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EPISIDE 2nd ◢◤ 片鱗
肉体と魂、そして栄養
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「栄養失調です」
突然意識を失ったミコがうっすらと目を開けると第一声に飛んできた言葉。
言ったのはカノンの横で白衣を着た強面の、医者。
頬に傷がある。
パッと見、どう見ても筋者です。
命を助ける職業より奪う方がお似合いです。
で、ミコはホテルヘブンの自分の部屋で横たわっていた。
カノンは冴えたブルーのドレスを着ている。
これまたスリットが深くてセクシーだ。
一日何回着替えるんだと。
聞くところによると部屋着らしい。
男の子……なのに。
ベッドで横になるミコのそばに座り無表情のカノンの後ろに退屈そうにしながらスマホをいじっているアレックス。
それにしても栄養失調? と顔をしかめるミコ。
ここ数日はいつもよりも食べていた。
朝はご飯に味噌汁に日替わりの焼き魚。今朝はシャケだった。
漬物もあった。ミコはご飯3杯食べた。
昼間もカフェでランチ。大盛りのカレーにナン。ナンは大きめのものを3枚。スープも飲んだ。
間食もした。ドーナツを2個。
体重を気にする年頃なのかと疑う程食べている。なのに医者は、
「ほんとに食べてます? 水も飲んでないような状態ですが……」
と言っていた。
――ほんとに医者か? ちゃんと診たのか? ヤクザじゃないのか?
と、疑わしい目をなんとか誤魔化しながらも、何がなにやらまったくわからないミコ。
カノンが無表情のまま医者に金を渡して部屋から出す。
ドアを閉めて1つため息をついてカノンが口を開いた。
「ミコ様がロザリア人である証拠です」
「は? え?」
「ロザリア人はこの世界の食事なんて摂りません。そもそもロザリア人の栄養素は……分かりにくいとは思いますが黙って聞いてください」
「は、はい……」
そう言われると緊張するミコ。
「ヒトをはじめとした生物の魂です。魂を精製加工してエネルギー源に変えたものを摂取します」
「ごめん……本気で全然わかんない」
「だから黙れと言ったんです」
「黙っ……はぃ……」
「にゃはは」
ミコ、意気消沈。
最近カノンの対応が少しずつキツくなっている。やはりドSなのか。
アレックスは笑っている。
「信じられないかもしれませんし、意味もよくわからないでしょう。
私はお兄様に初めて聞いた時すぐに理解しましたが。
ええ、お兄様と私は一心同体。お兄様のことならなんでも理解できますから」
「あっうん……ヒコの話はいいから……」
ミコの困り顔とカノンのムッとした顔が交錯。
カノンのヒコ信仰はいまに始まったことではないが話が進まない。
「早い話が簡単に言えばロザリア人はヒトや他の生き物の魂を食べて生きてるんです。
魂の塊、魂塊と呼ばれるものです。
私達のイメージする魂は実態のない霊的なものを想像しますが、概ねそうゆうものです。
生命エネルギーのようなもので、電気信号も帯びてます。まあ超ざっくり言うと霊的なものとそれに伴う電気です。
人体は電気信号を発してますから。
それを集積し抜き取る。精製加工は霊的なエネルギーを人体などの電気と融合し塊にするようなものです。
要は生物から採れた電力でロザリア人は動いてると思ってください」
「え? ロボット?」
「それ、おっしゃると思いました。
まったくドストレートにお馬鹿……いえ、失礼。
家電の名前を言わなかっただけ良しとしましょう。
それで……人間と似たような形状をしていますがその実はロザリア人はかなり違います。
ヒトではないですしその生体や生態も異なるもの。
人間としての常識が通じる人種ではないということは覚えておいてください。つまりミコ様、貴方もです」
「でも私ウンコとか普通にするけど」
思わず平然とウンコと口にしてしまったことにミコは視線を外す。
「そうでしょうね。そうするように記憶と肉体を作り変えられてますから。
ミコ様が可能な限り人間と同様に生活するために。
でもそれウンコのようなものがお尻の穴、のようなものから出るようにしているだけです。
わざわざそう作り変えてるというのもなんというか正気の沙汰じゃありませんが……。
今までは両親役のロザリア人が食事にその魂塊を混ぜていたのでしょう。
しかし記憶が戻れば肉体もそれに合わせて変化するでしょう。
ロザリア人にとって肉体はいくらでも変えられるモノですから。あのグリッスルがあんなキモチ悪い姿になるように」
「え? じゃあひょっとしてミコにある●●●も作りもんてこと? ニューハーフが手術するような? え? マジで?」
アレックスがいきなり食いついたと思ったらソコ。
卑猥だ。シモネタ一直線男子。
カノンは咳払いだけして一蹴。
話は続いていく。
突然意識を失ったミコがうっすらと目を開けると第一声に飛んできた言葉。
言ったのはカノンの横で白衣を着た強面の、医者。
頬に傷がある。
パッと見、どう見ても筋者です。
命を助ける職業より奪う方がお似合いです。
で、ミコはホテルヘブンの自分の部屋で横たわっていた。
カノンは冴えたブルーのドレスを着ている。
これまたスリットが深くてセクシーだ。
一日何回着替えるんだと。
聞くところによると部屋着らしい。
男の子……なのに。
ベッドで横になるミコのそばに座り無表情のカノンの後ろに退屈そうにしながらスマホをいじっているアレックス。
それにしても栄養失調? と顔をしかめるミコ。
ここ数日はいつもよりも食べていた。
朝はご飯に味噌汁に日替わりの焼き魚。今朝はシャケだった。
漬物もあった。ミコはご飯3杯食べた。
昼間もカフェでランチ。大盛りのカレーにナン。ナンは大きめのものを3枚。スープも飲んだ。
間食もした。ドーナツを2個。
体重を気にする年頃なのかと疑う程食べている。なのに医者は、
「ほんとに食べてます? 水も飲んでないような状態ですが……」
と言っていた。
――ほんとに医者か? ちゃんと診たのか? ヤクザじゃないのか?
と、疑わしい目をなんとか誤魔化しながらも、何がなにやらまったくわからないミコ。
カノンが無表情のまま医者に金を渡して部屋から出す。
ドアを閉めて1つため息をついてカノンが口を開いた。
「ミコ様がロザリア人である証拠です」
「は? え?」
「ロザリア人はこの世界の食事なんて摂りません。そもそもロザリア人の栄養素は……分かりにくいとは思いますが黙って聞いてください」
「は、はい……」
そう言われると緊張するミコ。
「ヒトをはじめとした生物の魂です。魂を精製加工してエネルギー源に変えたものを摂取します」
「ごめん……本気で全然わかんない」
「だから黙れと言ったんです」
「黙っ……はぃ……」
「にゃはは」
ミコ、意気消沈。
最近カノンの対応が少しずつキツくなっている。やはりドSなのか。
アレックスは笑っている。
「信じられないかもしれませんし、意味もよくわからないでしょう。
私はお兄様に初めて聞いた時すぐに理解しましたが。
ええ、お兄様と私は一心同体。お兄様のことならなんでも理解できますから」
「あっうん……ヒコの話はいいから……」
ミコの困り顔とカノンのムッとした顔が交錯。
カノンのヒコ信仰はいまに始まったことではないが話が進まない。
「早い話が簡単に言えばロザリア人はヒトや他の生き物の魂を食べて生きてるんです。
魂の塊、魂塊と呼ばれるものです。
私達のイメージする魂は実態のない霊的なものを想像しますが、概ねそうゆうものです。
生命エネルギーのようなもので、電気信号も帯びてます。まあ超ざっくり言うと霊的なものとそれに伴う電気です。
人体は電気信号を発してますから。
それを集積し抜き取る。精製加工は霊的なエネルギーを人体などの電気と融合し塊にするようなものです。
要は生物から採れた電力でロザリア人は動いてると思ってください」
「え? ロボット?」
「それ、おっしゃると思いました。
まったくドストレートにお馬鹿……いえ、失礼。
家電の名前を言わなかっただけ良しとしましょう。
それで……人間と似たような形状をしていますがその実はロザリア人はかなり違います。
ヒトではないですしその生体や生態も異なるもの。
人間としての常識が通じる人種ではないということは覚えておいてください。つまりミコ様、貴方もです」
「でも私ウンコとか普通にするけど」
思わず平然とウンコと口にしてしまったことにミコは視線を外す。
「そうでしょうね。そうするように記憶と肉体を作り変えられてますから。
ミコ様が可能な限り人間と同様に生活するために。
でもそれウンコのようなものがお尻の穴、のようなものから出るようにしているだけです。
わざわざそう作り変えてるというのもなんというか正気の沙汰じゃありませんが……。
今までは両親役のロザリア人が食事にその魂塊を混ぜていたのでしょう。
しかし記憶が戻れば肉体もそれに合わせて変化するでしょう。
ロザリア人にとって肉体はいくらでも変えられるモノですから。あのグリッスルがあんなキモチ悪い姿になるように」
「え? じゃあひょっとしてミコにある●●●も作りもんてこと? ニューハーフが手術するような? え? マジで?」
アレックスがいきなり食いついたと思ったらソコ。
卑猥だ。シモネタ一直線男子。
カノンは咳払いだけして一蹴。
話は続いていく。
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