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1章
10.薄情な私、薄情になれない私
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次に目を覚ました時。
私は王宮の庭園よりも、もっとずっと深い森の中にいた。
でも、森の匂いはとても覚えがある匂いで……屋敷の側だと分かった。
「どう、して……こんなところにいるの?」
まさか、私が何処の誰か知っていて……。 夢の中で建国以前を知り、その資料が一貴族の地下にあるなら、逆にその地下の情報が王宮の何処かに隠されていても決して不思議ではない。
宝物を侵害されたかと……私は緊張した。 良い犬だと思っていたけれど、そこまで信用したわけではなく……私の声は凄く強張っていたと思う。
そして……私以上に犬は怯えていた。
私を……。
犬? 犬なのかな?
「王宮の方から爆発音が聞こえ、血の匂いがし、叫び啜り泣く声が聞こえた……それに……火が……だから、アンタを連れて逃げた」
沈んだ声は大人になり切っていない少年の声。 そしてゆっくりと……まるで誘導するかのように遠くを見つめるから、私もその視線を追った。
「っ!!」
私が叫ぼうとすると、犬は私を押し倒し……大きな手の甲を口に押し当てて来た。
「むぐっ、くちゅん!!」
ではなくて……。
王宮が、王都が燃えていた。
赤く燃え上がる火は、辺りを照らし王宮を王都を覆う煙が見えた。
「な……に?」
既に答えを聞いているのに、私はもう一度問う。
「どうして……」
「知らない……でも……僕を助けた君の事は助けたかったんだ……」
「ぇ、あ、うん……ありがとう」
頭の中が混乱していた。
アレでは両親は生きていけない。 何も持たない……自分達以外何かを持とうとしない人だったから、きっと助かる術はないだろう。 どう、しよう……。
「どうした?」
そっと私の身体を支えるように寄り添い、私の顔を覗き込んでくる。
「どうやって……生きていけばいいんだろう……。 私は子供だから……大人がいないと、生きにくい……」
静かに沈み落ち込んだ声が淡々と語られる。
「心配いらない……。 あの様子だと、親の無い子はこれから沢山出て来る」
「そ……」
それは違う!! そう思う反面、それなら生きていける。 とも思っていた。
「食べ物なら、僕が……とってくる。 だから、安心していい」
淡々とポツポツと語られる。
感覚が違う気がした。
自分と違う存在に感じる脅威、恐怖。
「ぁっ……」
これが両親が私に感じていたもの……なの?
犬を見る。
犬とは違う。
何かが違う。
尻尾の感じとか、固まった毛並が角っぽくなっている感じとか……小柄だし、全然犬っぽいけれど『夢渡り』で見たドラゴンを思い出され……私は息を飲む。 火に燃える王都を眺めて不安を覚えた。
もしかして……犬が無意識で……。
「アレは、私がその首輪に触れたからではないんだよね?」
恐怖だった。
「違う……王都、王宮に賊が入りこんだ。 凄く沢山。 纏う空気の匂いが全然違う。 外から来た奴」
「そう……」
追いかけて、自分を殺そうとした男を思い出して……疑った事に自己嫌悪した。
「ゴメン……」
犬の視線は何が? と、語る。
「それで、馬車までお送ろうと思った。 けど、逃げようとする者達を捕らえようとして待っていたから。 だから、匂いがしない方に連れて逃げた」
「そっか……ありがとう。 貴族を集めて、何をするんだろう……」
「……さぁ……」
家は……大丈夫?
多分、大丈夫……。
両親は地下を知らない。 上物は古くてボロボロな建物で、金銭的価値があるものの大半は売り払われている。 だから、両親は、私を地下に閉じ込めている間、アダ―商会から最後に得た白金貨で中央に屋敷を購入した得意そうに語り、見せつけた。
『貴族らしいだろう』
と、そして……こう言った。
『オマエの住む場所はここには無い。 居場所が欲しければ王族のパトロンをしっかりと見つけるんだな』
「大丈夫、うちは郊外だし……それも山の中に隠れた場所にあるから」
初代シルヴァン侯爵が、何故、そんな場所に屋敷を持ったか? と言うのは『夢渡り』で検討がついていた。 ようするに……人も恐れる変態さんだったのだ……。
「……もしよかったら送ってはもらえないかな? もう近くだし」
「良いけど……今の王都に残るより、外に逃げた方が良いと思う……」
王都と言うと、王宮を中心とする中央を王都と考えがちだけれど。 王宮の衣食住等を賄うための畑や各職人集落等、各騎士団の宿舎や訓練場、国のための様々な物資が一度王都にあつめられ保管してある巨大貯蔵庫、そんなものを含める広大な大地を王都とし、王都を守るために高い土壁に囲まれていて、出口と言えば四方の門しかない。
こんな事を話している間も、王宮内では激しい戦いの痕跡が見えていた。
燃える王宮内の火が不自然な様子で掻き消えた。
私の知る限り、もう何百年も戦争をした歴史はないけれど、それでも王族、貴族には有益な血統加護を持つ一族は多い。 王宮内に集まったところに奇襲をかけ一網打尽にしようとしたのかもしれないけれど……。
返り討ちに合う事は目に見えている。
そう考えた途端……貴族の馬車としては豪華さにかける大量の馬車が王宮に入っていた事を思い出し……そして、両親の顔を思い浮かべ、革細工屋を営む祖父母、伯父一家を思い出す。
「ぁっ……」
「どうかしたか? できれば……安全な場所に届けたい」
「ぁ……うん……」
傷だらけの犬は、相変わらず薄汚れその毛並みは硬くこびりついていただろうけど、明らかに最初のサイズよりは大きく……そして何かが違っていた。 これが伝説のドラゴンだと言うなら……助けを……求めるべきなのだろうか?
まだ、私には親を……保護者を必要とする年齢だ。
他の子供達が親を亡くしても……私には親が……必要なのかな? 分からない、分からないけど……親を求める自分がいて切なかった。
「父様と母様……それに町には祖父母に伯父様一家もいるの……」
「僕には……助けたいと思える人は、アンタ以外に居ない」
静かだけどハッキリとした声。
「僕を薄情だと思うか?」
固まった血で赤黒く染まった毛並。
膨大な封じ。
彼がどう生きて来たか、想像できない訳がない。
「王宮には強い人がいっぱいいるし……だ、大丈夫だよね……それにうちの親は卑怯な人だし」
そう火事場泥棒よろしく避難しなければと言い訳をつけ王宮の宝物庫の中に入りウハウハ言っているかもしれない。 いや、ソレはソレで死亡フラグだけど。
それに持たせた手土産の価値を侵略者が知れば……生き延びる事も……そこまで考え、それは自分にとって不幸でしかない事に気付いた。 両親は自分が助かるために私を容易に売り払うだろう。
そう……なら、いっそ死んでくれた方が……。
頭の中が混乱する。
親を求める幼い私の心と……自分の身を守るための合理性……。
「それで、何処に行くんだ?」
「家に……」
「危険だと思う」
「多分、平気」
そう頑張る私に犬はもっと詳しく説明してくれた。
犬は私を安全な場所に置き、王宮に戻り様子を見て来たと言う事だった。
「敵を知らなければ、守れないから」
建国祭の開始と共に会場となっていた広間が爆発と共に天井が落とされた。 同時に王都内の主要施設にも火を放ったのだろうと思われる。 と……。
それだけなら、丈夫で戦闘に適した力を持つ者は、死ぬ事はない……。 王族は肉体的に優れているから簡単には死なないし、攻撃をしかけられ大人しく引き下がる事はしない。
「でも、問題があるよね……。 アレは手引きされていた」
侵略と言っても、人を殺しつくしては意味がない……だから、無意味な両親は多分平気……きっと平気、祖父母は革職人として優秀だろうから……平気。 きっと大丈夫。
「侵略は……きっと、成功しない。 王族は強い。 だけど、万が一侵略が成功した場合。 国に登録してある貴族屋敷は巡回される。 それまで多少の猶予はあるはず。 逃げるための準備を急いだほうがいい」
「ソレは多分平気。 親は少し前に屋敷を中央に登録しなおしているはずだから」
分不相応なプライドを持つ両親の事だ。 地下に私を忘れたままで、中央で手に入れた新居に浮かれていただろうし、王都にシルヴァン侯爵家の新しい屋敷として新居を届け出ている事だろう。
「そうか」
「そう。 家に連れて行って」
「分かった……」
考えていた。
ぐるぐると考えていた。
両親からの解放……両親の死を望む自分の醜い心に……困惑し、嘆き、そして……両親の危機を嘆くのではなく、自分のために嘆いている事に、私はいっそう落ち込んだ。
私は王宮の庭園よりも、もっとずっと深い森の中にいた。
でも、森の匂いはとても覚えがある匂いで……屋敷の側だと分かった。
「どう、して……こんなところにいるの?」
まさか、私が何処の誰か知っていて……。 夢の中で建国以前を知り、その資料が一貴族の地下にあるなら、逆にその地下の情報が王宮の何処かに隠されていても決して不思議ではない。
宝物を侵害されたかと……私は緊張した。 良い犬だと思っていたけれど、そこまで信用したわけではなく……私の声は凄く強張っていたと思う。
そして……私以上に犬は怯えていた。
私を……。
犬? 犬なのかな?
「王宮の方から爆発音が聞こえ、血の匂いがし、叫び啜り泣く声が聞こえた……それに……火が……だから、アンタを連れて逃げた」
沈んだ声は大人になり切っていない少年の声。 そしてゆっくりと……まるで誘導するかのように遠くを見つめるから、私もその視線を追った。
「っ!!」
私が叫ぼうとすると、犬は私を押し倒し……大きな手の甲を口に押し当てて来た。
「むぐっ、くちゅん!!」
ではなくて……。
王宮が、王都が燃えていた。
赤く燃え上がる火は、辺りを照らし王宮を王都を覆う煙が見えた。
「な……に?」
既に答えを聞いているのに、私はもう一度問う。
「どうして……」
「知らない……でも……僕を助けた君の事は助けたかったんだ……」
「ぇ、あ、うん……ありがとう」
頭の中が混乱していた。
アレでは両親は生きていけない。 何も持たない……自分達以外何かを持とうとしない人だったから、きっと助かる術はないだろう。 どう、しよう……。
「どうした?」
そっと私の身体を支えるように寄り添い、私の顔を覗き込んでくる。
「どうやって……生きていけばいいんだろう……。 私は子供だから……大人がいないと、生きにくい……」
静かに沈み落ち込んだ声が淡々と語られる。
「心配いらない……。 あの様子だと、親の無い子はこれから沢山出て来る」
「そ……」
それは違う!! そう思う反面、それなら生きていける。 とも思っていた。
「食べ物なら、僕が……とってくる。 だから、安心していい」
淡々とポツポツと語られる。
感覚が違う気がした。
自分と違う存在に感じる脅威、恐怖。
「ぁっ……」
これが両親が私に感じていたもの……なの?
犬を見る。
犬とは違う。
何かが違う。
尻尾の感じとか、固まった毛並が角っぽくなっている感じとか……小柄だし、全然犬っぽいけれど『夢渡り』で見たドラゴンを思い出され……私は息を飲む。 火に燃える王都を眺めて不安を覚えた。
もしかして……犬が無意識で……。
「アレは、私がその首輪に触れたからではないんだよね?」
恐怖だった。
「違う……王都、王宮に賊が入りこんだ。 凄く沢山。 纏う空気の匂いが全然違う。 外から来た奴」
「そう……」
追いかけて、自分を殺そうとした男を思い出して……疑った事に自己嫌悪した。
「ゴメン……」
犬の視線は何が? と、語る。
「それで、馬車までお送ろうと思った。 けど、逃げようとする者達を捕らえようとして待っていたから。 だから、匂いがしない方に連れて逃げた」
「そっか……ありがとう。 貴族を集めて、何をするんだろう……」
「……さぁ……」
家は……大丈夫?
多分、大丈夫……。
両親は地下を知らない。 上物は古くてボロボロな建物で、金銭的価値があるものの大半は売り払われている。 だから、両親は、私を地下に閉じ込めている間、アダ―商会から最後に得た白金貨で中央に屋敷を購入した得意そうに語り、見せつけた。
『貴族らしいだろう』
と、そして……こう言った。
『オマエの住む場所はここには無い。 居場所が欲しければ王族のパトロンをしっかりと見つけるんだな』
「大丈夫、うちは郊外だし……それも山の中に隠れた場所にあるから」
初代シルヴァン侯爵が、何故、そんな場所に屋敷を持ったか? と言うのは『夢渡り』で検討がついていた。 ようするに……人も恐れる変態さんだったのだ……。
「……もしよかったら送ってはもらえないかな? もう近くだし」
「良いけど……今の王都に残るより、外に逃げた方が良いと思う……」
王都と言うと、王宮を中心とする中央を王都と考えがちだけれど。 王宮の衣食住等を賄うための畑や各職人集落等、各騎士団の宿舎や訓練場、国のための様々な物資が一度王都にあつめられ保管してある巨大貯蔵庫、そんなものを含める広大な大地を王都とし、王都を守るために高い土壁に囲まれていて、出口と言えば四方の門しかない。
こんな事を話している間も、王宮内では激しい戦いの痕跡が見えていた。
燃える王宮内の火が不自然な様子で掻き消えた。
私の知る限り、もう何百年も戦争をした歴史はないけれど、それでも王族、貴族には有益な血統加護を持つ一族は多い。 王宮内に集まったところに奇襲をかけ一網打尽にしようとしたのかもしれないけれど……。
返り討ちに合う事は目に見えている。
そう考えた途端……貴族の馬車としては豪華さにかける大量の馬車が王宮に入っていた事を思い出し……そして、両親の顔を思い浮かべ、革細工屋を営む祖父母、伯父一家を思い出す。
「ぁっ……」
「どうかしたか? できれば……安全な場所に届けたい」
「ぁ……うん……」
傷だらけの犬は、相変わらず薄汚れその毛並みは硬くこびりついていただろうけど、明らかに最初のサイズよりは大きく……そして何かが違っていた。 これが伝説のドラゴンだと言うなら……助けを……求めるべきなのだろうか?
まだ、私には親を……保護者を必要とする年齢だ。
他の子供達が親を亡くしても……私には親が……必要なのかな? 分からない、分からないけど……親を求める自分がいて切なかった。
「父様と母様……それに町には祖父母に伯父様一家もいるの……」
「僕には……助けたいと思える人は、アンタ以外に居ない」
静かだけどハッキリとした声。
「僕を薄情だと思うか?」
固まった血で赤黒く染まった毛並。
膨大な封じ。
彼がどう生きて来たか、想像できない訳がない。
「王宮には強い人がいっぱいいるし……だ、大丈夫だよね……それにうちの親は卑怯な人だし」
そう火事場泥棒よろしく避難しなければと言い訳をつけ王宮の宝物庫の中に入りウハウハ言っているかもしれない。 いや、ソレはソレで死亡フラグだけど。
それに持たせた手土産の価値を侵略者が知れば……生き延びる事も……そこまで考え、それは自分にとって不幸でしかない事に気付いた。 両親は自分が助かるために私を容易に売り払うだろう。
そう……なら、いっそ死んでくれた方が……。
頭の中が混乱する。
親を求める幼い私の心と……自分の身を守るための合理性……。
「それで、何処に行くんだ?」
「家に……」
「危険だと思う」
「多分、平気」
そう頑張る私に犬はもっと詳しく説明してくれた。
犬は私を安全な場所に置き、王宮に戻り様子を見て来たと言う事だった。
「敵を知らなければ、守れないから」
建国祭の開始と共に会場となっていた広間が爆発と共に天井が落とされた。 同時に王都内の主要施設にも火を放ったのだろうと思われる。 と……。
それだけなら、丈夫で戦闘に適した力を持つ者は、死ぬ事はない……。 王族は肉体的に優れているから簡単には死なないし、攻撃をしかけられ大人しく引き下がる事はしない。
「でも、問題があるよね……。 アレは手引きされていた」
侵略と言っても、人を殺しつくしては意味がない……だから、無意味な両親は多分平気……きっと平気、祖父母は革職人として優秀だろうから……平気。 きっと大丈夫。
「侵略は……きっと、成功しない。 王族は強い。 だけど、万が一侵略が成功した場合。 国に登録してある貴族屋敷は巡回される。 それまで多少の猶予はあるはず。 逃げるための準備を急いだほうがいい」
「ソレは多分平気。 親は少し前に屋敷を中央に登録しなおしているはずだから」
分不相応なプライドを持つ両親の事だ。 地下に私を忘れたままで、中央で手に入れた新居に浮かれていただろうし、王都にシルヴァン侯爵家の新しい屋敷として新居を届け出ている事だろう。
「そうか」
「そう。 家に連れて行って」
「分かった……」
考えていた。
ぐるぐると考えていた。
両親からの解放……両親の死を望む自分の醜い心に……困惑し、嘆き、そして……両親の危機を嘆くのではなく、自分のために嘆いている事に、私はいっそう落ち込んだ。
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