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この世界で生きていくために……
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(困ったなぁ……このプチトマトみたいに魔石も生えてくればいいのに……)
空腹のあまり、できたプチトマトはその場で全て平らげてしまった。万能鉢で成長したプチトマトの実を全て取ってしまった後、そこからは何故か黄色い花が咲き、それから変化はなかった。実を全て取ったら枯れてしまうのかとも思ったのだが、実をつける前の段階で留まっている。もしかしたらまた実をつけるかもしれないので、奏はこのままインテリアとしてテーブルに置いているのだった。
テーブルに置いてあるプチトマトの花を眺めながらどうしようかと考える。
「……魔石って種子にできたりしないかな……」
そう思った奏は魔石を種子の宝箱の中に入れて、魔石のことを考えてみた。プチトマトの時は実をイメージして種子が入っていた。だから今回は魔石の形、色なんかをイメージする奏。
箱を開けると魔石は無くなり、見たこともない種が入っていた。
「えっ! まさか成功!?」
早速万能鉢に土を入れる。一度土を入れに外に出たのだ。奏は素早く家から出ると土を詰めてすぐに戻ってきた。……一度出たからといって平気なわけではなかった。
魔石を底の方につけて、種を植える。それからしばらく待つだけで新芽が出てきてどんどん成長していった。魔石の花はその色と同じ薄紫色をしていて、大きな花弁がなくなると魔石が実っていた。
「……本当にできちゃった」
プチトマトと同じ要領で収穫する。硬さも重さも輝きも普通の魔石と変わらない。叡智の書を持って触ると、魔石のページに追加項目が増えていた。
【魔石】
魔力を帯びた宝石。魔道具を使用する際のエネルギー源として用いられることが多い。魔石は魔物の体内で蓄積されたもので、どの魔物にも存在する。魔石の大きさはその魔物の強さに直結する。
万能鉢で生成された魔石は、魔物の魔石と変わらない魔力を宿している。薄紫色の花は魔法薬の性能を高める効果がある。
魔石を収穫すると、その万能鉢からはプチトマトの時と同じようにまた薄紫色の花だけが咲いていた。
(魔法薬……そういえば、アイテムがたくさんあるところの部屋には、ポーションとか、回復薬みたいなのってなかった気がする)
先の九人が全員持っていってしまったのか、そもそもこの家にはないのか……。それは奏にとってはわからないが、ひとまず生活に必要な食料を育てていくために、種子の宝箱と万能鉢をフル活用していくのだった。
空腹のあまり、できたプチトマトはその場で全て平らげてしまった。万能鉢で成長したプチトマトの実を全て取ってしまった後、そこからは何故か黄色い花が咲き、それから変化はなかった。実を全て取ったら枯れてしまうのかとも思ったのだが、実をつける前の段階で留まっている。もしかしたらまた実をつけるかもしれないので、奏はこのままインテリアとしてテーブルに置いているのだった。
テーブルに置いてあるプチトマトの花を眺めながらどうしようかと考える。
「……魔石って種子にできたりしないかな……」
そう思った奏は魔石を種子の宝箱の中に入れて、魔石のことを考えてみた。プチトマトの時は実をイメージして種子が入っていた。だから今回は魔石の形、色なんかをイメージする奏。
箱を開けると魔石は無くなり、見たこともない種が入っていた。
「えっ! まさか成功!?」
早速万能鉢に土を入れる。一度土を入れに外に出たのだ。奏は素早く家から出ると土を詰めてすぐに戻ってきた。……一度出たからといって平気なわけではなかった。
魔石を底の方につけて、種を植える。それからしばらく待つだけで新芽が出てきてどんどん成長していった。魔石の花はその色と同じ薄紫色をしていて、大きな花弁がなくなると魔石が実っていた。
「……本当にできちゃった」
プチトマトと同じ要領で収穫する。硬さも重さも輝きも普通の魔石と変わらない。叡智の書を持って触ると、魔石のページに追加項目が増えていた。
【魔石】
魔力を帯びた宝石。魔道具を使用する際のエネルギー源として用いられることが多い。魔石は魔物の体内で蓄積されたもので、どの魔物にも存在する。魔石の大きさはその魔物の強さに直結する。
万能鉢で生成された魔石は、魔物の魔石と変わらない魔力を宿している。薄紫色の花は魔法薬の性能を高める効果がある。
魔石を収穫すると、その万能鉢からはプチトマトの時と同じようにまた薄紫色の花だけが咲いていた。
(魔法薬……そういえば、アイテムがたくさんあるところの部屋には、ポーションとか、回復薬みたいなのってなかった気がする)
先の九人が全員持っていってしまったのか、そもそもこの家にはないのか……。それは奏にとってはわからないが、ひとまず生活に必要な食料を育てていくために、種子の宝箱と万能鉢をフル活用していくのだった。
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