51 / 60
51.満員御礼
しおりを挟む
「ランディ!!」
シアは両手でその大きな顔を押し退け叫ぶ勢いのまま、シアは自分の精神の間からランディを追い出した。
そして本来の世界に戻り、目を開ければ、大きな黒い獣は金色の瞳を開けシアを見つめていた。
むくりと身体を起こした獣は、すぐ目の前にいるシアに飛び掛かろうとする。
「がうっ♡」
ドンッと凄い音を立てながら、黒い大きな獣は床に伏した。
私の首根っこを掴み、軽々とアズと王妃の方向に放り投げ、そしてジルはそのままランディの首根っこを掴み床に叩きつけたのだ。 長い眠りから起きたばかりの獣はふらふらと目を回し……そしてシアは慌てるアズと王妃によって受け止められた。 戦闘力が無いと言っても小柄なシアを受け止めるぐらいは余裕なのだ。
「よぉ、チビ助。 自分が誰か分かっているか?」
低い威圧的な声で、獣を睨みつけるジル。
シアは思った。 ジルって、私の事をチビって言うけど……ただ口癖だっただけ?! こんな大きな生物相手にもチビって言うなんて。 少し感覚がオカシイのかしら? 等とどうでもいい事が気になる程度には混乱していた。
ランディはと言えば、抑え込まれた首を中心に身体全体を伏せてジルに逆らう様子はない。 それでも、目元や口元は何処か不満そうに見えたのだけど……気のせいだろうと思う。
だって、尻尾がぴったんぴったん嬉しそうに揺れているから。
「よ~し、いい子だチビ助」
ジルはランディの首元から力を抜き、大きな頭を撫でた。
「本当はもっとユックリ眠らせてやるつもりだったが、残念ながらそういう訳にはいかなくなった。 国が侵略されている状況だ」
ランディの耳がピクッと動き、視線が鋭く光る。
そしてジルは説明を続けるのだが、ソレは状況を理解していない私に向かっての言葉でもあったのかもしれない。
襲ってきているのは、ドロテアを姫と讃えていた戦士達だけではなく、この地を国と定める以前のギルモアの民と同じく、流浪を繰り返す人獣達の群れ。 それも群れが複数集まっている状態なのだと言う。
何故、ソレを王様達が理解したかと言うと、幾度となく戦い殺し合う関係だったから。 そして今は変わらず流浪し続けながらも疲弊する彼等に支援を行っていたから。
「恩を仇で返すなんて……」
シアが腹立たし気に言う。
「チビっ子、野生の人獣なんてそんなもんだ。 だが、そうさせないために、強さを見せつけ、手を差し出し、支援を行っていたんだが……なぁ。 まぁ、今更言っても仕方がない」
シアに向けられたジルの視線は、もう一度ランディへと向かう。
「でだ、寝起きの所悪いが、今、城にある主要戦力は、隠居の爺さん達、兄貴、ヴィズだ。 どうにも戦況は不利とと言うものだ」
「がうがうがうぐあがうがう」
何か必死に話しているが……うん、わかりません。 私はジルの背に話しかける。
「あの、宜しければ言葉をつかえるようにしても構いませんか?」
「……あぁ、頼む。 賢者殿」
チビッ子やら、賢者殿やら忙しい人だと……少しばかり皮肉気に心の中で思いながら、目の前のランディに話しかけた。
「元!! 旦那様……。 私達の関係は決して良いものではありませんが、噛みつかないでくださいね」
シアの言葉に、ランディの耳と尻尾、瞳がシュンとして見え……そしてコクリと頷いた。
シアはユックリとランディ……黒い獣に近寄り、額と額をくっつけ言の葉の魔法を使う。 ラースとは口づけだったけど……多少魔法として難しくなったとしてもランディと同じ事をする気に等なれなかったから、額同士を触れ合わせた。
「俺が戦う。 戦わなければ……」
ソレがランディの最初の言葉で、話の途中でランディの頭上に拳骨が落とされる。
「今回の敵には……ドロテアも含まれている。 そして相手の目的はオマエだチビ助。 正直、オマエがドロテアに尻尾を振ってコチラに噛みついてこられたら面倒でしかない。 それとも、今すぐドロテアの元に駆け付けるか?」
「そんな事をしない!! 俺は、知ったから……」
ボロボロと泣き出す黒く大きな獣に、ジルは大きな溜息をついた。
「オマエは、本当に泣き虫だなぁ……。 戦うのは俺に任せろ、こうやってやすやす俺に抑え込まれているオマエが戦場に出てどうする。 今回のオマエの役目は奪う事じゃない。 自分とシアを守る事だ」
「ちょっと待って!!」
アズと王妃様は?! そう声にしようとすればアズに抱きしめられた。
「優先順位と言うものよ。 覚悟は出来ているわ。 ソレに……敵がここに来るならあのバカは死んだって事……。 彼を一人あの世に行かせるなんて出来ないわ。 周囲に迷惑をかけてしまうから」
そう言ってアズは笑って見せた。 王妃様も頷いて見せる。
「そんなのは……イヤ。 なら、私が戦うわ!!」
「「「「そんな事、させられるはずない(でしょう)!!」」」」
全員に叫ばれ……。
「賢者には賢者の戦い方……いいえ、戦いから逃げる方法があるのよ。 絶対的な勝利って奴を見せてあげるわ」
そして……数分後。
彼方此方に散らばる(部族ごとの)主要と思われる戦力を中心にバタバタと倒れ出していた。 それらは数秒後には、呑気に盛大なイビキをかきはじめる。 誰だ?! と避ける者はいない。 何しろ指示を出せるものは全員眠りについたのだから。
私と、私を抱えている王様、そして護衛として側に居たジルの3人は、城壁の上から人々を見下ろしていた。
ホッ吐息をついた……。
「まさか眠りの魔法とは」
王様が言う。
「確かにコレなら戦う必要はない……なんだったんだ、俺達の焦りは……」
気が抜けたとばかりにジルは苦笑いをして見せた。
王様は改めてシアに向かって優しい微笑みを向け、こう言うのだ。
「流石、私の天使殿です。 感謝致します」
「私は、私の居場所を守っただけだもの……」
拗ねた風に言うのは、私を除け者にした事をやっぱり怒っているからで、王様は困ったなぁ~と苦笑交じりに表情を緩めながらも、主要戦力の近くまで走り回っていた王様とジルの速さについてくることが出来ず、遅れて追ってきた部下達に指示を出す。
「主戦力は眠りについた。 逃げ出すような者達はそのまま逃がしなさい。 この数を面倒見るのは御免被ると言うものです。 主戦力となる者、代表者、力の強い者は、檻に詰め込んでおきなさい」
「入りきらないと思いますが……」
「無理やりにでも入れて置きなさい。 彼等の頑強さに耐えられる檻が足りませんからね」
主戦力だけでも数十人はいるのだから1人1人を個別に入れるだけの檻等あるはずない。 なら、いっそ立てて入れるか重ねて入れるかと言うもの。 やがて、どのグループが1つの檻に大量に詰め込めるか? 等と競争を始めていたが……遊び心は大切だと言うものだ。
「平和だねぇ……」
私は凍った声で呟いた。
私の耳には、私を愛おしいと、大切だと語った同じ声で醜い言葉を発するのが聞こえたから。 身体は眠りの魔法の支配を受け身動きが取れなくなっていても、叫び続ける歪な存在。
それはドロテアとドーラ、2人の姿が重なり合い、混ざり合い、溶け合うように見え、とても不快で、気持ち悪い……。
「この卑怯者!! 正々堂々と戦え!! 戦争を、血の匂いを忘れた人獣の王等、王の価値などない!!」
その声は、叫びでありながら、奇妙に人の心を揺さぶる甘さと弱さがあり……若い戦士達は動揺を露わにしていた。
シアは両手でその大きな顔を押し退け叫ぶ勢いのまま、シアは自分の精神の間からランディを追い出した。
そして本来の世界に戻り、目を開ければ、大きな黒い獣は金色の瞳を開けシアを見つめていた。
むくりと身体を起こした獣は、すぐ目の前にいるシアに飛び掛かろうとする。
「がうっ♡」
ドンッと凄い音を立てながら、黒い大きな獣は床に伏した。
私の首根っこを掴み、軽々とアズと王妃の方向に放り投げ、そしてジルはそのままランディの首根っこを掴み床に叩きつけたのだ。 長い眠りから起きたばかりの獣はふらふらと目を回し……そしてシアは慌てるアズと王妃によって受け止められた。 戦闘力が無いと言っても小柄なシアを受け止めるぐらいは余裕なのだ。
「よぉ、チビ助。 自分が誰か分かっているか?」
低い威圧的な声で、獣を睨みつけるジル。
シアは思った。 ジルって、私の事をチビって言うけど……ただ口癖だっただけ?! こんな大きな生物相手にもチビって言うなんて。 少し感覚がオカシイのかしら? 等とどうでもいい事が気になる程度には混乱していた。
ランディはと言えば、抑え込まれた首を中心に身体全体を伏せてジルに逆らう様子はない。 それでも、目元や口元は何処か不満そうに見えたのだけど……気のせいだろうと思う。
だって、尻尾がぴったんぴったん嬉しそうに揺れているから。
「よ~し、いい子だチビ助」
ジルはランディの首元から力を抜き、大きな頭を撫でた。
「本当はもっとユックリ眠らせてやるつもりだったが、残念ながらそういう訳にはいかなくなった。 国が侵略されている状況だ」
ランディの耳がピクッと動き、視線が鋭く光る。
そしてジルは説明を続けるのだが、ソレは状況を理解していない私に向かっての言葉でもあったのかもしれない。
襲ってきているのは、ドロテアを姫と讃えていた戦士達だけではなく、この地を国と定める以前のギルモアの民と同じく、流浪を繰り返す人獣達の群れ。 それも群れが複数集まっている状態なのだと言う。
何故、ソレを王様達が理解したかと言うと、幾度となく戦い殺し合う関係だったから。 そして今は変わらず流浪し続けながらも疲弊する彼等に支援を行っていたから。
「恩を仇で返すなんて……」
シアが腹立たし気に言う。
「チビっ子、野生の人獣なんてそんなもんだ。 だが、そうさせないために、強さを見せつけ、手を差し出し、支援を行っていたんだが……なぁ。 まぁ、今更言っても仕方がない」
シアに向けられたジルの視線は、もう一度ランディへと向かう。
「でだ、寝起きの所悪いが、今、城にある主要戦力は、隠居の爺さん達、兄貴、ヴィズだ。 どうにも戦況は不利とと言うものだ」
「がうがうがうぐあがうがう」
何か必死に話しているが……うん、わかりません。 私はジルの背に話しかける。
「あの、宜しければ言葉をつかえるようにしても構いませんか?」
「……あぁ、頼む。 賢者殿」
チビッ子やら、賢者殿やら忙しい人だと……少しばかり皮肉気に心の中で思いながら、目の前のランディに話しかけた。
「元!! 旦那様……。 私達の関係は決して良いものではありませんが、噛みつかないでくださいね」
シアの言葉に、ランディの耳と尻尾、瞳がシュンとして見え……そしてコクリと頷いた。
シアはユックリとランディ……黒い獣に近寄り、額と額をくっつけ言の葉の魔法を使う。 ラースとは口づけだったけど……多少魔法として難しくなったとしてもランディと同じ事をする気に等なれなかったから、額同士を触れ合わせた。
「俺が戦う。 戦わなければ……」
ソレがランディの最初の言葉で、話の途中でランディの頭上に拳骨が落とされる。
「今回の敵には……ドロテアも含まれている。 そして相手の目的はオマエだチビ助。 正直、オマエがドロテアに尻尾を振ってコチラに噛みついてこられたら面倒でしかない。 それとも、今すぐドロテアの元に駆け付けるか?」
「そんな事をしない!! 俺は、知ったから……」
ボロボロと泣き出す黒く大きな獣に、ジルは大きな溜息をついた。
「オマエは、本当に泣き虫だなぁ……。 戦うのは俺に任せろ、こうやってやすやす俺に抑え込まれているオマエが戦場に出てどうする。 今回のオマエの役目は奪う事じゃない。 自分とシアを守る事だ」
「ちょっと待って!!」
アズと王妃様は?! そう声にしようとすればアズに抱きしめられた。
「優先順位と言うものよ。 覚悟は出来ているわ。 ソレに……敵がここに来るならあのバカは死んだって事……。 彼を一人あの世に行かせるなんて出来ないわ。 周囲に迷惑をかけてしまうから」
そう言ってアズは笑って見せた。 王妃様も頷いて見せる。
「そんなのは……イヤ。 なら、私が戦うわ!!」
「「「「そんな事、させられるはずない(でしょう)!!」」」」
全員に叫ばれ……。
「賢者には賢者の戦い方……いいえ、戦いから逃げる方法があるのよ。 絶対的な勝利って奴を見せてあげるわ」
そして……数分後。
彼方此方に散らばる(部族ごとの)主要と思われる戦力を中心にバタバタと倒れ出していた。 それらは数秒後には、呑気に盛大なイビキをかきはじめる。 誰だ?! と避ける者はいない。 何しろ指示を出せるものは全員眠りについたのだから。
私と、私を抱えている王様、そして護衛として側に居たジルの3人は、城壁の上から人々を見下ろしていた。
ホッ吐息をついた……。
「まさか眠りの魔法とは」
王様が言う。
「確かにコレなら戦う必要はない……なんだったんだ、俺達の焦りは……」
気が抜けたとばかりにジルは苦笑いをして見せた。
王様は改めてシアに向かって優しい微笑みを向け、こう言うのだ。
「流石、私の天使殿です。 感謝致します」
「私は、私の居場所を守っただけだもの……」
拗ねた風に言うのは、私を除け者にした事をやっぱり怒っているからで、王様は困ったなぁ~と苦笑交じりに表情を緩めながらも、主要戦力の近くまで走り回っていた王様とジルの速さについてくることが出来ず、遅れて追ってきた部下達に指示を出す。
「主戦力は眠りについた。 逃げ出すような者達はそのまま逃がしなさい。 この数を面倒見るのは御免被ると言うものです。 主戦力となる者、代表者、力の強い者は、檻に詰め込んでおきなさい」
「入りきらないと思いますが……」
「無理やりにでも入れて置きなさい。 彼等の頑強さに耐えられる檻が足りませんからね」
主戦力だけでも数十人はいるのだから1人1人を個別に入れるだけの檻等あるはずない。 なら、いっそ立てて入れるか重ねて入れるかと言うもの。 やがて、どのグループが1つの檻に大量に詰め込めるか? 等と競争を始めていたが……遊び心は大切だと言うものだ。
「平和だねぇ……」
私は凍った声で呟いた。
私の耳には、私を愛おしいと、大切だと語った同じ声で醜い言葉を発するのが聞こえたから。 身体は眠りの魔法の支配を受け身動きが取れなくなっていても、叫び続ける歪な存在。
それはドロテアとドーラ、2人の姿が重なり合い、混ざり合い、溶け合うように見え、とても不快で、気持ち悪い……。
「この卑怯者!! 正々堂々と戦え!! 戦争を、血の匂いを忘れた人獣の王等、王の価値などない!!」
その声は、叫びでありながら、奇妙に人の心を揺さぶる甘さと弱さがあり……若い戦士達は動揺を露わにしていた。
1
お気に入りに追加
2,329
あなたにおすすめの小説
「君を愛することはない」の言葉通り、王子は生涯妻だけを愛し抜く。
長岡更紗
恋愛
子どもができない王子と王子妃に、側室が迎えられた話。
*1話目王子妃視点、2話目王子視点、3話目側室視点、4話王視点です。
*不妊の表現があります。許容できない方はブラウザバックをお願いします。
*他サイトにも投稿していまし。
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
西谷夫妻の新婚事情~元教え子は元担任教師に溺愛される~
雪宮凛
恋愛
結婚し、西谷明人の姓を名乗り始めて三か月。舞香は今日も、新妻としての役目を果たそうと必死になる。
元高校の担任教師×元不良女子高生の、とある新婚生活の一幕。
※ムーンライトノベルズ様にも、同じ作品を転載しています。
この恋に終止符(ピリオド)を
キムラましゅろう
恋愛
好きだから終わりにする。
好きだからサヨナラだ。
彼の心に彼女がいるのを知っていても、どうしても側にいたくて見て見ぬふりをしてきた。
だけど……そろそろ潮時かな。
彼の大切なあの人がフリーになったのを知り、
わたしはこの恋に終止符(ピリオド)をうつ事を決めた。
重度の誤字脱字病患者の書くお話です。
誤字脱字にぶつかる度にご自身で「こうかな?」と脳内変換して頂く恐れがあります。予めご了承くださいませ。
完全ご都合主義、ノーリアリティノークオリティのお話です。
菩薩の如く広いお心でお読みくださいませ。
そして作者はモトサヤハピエン主義です。
そこのところもご理解頂き、合わないなと思われましたら回れ右をお勧めいたします。
小説家になろうさんでも投稿します。
王太子殿下の願いを叶えましょう
cyaru
恋愛
王太子ルシアーノにはアリステラという婚約者がいたが、ルシアーノはジェセニアに一目で心を奪われてしまった。
婚約の解消を目論むルシアーノは夜会でアリステラに仕掛けたのだが返り討ちにあって廃嫡寸前まで追い込まれてしまう。
かたやアリステラは「殿下の願いを叶えましょう」と婚約解消に同意し、遠い田舎、叔父(母の弟)が管理する不毛の地にさっさと出立してしまった。
挽回しようにも窮地に追い込まれるルシアーノ。
「やはりアリステラでないと無理だ」と策を練る。
一方、田舎でのんびり生活を満喫するアリステラの元に土煙をあげながら早馬でやってきた男がいた。
☆例の如く思いっきり省略した内容紹介です。
☆酷暑が続きます。屋内でも水分補給をお忘れなく。
☆完結後になりましたが10万字を超えているので長編に変更しました。
注意事項~この話を読む前に~
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。舞台は異世界の創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
【R18】ひとりで異世界は寂しかったのでペット(男)を飼い始めました
桜 ちひろ
恋愛
最近流行りの異世界転生。まさか自分がそうなるなんて…
小説やアニメで見ていた転生後はある小説の世界に飛び込んで主人公を凌駕するほどのチート級の力があったり、特殊能力が!と思っていたが、小説やアニメでもみたことがない世界。そして仮に覚えていないだけでそういう世界だったとしても「モブ中のモブ」で間違いないだろう。
この世界ではさほど珍しくない「治癒魔法」が使えるだけで、特別な魔法や魔力はなかった。
そして小さな治療院で働く普通の女性だ。
ただ普通ではなかったのは「性欲」
前世もなかなか強すぎる性欲のせいで苦労したのに転生してまで同じことに悩まされることになるとは…
その強すぎる性欲のせいでこちらの世界でも25歳という年齢にもかかわらず独身。彼氏なし。
こちらの世界では16歳〜20歳で結婚するのが普通なので婚活はかなり難航している。
もう諦めてペットに癒されながら独身でいることを決意した私はペットショップで小動物を飼うはずが、自分より大きな動物…「人間のオス」を飼うことになってしまった。
特に躾はせずに番犬代わりになればいいと思っていたが、この「人間のオス」が私の全てを満たしてくれる最高のペットだったのだ。
【完結済み】私を裏切って幼馴染と結ばれようなんて、甘いのではありませんか?
法華
恋愛
貴族令嬢のリナは、小さいころに親から言いつけられた婚約者カインから、ずっと執拗な嫌がらせを受けてきた。彼は本当は、幼馴染のナーラと結婚したかったのだ。二人の結婚が済んだ日の夜、カインはリナに失踪するよう迫り、リナも自分の人生のために了承する。しかしカインは約束を破り、姿を消したリナを嘘で徹底的に貶める。一方、リナはすべてを読んでおり......。
※完結しました!こんなに多くの方に読んでいただけるとは思っておらず、とてもうれしく思っています。また新作を準備していますので、そちらもどうぞよろしくお願いします!
【お詫び】
未完結にもかかわらず、4/23 12:10 ~ 15:40の間完結済み扱いになっていました。誠に申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる