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第五章 15歳
68 再戦
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「『太陽風』!」
光と熱の暴風が、突如現れた闇色の男を呑み込んだ。
からくも闇の刃を逃れた俺は、陰から飛び出し、いきなり現れた男に向かって構えを取る。
「キロフ!」
「やあ、闇野君。あいかわらず迂闊な男ですね」
闇色の大鎌を肩に担ぎ、以前通りの黒いコートを着た黒髪の男が、おどけた口調でそう言った。
「来てあげましたよ。せっかくのお誘いですからねえ」
キロフは、陰から出た俺と、少し離れた場所に現れたロゼを見て言った。
「来ると思ったさ」
「やれやれ。やはり、学園都市への工作は失敗でしたか。まあ、あなたがいるとわかった時点で、半分あきらめていましたがね」
「エネルギーフィールドはなくなったぞ。兵を都市に入れたらどうだ?」
「どうせ、六年前皇女殿下を撤退に追い込んだのと同じ仕掛けが施してあるのでしょう?
エネルギーフィールドが消失したのは見せかけ。兵を誘い込むための見え透いた罠です。
あなたがどうやって皇女殿下を撃退したのかには興味がありますが、わざわざ罠を踏んでもしかたがありません」
「ちっ……」
キロフの言う通りだった。
エネルギーフィールドは、消えたと見せかけて、大講堂周辺だけを覆う小規模なフィールドに張り替えている。
都市内には、俺とロゼで、陰という陰にたんまり魔力を溜め込んで、強力な魔法回路を用意してある。
六年前、ランペジネで使った光闇混成魔法|《不夜城》。
あれをさらに改良した、領域内に立ち入ったものを一瞬にして昏倒させるという、身もふたもない魔法を仕掛けてある。
さすがにキロフは耐えるだろうが、黒装猟兵程度なら、ほぼ確実にまとめてノックアウトできる魔法である。
強力な分、昏倒したまま死亡する奴も出てくるだろうが、この状況で敵側の戦死者をゼロにしようと思うほどお人好しじゃない。
「それより、いいのですか? 君の友人の大切な妹が、ゼーハイドになってしまいますよ?」
俺は、キロフの言葉に、視界の隅でハントたちを見る。
ハントは、首もとを食いちぎられ、大量の血を流してる。
そのかたわらに呆然と立ち、半ばゼーハイド、半ば人間のままの少女が、「兄さん、兄さん!」と泣き叫ぶ。
「くくっ……どうです? 君を燻り出すにはいい仕掛けでしょう?」
「てめえ……まさか、そのためだけに」
「いえ、さすがにそこまで暇ではありませんよ。
最近は、ゼーハイドを人に『降ろす』研究にハマっていましてね。趣味と実益を兼ねて、というわけです」
「くそっ……」
ハントの出血は致命的だ。
すぐに助けなければ手遅れになる。
強力な回復魔法――それこそエレイン先生の魔法なら、この状態からでも命を取り止めるかもしれない。
俺やロゼも光属性の回復魔法が使えるから、応急処置くらいはこの場でできる。
だが、こいつがそんなことを許すはずもない。
ミゼルは、半ばゼーハイドに侵蝕されつつも、頭を両手で抱え、ハントへの攻撃をためらっていた。
「私の相手は、闇野君とローゼリア王女ですか。多少不足ですが、暇つぶしにはなるでしょう」
「大きく出たもんだな。だが――」
「『太陽風』!」
ロゼが出し抜けに放った白熱の突風がキロフを襲う。
キロフはその場から消え失せた。
自分の影に隠れたのだ。
だがもちろん、「影隠れ」への対策は考えてある。
「『輝影爆雷』っ!」
俺の前に、闇魔力に包まれた、十数個の光魔力の爆弾が現れる。
その爆弾を、手近な陰に、片っ端から放り込む。
陰という陰から光が爆ぜた。
その中のひとつから飛び出してきたキロフに、
「『太陽風』!」
灼熱の暴風が襲いかかる。
「なんとかのひとつ覚えだが、厄介ですね……『影の帆』よ!」
キロフが翻したコートの裾が宙に広がり、闇色のヴェールがキロフを覆った。
キロフの生み出した「帆」に、「太陽風」が直撃する。
キロフは「帆」を傾け、光熱波を斜めに逃そうとするが、
「ほうっ、たいした魔力だ!」
キロフは、コートを脱ぎ捨てると、背から影の翼を生やして跳躍する。
直後、「帆」を貫いた灼熱の颶風が、キロフがついさっきまで立っていた地面を蒸発させる。
キロフは、翼をばさりと羽ばたき、木の枝の上に降り立った。
「どうも、王女と魔力勝負をするのは分が悪いようですね」
「『太陽風』っ!」
話など聞く気はないと言わんばかりに、ロゼが術を解き放つ。
キロフのいた木の枝が――いや、その木の上半分が蒸発した。
キロフは、離れた場所にある陰をつたって、俺たちと対峙する位置に現れる。
やはり、俺とロゼで組めば、キロフ相手に戦える。
その確信は持てたのだが、
「ロゼ! ゼーハイドを頼む!」
「エリア、一人で戦うつもり!?」
「ミゼルを止めてくれ! 人に降ろす、とこいつは言った! それがヒントだ! こいつの相手は俺がする!」
「無茶だよっ!」
「こっちだ、キロフ!」
ロゼの焦った声を聞き流し、俺は大きく横に飛ぶ。
翼で飛ぶキロフに対し、俺は、光で自分の影を伸ばし、その中を移動することで、瞬時の移動を可能にした。
だが、キロフも、樹冠に生じた陰を縫って、同じ速度でついてくる。
「くふふっ、やはり君は頭が悪い。彼女と一緒なら、私と戦えたかもしれないものを」
「おまえは必ず俺が倒す!」
精一杯気負い込んで、俺は叫ぶ。
「くくっ、私に与えられた恐怖を、屈辱を、自分一人の力だけで乗り越えたい……ああ、愚かですねえ。そんな思考回路をしているから、ブラック企業から抜け出せないのですよ」
「うだうだうるせえんだよっ!」
俺は感情的な声を上げて、「闇の弾丸」をキロフに連射する。
キロフは、手にした鎌で、そのすべてを弾いてのけた。
前世の銃弾に近い――いや、それを超える速度の弾丸を手元で弾く。
人間には絶対に不可能なことだ。
「反射神経を加速してるのかっ?」
「さて、どうでしょうね。あなたは思考を加速しているようですが……その割に、取る戦術が愚かすぎる。いくら思考を加速しても、地頭が悪ければ意味がない」
キロフは口先で俺を挑発しながら、森の木をフェイントに使って、側面から鎌で斬りつける。
俺は跳びのきながら、自分の影から新しい武器を取り出した。
それは、一言では説明しづらい形状をしてる。
前世の記憶から近いものを探すなら、握力を鍛えるハンドグリッパーのような形だ。
それが、左右の手に一つずつ。
ただし、ハンドグリッパーと違って、人差し指の位置にトリガーがついている。
といっても、これは拳銃じゃない。
グリップの上には銃身はなく、代わりに釣竿のリールのようなものが、大小二つついている。
グリップの胴から伸びた極細の糸がリールに巻きつき、リールの先端にあるとば口を通って、鏃のような形状の、黒いアンカーの尻へとつながってる。
俺は、左右の手に握った「それ」を、キロフの左右、すこし外れたところに向けて、トリガーを引く。
グリップを通して俺の魔力を付与された極細の糸が、木々の合間を縫って走る。
魔力を調整することで、アンカーも糸も、自在に経路を変えられる。
俺の手元から伸びた二条の糸が、キロフの周囲を、立木を曲がり角にする形で取り囲む。
糸で囲まれた空間は、プロレスのリングを彷彿とさせる。
ただし、リングのロープとは違って、細い糸を目で見分けるのは困難だ。
視認性をさらに下げるために、糸には闇の魔力を込めている。
糸はつや消しの黒へと染まり、森の木陰に紛れて、反射光すら返さない。
だがもちろん、こいつになら、魔力を探知して、糸の位置を把握することはできるだろう。
実際、キロフは足を止め、素早く周囲に目を走らせた。
キロフが、目を細めて言ってくる。
「ほう、なんの手品です?」
「こういうことだよ……っと!」
魔力でコントロールされた糸が、上下左右からキロフに迫る。
キロフは、
「『光のカーテン』を」
光魔法で自分の周囲を包み込み、迫る糸を受け止めた。
糸は、光魔法のカーテンと接触したことで相克を起こし、魔力を失う。
糸は張ったままだが、魔力を失った糸に、人体を切断できるような力はない。
「ふっ……それでどうするというのです?」
「こうするのさ。『フラッシュライト』!」
俺は、キロフの周囲に、いくつかの照明弾を放った。
その直後、
「ぐはっ!?」
キロフが片手を押さえ、翼を羽ばたいて宙に逃げる。
「まだだ!」
俺は「フラッシュライト」を操作し、森の地面すれすれから、上空のキロフを照らし出す。
「ぐうっ!?」
今度は、キロフの片足を切り裂いた。
切断されたキロフの足が、宙から地面にこぼれ落ちる。
その途中、足は突然斜めに切れて、二つに分かれて地に落ちた。
「『闇の弾丸』!」
「ちぃっ!」
俺の追い討ちをキロフがかわす。
だが、体勢に無理がある。
キロフは、枝を巻き込みながら墜落し、離れた場所に着地する。
その間に俺は、魔力を込めた糸を流していく。
俺の流した糸は、脂汗を浮かべてうずくまるキロフを、あっという間に取り囲む。
「な、るほど……タネはわかりましたよ。糸の陰を使ったんですね」
「もう気づいたのかよ」
キロフの指摘した通りだ。
さっきの攻撃は、張り巡らせた糸に強い光を当てて、生まれた影を、魔法で影の刃に変えたものだ。
モノが影だけに、着弾は一瞬。見てから避けられるようなものじゃない。
魔法は通常、術者から離れた地点では発動が難しいが、糸を媒体とすることで、俺は糸の上のあらゆる地点で魔法が使える。
(めちゃくちゃ使いにくいんだけどな、これ)
ロゼもお試しで使おうとしたことがあったのだが、あまりの操作の複雑さに根を上げた。
【無荷無覚】がある俺だからこそ、複雑な操作と、それを実用的なレベルに仕上げるための面倒な訓練に耐えられたのだろう。
なんでわざわざ、こんなトリッキーな武器を選んだのかって?
それにはもちろん理由がある。
この世界での戦いは、煎じつめると、中距離での魔法戦へと落ち着いてくる。
魔法の技術が上がるほどに、相手に接近することが難しくなるからだ。
剣や槍のような武器は、魔法のレベルが上がるほどに出番がなくなってしまう。
では弓のような飛び道具はどうか?
弓はたしかに、魔法ほどには集中力がいらないが、魔法に比べると、圧倒的に威力が足りてない。
魔法の技術が上がれば魔法の発動も速くなるため、優れた魔術師なら、飛んでくる矢を魔法で撃墜することも可能である。
いや、そんな高度なことをしないでも、盾を持ったり、鎧兜を身につけたり、あるいは単に遮蔽物に身を隠したりすれば、矢を凌ぐことは簡単だ。
矢では、鉄製の鎧兜はおろか、木製の盾すら貫けない。
じゃあ、前世の科学知識を生かして銃を製造するのはどうか?
ところが、この世界では、火薬による爆発を利用した銃火器が作れないらしい。
ウルヴルスラによれば、火の精霊が火薬の爆発現象を四分の一以下に抑えてるのだという。
魔法はゼーハイドとの戦いに必要だが、ゼーハイドに物理的な攻撃は効きにくい。
銃火器は人間同士の争いにしか使われる余地がない。
だから黄昏人は、そのような制限を設けたらしい。
考えてみれば、古代技術を保有する帝国が、銃火器を使ってこないのはおかしかった。
キロフという転生者がいたのならなおさらだ。
しかしそうなると、戦いにどんな武器を持ち込むのが有効なのか?
あるいは、武器など持たず、すべてを魔法で賄うべきか?
闘戯場の仮想武器なども利用して模索した結果、俺は、糸で戦う方法にたどり着いた。
魔力で糸を操って攻撃する――強力で見切りにくく、この世界にはなかった攻撃方法だ。
ウルヴルスラの都市機能で紡いだ特製の糸は、魔法を伝導する繊維のもの。生徒騎士の着ている制服と同じ繊維からなっている。
魔法を伝導するので、糸を媒介にして、離れた場所で魔法を発動することもできる。
ただ、修行時間が足りてないせいで、俺の糸の操作はまだまだ甘い。
「思考加速」の魔法を使って、軌道をいちいち計算しながらやっている。
漫画の中の糸使いみたいに、自由自在にあらゆる場所を切断できるわけじゃない。
とはいえ、初見で対応するのは難しいはずだ。
(あわよくば、と思ってたんだけどな)
さすがに、それだけでやられてくれるほど甘い相手じゃない。
だが、この糸にはもうひとつの意味がある。
超自然的現象である魔法は、自然現象とは別物だ。
しかし、元から存在する自然現象に、同じような魔法を重ね合わせると、魔法の威力が上がることが知られてる。
たとえば、焚き火に向かって火魔法を使えば、火魔法の威力が上がり、発動自体も楽になる。
メイベルに読まされた本によれば、そのような自然現象を、魔法の触媒と呼ぶことがあるらしい。
で、俺が得意とする闇魔法の場合は、陰/影を触媒にするのが手っ取り早い。
俺はさっき、糸に強い光を当てて、糸の陰を一瞬にして伸ばし、キロフに落とした。
陰は、パッと見にはわからないくらいのか細いものだ。
だが、陰であることに違いはない。
キロフの身体にかかったか細い糸の陰を、俺は鋭利な影の刃として具現化させた。
陰が伸びるのは一瞬だ。
さしものキロフも、これをかわすことはできなかったらしい。
「カーテンでは防げませんか。なかなか厄介な攻撃だ……『空間硝子化』」
キロフが両手を左右に掲げ、魔法を使う。
その手の先の空間が、軋んだ音を立てて硬化する。
俺の放った糸の陰が、硬化した「空間」に弾かれた。
硝子化した空間は、キロフの周囲をたちどころに包み、攻撃できる隙がなくなった。
(ゼーハイドが現れる時の現象と似てるな)
おそらくは、ゼーハイドを使役する技術から編み出した、こいつオリジナルの魔法だろう。
光の反対方向に陰が落ちる、なんていう基本的な自然現象すら通じないところを見ると、異次元だか異空間だか、そんなような得体の知れない空間になってるのだろう。
ゼーハイドはもともと、物質を超えた領域にいるとかいう話だった。
せっかく用意してきた魔導糸があっさり防がれ、一瞬焦慮の念が浮かんでくる。
だが、一瞬だけだ。
【無荷無覚】は、ストレスのもたらす副次的な精神の動揺を抑えてくれる。
それに、用意した切り札は糸だけじゃない。
(あれを使うか?)
そんな考えが浮かんでくるが、
(いや、ダメだ。あれは一度しか使えない。もし防がれたら、こっちの切り札が一枚なくなっちまう)
それでキロフが仕留められるという確信がなければ、あの切り札は使えない。
かなり心身に負荷のかかる切り札なので、さっさと吐き出してしまいたいのだが……。
実際、【無荷無覚】のある俺でなければ、精神に支障をきたしかねないことらしい。
両手と両足に、それぞれ馴染みのない拍動があって、心臓や呼吸のリズムが乱れそうだ。
(まだだ……)
焦りを堪えることも、今の俺にとってはストレスじゃない。
戦闘という極限状況にあっても冷静さを失わないこと。
それは、【無荷無覚】という力を持つ、俺の特権的な強みなのだ。
(キロフも、現実感のなさのせいで、焦りだの動揺だのとは無縁みたいだけどな)
それでも、予想を裏切られれば驚くだろうし、動揺することもあるだろう。
キロフの現実感のなさは本人の性格の問題だが、こっちのストレス耐性は神からもらった力なのだ。
この部分だけは有利なのだと信じよう。
急いで思考をまとめると、俺はリールを握り直し、魔導糸を、キロフを包み込むように配置する。
左足のふくらはぎから先を失ったキロフが薄く笑う。
「ふっ、くくっ。これはいい。過労自殺を選ぶような愚物でも、生まれ変われば少しは成長するものと見える……」
鋭利に切断された足の断面には、闇魔法らしい黒いもやがかかり、傷口からの出血を止めていた。
(闇魔法系の回復魔法か)
ウルヴルスラのアーカイブや図書館の資料にも、こんな魔法は出てこない。
俺個人では、睡眠の回復力を向上する魔法を開発してはいるが、戦闘中に使えるような即効性のある術は編み出せてない。
「空間硝子化」に、闇属性の回復魔法。
やはり、キロフの魔法技術は俺の上を行っている。
キロフ自身の才覚に加え、こいつはネオデシバルの中枢にいる。
古代から受け継がれた強力な魔法を身につけていても不思議じゃない。
(でも、ダメージは小さくないはずだ)
キロフは、現実感というものが薄い質だと言っていた。
足を切断されたというのにろくに動揺してないのはそのせいか。
もっとも、いくら気持ちの上では動揺しなくたって、身体的なダメージは思考を鈍らせるはずだ。
俺は、あえてキロフを挑発する。
「前にもそんな煽り文句を言ってたな。ボキャ貧か? 追い詰められて、ご自慢の頭も回らないと見えるな」
「さあ……試してみてはどうです?」
「なら――『闇の弾丸』!」
全力で放った闇の弾丸が、キロフを包む硝子化空間を打ち砕く。
ゼーハイド由来の技術なら、ゼーハイドに通じる魔法でなら破れるはず。
そんな俺の読みは当たっていた。
俺はリールを握った手を動かし、キロフに糸の斬撃を放つ。
同時に、まだ生きていた「フラッシュライト」を動かし、糸の陰を即座に変化させる。
逃げ場のない攻撃のはずだった。
だが、キロフは俺を見つめながら、冷たい笑みを浮かべていた。
光と熱の暴風が、突如現れた闇色の男を呑み込んだ。
からくも闇の刃を逃れた俺は、陰から飛び出し、いきなり現れた男に向かって構えを取る。
「キロフ!」
「やあ、闇野君。あいかわらず迂闊な男ですね」
闇色の大鎌を肩に担ぎ、以前通りの黒いコートを着た黒髪の男が、おどけた口調でそう言った。
「来てあげましたよ。せっかくのお誘いですからねえ」
キロフは、陰から出た俺と、少し離れた場所に現れたロゼを見て言った。
「来ると思ったさ」
「やれやれ。やはり、学園都市への工作は失敗でしたか。まあ、あなたがいるとわかった時点で、半分あきらめていましたがね」
「エネルギーフィールドはなくなったぞ。兵を都市に入れたらどうだ?」
「どうせ、六年前皇女殿下を撤退に追い込んだのと同じ仕掛けが施してあるのでしょう?
エネルギーフィールドが消失したのは見せかけ。兵を誘い込むための見え透いた罠です。
あなたがどうやって皇女殿下を撃退したのかには興味がありますが、わざわざ罠を踏んでもしかたがありません」
「ちっ……」
キロフの言う通りだった。
エネルギーフィールドは、消えたと見せかけて、大講堂周辺だけを覆う小規模なフィールドに張り替えている。
都市内には、俺とロゼで、陰という陰にたんまり魔力を溜め込んで、強力な魔法回路を用意してある。
六年前、ランペジネで使った光闇混成魔法|《不夜城》。
あれをさらに改良した、領域内に立ち入ったものを一瞬にして昏倒させるという、身もふたもない魔法を仕掛けてある。
さすがにキロフは耐えるだろうが、黒装猟兵程度なら、ほぼ確実にまとめてノックアウトできる魔法である。
強力な分、昏倒したまま死亡する奴も出てくるだろうが、この状況で敵側の戦死者をゼロにしようと思うほどお人好しじゃない。
「それより、いいのですか? 君の友人の大切な妹が、ゼーハイドになってしまいますよ?」
俺は、キロフの言葉に、視界の隅でハントたちを見る。
ハントは、首もとを食いちぎられ、大量の血を流してる。
そのかたわらに呆然と立ち、半ばゼーハイド、半ば人間のままの少女が、「兄さん、兄さん!」と泣き叫ぶ。
「くくっ……どうです? 君を燻り出すにはいい仕掛けでしょう?」
「てめえ……まさか、そのためだけに」
「いえ、さすがにそこまで暇ではありませんよ。
最近は、ゼーハイドを人に『降ろす』研究にハマっていましてね。趣味と実益を兼ねて、というわけです」
「くそっ……」
ハントの出血は致命的だ。
すぐに助けなければ手遅れになる。
強力な回復魔法――それこそエレイン先生の魔法なら、この状態からでも命を取り止めるかもしれない。
俺やロゼも光属性の回復魔法が使えるから、応急処置くらいはこの場でできる。
だが、こいつがそんなことを許すはずもない。
ミゼルは、半ばゼーハイドに侵蝕されつつも、頭を両手で抱え、ハントへの攻撃をためらっていた。
「私の相手は、闇野君とローゼリア王女ですか。多少不足ですが、暇つぶしにはなるでしょう」
「大きく出たもんだな。だが――」
「『太陽風』!」
ロゼが出し抜けに放った白熱の突風がキロフを襲う。
キロフはその場から消え失せた。
自分の影に隠れたのだ。
だがもちろん、「影隠れ」への対策は考えてある。
「『輝影爆雷』っ!」
俺の前に、闇魔力に包まれた、十数個の光魔力の爆弾が現れる。
その爆弾を、手近な陰に、片っ端から放り込む。
陰という陰から光が爆ぜた。
その中のひとつから飛び出してきたキロフに、
「『太陽風』!」
灼熱の暴風が襲いかかる。
「なんとかのひとつ覚えだが、厄介ですね……『影の帆』よ!」
キロフが翻したコートの裾が宙に広がり、闇色のヴェールがキロフを覆った。
キロフの生み出した「帆」に、「太陽風」が直撃する。
キロフは「帆」を傾け、光熱波を斜めに逃そうとするが、
「ほうっ、たいした魔力だ!」
キロフは、コートを脱ぎ捨てると、背から影の翼を生やして跳躍する。
直後、「帆」を貫いた灼熱の颶風が、キロフがついさっきまで立っていた地面を蒸発させる。
キロフは、翼をばさりと羽ばたき、木の枝の上に降り立った。
「どうも、王女と魔力勝負をするのは分が悪いようですね」
「『太陽風』っ!」
話など聞く気はないと言わんばかりに、ロゼが術を解き放つ。
キロフのいた木の枝が――いや、その木の上半分が蒸発した。
キロフは、離れた場所にある陰をつたって、俺たちと対峙する位置に現れる。
やはり、俺とロゼで組めば、キロフ相手に戦える。
その確信は持てたのだが、
「ロゼ! ゼーハイドを頼む!」
「エリア、一人で戦うつもり!?」
「ミゼルを止めてくれ! 人に降ろす、とこいつは言った! それがヒントだ! こいつの相手は俺がする!」
「無茶だよっ!」
「こっちだ、キロフ!」
ロゼの焦った声を聞き流し、俺は大きく横に飛ぶ。
翼で飛ぶキロフに対し、俺は、光で自分の影を伸ばし、その中を移動することで、瞬時の移動を可能にした。
だが、キロフも、樹冠に生じた陰を縫って、同じ速度でついてくる。
「くふふっ、やはり君は頭が悪い。彼女と一緒なら、私と戦えたかもしれないものを」
「おまえは必ず俺が倒す!」
精一杯気負い込んで、俺は叫ぶ。
「くくっ、私に与えられた恐怖を、屈辱を、自分一人の力だけで乗り越えたい……ああ、愚かですねえ。そんな思考回路をしているから、ブラック企業から抜け出せないのですよ」
「うだうだうるせえんだよっ!」
俺は感情的な声を上げて、「闇の弾丸」をキロフに連射する。
キロフは、手にした鎌で、そのすべてを弾いてのけた。
前世の銃弾に近い――いや、それを超える速度の弾丸を手元で弾く。
人間には絶対に不可能なことだ。
「反射神経を加速してるのかっ?」
「さて、どうでしょうね。あなたは思考を加速しているようですが……その割に、取る戦術が愚かすぎる。いくら思考を加速しても、地頭が悪ければ意味がない」
キロフは口先で俺を挑発しながら、森の木をフェイントに使って、側面から鎌で斬りつける。
俺は跳びのきながら、自分の影から新しい武器を取り出した。
それは、一言では説明しづらい形状をしてる。
前世の記憶から近いものを探すなら、握力を鍛えるハンドグリッパーのような形だ。
それが、左右の手に一つずつ。
ただし、ハンドグリッパーと違って、人差し指の位置にトリガーがついている。
といっても、これは拳銃じゃない。
グリップの上には銃身はなく、代わりに釣竿のリールのようなものが、大小二つついている。
グリップの胴から伸びた極細の糸がリールに巻きつき、リールの先端にあるとば口を通って、鏃のような形状の、黒いアンカーの尻へとつながってる。
俺は、左右の手に握った「それ」を、キロフの左右、すこし外れたところに向けて、トリガーを引く。
グリップを通して俺の魔力を付与された極細の糸が、木々の合間を縫って走る。
魔力を調整することで、アンカーも糸も、自在に経路を変えられる。
俺の手元から伸びた二条の糸が、キロフの周囲を、立木を曲がり角にする形で取り囲む。
糸で囲まれた空間は、プロレスのリングを彷彿とさせる。
ただし、リングのロープとは違って、細い糸を目で見分けるのは困難だ。
視認性をさらに下げるために、糸には闇の魔力を込めている。
糸はつや消しの黒へと染まり、森の木陰に紛れて、反射光すら返さない。
だがもちろん、こいつになら、魔力を探知して、糸の位置を把握することはできるだろう。
実際、キロフは足を止め、素早く周囲に目を走らせた。
キロフが、目を細めて言ってくる。
「ほう、なんの手品です?」
「こういうことだよ……っと!」
魔力でコントロールされた糸が、上下左右からキロフに迫る。
キロフは、
「『光のカーテン』を」
光魔法で自分の周囲を包み込み、迫る糸を受け止めた。
糸は、光魔法のカーテンと接触したことで相克を起こし、魔力を失う。
糸は張ったままだが、魔力を失った糸に、人体を切断できるような力はない。
「ふっ……それでどうするというのです?」
「こうするのさ。『フラッシュライト』!」
俺は、キロフの周囲に、いくつかの照明弾を放った。
その直後、
「ぐはっ!?」
キロフが片手を押さえ、翼を羽ばたいて宙に逃げる。
「まだだ!」
俺は「フラッシュライト」を操作し、森の地面すれすれから、上空のキロフを照らし出す。
「ぐうっ!?」
今度は、キロフの片足を切り裂いた。
切断されたキロフの足が、宙から地面にこぼれ落ちる。
その途中、足は突然斜めに切れて、二つに分かれて地に落ちた。
「『闇の弾丸』!」
「ちぃっ!」
俺の追い討ちをキロフがかわす。
だが、体勢に無理がある。
キロフは、枝を巻き込みながら墜落し、離れた場所に着地する。
その間に俺は、魔力を込めた糸を流していく。
俺の流した糸は、脂汗を浮かべてうずくまるキロフを、あっという間に取り囲む。
「な、るほど……タネはわかりましたよ。糸の陰を使ったんですね」
「もう気づいたのかよ」
キロフの指摘した通りだ。
さっきの攻撃は、張り巡らせた糸に強い光を当てて、生まれた影を、魔法で影の刃に変えたものだ。
モノが影だけに、着弾は一瞬。見てから避けられるようなものじゃない。
魔法は通常、術者から離れた地点では発動が難しいが、糸を媒体とすることで、俺は糸の上のあらゆる地点で魔法が使える。
(めちゃくちゃ使いにくいんだけどな、これ)
ロゼもお試しで使おうとしたことがあったのだが、あまりの操作の複雑さに根を上げた。
【無荷無覚】がある俺だからこそ、複雑な操作と、それを実用的なレベルに仕上げるための面倒な訓練に耐えられたのだろう。
なんでわざわざ、こんなトリッキーな武器を選んだのかって?
それにはもちろん理由がある。
この世界での戦いは、煎じつめると、中距離での魔法戦へと落ち着いてくる。
魔法の技術が上がるほどに、相手に接近することが難しくなるからだ。
剣や槍のような武器は、魔法のレベルが上がるほどに出番がなくなってしまう。
では弓のような飛び道具はどうか?
弓はたしかに、魔法ほどには集中力がいらないが、魔法に比べると、圧倒的に威力が足りてない。
魔法の技術が上がれば魔法の発動も速くなるため、優れた魔術師なら、飛んでくる矢を魔法で撃墜することも可能である。
いや、そんな高度なことをしないでも、盾を持ったり、鎧兜を身につけたり、あるいは単に遮蔽物に身を隠したりすれば、矢を凌ぐことは簡単だ。
矢では、鉄製の鎧兜はおろか、木製の盾すら貫けない。
じゃあ、前世の科学知識を生かして銃を製造するのはどうか?
ところが、この世界では、火薬による爆発を利用した銃火器が作れないらしい。
ウルヴルスラによれば、火の精霊が火薬の爆発現象を四分の一以下に抑えてるのだという。
魔法はゼーハイドとの戦いに必要だが、ゼーハイドに物理的な攻撃は効きにくい。
銃火器は人間同士の争いにしか使われる余地がない。
だから黄昏人は、そのような制限を設けたらしい。
考えてみれば、古代技術を保有する帝国が、銃火器を使ってこないのはおかしかった。
キロフという転生者がいたのならなおさらだ。
しかしそうなると、戦いにどんな武器を持ち込むのが有効なのか?
あるいは、武器など持たず、すべてを魔法で賄うべきか?
闘戯場の仮想武器なども利用して模索した結果、俺は、糸で戦う方法にたどり着いた。
魔力で糸を操って攻撃する――強力で見切りにくく、この世界にはなかった攻撃方法だ。
ウルヴルスラの都市機能で紡いだ特製の糸は、魔法を伝導する繊維のもの。生徒騎士の着ている制服と同じ繊維からなっている。
魔法を伝導するので、糸を媒介にして、離れた場所で魔法を発動することもできる。
ただ、修行時間が足りてないせいで、俺の糸の操作はまだまだ甘い。
「思考加速」の魔法を使って、軌道をいちいち計算しながらやっている。
漫画の中の糸使いみたいに、自由自在にあらゆる場所を切断できるわけじゃない。
とはいえ、初見で対応するのは難しいはずだ。
(あわよくば、と思ってたんだけどな)
さすがに、それだけでやられてくれるほど甘い相手じゃない。
だが、この糸にはもうひとつの意味がある。
超自然的現象である魔法は、自然現象とは別物だ。
しかし、元から存在する自然現象に、同じような魔法を重ね合わせると、魔法の威力が上がることが知られてる。
たとえば、焚き火に向かって火魔法を使えば、火魔法の威力が上がり、発動自体も楽になる。
メイベルに読まされた本によれば、そのような自然現象を、魔法の触媒と呼ぶことがあるらしい。
で、俺が得意とする闇魔法の場合は、陰/影を触媒にするのが手っ取り早い。
俺はさっき、糸に強い光を当てて、糸の陰を一瞬にして伸ばし、キロフに落とした。
陰は、パッと見にはわからないくらいのか細いものだ。
だが、陰であることに違いはない。
キロフの身体にかかったか細い糸の陰を、俺は鋭利な影の刃として具現化させた。
陰が伸びるのは一瞬だ。
さしものキロフも、これをかわすことはできなかったらしい。
「カーテンでは防げませんか。なかなか厄介な攻撃だ……『空間硝子化』」
キロフが両手を左右に掲げ、魔法を使う。
その手の先の空間が、軋んだ音を立てて硬化する。
俺の放った糸の陰が、硬化した「空間」に弾かれた。
硝子化した空間は、キロフの周囲をたちどころに包み、攻撃できる隙がなくなった。
(ゼーハイドが現れる時の現象と似てるな)
おそらくは、ゼーハイドを使役する技術から編み出した、こいつオリジナルの魔法だろう。
光の反対方向に陰が落ちる、なんていう基本的な自然現象すら通じないところを見ると、異次元だか異空間だか、そんなような得体の知れない空間になってるのだろう。
ゼーハイドはもともと、物質を超えた領域にいるとかいう話だった。
せっかく用意してきた魔導糸があっさり防がれ、一瞬焦慮の念が浮かんでくる。
だが、一瞬だけだ。
【無荷無覚】は、ストレスのもたらす副次的な精神の動揺を抑えてくれる。
それに、用意した切り札は糸だけじゃない。
(あれを使うか?)
そんな考えが浮かんでくるが、
(いや、ダメだ。あれは一度しか使えない。もし防がれたら、こっちの切り札が一枚なくなっちまう)
それでキロフが仕留められるという確信がなければ、あの切り札は使えない。
かなり心身に負荷のかかる切り札なので、さっさと吐き出してしまいたいのだが……。
実際、【無荷無覚】のある俺でなければ、精神に支障をきたしかねないことらしい。
両手と両足に、それぞれ馴染みのない拍動があって、心臓や呼吸のリズムが乱れそうだ。
(まだだ……)
焦りを堪えることも、今の俺にとってはストレスじゃない。
戦闘という極限状況にあっても冷静さを失わないこと。
それは、【無荷無覚】という力を持つ、俺の特権的な強みなのだ。
(キロフも、現実感のなさのせいで、焦りだの動揺だのとは無縁みたいだけどな)
それでも、予想を裏切られれば驚くだろうし、動揺することもあるだろう。
キロフの現実感のなさは本人の性格の問題だが、こっちのストレス耐性は神からもらった力なのだ。
この部分だけは有利なのだと信じよう。
急いで思考をまとめると、俺はリールを握り直し、魔導糸を、キロフを包み込むように配置する。
左足のふくらはぎから先を失ったキロフが薄く笑う。
「ふっ、くくっ。これはいい。過労自殺を選ぶような愚物でも、生まれ変われば少しは成長するものと見える……」
鋭利に切断された足の断面には、闇魔法らしい黒いもやがかかり、傷口からの出血を止めていた。
(闇魔法系の回復魔法か)
ウルヴルスラのアーカイブや図書館の資料にも、こんな魔法は出てこない。
俺個人では、睡眠の回復力を向上する魔法を開発してはいるが、戦闘中に使えるような即効性のある術は編み出せてない。
「空間硝子化」に、闇属性の回復魔法。
やはり、キロフの魔法技術は俺の上を行っている。
キロフ自身の才覚に加え、こいつはネオデシバルの中枢にいる。
古代から受け継がれた強力な魔法を身につけていても不思議じゃない。
(でも、ダメージは小さくないはずだ)
キロフは、現実感というものが薄い質だと言っていた。
足を切断されたというのにろくに動揺してないのはそのせいか。
もっとも、いくら気持ちの上では動揺しなくたって、身体的なダメージは思考を鈍らせるはずだ。
俺は、あえてキロフを挑発する。
「前にもそんな煽り文句を言ってたな。ボキャ貧か? 追い詰められて、ご自慢の頭も回らないと見えるな」
「さあ……試してみてはどうです?」
「なら――『闇の弾丸』!」
全力で放った闇の弾丸が、キロフを包む硝子化空間を打ち砕く。
ゼーハイド由来の技術なら、ゼーハイドに通じる魔法でなら破れるはず。
そんな俺の読みは当たっていた。
俺はリールを握った手を動かし、キロフに糸の斬撃を放つ。
同時に、まだ生きていた「フラッシュライト」を動かし、糸の陰を即座に変化させる。
逃げ場のない攻撃のはずだった。
だが、キロフは俺を見つめながら、冷たい笑みを浮かべていた。
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