35 / 36
蛇足(R18)
35
しおりを挟む
タイミングを逃したまま時ばかりが過ぎ、新年を迎えていた。
王家を守る四家とされる公爵家だが、王が代替えを果たし、その後押しをレイダー公爵家が行い、現国王が可愛がりそしてその命を守った弟がレイダー公爵の婚約者に宛がわれた。 そのような噂が世間に蔓延しており、王宮で行われた新年の祭りではレイダー女公爵であるホリーの周りに人が途絶える事は無かった。
そして、その周囲を守る3人の騎士達も立ち姿も美しく、それが獣人であると知れば、獣人でハーレムを作っていると以前からあった噂に拍車をかけていた。
直接事実を問いかける者も少なくはなく、日頃からモフモフ天国やら、モフハーレムやら開き直っているホリーは、上手く交わす事が出来ずルカの苦労ばかりが増えていくのだった。
「ちょっと休憩」
そう言ってルカは、給仕が配って歩く酒を1杯手にとってバルコニーへと向かい黄昏ていた。
もともと仲は良かった。
いや、だからこそ進み損ねたと言える。
「あ~~、この旅行で色々と代わるはずだったんだがなぁ……」
環境を変えればと言う下心は、若くて愛らしい公爵の前にぶっ潰された。 夫人や令嬢達は、社交会に馴染むことが出来ず不愛想にしながらも、時々静かに笑みを向けるホリーをチヤホヤした。
あら、可愛い。
照れ屋なのね。
好意的に言われるが、単純に背後に持つ権力に向けるギラギラとした欲望がみなぎっていた。 そして、貴族当主、子息たちは、獣人を侍らせるぐらいなら自分達が、自分達の子が等と明らかな欲を抱いている。
それでも社交の場であれば、適度にあしらう必要が出て来る。 そう言う悪意に気付いているのかいないのか? コッソリと事務職採用出来ないかしら? と、袖を引いて場違いな事を聞いてくるのが、可愛いとか思ってしまう俺も大概馬鹿だと思う。
どれぐらい真っ暗な空を眺めていたか?
飾りのふりをして側に寄り添っていたはずの白フクロウの獣人が飛んできて、バルコニーの手摺に降り立った。
「主様とブラン殿に問題が発生しました。 直ぐにお戻りください」
言われて残っていた酒を飲み尽くし、グラスをフクロウに渡し、ルカは戻る。
ざわざわとする雑踏を押し分け戻れば、ホリーとブランが酒に潰れて真っ赤になっていた。 ホリーには飲むなと言っていたし、ブランは酒に潰れるような……2人を支えオロオロするラスティを横に人目もはばからずルカはホリーに口づけた。
もぞもぞと避けようとしたが、唇を分け口内の香りを確認する。 単純に匂いをかぎ分けるには……少しばかりその場の匂いが強すぎたから……と、後で言い訳する事になるが。
その匂いの元を見つけるのは容易だったと言いたいが、思ったよりも多くてビックリしたと言うところだろう。
「陛下、これは問題です……王家の祝いの場で、女性達を思う通りにしようとした者達がいるようですよ……」
先王の頃の悪習。 以前は許されたと犯人とされた者達は暴れるが、ソレをそのままにできるはずはなく、折角の祝いの場は閉会となった。 後日どれだけの賠償が発生するか? 新年早々の喧噪を前に王族達の混乱を他人事のように眺めながら、ルカはホリーを抱き上げ部屋へと戻った。
身体が熱い。
……皮膚がジリジリする……。
騒々しさが鬱陶しくて泣きたくなるような感覚に、ホリーはルカに助けを求めた。
「るか、るか……」
「はいはい、大丈夫だ。 部屋に戻ろうな」
甘く優しい声に酔うように、意識を閉ざした。
どれくらい眠っていただろうか?
身体に帯びた熱は、収まってはいないけれど。 着なれない身体を締め付けるタイプのドレスから解放され、息をつくぐらいは出来るようになっていた。
サイドテーブルに置かれた水を飲み干し……ルカを探そうと視線を巡らした。
「いない……?」
不安が襲ってくる。
王宮には綺麗な女性達が側にいた。 そして何よりも自分を守るブランの簡素なドレス姿が何よりも美しかった。 何時も、だれよりも、何よりも自分を大切にしてくれるブランに嫉妬を覚えると言うのは……間違っている事は理解している。
それでも、ルカは自分と一緒にいた時間だけブランとも一緒に居たのだと思えば、やっぱり辛いと思った。 辛いと思いながらもブランに申し訳なさを覚えてグルグルしてしまう。
「ぁ、起きたか? ここは公爵邸じゃないからなぁ……良い薬が無くて悪い。 一応、一般的な中和剤は飲ませたが、気分はどうだ?」
風呂に入っていたのだろう濡れた身体を拭きながら戻ってきたルカから視線をそらした。
「まだ、身体が熱いけど平気」
剥き出しの上半身は程よく筋肉がつき引き締まっていて……ドキドキとして……体の中心がぐらぐらとするような……そんな息苦しさを覚えていた。
「どうか、したのか?」
ベッド脇まで歩み寄ってきたルカが金色の瞳でじっと見下ろしてくれば、何時もとは違う光を瞳にうつしているように見えた。 そう言えば……口づけをした時に……。
ホリーは手を伸ばしルカの頬に触れ、唇に触れた。
「本当にどうした? まだ、辛いのか?」
困ったような苦笑い。
「薬、ルカは大丈夫?」
「あぁ……まぁ……匂いを嗅いだ程度だったからな」
抱きしめられ髪と背が撫でられる。 身体と身体を近寄せれば……、欲情を露わにした熱が身体に触れ、ルカは慌てて身体を引き離した。
「ルカ?」
「気にするな……。 ちょっと獣人にはキツイ匂いだっただけだ……」
おかげでブランが直ぐに気付き、ホリーから薬入りの酒を最後まで飲む事なく取り上げる事が出来たと言う事だった。
「大人しく寝てろ」
起き上がった身体を強引に横にされ、そして布団がかけられる。
「ちょ……えっと……ルカだって、その……つらいんじゃないかなって……」
何を言っているんだ私!! 顔が赤く心臓が早くなり、速攻後悔する事となるが……このまま何もないままで他所の女に奪われる方が余程嫌だ。
ソファに行こうとしているらしいルカの手を掴み、ベッドに連れ込もうとすれば……。 もともとの腕力差が災いして顔面からベッド落下と言うオチへと向かいそうになり、ルカは慌てて受け止めてくれた。
「な、何がしたいんだ……」
「えっと……。 エッチなこと?」
「……」
「いや、おかしくないよね?! 私達ほら、婚約者な訳だし? ぇ、王宮だから、不味い? ダメ?」
やばかった?? と、布団の中に戻って行けば……布団ごと抱きしめられた。
「なんか、気を遣わせたみたいで悪い」
布団ごしなのに肌の熱も鼓動も伝わって……そして……口づけられた。
好き……。
交わされる口づけは、甘く優しいものから……少しずつ熱を帯びていっていた。 舌先を舐めあい、口内を犯すように擦り撫でられる。 唾液が溢れ、唇の隙間から吐息が零れ落ちる。
唇を合わせ、舐めあう、舌先を絡めあう。 いつもの口づけなのに……何時もの口づけと違い、息をつく間がない……。
「ぁっ、ぁっ……」
嫌な訳じゃない、追い詰められていく感覚が、熱を煽って来る。
自分から零れ落ちる吐息と甘い声を遠くに聞いているようで、熱い身体に触れられる優しい手がざわざわとする肌を刺激する。
唇がゆっくりと話され唾液が意図をひく。
耳元に囁かれる声が……熱く、艶っぽくてゾクゾクとした。
「ツライ?」
大きな手が、太腿を撫でてくる。
「あっ……ぁ、んっ」
嫌って言葉を飲み込んだ。 主従関係が長かったせいか、ルカは私の顔色を伺い過ぎる。 その奥にある真実にまで強引に割り言ってくる事はない。
ホリーとブレンダは娘で母だったが、良い友達どうしでもあり、悪友でもあった。 性的な知識を教え込まれてない訳ではなく……。 自分の身体の熱が、ジリジリとする肌、それがどういうものか知らされていた。
「ルカ……」
「どうした?」
甘く優しく見つめる瞳が、狂暴な光を帯びている。
「肌がジリジリとするの……」
「そうか……」
短い返事と共にチュッと首筋に口付けられ、舐められた。
「あっ……」
ピクッとホリーの身体が震える。
両足の間を撫でる手が徐々に上がって行く。 するすると触れられる肌は、ジットリと汗をかき、両足の間は熱を帯び、お腹のおくがグズグズと焦れたように熱く、切なくなっていて、太腿を摺り寄せるように足を閉ざせば、ルカの手はあっけなく引いた。
「んっ、ダメ、もっと……」
「もっと、何?」
「……さわ、って」
「あぁ」
身近な返事と共に熱を帯び濡れた場所に、ゴツゴツと筋張った指が触れる。 長い指は溢れ出る蜜を絡めながら肉の花弁を押し広げ……蜜口をぬちゅぬちゅと音を立て撫で、悪戯に肉を指先で撫で引っ掻き、指で探る上部、硬くなった肉の芽に刺激があたえられた途端……快楽が弾け、熱が溢れた……。
王家を守る四家とされる公爵家だが、王が代替えを果たし、その後押しをレイダー公爵家が行い、現国王が可愛がりそしてその命を守った弟がレイダー公爵の婚約者に宛がわれた。 そのような噂が世間に蔓延しており、王宮で行われた新年の祭りではレイダー女公爵であるホリーの周りに人が途絶える事は無かった。
そして、その周囲を守る3人の騎士達も立ち姿も美しく、それが獣人であると知れば、獣人でハーレムを作っていると以前からあった噂に拍車をかけていた。
直接事実を問いかける者も少なくはなく、日頃からモフモフ天国やら、モフハーレムやら開き直っているホリーは、上手く交わす事が出来ずルカの苦労ばかりが増えていくのだった。
「ちょっと休憩」
そう言ってルカは、給仕が配って歩く酒を1杯手にとってバルコニーへと向かい黄昏ていた。
もともと仲は良かった。
いや、だからこそ進み損ねたと言える。
「あ~~、この旅行で色々と代わるはずだったんだがなぁ……」
環境を変えればと言う下心は、若くて愛らしい公爵の前にぶっ潰された。 夫人や令嬢達は、社交会に馴染むことが出来ず不愛想にしながらも、時々静かに笑みを向けるホリーをチヤホヤした。
あら、可愛い。
照れ屋なのね。
好意的に言われるが、単純に背後に持つ権力に向けるギラギラとした欲望がみなぎっていた。 そして、貴族当主、子息たちは、獣人を侍らせるぐらいなら自分達が、自分達の子が等と明らかな欲を抱いている。
それでも社交の場であれば、適度にあしらう必要が出て来る。 そう言う悪意に気付いているのかいないのか? コッソリと事務職採用出来ないかしら? と、袖を引いて場違いな事を聞いてくるのが、可愛いとか思ってしまう俺も大概馬鹿だと思う。
どれぐらい真っ暗な空を眺めていたか?
飾りのふりをして側に寄り添っていたはずの白フクロウの獣人が飛んできて、バルコニーの手摺に降り立った。
「主様とブラン殿に問題が発生しました。 直ぐにお戻りください」
言われて残っていた酒を飲み尽くし、グラスをフクロウに渡し、ルカは戻る。
ざわざわとする雑踏を押し分け戻れば、ホリーとブランが酒に潰れて真っ赤になっていた。 ホリーには飲むなと言っていたし、ブランは酒に潰れるような……2人を支えオロオロするラスティを横に人目もはばからずルカはホリーに口づけた。
もぞもぞと避けようとしたが、唇を分け口内の香りを確認する。 単純に匂いをかぎ分けるには……少しばかりその場の匂いが強すぎたから……と、後で言い訳する事になるが。
その匂いの元を見つけるのは容易だったと言いたいが、思ったよりも多くてビックリしたと言うところだろう。
「陛下、これは問題です……王家の祝いの場で、女性達を思う通りにしようとした者達がいるようですよ……」
先王の頃の悪習。 以前は許されたと犯人とされた者達は暴れるが、ソレをそのままにできるはずはなく、折角の祝いの場は閉会となった。 後日どれだけの賠償が発生するか? 新年早々の喧噪を前に王族達の混乱を他人事のように眺めながら、ルカはホリーを抱き上げ部屋へと戻った。
身体が熱い。
……皮膚がジリジリする……。
騒々しさが鬱陶しくて泣きたくなるような感覚に、ホリーはルカに助けを求めた。
「るか、るか……」
「はいはい、大丈夫だ。 部屋に戻ろうな」
甘く優しい声に酔うように、意識を閉ざした。
どれくらい眠っていただろうか?
身体に帯びた熱は、収まってはいないけれど。 着なれない身体を締め付けるタイプのドレスから解放され、息をつくぐらいは出来るようになっていた。
サイドテーブルに置かれた水を飲み干し……ルカを探そうと視線を巡らした。
「いない……?」
不安が襲ってくる。
王宮には綺麗な女性達が側にいた。 そして何よりも自分を守るブランの簡素なドレス姿が何よりも美しかった。 何時も、だれよりも、何よりも自分を大切にしてくれるブランに嫉妬を覚えると言うのは……間違っている事は理解している。
それでも、ルカは自分と一緒にいた時間だけブランとも一緒に居たのだと思えば、やっぱり辛いと思った。 辛いと思いながらもブランに申し訳なさを覚えてグルグルしてしまう。
「ぁ、起きたか? ここは公爵邸じゃないからなぁ……良い薬が無くて悪い。 一応、一般的な中和剤は飲ませたが、気分はどうだ?」
風呂に入っていたのだろう濡れた身体を拭きながら戻ってきたルカから視線をそらした。
「まだ、身体が熱いけど平気」
剥き出しの上半身は程よく筋肉がつき引き締まっていて……ドキドキとして……体の中心がぐらぐらとするような……そんな息苦しさを覚えていた。
「どうか、したのか?」
ベッド脇まで歩み寄ってきたルカが金色の瞳でじっと見下ろしてくれば、何時もとは違う光を瞳にうつしているように見えた。 そう言えば……口づけをした時に……。
ホリーは手を伸ばしルカの頬に触れ、唇に触れた。
「本当にどうした? まだ、辛いのか?」
困ったような苦笑い。
「薬、ルカは大丈夫?」
「あぁ……まぁ……匂いを嗅いだ程度だったからな」
抱きしめられ髪と背が撫でられる。 身体と身体を近寄せれば……、欲情を露わにした熱が身体に触れ、ルカは慌てて身体を引き離した。
「ルカ?」
「気にするな……。 ちょっと獣人にはキツイ匂いだっただけだ……」
おかげでブランが直ぐに気付き、ホリーから薬入りの酒を最後まで飲む事なく取り上げる事が出来たと言う事だった。
「大人しく寝てろ」
起き上がった身体を強引に横にされ、そして布団がかけられる。
「ちょ……えっと……ルカだって、その……つらいんじゃないかなって……」
何を言っているんだ私!! 顔が赤く心臓が早くなり、速攻後悔する事となるが……このまま何もないままで他所の女に奪われる方が余程嫌だ。
ソファに行こうとしているらしいルカの手を掴み、ベッドに連れ込もうとすれば……。 もともとの腕力差が災いして顔面からベッド落下と言うオチへと向かいそうになり、ルカは慌てて受け止めてくれた。
「な、何がしたいんだ……」
「えっと……。 エッチなこと?」
「……」
「いや、おかしくないよね?! 私達ほら、婚約者な訳だし? ぇ、王宮だから、不味い? ダメ?」
やばかった?? と、布団の中に戻って行けば……布団ごと抱きしめられた。
「なんか、気を遣わせたみたいで悪い」
布団ごしなのに肌の熱も鼓動も伝わって……そして……口づけられた。
好き……。
交わされる口づけは、甘く優しいものから……少しずつ熱を帯びていっていた。 舌先を舐めあい、口内を犯すように擦り撫でられる。 唾液が溢れ、唇の隙間から吐息が零れ落ちる。
唇を合わせ、舐めあう、舌先を絡めあう。 いつもの口づけなのに……何時もの口づけと違い、息をつく間がない……。
「ぁっ、ぁっ……」
嫌な訳じゃない、追い詰められていく感覚が、熱を煽って来る。
自分から零れ落ちる吐息と甘い声を遠くに聞いているようで、熱い身体に触れられる優しい手がざわざわとする肌を刺激する。
唇がゆっくりと話され唾液が意図をひく。
耳元に囁かれる声が……熱く、艶っぽくてゾクゾクとした。
「ツライ?」
大きな手が、太腿を撫でてくる。
「あっ……ぁ、んっ」
嫌って言葉を飲み込んだ。 主従関係が長かったせいか、ルカは私の顔色を伺い過ぎる。 その奥にある真実にまで強引に割り言ってくる事はない。
ホリーとブレンダは娘で母だったが、良い友達どうしでもあり、悪友でもあった。 性的な知識を教え込まれてない訳ではなく……。 自分の身体の熱が、ジリジリとする肌、それがどういうものか知らされていた。
「ルカ……」
「どうした?」
甘く優しく見つめる瞳が、狂暴な光を帯びている。
「肌がジリジリとするの……」
「そうか……」
短い返事と共にチュッと首筋に口付けられ、舐められた。
「あっ……」
ピクッとホリーの身体が震える。
両足の間を撫でる手が徐々に上がって行く。 するすると触れられる肌は、ジットリと汗をかき、両足の間は熱を帯び、お腹のおくがグズグズと焦れたように熱く、切なくなっていて、太腿を摺り寄せるように足を閉ざせば、ルカの手はあっけなく引いた。
「んっ、ダメ、もっと……」
「もっと、何?」
「……さわ、って」
「あぁ」
身近な返事と共に熱を帯び濡れた場所に、ゴツゴツと筋張った指が触れる。 長い指は溢れ出る蜜を絡めながら肉の花弁を押し広げ……蜜口をぬちゅぬちゅと音を立て撫で、悪戯に肉を指先で撫で引っ掻き、指で探る上部、硬くなった肉の芽に刺激があたえられた途端……快楽が弾け、熱が溢れた……。
20
お気に入りに追加
1,727
あなたにおすすめの小説
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
いつか彼女を手に入れる日まで
月山 歩
恋愛
伯爵令嬢の私は、婚約者の邸に馬車で向かっている途中で、馬車が転倒する事故に遭い、治療院に運ばれる。医師に良くなったとしても、足を引きずるようになると言われてしまい、傷物になったからと、格下の私は一方的に婚約破棄される。私はこの先誰かと結婚できるのだろうか?
嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜
みおな
恋愛
伯爵令嬢のジュエルは、王太子であるシリウスから求婚され、王太子妃になるべく日々努力していた。
そんなある日、ジュエルはシリウスが一人の女性と抱き合っているのを見てしまう。
その日以来、何度も何度も彼女との逢瀬を重ねるシリウス。
そんなに彼女が好きなのなら、彼女を王太子妃にすれば良い。
ジュエルが何度そう言っても、シリウスは「彼女は友人だよ」と繰り返すばかり。
堂々と嘘をつくシリウスにジュエルは・・・
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
愛してしまって、ごめんなさい
oro
恋愛
「貴様とは白い結婚を貫く。必要が無い限り、私の前に姿を現すな。」
初夜に言われたその言葉を、私は忠実に守っていました。
けれど私は赦されない人間です。
最期に貴方の視界に写ってしまうなんて。
※全9話。
毎朝7時に更新致します。
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
稚拙ながらも投稿初日(11/21)から📝HOTランキングに入れて頂き、本当にありがとうございます🤗 今回初めてHOTランキングの5位(11/23)を頂き感無量です🥲 そうは言いつつも間違ってランキング入りしてしまった感が否めないのも確かです💦 それでも目に留めてくれた読者様には感謝致します✨
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり。ハピエン🩷
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる