66 / 138
第二部 二章:独りはあっても孤独はない
十二話 最初に女神が
しおりを挟む
夕日に照らされた家々が遠く伸びる影を創り出し、港は一時的に影に覆われる。しかし、影色の空と海の狭間から揺らめくまん丸の満月が、その闇を振り払うかのように、淡く純白に輝いていた。
そしてそんな満月が顔を覗かせている海を背に、一際高い舞台に立っているライゼは白銀のローブをはためかせた。おめかし用のローブである。
レーラーの影響か、ライゼも若干ローブ収集家になっていた。
俺が気が付かないうちにいつの間にかそうなっていたのだ。
まぁ、俺ももしローブが着れる身体だったら、レーラーに布教されていて、ローブ教の信者にでもなっていただろ。
なので、そこまで気にしていない。
「みなさな、この度は僕の魔法幻燈会へお越し下さり、ありがとうございます」
夕日が完全に落ち、満月の光だけが港を照らす。他に光はない。
そしてそんな中、観客である町中の住人が月光に煌くライゼを見る。
観客は大人と子供でいる場所が分かれている。
子供たちの方が大人たちよりも前にいる。子供が大人の足元にいると、危ないし、それに見えにくいだろうというライゼの配慮だ。
「今宵は終祝祭。幸い今日は晴れました。ですので満月と天に輝く極彩色の大河を眺めていたいところですが、それはもう少し後の方がよろしいかと思います」
満月の全身が海に映る。丁度、ライゼの頭の上に来る。
月が昇るのは意外にも早い。
「夜天に見惚れて、冬の海に落ちてしまったら困りますからね」
そして、ライゼのその言葉と同時に港の石畳が淡く月光に輝く。ふわふわと蛍の様に月光の光がゆっくりと舞い上がっていく。
観客は、特に子供たちはその光を掴もうと必死に手を動かす。興味深く、好奇心旺盛に目と手と体を動かす。
「おっと、危ないですよ」
と、そんな子供の一人が躓き、転びそうになる
だが、その子供の襟を突然現れた月光の鹿が咥え、背中に乗せる。
それを皮切りに、月光によって造られた鮮やかな動物たちが港の会場中に現れる。鹿、馬、猫、犬、狼、熊、イノシシ、小鳥、鳳。それぞれが子供や大人たちの間を魔法の様に縫いながら縦横無尽に駆けまわる。
決して誰にぶつかることなく、けれど、時たま遊ぶように、祝福する様に動物たちは観客に寄り添い、淡く儚く月光を輝かせる。
けれど、晴れていた夜空に一つの雲が出来上がる。
それがゆっくりと広がっていき、星々を隠し、ついには満月を隠してしまった。
「あ」
誰が呟いたのか。
寂しそうに、世界は真っ暗に染まる。
観客を闇が襲う。先程まで一緒にいた月光の動物たちは揺らめきながら溶けて消えてしまい、また、石畳も闇に染まっていた。
突然の事に多くの観客が唖然として、縮こまっている。
「最初に光が闇の世界に降り立った」
そして港が闇に染まり、数十秒くらい経った後、ライゼが一節を謳う。
すると、一匹の蝶が現れる。極彩色に輝き、煌く鱗粉は虹を創り出す。
「光は孤独な闇を憂い、手を差し伸べた」
極彩色の蝶は旋回していく。
すると、その中心で虹の鱗粉に染まらない闇が出来上がる。光に染まる事のない闇は不自然に浮き上がり、そして蝶の形に彩られていく。
そして旋回していた極彩色の蝶は闇の蝶の周りを縦横無尽に飛び回り、闇の蝶は戸惑いながらも、ゆっくりと闇の翅を羽搏かせていく。
そして、闇の翅は極彩色の蝶の鱗粉によって夜闇の如く美しく輝き、逆に虹の翅は闇の鱗粉によって影という色が作られた。
「そして光と闇の間に太陽と月が生まれ、太陽と月は昼と夜を産んだ」
その呟きはライゼの詩ではない。
光の蝶と闇の蝶をを見ていた一人の女の子が呟いたのだ。
その呟きに呼応する様に、太陽の様に輝く蝶と月の様に淡く微笑む蝶が生まれ、さらに昼の様に温かい蝶と夜の様に優しい蝶が生まれた。
「昼と夜は、彼は誰時と誰そ彼時を生み出した」
男の子が呟く。
その瞬間、昼の蝶と夜の蝶が交わり、そこから蒼と紅と黒と揺らめく宙が混じった蝶が二匹生まれた。
二人は親の周りを飛び回る。
「次に、光と月は海を生み出し、闇と太陽は空を生み出した」
シスター服の女性が呟いた。彼女は胸の前で手を組み、祈る様に頭を垂れる。
そんな彼女の祈りに応えるように、淡い蒼が蝶の上に創り出される。
「月と夜は空に星を与える」
八百屋のおっさんが呟く。シスターの尻を追っかけている事だけはある。
その執念が夜空を覆っていた雲を晴らしていく。
ゆっくりと月が現れ、幾星霜に命の輝きを放つ星々が現れる。
「光と星は大地を生み出す」
服屋のお姉さんが呟く。
瞬間、星に輝くように石畳が煌きだす。玲瓏たる儚い光が浮き上がり、観客たちを照らしていく。
「海と大地は炎と水を生み出し、炎と水は自然を生み出した」
宿屋の女将さんが呟く。
炎の蝶と水の蝶が現れ、また、深緑の苔に覆われた蝶が現れる。
「空と自然は風を創り出し、大地と自然は土を創り出す」
パン屋のおっさんが呟く。
風を纏った蝶と土に生まれた蝶が現れる。
「風と水は嵐を生み出す」「自然と水は大河を生み出す」「自然と土は豊かな森を生み出す」「月と炎は鳥を生み出す」「海と水は魚を生み出す」「太陽と空は雲を生み出す」「彼は誰時と誰そ彼時は虫を生み出す」「彼は誰時と誰そ彼時と星は過去を創り出す」「彼は誰時と誰そ彼時と太陽は未来を創り出す」「海と…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」
ライゼが大きく息を吸う。
「そして世界は誕生した」
瞬間、彩色豊かな数百、数千の蝶が港の会場を飛び回り、世界のあらゆる存在を纏った蝶たちが舞い踊る。
それは女神による世界誕生のお話。数千年も数万年も受け継がれてきたお話。
世界は創られたのだ。一人の女神と闇によって。
そしてそれからライゼの魔法幻燈会は二時間ほど続き、終わった。
そしてそんな満月が顔を覗かせている海を背に、一際高い舞台に立っているライゼは白銀のローブをはためかせた。おめかし用のローブである。
レーラーの影響か、ライゼも若干ローブ収集家になっていた。
俺が気が付かないうちにいつの間にかそうなっていたのだ。
まぁ、俺ももしローブが着れる身体だったら、レーラーに布教されていて、ローブ教の信者にでもなっていただろ。
なので、そこまで気にしていない。
「みなさな、この度は僕の魔法幻燈会へお越し下さり、ありがとうございます」
夕日が完全に落ち、満月の光だけが港を照らす。他に光はない。
そしてそんな中、観客である町中の住人が月光に煌くライゼを見る。
観客は大人と子供でいる場所が分かれている。
子供たちの方が大人たちよりも前にいる。子供が大人の足元にいると、危ないし、それに見えにくいだろうというライゼの配慮だ。
「今宵は終祝祭。幸い今日は晴れました。ですので満月と天に輝く極彩色の大河を眺めていたいところですが、それはもう少し後の方がよろしいかと思います」
満月の全身が海に映る。丁度、ライゼの頭の上に来る。
月が昇るのは意外にも早い。
「夜天に見惚れて、冬の海に落ちてしまったら困りますからね」
そして、ライゼのその言葉と同時に港の石畳が淡く月光に輝く。ふわふわと蛍の様に月光の光がゆっくりと舞い上がっていく。
観客は、特に子供たちはその光を掴もうと必死に手を動かす。興味深く、好奇心旺盛に目と手と体を動かす。
「おっと、危ないですよ」
と、そんな子供の一人が躓き、転びそうになる
だが、その子供の襟を突然現れた月光の鹿が咥え、背中に乗せる。
それを皮切りに、月光によって造られた鮮やかな動物たちが港の会場中に現れる。鹿、馬、猫、犬、狼、熊、イノシシ、小鳥、鳳。それぞれが子供や大人たちの間を魔法の様に縫いながら縦横無尽に駆けまわる。
決して誰にぶつかることなく、けれど、時たま遊ぶように、祝福する様に動物たちは観客に寄り添い、淡く儚く月光を輝かせる。
けれど、晴れていた夜空に一つの雲が出来上がる。
それがゆっくりと広がっていき、星々を隠し、ついには満月を隠してしまった。
「あ」
誰が呟いたのか。
寂しそうに、世界は真っ暗に染まる。
観客を闇が襲う。先程まで一緒にいた月光の動物たちは揺らめきながら溶けて消えてしまい、また、石畳も闇に染まっていた。
突然の事に多くの観客が唖然として、縮こまっている。
「最初に光が闇の世界に降り立った」
そして港が闇に染まり、数十秒くらい経った後、ライゼが一節を謳う。
すると、一匹の蝶が現れる。極彩色に輝き、煌く鱗粉は虹を創り出す。
「光は孤独な闇を憂い、手を差し伸べた」
極彩色の蝶は旋回していく。
すると、その中心で虹の鱗粉に染まらない闇が出来上がる。光に染まる事のない闇は不自然に浮き上がり、そして蝶の形に彩られていく。
そして旋回していた極彩色の蝶は闇の蝶の周りを縦横無尽に飛び回り、闇の蝶は戸惑いながらも、ゆっくりと闇の翅を羽搏かせていく。
そして、闇の翅は極彩色の蝶の鱗粉によって夜闇の如く美しく輝き、逆に虹の翅は闇の鱗粉によって影という色が作られた。
「そして光と闇の間に太陽と月が生まれ、太陽と月は昼と夜を産んだ」
その呟きはライゼの詩ではない。
光の蝶と闇の蝶をを見ていた一人の女の子が呟いたのだ。
その呟きに呼応する様に、太陽の様に輝く蝶と月の様に淡く微笑む蝶が生まれ、さらに昼の様に温かい蝶と夜の様に優しい蝶が生まれた。
「昼と夜は、彼は誰時と誰そ彼時を生み出した」
男の子が呟く。
その瞬間、昼の蝶と夜の蝶が交わり、そこから蒼と紅と黒と揺らめく宙が混じった蝶が二匹生まれた。
二人は親の周りを飛び回る。
「次に、光と月は海を生み出し、闇と太陽は空を生み出した」
シスター服の女性が呟いた。彼女は胸の前で手を組み、祈る様に頭を垂れる。
そんな彼女の祈りに応えるように、淡い蒼が蝶の上に創り出される。
「月と夜は空に星を与える」
八百屋のおっさんが呟く。シスターの尻を追っかけている事だけはある。
その執念が夜空を覆っていた雲を晴らしていく。
ゆっくりと月が現れ、幾星霜に命の輝きを放つ星々が現れる。
「光と星は大地を生み出す」
服屋のお姉さんが呟く。
瞬間、星に輝くように石畳が煌きだす。玲瓏たる儚い光が浮き上がり、観客たちを照らしていく。
「海と大地は炎と水を生み出し、炎と水は自然を生み出した」
宿屋の女将さんが呟く。
炎の蝶と水の蝶が現れ、また、深緑の苔に覆われた蝶が現れる。
「空と自然は風を創り出し、大地と自然は土を創り出す」
パン屋のおっさんが呟く。
風を纏った蝶と土に生まれた蝶が現れる。
「風と水は嵐を生み出す」「自然と水は大河を生み出す」「自然と土は豊かな森を生み出す」「月と炎は鳥を生み出す」「海と水は魚を生み出す」「太陽と空は雲を生み出す」「彼は誰時と誰そ彼時は虫を生み出す」「彼は誰時と誰そ彼時と星は過去を創り出す」「彼は誰時と誰そ彼時と太陽は未来を創り出す」「海と…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」
ライゼが大きく息を吸う。
「そして世界は誕生した」
瞬間、彩色豊かな数百、数千の蝶が港の会場を飛び回り、世界のあらゆる存在を纏った蝶たちが舞い踊る。
それは女神による世界誕生のお話。数千年も数万年も受け継がれてきたお話。
世界は創られたのだ。一人の女神と闇によって。
そしてそれからライゼの魔法幻燈会は二時間ほど続き、終わった。
0
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
性格が悪くても辺境開拓できますうぅ!
エノキスルメ
ファンタジー
ノエイン・アールクヴィストは性格がひねくれている。
大貴族の妾の子として生まれ、成人するとともに辺境の領地と底辺爵位を押しつけられて実家との縁を切られた彼は考えた。
あのクソ親のように卑劣で空虚な人間にはなりたくないと。
たくさんの愛に包まれた幸福な人生を送りたいと。
そのためにノエインは決意した。誰もが褒め称える理想的な領主貴族になろうと。
領民から愛されるために、領民を愛し慈しもう。
隣人領主たちと友好を結び、共存共栄を目指し、自身の幸福のために利用しよう。
これはちょっぴり歪んだ気質を持つ青年が、自分なりに幸福になろうと人生を進む物語。
※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載させていただいています
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
家族全員異世界へ転移したが、その世界で父(魔王)母(勇者)だった…らしい~妹は聖女クラスの魔力持ち!?俺はどうなんですかね?遠い目~
厘/りん
ファンタジー
ある休日、家族でお昼ご飯を食べていたらいきなり異世界へ転移した。俺(長男)カケルは日本と全く違う異世界に動揺していたが、父と母の様子がおかしかった。なぜか、やけに落ち着いている。問い詰めると、もともと父は異世界人だった(らしい)。信じられない!
☆第4回次世代ファンタジーカップ
142位でした。ありがとう御座いました。
★Nolaノベルさん•なろうさんに編集して掲載中。
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
退屈な人生を歩んでいたおっさんが異世界に飛ばされるも無自覚チートで無双しながらネットショッピングしたり奴隷を買ったりする話
菊池 快晴
ファンタジー
無難に生きて、真面目に勉強して、最悪なブラック企業に就職した男、君内志賀(45歳)。
そんな人生を歩んできたおっさんだったが、異世界に転生してチートを授かる。
超成熟、四大魔法、召喚術、剣術、魔力、どれをとっても異世界最高峰。
極めつけは異世界にいながら元の世界の『ネットショッピング』まで。
生真面目で不器用、そんなおっさんが、奴隷幼女を即購入!?
これは、無自覚チートで無双する真面目なおっさんが、元の世界のネットショッピングを楽しみつつ、奴隷少女と異世界をマイペースに旅するほんわか物語です。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる