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誤って招ばれた少女
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一度大声を上げた奏は少し気分が落ち着いたのか、冷静に考えることに。
(……本来くるはずだった、十人目の人が来ていない……? ということは、これ以上この家に誰かが来るという可能性はないということかしら……)
手紙自体は床に置いてある状態で、封がされていた。つまりまだこの手紙の本来の持ち主はこの世界に来ていないことになる。
奏は手紙をテーブルの上に置いて、明るくなった室内を見渡す。
テーブルのあるところから見渡してわかるのはすぐそこに六つの扉があり、目に見える範囲にキッチンとダイニングテーブルがあることくらい。
テーブルの上には、奏が読んだ手紙が合計九人分、封が切られた状態で乱雑に置かれていた。
置いてある手紙を一通り並べてみると……
甲州 真。
𣜿葉 緋乃江。
石塚 戊。
宮成 庚。
水壬 隼人。
降谷 乙女。
丁野 亮平。
野辺 一己。
近藤 秀幸。
そして、奏の読んだ手紙に書いてあった癸生川 香織の名前の手紙。合わせて十通分がここに揃ったことになる。
どの手紙にもほとんど同じことが書かれていた。唯一違うのはそれぞれの名前の欄だけ。
(何度確認しても、私の名前はないのよね……)
奏は手紙を纏めてテーブルの隅の方へと置いた。
(これ以上手紙のことを考えてもしょうがないし、まずはこの部屋から調べまようか……)
部屋の中央にあるダイニングテーブルは六人がけの少し大きなサイズをしているくらいで、特に気になるところはない。テーブルも椅子も木で作られている。
椅子を引いて上に乗り天井にある照明部分に手を伸ばすと、日本で使っていた電球のようなものはなく、小さな石が光っているだけだった。触れても熱くないのだが、台座から外すと光が徐々に失われていった。また嵌め込むと光る。
キッチンも同じような感じで、一見日本で見たような様式美を感じられるところがあるものの、一部に照明で見たような石が埋め込まれている。
スイッチ一つで水が流れて、火もつけることができた。
そこに嵌め込まれているものも、照明に使われている石と同じものっぽい。
コンロの後ろには冷蔵庫と思われる品もあり、扉をゆっくり開けると冷たい冷気が少し漏れていた。
中身は入っていないが、十分な量が貯蔵できそうだった。
(異世界に電気、水道、ガスが完備されているとは思ってなかったけど……)
水や火を出す石には疑問を持ちつつも、先に部屋の確認をしてから考えることにした奏は一番近い部屋へと足を向けた。
(……本来くるはずだった、十人目の人が来ていない……? ということは、これ以上この家に誰かが来るという可能性はないということかしら……)
手紙自体は床に置いてある状態で、封がされていた。つまりまだこの手紙の本来の持ち主はこの世界に来ていないことになる。
奏は手紙をテーブルの上に置いて、明るくなった室内を見渡す。
テーブルのあるところから見渡してわかるのはすぐそこに六つの扉があり、目に見える範囲にキッチンとダイニングテーブルがあることくらい。
テーブルの上には、奏が読んだ手紙が合計九人分、封が切られた状態で乱雑に置かれていた。
置いてある手紙を一通り並べてみると……
甲州 真。
𣜿葉 緋乃江。
石塚 戊。
宮成 庚。
水壬 隼人。
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近藤 秀幸。
そして、奏の読んだ手紙に書いてあった癸生川 香織の名前の手紙。合わせて十通分がここに揃ったことになる。
どの手紙にもほとんど同じことが書かれていた。唯一違うのはそれぞれの名前の欄だけ。
(何度確認しても、私の名前はないのよね……)
奏は手紙を纏めてテーブルの隅の方へと置いた。
(これ以上手紙のことを考えてもしょうがないし、まずはこの部屋から調べまようか……)
部屋の中央にあるダイニングテーブルは六人がけの少し大きなサイズをしているくらいで、特に気になるところはない。テーブルも椅子も木で作られている。
椅子を引いて上に乗り天井にある照明部分に手を伸ばすと、日本で使っていた電球のようなものはなく、小さな石が光っているだけだった。触れても熱くないのだが、台座から外すと光が徐々に失われていった。また嵌め込むと光る。
キッチンも同じような感じで、一見日本で見たような様式美を感じられるところがあるものの、一部に照明で見たような石が埋め込まれている。
スイッチ一つで水が流れて、火もつけることができた。
そこに嵌め込まれているものも、照明に使われている石と同じものっぽい。
コンロの後ろには冷蔵庫と思われる品もあり、扉をゆっくり開けると冷たい冷気が少し漏れていた。
中身は入っていないが、十分な量が貯蔵できそうだった。
(異世界に電気、水道、ガスが完備されているとは思ってなかったけど……)
水や火を出す石には疑問を持ちつつも、先に部屋の確認をしてから考えることにした奏は一番近い部屋へと足を向けた。
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