
「食うか喋るかどっちかにしろ、ルディア」
金はあるので、宿はまずまずの場所を取った。
新人には不相応だが、高級すぎるほどでもない。
変なのに絡まれないで済む程度の格の宿だ。
料理はそこまで期待してなかった。
だが、食ってみると存外おいしい。
ルディアはさっきからはしゃぎっぱなしだ。
人間の料理には馴染みがないからな。
「ぷはっ……し、失礼しました。
あまりに美味しかったもので……」
「気にするな。気に入ったようでよかったよ」
慣れない場所では不安だろう。
食事だけでも楽しみがあるのはいいことだ。
「お服も買ってもらいました。
人間の街は楽しいです」
ルディアの屈託のない言葉に、周囲を見る。
俺たちの話を聞いてる奴はいなそうだ。
「だが、危険もあるからな。
一人でうろつくのはしばらくは禁止だ」
「そんなぁ……」
「今日のチンピラみたいなのにからまれたら困る」
ルディアは人間のルールがわかってない。
騙されるだけじゃない。
知らずに罪を犯してしまうおそれもあった。
「なぁに、すぐに慣れるさ。
どいつもそんなに難しく考えて生きちゃいない。
セブンスソードは流れ者が多い街だ。
多少変なことをしても見逃してもらえるさ。
多少ならな」
他の国や閉鎖的な都市ではこうはいかない。
異物は嫌でも目立つだろう。
だからルディアをここに連れてきた。
「早く一人で出歩けるようになりたいです」
「そうだな。
ま、ルディアも魔剣士になったんだ。
この街では若くても魔剣士は大人扱いだ。
そのうち大手を振って歩けるさ」
「だといいのですが……っ、くぅっ!?」
がたんと音を立てて、ルディアが胸を押さえた。
「どうした!?」
「ぐ、いえ、なんでも……」
「ないわけがあるか!
ひょっとして、『母親』の言ってたアレか?」
「そ、うです」
「わかった。部屋に行こう」
俺はテーブルを回り、ルディアを抱え上げる。
何事かと周囲の客がこっちを見た。
「ひゃっ、自分で、歩けます……」
「黙ってろ。
バーテンダー、すまないが連れの具合が悪い。
領収書はあとで清算できるか?」
近くにいたバーテンダーに声をかける。
「も、もちろんです。
何かご用意しましょうか?」
「ひとまずはいい。
必要があれば頼むから」
「かしこまりました。お大事に」
「ありがとう」
ルディアを抱えたまま、ルディアの部屋に入る。
一応、俺とは別の部屋だ。
手を出すつもりはさらさらないが、一応な。
俺はルディアをベッドの上に下ろした。
ルディアの鎧を外してやる。
「くぅ……っ」
ルディアが苦しげに麻の服の胸元を押さえた。
「見せてみろ」
言うと、ルディアは襟を押し下げた。
ルディアの膨らみかけた胸の間に、異物がある。
「竜鱗……」
それは白銀色の鱗だった。
俺は白い服を一揃い。
ルディアには、丈夫な戦闘用の服と普段着を。
同じ色がいいと言い出したので、全部白だ。
服は手に持ち、鎧はルディアも着けてる。
鎧を持ち歩くのは骨だからな。
白い鎧を着て並ぶと、通行人から注目を浴びた。
ルディアが美少女だからかと最初は思った。
だが、聞き耳を立ててみると、
――ちっ、イチャつきやがって。
というような声が多かった。
(べつにイチャついてないんだが)
気にしてみると、ルディアは俺への距離が近い。
はたから見るとそんな風に見えるのかもな。
(だとしたら俺はロリコンだと思われてんのか?)
……深く考えないことにした。
宿は光の拝剣殿に近い方に取った。
家を買ってもいいが、やめておく。
サリーの警告してた件がある。
居所は定期的に変えたいところだ。
俺たちには守るべき秘密もあるからな。
「おいひいれふ」
宿の食卓で、デザートを頬張りルディアが言う。
「食うか喋るかどっちかにしろ、ルディア」
金はあるので、宿はまずまずの場所を取った。
新人には不相応だが、高級すぎるほどでもない。
変なのに絡まれないで済む程度の格の宿だ。
料理はそこまで期待してなかった。
だが、食ってみると存外おいしい。
ルディアはさっきからはしゃぎっぱなしだ。
人間の料理には馴染みがないからな。
「ぷはっ……し、失礼しました。
あまりに美味しかったもので……」
「気にするな。気に入ったようでよかったよ」
慣れない場所では不安だろう。
食事だけでも楽しみがあるのはいいことだ。
「お服も買ってもらいました。
人間の街は楽しいです」
ルディアの屈託のない言葉に、周囲を見る。
俺たちの話を聞いてる奴はいなそうだ。
「だが、危険もあるからな。
一人でうろつくのはしばらくは禁止だ」
「そんなぁ……」
「今日のチンピラみたいなのにからまれたら困る」
ルディアは人間のルールがわかってない。
騙されるだけじゃない。
知らずに罪を犯してしまうおそれもあった。
「なぁに、すぐに慣れるさ。
どいつもそんなに難しく考えて生きちゃいない。
セブンスソードは流れ者が多い街だ。
多少変なことをしても見逃してもらえるさ。
多少ならな」
他の国や閉鎖的な都市ではこうはいかない。
異物は嫌でも目立つだろう。
だからルディアをここに連れてきた。
「早く一人で出歩けるようになりたいです」
「そうだな。
ま、ルディアも魔剣士になったんだ。
この街では若くても魔剣士は大人扱いだ。
そのうち大手を振って歩けるさ」
「だといいのですが……っ、くぅっ!?」
がたんと音を立てて、ルディアが胸を押さえた。
「どうした!?」
「ぐ、いえ、なんでも……」
「ないわけがあるか!
ひょっとして、『母親』の言ってたアレか?」
「そ、うです」
「わかった。部屋に行こう」
俺はテーブルを回り、ルディアを抱え上げる。
何事かと周囲の客がこっちを見た。
「ひゃっ、自分で、歩けます……」
「黙ってろ。
バーテンダー、すまないが連れの具合が悪い。
領収書はあとで清算できるか?」
近くにいたバーテンダーに声をかける。
「も、もちろんです。
何かご用意しましょうか?」
「ひとまずはいい。
必要があれば頼むから」
「かしこまりました。お大事に」
「ありがとう」
ルディアを抱えたまま、ルディアの部屋に入る。
一応、俺とは別の部屋だ。
手を出すつもりはさらさらないが、一応な。
俺はルディアをベッドの上に下ろした。
ルディアの鎧を外してやる。
「くぅ……っ」
ルディアが苦しげに麻の服の胸元を押さえた。
「見せてみろ」
言うと、ルディアは襟を押し下げた。
ルディアの膨らみかけた胸の間に、異物がある。
「竜鱗……」
それは白銀色の鱗だった。
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