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3章
43.オママゴトのような幸福
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《回想》
腐りかけの肉が腐敗臭を放つまで、それほど多くの時間は必要無かった。
カインヴェルの性質上、むしろ普通に肉を放置するよりも、匂いまでに時間がかかったとも言えるだろう。
それが、彼等が僕に与える屈辱。
エリナは一般の部屋と変わらないとは言え、地下牢に入れられる事を屈辱だと語った。
『アナタは王になるべき特別な存在なのに……酷いですわ兄様!! こんな地下にカイン様を閉じ込めるなんて!!』
『そう思うなら、出してくれ』
『出して差し上げたいのですが……兄様が……。 カイン様、どうか兄様に許しを乞うてくださいませ、これでは余りにも惨めですわ!! 私も一緒に謝って差し上げますから』
『必要無い。 僕は、この処遇に対して素直な思いを伝えたいと思ったから』
『素直な?』
『僕を馬鹿にしているだろう。 お前も、お前の兄も!!』
『あぁ……兄様を悪く思わないでくださいませ、兄様は国を良くしたいだけなの』
『それで、僕を制御し支配したいと?』
『そんな酷い言葉を使わないで!! 兄様にそう思うなら、ソレは全て誤解ですわ。 カイン様、カイン様はただ……私を愛してくれさえすればいいのですから。 何も考えずに、私を愛して下さればいいのです。 そんなに難しい事でしょうか?』
そんな説得は2日で終わった。
3日経ち、4日経ち、来るのが食事係だけになった。
落ち込む自分に笑えた……。
まだ、期待していたのだと思い知らされ空しかった。
3日、4日、見張りが確認しに来た。
『伝えたい言葉があるのではありませんか?』
言葉は発しない。
沈黙を続けた。
『拗ねても解決しませんよ!!』
どうせ中にまで確認には来ないのだから。
そう思って飛び出した。
山に入って獣を狩って、味のついていない肉を食べるのを飽きたら隠れた場所にある屋敷に戻った。
クリスティアを見れば切なくなるから……避けて……見ないふりをした。 それでも、危険に合っているのを偶然見れば助けなければと思った。 しばらくは心配で遠くから見守って、屋敷からでなくなったのを見て……安堵した。
ダニエルとドナならきっと良くしてくれる。
2人は、色んな事を知っているから……。
僕自身が守らない事に言い訳をした。
《回想終了》
「それで……何かあったのか?」
「チビッ子が国王に好意を向けられ、護衛がケガをして……落ち込んでいる」
「あの時の出来事で……落ち込んでいる? 何故?」
小さな姿で足元を引っかきまわしたから、そこにいた事に築いていなかったらしく、後で聞いた話によるとウサギが物凄い速さで通り過ぎたと思ったらしい。
「護衛がケガをしたからですよ。 チビは自分のせいだと自分を責めている」
「護衛が、実力不足だったんだろう」
「違う!! 彼等は良くやってくれた……ただ相手が悪かっただけだ。 国王相手にどうする事が出来るって言うんだ」
その時の状況が今更ながら理解した気がした。
「庶民は反抗を許されないと言うことか?」
白い子犬が話をしながら、出された鶏肉の南蛮漬けを上品に貪っている横で、ダニエルが溜息交じりに悩みを打ち明けた。
「そうだ……うちがどんだけ金持ちになっても、国王が望めばおチビだってハーレムの一員にならなければいけないって事だ。 謝罪とおチビのハーレム入りを正式に求めてきやがった」
「……ちょ、ちょっと待て?! なんで?! 国王はティアが好きなのか? 愛しているのか? 出会ったばかりだろう? 運命を感じたのか?! ……ぁ、えっと……ティアは大切にしてもらえるのだろうか……」
最初は、嫉妬交じりの勢いに叫んでいた子犬だったが、徐々に冷静さを取り戻し、そして変な方向に前向きになっていく。
「ハーレムを作るって奴だ、その行為で既に大切にしようと言う気が無い事が分かるだろう」
口調が崩れるほどにガックリとダニエルは項垂れた。
「……ぇ、なら、ダメだろう!! ティアには幸せになって欲しいってか、幸せにしろよな!!」
「そう思うなら、カイン様がしてやってください」
「だけど、僕なんて……今は特殊牢入りだ……王だと言って招かれたのになぁ……オカシイと思わないか?」
「……特殊牢……? なんだ、ソレは……」
ダニエルが唖然とした様子で言葉を続ける。
「事情を聞いてもよろしいですか?」
3年間も家族として生活していたのだから、カインヴェルが受けている仕打ちに腹立たしくダニエルが思うのも当然だろう。
「なんですか、ソレは!! 結局、自分の手駒にしたいだけじゃないか!!」
ダニエルは怒った。
まるで痛みを感じているかのようで、カインヴェルは不思議そうにダニエルを見上げる。
怒っている姿を見て嬉しくなるなんてどういう事だ?
心がポカポカする。
救われたような気分になる。
そんな感情の動き、その思いが、王宮に留まる理由として積み重なっている事にカインヴェルはまだ気づいておらず。
「ぼ(くの代わりに、怒ってくれてありがとう)」
そう言葉にしようとすれば、ガシッと……懐かしい体温、匂いが、近づいていた事に気付いていなくて捕獲された。
「ダニエル!! この子はプレゼント?! もふもふは鶏だって言っていたのに!!」
「へぇ、あっ……その」
乱暴なほどに抱き上げられれば、どうすればいいのかと戸惑った。
「ねぇ、君の名前をおしえてくれるかな?」
高い高いするように持ち上げられ視線が合えば、カインヴェルは気まずくなって視線をそらした。
ってか、落ち込んでいたんじゃないのか?! とか、思いながら……混乱交じりにダニエルの方を見た。
「ソレは、イジメられて逃げて来たカイン様ですよ」
「ちょっ!! その言い方は止めてくれ!! 逃げたんじゃない衛星面的に問題があったから、外で過ごしているんだ……。 別に逃げてない」
「……ヴェル?」
マジマジと眺められ名を呼ばれれば、顔を背けるも無意識に尻尾が揺れる。 モフッと抱きしめられ、毛並に顔を埋め匂いを嗅いでくる。
水浴びをし、お日様を浴びて置いて良かった……。 あんな場所の匂いを毛皮につけたくなんかない。
「お帰り……」
嬉しそうに、だけど泣きそうな顔で言われたから……他の言葉が出てこなかった。
「ただいま……」
「ご飯の邪魔してしまったね。 えっと……随分と小さくなってしまったけど、病気?」
困惑、焦り、泣きそうな顔で問われて慌てた。
「ち、違う……この方が逃げやすいからで、別に体調が悪いからじゃない」
「でも、以前、小さな身体は魔力を圧縮するのが大変だから難しいって言っていたよ? 本当に元気? 嘘ついちゃダメだよ。 元気ならご飯をもっと食べるよね? 食べたいものある?」
「ぇ、あ……オカズの挟まったパンが食べたい」
「うん、沢山食べてね」
ぽぽぽぽんっと山積みになる総菜パン。
オママゴトのような時間を過ごす2人。
そして、最近の問題を忘れたかのように幸せな気持ちで2人を眺めるダニエルとドナだった。
腐りかけの肉が腐敗臭を放つまで、それほど多くの時間は必要無かった。
カインヴェルの性質上、むしろ普通に肉を放置するよりも、匂いまでに時間がかかったとも言えるだろう。
それが、彼等が僕に与える屈辱。
エリナは一般の部屋と変わらないとは言え、地下牢に入れられる事を屈辱だと語った。
『アナタは王になるべき特別な存在なのに……酷いですわ兄様!! こんな地下にカイン様を閉じ込めるなんて!!』
『そう思うなら、出してくれ』
『出して差し上げたいのですが……兄様が……。 カイン様、どうか兄様に許しを乞うてくださいませ、これでは余りにも惨めですわ!! 私も一緒に謝って差し上げますから』
『必要無い。 僕は、この処遇に対して素直な思いを伝えたいと思ったから』
『素直な?』
『僕を馬鹿にしているだろう。 お前も、お前の兄も!!』
『あぁ……兄様を悪く思わないでくださいませ、兄様は国を良くしたいだけなの』
『それで、僕を制御し支配したいと?』
『そんな酷い言葉を使わないで!! 兄様にそう思うなら、ソレは全て誤解ですわ。 カイン様、カイン様はただ……私を愛してくれさえすればいいのですから。 何も考えずに、私を愛して下さればいいのです。 そんなに難しい事でしょうか?』
そんな説得は2日で終わった。
3日経ち、4日経ち、来るのが食事係だけになった。
落ち込む自分に笑えた……。
まだ、期待していたのだと思い知らされ空しかった。
3日、4日、見張りが確認しに来た。
『伝えたい言葉があるのではありませんか?』
言葉は発しない。
沈黙を続けた。
『拗ねても解決しませんよ!!』
どうせ中にまで確認には来ないのだから。
そう思って飛び出した。
山に入って獣を狩って、味のついていない肉を食べるのを飽きたら隠れた場所にある屋敷に戻った。
クリスティアを見れば切なくなるから……避けて……見ないふりをした。 それでも、危険に合っているのを偶然見れば助けなければと思った。 しばらくは心配で遠くから見守って、屋敷からでなくなったのを見て……安堵した。
ダニエルとドナならきっと良くしてくれる。
2人は、色んな事を知っているから……。
僕自身が守らない事に言い訳をした。
《回想終了》
「それで……何かあったのか?」
「チビッ子が国王に好意を向けられ、護衛がケガをして……落ち込んでいる」
「あの時の出来事で……落ち込んでいる? 何故?」
小さな姿で足元を引っかきまわしたから、そこにいた事に築いていなかったらしく、後で聞いた話によるとウサギが物凄い速さで通り過ぎたと思ったらしい。
「護衛がケガをしたからですよ。 チビは自分のせいだと自分を責めている」
「護衛が、実力不足だったんだろう」
「違う!! 彼等は良くやってくれた……ただ相手が悪かっただけだ。 国王相手にどうする事が出来るって言うんだ」
その時の状況が今更ながら理解した気がした。
「庶民は反抗を許されないと言うことか?」
白い子犬が話をしながら、出された鶏肉の南蛮漬けを上品に貪っている横で、ダニエルが溜息交じりに悩みを打ち明けた。
「そうだ……うちがどんだけ金持ちになっても、国王が望めばおチビだってハーレムの一員にならなければいけないって事だ。 謝罪とおチビのハーレム入りを正式に求めてきやがった」
「……ちょ、ちょっと待て?! なんで?! 国王はティアが好きなのか? 愛しているのか? 出会ったばかりだろう? 運命を感じたのか?! ……ぁ、えっと……ティアは大切にしてもらえるのだろうか……」
最初は、嫉妬交じりの勢いに叫んでいた子犬だったが、徐々に冷静さを取り戻し、そして変な方向に前向きになっていく。
「ハーレムを作るって奴だ、その行為で既に大切にしようと言う気が無い事が分かるだろう」
口調が崩れるほどにガックリとダニエルは項垂れた。
「……ぇ、なら、ダメだろう!! ティアには幸せになって欲しいってか、幸せにしろよな!!」
「そう思うなら、カイン様がしてやってください」
「だけど、僕なんて……今は特殊牢入りだ……王だと言って招かれたのになぁ……オカシイと思わないか?」
「……特殊牢……? なんだ、ソレは……」
ダニエルが唖然とした様子で言葉を続ける。
「事情を聞いてもよろしいですか?」
3年間も家族として生活していたのだから、カインヴェルが受けている仕打ちに腹立たしくダニエルが思うのも当然だろう。
「なんですか、ソレは!! 結局、自分の手駒にしたいだけじゃないか!!」
ダニエルは怒った。
まるで痛みを感じているかのようで、カインヴェルは不思議そうにダニエルを見上げる。
怒っている姿を見て嬉しくなるなんてどういう事だ?
心がポカポカする。
救われたような気分になる。
そんな感情の動き、その思いが、王宮に留まる理由として積み重なっている事にカインヴェルはまだ気づいておらず。
「ぼ(くの代わりに、怒ってくれてありがとう)」
そう言葉にしようとすれば、ガシッと……懐かしい体温、匂いが、近づいていた事に気付いていなくて捕獲された。
「ダニエル!! この子はプレゼント?! もふもふは鶏だって言っていたのに!!」
「へぇ、あっ……その」
乱暴なほどに抱き上げられれば、どうすればいいのかと戸惑った。
「ねぇ、君の名前をおしえてくれるかな?」
高い高いするように持ち上げられ視線が合えば、カインヴェルは気まずくなって視線をそらした。
ってか、落ち込んでいたんじゃないのか?! とか、思いながら……混乱交じりにダニエルの方を見た。
「ソレは、イジメられて逃げて来たカイン様ですよ」
「ちょっ!! その言い方は止めてくれ!! 逃げたんじゃない衛星面的に問題があったから、外で過ごしているんだ……。 別に逃げてない」
「……ヴェル?」
マジマジと眺められ名を呼ばれれば、顔を背けるも無意識に尻尾が揺れる。 モフッと抱きしめられ、毛並に顔を埋め匂いを嗅いでくる。
水浴びをし、お日様を浴びて置いて良かった……。 あんな場所の匂いを毛皮につけたくなんかない。
「お帰り……」
嬉しそうに、だけど泣きそうな顔で言われたから……他の言葉が出てこなかった。
「ただいま……」
「ご飯の邪魔してしまったね。 えっと……随分と小さくなってしまったけど、病気?」
困惑、焦り、泣きそうな顔で問われて慌てた。
「ち、違う……この方が逃げやすいからで、別に体調が悪いからじゃない」
「でも、以前、小さな身体は魔力を圧縮するのが大変だから難しいって言っていたよ? 本当に元気? 嘘ついちゃダメだよ。 元気ならご飯をもっと食べるよね? 食べたいものある?」
「ぇ、あ……オカズの挟まったパンが食べたい」
「うん、沢山食べてね」
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