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2章 薔薇乙女の乱
22.仕事とプライベート 前編
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私は、いつもよりも早く王妃様の部屋から解放された。
陛下がいらしていたのだ。
一応悩みの原因である誤解は、殿下の説得により決着したものの、代わりに、息子に嫉妬した陛下が王妃様にベッタリ離れない。 仕事しろよと言う視線や雰囲気が周囲から発せられるものの、王妃様がらみとなると誰も何も言えなくなってしまうんですよね。 陛下、怖くなるから仕方がありません。
だからこそ、王妃様の罪悪感が根深くなるのでは? と、思ってしまうのです。 子供問題だけでなく、自分を溺愛するばかりに愛する人が、暴走すると言うのは、お優しい王妃様には辛いでしょう。 なぜか、パーシィが脳裏に過り、軽く首を左右にぶんぶんと振る。
「食事を食べてくださるようになったから、良しとするべきですわね……」
食事拒否が長引けば、罪のない料理人が裁きを受けかねない……。 ソレを王妃様が知ればまた王妃様が気に病まれるし、だからきっと秘密裏に行われるのでしょうけど……、陛下の溺愛による被害者の会は、今も活動しているのでしょうか?
私は王妃様の部屋を出てから、4度目の溜息をついた。
個人的に言わせていただくなら……。 殿下が妃を迎えられ、王位を早々に継いで下さるのが一番安全だと思う。 庶民出身の王妃様は、貴族出身の侍女にストレスを感じておられるし、そもそも自分の世話ぐらい自分で出来る方なのだ。 陛下と2人隠遁生活を送ると言うのが、一番の幸せなのではないかと思う。
流石にソレは無理でも、気温も暑くなるし別荘地への療養をお勧めしようかしら? そうなると、結局陛下が仕事をさぼってついていくのは確実……療養の意味があるのか? ないのか? 業務も殿下が引き受けられるでしょうから、相談も必要ですよね……。
「本当、男女の仲は良く分からなくて困ります」
ボソリと呟いた。
「憂鬱そうな顔をしてどうしたんだい? お兄さんで良ければ相談に乗るよ?」
庭の花が美しい渡り廊下。
声をかけてきたのはルーカス様で、私は無意識で周囲に視線を巡らしていた。
「今日は上司が不在でしてね。 寂しい?」
クスっと笑いながらルーカス様は言う。
「そういう訳ではありませんわ」
なぜ、探してしまったのか? 何時もいるから探したと言うのも、理由としては何となく違うような気がして……。
「なんとなくですわ」
「そう?」
「えぇ、それで、ルーカス様がわざわざいらっしゃるなんて、どのような御用ですか?」
「今朝方王宮内で、騎士が暴走した件は?」
「はい、会議で伺っております。 医局長が遺体の確認を行うと聞いておりますが?」
「問題となった騎士が怪しい薬を服用していたと言う報告がありましてね」
「薬? 現物は?」
「残念ながら、3人とも確認できませんでした」
「そう、ですか……」
「それでも、何か分かるかもと言うことで、見分をお願いするようにと言う事でして、お時間を頂いて宜しいでしょうか?」
「えぇ、王妃様の付き添いが早く終わったので問題ありませんわ」
「それと、薬が問題となっているため、上司が先生を保護しておくようにと」
「私をお疑いですか?」
疑われたのかとムッとして、感情のままに問えば、苦笑で返された。
「まさか……心配しているだけですよ。 あの人は、常にアナタを目の届くところにおいておきたいだけなんですよ」
「それは、なんて答えれば良いのかしら?」
「そうですねぇ……ちなみに選択肢は?」
「私が信用できないのですか? のほかは、さっぱり思い浮かびません。 心配と言われても、父もパパもどちらも過保護でしょうけど、私のやりたいことは尊重してくれますもの。 理解できませんわ」
「先ほどまで、この世で最も危険な心配性な方といらしたのでは?」
国王陛下を揶揄しているのである。 私はゲンナリとした顔をしてしまう。
「あの方と比較するレベルというのは、勘弁していただきたいものですわ」
「俺も勘弁してほしいです。 だから、守らせてくださいね」
優しい微笑みを向けられれば私はクスッと笑った。
「どうか?」
「いえ……、ルーカス様の武勇は令嬢達から耳に入ることもありますので……」
「おや、それはお耳汚し失礼しました。 上が素っ気ないので、愛想を振りまくのも俺の仕事のようなものなんですよ」
「本当ですか?」
「どうだと思います?」
軽口に私は笑う。
「でも、パーシィったらどうして、そうまで過保護になるのかしら? パパ以上ね」
実父に関しては、側にいなかった、いなくなったと言うだけで、今もその身を案じられているのは百も承知である……何しろ、庭師の中には母と共に暮らしていた頃や、ヘルムート家にいた頃の使用人が混ざっているのだから……、知らないだけであとどれだけ周囲にいるのかと思えば、パーシィの過保護などまだ生易しいものである。
が、それは自分の持つ父の遺産『情報』に関わる事。 パーシィが、どれほど鬱陶しくても、自分には目付け役が未だ付いているから大丈夫等と口を開く訳にはいかないのだ。
「……そうですねぇ……先生は、可愛らしくて才能豊かな方だ。 奪われないかと心配で仕方ないんですよ」
「お褒め頂きありがとうございます? ですが、身の安全を確保するために王宮に務めているのですから」
「その王宮で、ことが……それも薬関係だからこそ、心配なんですよ。 大人しく守られていてください」
「仕方ありませんわね」
そんな話をしているうちに、私とルーカス様は遺体安置室へと到着した。 扉の前には騎士と医局員による警備が行われていた。
「殿下の命により、先生をお連れしました」
ルーカス様が告げれば、アッサリと道が開けられた。 疑問に意味があるかと言えば、余りないのだけど気になったのだ。
「ルーカス様?」
「なんですか?」
「殿下の指示は届いていたのでしょうか?」
「いえ、私がその場でご説明をしてと考えていたので」
「と言うことは、今はルーカス様の存在でここを通る事が出来たと言うことですか?」
大した意味があって聞いたわけではないけれど、ルーカス様は誤魔化しとか愛想笑いとかそういうのを抜きに苦々しく笑っていた。
「……戻ったら、すぐに徹底させるよ」
2人は地下を降りていく。
「大丈夫ですか先生?」
今回のような遺体の保護が長期間になりそうな場合、安置は地下深くで行われる。 ルーカス様に手を差し出され、少しばかり悩むが、急な階段で足元が不安だったため手を借りる事にした。
「素直ですね」
「必要と感じただけですわ」
「上司にも、もう少し素直になってもらえませんか?」
「あら、素直にしていますわよ」
「可愛くて仕方が無いんですから、優しくしてくださるとか」
「大人相手に難しい注文ですわ」
ルーカス様は何故か、乾いた笑いをこぼしていた。
「大人だから心配ですし、大人だから甘えると言うこともあるのですよ」
「そういうものですか?」
「ええ、そういうものです」
そして扉を潜り、もう1度騎士と医局の番人の間を抜けて、部屋へとたどり着く。
そこには、白髪と白髭に人間が埋まっているような物語に出てくるドワーフのような老人と、王家特有の濃紺色の瞳を眼鏡で隠す青年医師、青年医師とどこか似た顔立ちを持つ女医の3名に加え、魔導士が部屋の冷却を促すための術札を壁に貼っていた。
老医師は医局の顧問役であり、青年は医局長、女性は副局長である。 医局長と副局長は双子の兄妹、何代か前に王家の血が混ざっている伯爵家の生まれ……仕事をする以上は会話もするし情報伝達も行うが、どちらも、なんとなく苦手で……ルーカス様をそっと盾に使う。
こんな様子をパーシィが見れば、だから友達が出来ないんだ。と、また言われるのでしょうか……。 ルーカス様の背に隠れるようにしながら、小さく溜息をついた。
「何をしに来たのかね?」
医局長が、視線すら向けずに聞いてくる。 副局長が、手招きをするあたり、来るなとかそういう訳ではないらしい。
「殿下の指示により、シヴィル先生をお連れしました」
ルーカス様の声色がどこか嫌味交じりな気がしたけれど、顔を見上げれば何時もと変わらない笑みが向けられた。
「丁度良かった……、我々の見分は終わった。 死亡原因は圧迫、切創、骨折、脱臼神経断裂、外傷歯、出血、血管障害、火傷、凍傷、思いつく限りあらゆる外傷、内傷がみられる!」
日頃淡々と冷静すぎる医局長の語気が荒い。
と言っても、分かる人にしか分からないレベルだけど。
「体中傷だらけで、どう判断していいのか……」
副局長が苦笑いする。
「シヴィル君は、何か気になるところはあるかね」
どうせ無駄だろうと言う声に聞こえるのは……被害妄想かしら? それでも無言のままでいる訳にもいかない。 これは仕事だから。
「私は、この匂いが気になるのですが……」
そう告げながら、私は遺体に歩み寄りつつ、魔導士へと視線を向ければ、魔導士は、自分ではないと軽く首を横に振ってみせた。
陛下がいらしていたのだ。
一応悩みの原因である誤解は、殿下の説得により決着したものの、代わりに、息子に嫉妬した陛下が王妃様にベッタリ離れない。 仕事しろよと言う視線や雰囲気が周囲から発せられるものの、王妃様がらみとなると誰も何も言えなくなってしまうんですよね。 陛下、怖くなるから仕方がありません。
だからこそ、王妃様の罪悪感が根深くなるのでは? と、思ってしまうのです。 子供問題だけでなく、自分を溺愛するばかりに愛する人が、暴走すると言うのは、お優しい王妃様には辛いでしょう。 なぜか、パーシィが脳裏に過り、軽く首を左右にぶんぶんと振る。
「食事を食べてくださるようになったから、良しとするべきですわね……」
食事拒否が長引けば、罪のない料理人が裁きを受けかねない……。 ソレを王妃様が知ればまた王妃様が気に病まれるし、だからきっと秘密裏に行われるのでしょうけど……、陛下の溺愛による被害者の会は、今も活動しているのでしょうか?
私は王妃様の部屋を出てから、4度目の溜息をついた。
個人的に言わせていただくなら……。 殿下が妃を迎えられ、王位を早々に継いで下さるのが一番安全だと思う。 庶民出身の王妃様は、貴族出身の侍女にストレスを感じておられるし、そもそも自分の世話ぐらい自分で出来る方なのだ。 陛下と2人隠遁生活を送ると言うのが、一番の幸せなのではないかと思う。
流石にソレは無理でも、気温も暑くなるし別荘地への療養をお勧めしようかしら? そうなると、結局陛下が仕事をさぼってついていくのは確実……療養の意味があるのか? ないのか? 業務も殿下が引き受けられるでしょうから、相談も必要ですよね……。
「本当、男女の仲は良く分からなくて困ります」
ボソリと呟いた。
「憂鬱そうな顔をしてどうしたんだい? お兄さんで良ければ相談に乗るよ?」
庭の花が美しい渡り廊下。
声をかけてきたのはルーカス様で、私は無意識で周囲に視線を巡らしていた。
「今日は上司が不在でしてね。 寂しい?」
クスっと笑いながらルーカス様は言う。
「そういう訳ではありませんわ」
なぜ、探してしまったのか? 何時もいるから探したと言うのも、理由としては何となく違うような気がして……。
「なんとなくですわ」
「そう?」
「えぇ、それで、ルーカス様がわざわざいらっしゃるなんて、どのような御用ですか?」
「今朝方王宮内で、騎士が暴走した件は?」
「はい、会議で伺っております。 医局長が遺体の確認を行うと聞いておりますが?」
「問題となった騎士が怪しい薬を服用していたと言う報告がありましてね」
「薬? 現物は?」
「残念ながら、3人とも確認できませんでした」
「そう、ですか……」
「それでも、何か分かるかもと言うことで、見分をお願いするようにと言う事でして、お時間を頂いて宜しいでしょうか?」
「えぇ、王妃様の付き添いが早く終わったので問題ありませんわ」
「それと、薬が問題となっているため、上司が先生を保護しておくようにと」
「私をお疑いですか?」
疑われたのかとムッとして、感情のままに問えば、苦笑で返された。
「まさか……心配しているだけですよ。 あの人は、常にアナタを目の届くところにおいておきたいだけなんですよ」
「それは、なんて答えれば良いのかしら?」
「そうですねぇ……ちなみに選択肢は?」
「私が信用できないのですか? のほかは、さっぱり思い浮かびません。 心配と言われても、父もパパもどちらも過保護でしょうけど、私のやりたいことは尊重してくれますもの。 理解できませんわ」
「先ほどまで、この世で最も危険な心配性な方といらしたのでは?」
国王陛下を揶揄しているのである。 私はゲンナリとした顔をしてしまう。
「あの方と比較するレベルというのは、勘弁していただきたいものですわ」
「俺も勘弁してほしいです。 だから、守らせてくださいね」
優しい微笑みを向けられれば私はクスッと笑った。
「どうか?」
「いえ……、ルーカス様の武勇は令嬢達から耳に入ることもありますので……」
「おや、それはお耳汚し失礼しました。 上が素っ気ないので、愛想を振りまくのも俺の仕事のようなものなんですよ」
「本当ですか?」
「どうだと思います?」
軽口に私は笑う。
「でも、パーシィったらどうして、そうまで過保護になるのかしら? パパ以上ね」
実父に関しては、側にいなかった、いなくなったと言うだけで、今もその身を案じられているのは百も承知である……何しろ、庭師の中には母と共に暮らしていた頃や、ヘルムート家にいた頃の使用人が混ざっているのだから……、知らないだけであとどれだけ周囲にいるのかと思えば、パーシィの過保護などまだ生易しいものである。
が、それは自分の持つ父の遺産『情報』に関わる事。 パーシィが、どれほど鬱陶しくても、自分には目付け役が未だ付いているから大丈夫等と口を開く訳にはいかないのだ。
「……そうですねぇ……先生は、可愛らしくて才能豊かな方だ。 奪われないかと心配で仕方ないんですよ」
「お褒め頂きありがとうございます? ですが、身の安全を確保するために王宮に務めているのですから」
「その王宮で、ことが……それも薬関係だからこそ、心配なんですよ。 大人しく守られていてください」
「仕方ありませんわね」
そんな話をしているうちに、私とルーカス様は遺体安置室へと到着した。 扉の前には騎士と医局員による警備が行われていた。
「殿下の命により、先生をお連れしました」
ルーカス様が告げれば、アッサリと道が開けられた。 疑問に意味があるかと言えば、余りないのだけど気になったのだ。
「ルーカス様?」
「なんですか?」
「殿下の指示は届いていたのでしょうか?」
「いえ、私がその場でご説明をしてと考えていたので」
「と言うことは、今はルーカス様の存在でここを通る事が出来たと言うことですか?」
大した意味があって聞いたわけではないけれど、ルーカス様は誤魔化しとか愛想笑いとかそういうのを抜きに苦々しく笑っていた。
「……戻ったら、すぐに徹底させるよ」
2人は地下を降りていく。
「大丈夫ですか先生?」
今回のような遺体の保護が長期間になりそうな場合、安置は地下深くで行われる。 ルーカス様に手を差し出され、少しばかり悩むが、急な階段で足元が不安だったため手を借りる事にした。
「素直ですね」
「必要と感じただけですわ」
「上司にも、もう少し素直になってもらえませんか?」
「あら、素直にしていますわよ」
「可愛くて仕方が無いんですから、優しくしてくださるとか」
「大人相手に難しい注文ですわ」
ルーカス様は何故か、乾いた笑いをこぼしていた。
「大人だから心配ですし、大人だから甘えると言うこともあるのですよ」
「そういうものですか?」
「ええ、そういうものです」
そして扉を潜り、もう1度騎士と医局の番人の間を抜けて、部屋へとたどり着く。
そこには、白髪と白髭に人間が埋まっているような物語に出てくるドワーフのような老人と、王家特有の濃紺色の瞳を眼鏡で隠す青年医師、青年医師とどこか似た顔立ちを持つ女医の3名に加え、魔導士が部屋の冷却を促すための術札を壁に貼っていた。
老医師は医局の顧問役であり、青年は医局長、女性は副局長である。 医局長と副局長は双子の兄妹、何代か前に王家の血が混ざっている伯爵家の生まれ……仕事をする以上は会話もするし情報伝達も行うが、どちらも、なんとなく苦手で……ルーカス様をそっと盾に使う。
こんな様子をパーシィが見れば、だから友達が出来ないんだ。と、また言われるのでしょうか……。 ルーカス様の背に隠れるようにしながら、小さく溜息をついた。
「何をしに来たのかね?」
医局長が、視線すら向けずに聞いてくる。 副局長が、手招きをするあたり、来るなとかそういう訳ではないらしい。
「殿下の指示により、シヴィル先生をお連れしました」
ルーカス様の声色がどこか嫌味交じりな気がしたけれど、顔を見上げれば何時もと変わらない笑みが向けられた。
「丁度良かった……、我々の見分は終わった。 死亡原因は圧迫、切創、骨折、脱臼神経断裂、外傷歯、出血、血管障害、火傷、凍傷、思いつく限りあらゆる外傷、内傷がみられる!」
日頃淡々と冷静すぎる医局長の語気が荒い。
と言っても、分かる人にしか分からないレベルだけど。
「体中傷だらけで、どう判断していいのか……」
副局長が苦笑いする。
「シヴィル君は、何か気になるところはあるかね」
どうせ無駄だろうと言う声に聞こえるのは……被害妄想かしら? それでも無言のままでいる訳にもいかない。 これは仕事だから。
「私は、この匂いが気になるのですが……」
そう告げながら、私は遺体に歩み寄りつつ、魔導士へと視線を向ければ、魔導士は、自分ではないと軽く首を横に振ってみせた。
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