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03.私の知らない元上司 01(*)
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何時の間にか元上司の屋敷に来ていた。
そう思う程度には、私に何の選択権も与えられなかった。
私を誘った元上司が、私を軽々と抱き上げて広間を後にしようとすれば、周囲からザワリと声が上がるものの、どこか好意的? いえ、安堵の視線で見送られた。
元上司の戦闘力を他国に渡すわけにはいかない。
そう思っていた国からは、元上司が欲しがっているものはないか? 幾度となく打診があった。 それで使用人や合コン相手など、美女をそろえてもらったのだが……いずれも不発。 途方に暮れていたところに元上司の人目をはばからぬアプローチだ。
「アレはどこの娘だ!!」
「両親はきておるのか?!」
「銀色の髪を持つ家系は?」
薄い髪色の多い国、大抵が銀か金の髪である。
「あのドレスの製作者から、娘をたどってはどうでしょうか?」
人身御供とするため国が必死になっているのを聞けば、なんだかとても切なかった。
「あのように言われては不満ではありませんか?」
別に暴れさせようなどと言う気はない。 ただ、この突発的行動は恋愛ではないし、女性を盾にし国が利用しようと考えては面白くない。 なんて思ってもらえればと考えたのだ。
「アナタを手に入れるためなら、アノ程度の言葉気になるはずもありません」
元上司らしからぬ言葉にゾワリと鳥肌が立った。 自分がいない場所で、女性と対応するときはこんな感じなのか? と思えば、なんとなく切ないものも感じた。
「お伺いしてもよろしいでしょうか?」
「なんですか?」
「そんな、演技がかかった素振りで、女性を誘うのは虚しくありませんか?」
元上司が、あんな空々しい言葉で、一晩限りの女性に対しているのかと思えば、情けないやら切ないやら……。 せめてもっと、元上司を理解してくれる女性と関係を持ってくれればいいものを、なぜ私がこれほど情けないと思わなければいけないんだ。
「変わった人だ。 強引に連れ去ろうとしているオレを思いやるなんて」
「なっ、別に思いやってなどいません!! ただ、国の英雄と言われる人が、そこまで気遣う必要があるのかと思っただけです」
「そりゃぁ、気遣うさ。
これから、沢山仲良くなろうと言うんだから。 なっ?」
「……お話、するんですよね?」
「お互い、分かり合おう」
会話が噛み合わず、眉間を寄せれば。
くっくくくと楽しそうに笑いだす。
「大丈夫、何の心配もいらない」
王宮を出る大きな扉をくぐれば、そこには美しい白馬が引く馬車が待っていた。
「走って戻る方が早いんだけど、女性はこういうのが好きなんだっけ?」
「世間一般ではそうですが、この手を離していただけるのが、一番好きかもしれません」
「オレはね、掴んだ獲物を逃がすのは嫌いなんだ」
思い出すのは戦場での姿だが、自分を見つめる視線はどこまでも優しく見えた。
屋敷までは、そこらの騎士でも馬車より早くつくのでは? と、思われるほど王宮から近くに存在しており、馬車に乗ったかと思えばすぐに降りることになる。
元上司は、私を逃がさないとばかりに姫抱っこを辞める気がない。
「さぁ、つきました。
今晩はユックリ語り合いましょう」
そう言って私を連れてきた先は……応接室ではなく寝室っていうのはどうなんだ!! という突っ込みを飲み込んだ。
「閣下……私、緊張しているのでしょうか? 喉が渇いて……」
よし、酔わせて逃げよう。
そう思ったが、2つばかり問題があった。
1つ目、元上司が酔っているのを見たことがない。
2つ目、私は酒が飲めない。
ダメじゃん!!
「落ち着かないようだね」
そういったかと思えば、私をそっと抱きしめる。
「大丈夫、乱暴はしないから」
いや、元上司、アンタの乱暴じゃないでも、何人の人間があの世に旅立ったことか……。 5年も元上司と一緒にいるが、こんなに途方に暮れたのは初めてで、余計なことばかりが脳裏を巡る。
「よしよし……」
なだめるように背中を撫でたかと思えば、ソファの上に降ろされる。 幾つもの酒が並ぶ棚の中から、元上司が酒を選ぶ。 明らかに本人の好みではないだろう甘めの果実酒が選ばれた。
元上司は私の横に座り、テーブルの上にグラスを置く。 1つだけというのは、元上司は飲まないのだろうか? それとも瓶ごと飲むのだろうか?
あぁ、ダメだ。
そうじゃない……今は、どうやって逃げるかを……。
グラスの中にカランカランと音をたて氷が落ちる。 元上司は戦闘狂ではあるが、筋肉バカなわけではなく、戦闘を優位にするための魔法は使いこなすことができるのだ。
グラスに透明な果実酒が注がれる。
「どうぞ」
グラスを差し出され、受け取ろうとすれば。 その手が引っ込められた。
「どうか、しましたか?」
「これは甘くて女性向けの味だけれどアルコールが強いんですよ。 少しだけ味見を先にしませんか? 酔い過ぎては会話を楽しむこともできませんから」
「え、えぇ……」
元上司は果実酒を口に含んだかと思えば、抱きしめ唇を塞いできた。
「(だめっ)」
声を出そうとすれば、その隙を狙い口の中にぬるりと柔らかな舌が差し込まれる。
独特な甘みのあるアルコールの香りが口内に広がる。
舌先をユックリと舐められれば、苦みを伴う味が、口の中に少しずつ流し込まれていく。
「んっ、ふぅっ」
味も香りも十分に分かったが、そこで止められることはなく、むしろ頭が抑えられ口づけが深くなっていく。
「ぁあっ」
喉の奥で私は泣くように声を漏らす。
口腔内を蹂躙するように丁寧に舐められれば、上手く息が出来なくてツライ。 息苦しくて肩が動き「んっ、んっ」と、声にならない音を漏らすが、舌の根本、裏側を舐め、絡めとられ。 辞めてくれる様子はない。
どちらのものとも言えない唾液が混ざり合い、飲み込み切れなかった唾液が唇の端からこぼれれば、ぼんやりとすれば……ようやく唇が離れた。 ペロリとこぼれた唾液をなめとりながら、頭の中がジンジンとしボーとしている状態の私の顔を元上司が覗き込んでくる。
「どうだ? 飲めそうか?」
それどころではないと文句を言いそうになるが、元上司の顔を見上げればチュと唇に軽く触れるキスがされる。 私は荒い呼吸のまま、上司を睨むように返事を返す。
「どうやら私にはキツイお酒なようですので……申し訳ありませんが、一人で飲んでいただけますか?」
「それは残念だ。 ところで……オレは常々思っていたんだが」
「なんでございましょう」
「女性のドレスとは、なかなか大変そうだなと……いっそ着替えて楽な恰好をしてはどうだろうか?」
「ズイブンと強引ですね?」
「オレはただ……そのような窮屈な恰好では、リラックスして話も出来ないだろうと言っているだけですよ」
「リオネル様はご自身が国の英雄だと言う事、ご理解していらっしゃるのですか?」
「そんな立派なもんじゃないさ。 生き抜くために戦った結果が、英雄ともてはやされているだけ。 誰もが英雄であるオレを求めてばかり、本当のオレを見てくれるものなんて……」
そういいながらも、肩を抱き抱き寄せた手が髪を撫で、結い上げた銀色の髪を解く。 パラリと落ちる髪を手櫛でユックリと梳き、首筋を耳の付け根を撫でてくる。
「くすぐったいので、辞めてください」
「英雄の誘いは断れないのでは?」
意地悪そうに笑って見せる。 そこまで言ってしまえば脅しではないだろうか?
元上司!! 見損ないましたよ!! 声に出して言いたいが……なぜ私は、全力で魔法をぶつけて元上司を罵り、退ける事が出来ないのか? 私が彼の専属魔導師であったクリスだと知れば、彼だってその手を止めるはずなのに。
さわさわと首筋を撫で、ドレスを器用に脱がせていく。 ダンスの1つも踊れないのに、どこでこんなことを覚えたんですか!
「あぁ、その反抗的な瞳も悪くないが、できるならもっと可愛らしい姿を見ていたいものだ」
チュッと唇が軽く触れ、唇に塗った紅を舐めれば、元上司は顔をしかめる。
「……変な味」
「なら、もうお辞めください」
「んっ? あぁ違う違う、紅の味がね。 君本来の味はきっと甘くてとても美味しいだろうに、こんなもので不味くなってしまうのはどうなんだろうかねぇ? って、思っただけさ。 さて……」
抱き上げられれば、果物の皮がツルンとむけるように、ドレスの中から私の身体が持ち上げられた。 いつの間にかドレスも、身体のラインを作るコルセットまで外され……生まれたままの姿にまで剥かれていた。
「きゃぁ」
叫びそうになれば、唇が塞がれ、まるで喰らうかのように深く深く唇を重ね合っていた。 歯列を舐め、口腔のあらゆる場所をキツク舐められ、舌を絡めキツク吸われれば、微かな痛みと甘い感覚に、元上司にすがりつく。
ユックリと唇が話されれば、
「落ち着いたか?」
顔を覗き込んでくる。
「今日出会えたのは運命だ。 諦める気なんてない……」
そう思う程度には、私に何の選択権も与えられなかった。
私を誘った元上司が、私を軽々と抱き上げて広間を後にしようとすれば、周囲からザワリと声が上がるものの、どこか好意的? いえ、安堵の視線で見送られた。
元上司の戦闘力を他国に渡すわけにはいかない。
そう思っていた国からは、元上司が欲しがっているものはないか? 幾度となく打診があった。 それで使用人や合コン相手など、美女をそろえてもらったのだが……いずれも不発。 途方に暮れていたところに元上司の人目をはばからぬアプローチだ。
「アレはどこの娘だ!!」
「両親はきておるのか?!」
「銀色の髪を持つ家系は?」
薄い髪色の多い国、大抵が銀か金の髪である。
「あのドレスの製作者から、娘をたどってはどうでしょうか?」
人身御供とするため国が必死になっているのを聞けば、なんだかとても切なかった。
「あのように言われては不満ではありませんか?」
別に暴れさせようなどと言う気はない。 ただ、この突発的行動は恋愛ではないし、女性を盾にし国が利用しようと考えては面白くない。 なんて思ってもらえればと考えたのだ。
「アナタを手に入れるためなら、アノ程度の言葉気になるはずもありません」
元上司らしからぬ言葉にゾワリと鳥肌が立った。 自分がいない場所で、女性と対応するときはこんな感じなのか? と思えば、なんとなく切ないものも感じた。
「お伺いしてもよろしいでしょうか?」
「なんですか?」
「そんな、演技がかかった素振りで、女性を誘うのは虚しくありませんか?」
元上司が、あんな空々しい言葉で、一晩限りの女性に対しているのかと思えば、情けないやら切ないやら……。 せめてもっと、元上司を理解してくれる女性と関係を持ってくれればいいものを、なぜ私がこれほど情けないと思わなければいけないんだ。
「変わった人だ。 強引に連れ去ろうとしているオレを思いやるなんて」
「なっ、別に思いやってなどいません!! ただ、国の英雄と言われる人が、そこまで気遣う必要があるのかと思っただけです」
「そりゃぁ、気遣うさ。
これから、沢山仲良くなろうと言うんだから。 なっ?」
「……お話、するんですよね?」
「お互い、分かり合おう」
会話が噛み合わず、眉間を寄せれば。
くっくくくと楽しそうに笑いだす。
「大丈夫、何の心配もいらない」
王宮を出る大きな扉をくぐれば、そこには美しい白馬が引く馬車が待っていた。
「走って戻る方が早いんだけど、女性はこういうのが好きなんだっけ?」
「世間一般ではそうですが、この手を離していただけるのが、一番好きかもしれません」
「オレはね、掴んだ獲物を逃がすのは嫌いなんだ」
思い出すのは戦場での姿だが、自分を見つめる視線はどこまでも優しく見えた。
屋敷までは、そこらの騎士でも馬車より早くつくのでは? と、思われるほど王宮から近くに存在しており、馬車に乗ったかと思えばすぐに降りることになる。
元上司は、私を逃がさないとばかりに姫抱っこを辞める気がない。
「さぁ、つきました。
今晩はユックリ語り合いましょう」
そう言って私を連れてきた先は……応接室ではなく寝室っていうのはどうなんだ!! という突っ込みを飲み込んだ。
「閣下……私、緊張しているのでしょうか? 喉が渇いて……」
よし、酔わせて逃げよう。
そう思ったが、2つばかり問題があった。
1つ目、元上司が酔っているのを見たことがない。
2つ目、私は酒が飲めない。
ダメじゃん!!
「落ち着かないようだね」
そういったかと思えば、私をそっと抱きしめる。
「大丈夫、乱暴はしないから」
いや、元上司、アンタの乱暴じゃないでも、何人の人間があの世に旅立ったことか……。 5年も元上司と一緒にいるが、こんなに途方に暮れたのは初めてで、余計なことばかりが脳裏を巡る。
「よしよし……」
なだめるように背中を撫でたかと思えば、ソファの上に降ろされる。 幾つもの酒が並ぶ棚の中から、元上司が酒を選ぶ。 明らかに本人の好みではないだろう甘めの果実酒が選ばれた。
元上司は私の横に座り、テーブルの上にグラスを置く。 1つだけというのは、元上司は飲まないのだろうか? それとも瓶ごと飲むのだろうか?
あぁ、ダメだ。
そうじゃない……今は、どうやって逃げるかを……。
グラスの中にカランカランと音をたて氷が落ちる。 元上司は戦闘狂ではあるが、筋肉バカなわけではなく、戦闘を優位にするための魔法は使いこなすことができるのだ。
グラスに透明な果実酒が注がれる。
「どうぞ」
グラスを差し出され、受け取ろうとすれば。 その手が引っ込められた。
「どうか、しましたか?」
「これは甘くて女性向けの味だけれどアルコールが強いんですよ。 少しだけ味見を先にしませんか? 酔い過ぎては会話を楽しむこともできませんから」
「え、えぇ……」
元上司は果実酒を口に含んだかと思えば、抱きしめ唇を塞いできた。
「(だめっ)」
声を出そうとすれば、その隙を狙い口の中にぬるりと柔らかな舌が差し込まれる。
独特な甘みのあるアルコールの香りが口内に広がる。
舌先をユックリと舐められれば、苦みを伴う味が、口の中に少しずつ流し込まれていく。
「んっ、ふぅっ」
味も香りも十分に分かったが、そこで止められることはなく、むしろ頭が抑えられ口づけが深くなっていく。
「ぁあっ」
喉の奥で私は泣くように声を漏らす。
口腔内を蹂躙するように丁寧に舐められれば、上手く息が出来なくてツライ。 息苦しくて肩が動き「んっ、んっ」と、声にならない音を漏らすが、舌の根本、裏側を舐め、絡めとられ。 辞めてくれる様子はない。
どちらのものとも言えない唾液が混ざり合い、飲み込み切れなかった唾液が唇の端からこぼれれば、ぼんやりとすれば……ようやく唇が離れた。 ペロリとこぼれた唾液をなめとりながら、頭の中がジンジンとしボーとしている状態の私の顔を元上司が覗き込んでくる。
「どうだ? 飲めそうか?」
それどころではないと文句を言いそうになるが、元上司の顔を見上げればチュと唇に軽く触れるキスがされる。 私は荒い呼吸のまま、上司を睨むように返事を返す。
「どうやら私にはキツイお酒なようですので……申し訳ありませんが、一人で飲んでいただけますか?」
「それは残念だ。 ところで……オレは常々思っていたんだが」
「なんでございましょう」
「女性のドレスとは、なかなか大変そうだなと……いっそ着替えて楽な恰好をしてはどうだろうか?」
「ズイブンと強引ですね?」
「オレはただ……そのような窮屈な恰好では、リラックスして話も出来ないだろうと言っているだけですよ」
「リオネル様はご自身が国の英雄だと言う事、ご理解していらっしゃるのですか?」
「そんな立派なもんじゃないさ。 生き抜くために戦った結果が、英雄ともてはやされているだけ。 誰もが英雄であるオレを求めてばかり、本当のオレを見てくれるものなんて……」
そういいながらも、肩を抱き抱き寄せた手が髪を撫で、結い上げた銀色の髪を解く。 パラリと落ちる髪を手櫛でユックリと梳き、首筋を耳の付け根を撫でてくる。
「くすぐったいので、辞めてください」
「英雄の誘いは断れないのでは?」
意地悪そうに笑って見せる。 そこまで言ってしまえば脅しではないだろうか?
元上司!! 見損ないましたよ!! 声に出して言いたいが……なぜ私は、全力で魔法をぶつけて元上司を罵り、退ける事が出来ないのか? 私が彼の専属魔導師であったクリスだと知れば、彼だってその手を止めるはずなのに。
さわさわと首筋を撫で、ドレスを器用に脱がせていく。 ダンスの1つも踊れないのに、どこでこんなことを覚えたんですか!
「あぁ、その反抗的な瞳も悪くないが、できるならもっと可愛らしい姿を見ていたいものだ」
チュッと唇が軽く触れ、唇に塗った紅を舐めれば、元上司は顔をしかめる。
「……変な味」
「なら、もうお辞めください」
「んっ? あぁ違う違う、紅の味がね。 君本来の味はきっと甘くてとても美味しいだろうに、こんなもので不味くなってしまうのはどうなんだろうかねぇ? って、思っただけさ。 さて……」
抱き上げられれば、果物の皮がツルンとむけるように、ドレスの中から私の身体が持ち上げられた。 いつの間にかドレスも、身体のラインを作るコルセットまで外され……生まれたままの姿にまで剥かれていた。
「きゃぁ」
叫びそうになれば、唇が塞がれ、まるで喰らうかのように深く深く唇を重ね合っていた。 歯列を舐め、口腔のあらゆる場所をキツク舐められ、舌を絡めキツク吸われれば、微かな痛みと甘い感覚に、元上司にすがりつく。
ユックリと唇が話されれば、
「落ち着いたか?」
顔を覗き込んでくる。
「今日出会えたのは運命だ。 諦める気なんてない……」
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