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21.完結

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 告げた休暇を過ぎても戻らぬヨミに不安を感じた。

 3人が言うには、誤解は解けた。 そんな話だったが、与えた休暇を過ぎても戻らぬヨミに不安を感じずにはいられない。 何しろプラテリアが自信満々過ぎて……。



 そしてヨミが戻ったのは、本来の戻りを2日遅れた夜、寝室にだった……。

 扉を開ければ、そこに待ち伏せしていたであろうと思われるセクシーなナイトドレスを身にまとったヨミに抱き上げられた。

「なっ」

「陛下、長の休暇をありがとうございました」

 ニッコリと微笑んでくる。

 仕事に熱心な彼女の笑顔を見れる人間は限られており、その幸福感に俺も微笑みかえしたいのだが……。

「ところで、これは?」

「初夜を迎える時にはムードが大切だと、抱っこをして寝室まで運ぶことでドキドキするのだと学びましたので」

 毎度毎度違う意味でドキドキするがな!!

 正直、抱きあげられるのは子供の頃から苦手だ。 魔法を使っていると分かっていても、細い身体と腕で抱き上げられては、落とされるのでは? と、身構えるものだ。

 ではなく!!

「違うぞ!! これは女性側が抱っこされるのが正しいんだ!!」

 と言い終わる頃には、ベッドの上に投げ出された。

 上着にかかる細く白い指先が、俺の服を脱がせて来る。

 透けるナイトドレスから見える下着、胸の谷間。

 チュッと口づけられ、俺の服を脱がせながら、耳の下から首筋にかけ口づけられる。 甘い香り、温かく濡れた唇。 ペロリと舐める舌先はピチャピチャと淫靡な音を立てていた。

「ぁっ……」

 服を脱がせるため触れる指先が、欲情を煽って来る。
 俺は、ヨミが俺の服を脱がせやすいように、身体をずらす。

 上着を脱がせ終えた指先が、大きくなったモノに伸ばされた。

「へいか……」

 恥ずかしそうな甘い声。

「名前で、よんでくれないか……」

 身を乗り出すように俺が言えば、恥ずかしそうに名前をよんでくる。

「ダリオ……さ」

 様とつけようとするところを、上半身を浮かせ口づけてとめた。

「ヨミ」

 手を伸ばし朱色に染まった頬を撫でる。

 ヨミの息が荒い。

 ヨミも興奮しているのかと思えば、胸が高鳴った。

「ダリオ」

 腹の上を跨ぐようにしながら、見下ろし呼びかけてくる。 甘い声に再び応えようとすれば、ヨミは叫んだ!!

「しましょうか!!」

「あ~~~。 うん……そうだね、しようか?」

「おぉ、ぉ、ぉ、おおきくなってますし」

「言わなくていいから」

「あの、少し準備をしますので、お待ちください!!」

 準備と言われナイトドレスを脱ぎだすのだと思いこんでいたのだが……、突然に目の前で自慰が始められる。

「へっ? ちょ、っと、待て待て待て!! 何をしているんだ!!」

「何って、ご存じないのですか? 私は経験がないので、よく慣らさなければツライと習いました。 なので、よく解さなければいけないと!!」

 何故か、ドヤ顔で軍事報告を聞いている気分にさせられた。

「いや、ちょっと待って、うん、まぁ……とりあえず辞めようか……」

 両手を拘束して抱き寄せる。

「ですが……」

「それは、俺がするから」

「何を?」

 耳元に囁くように、熱い息を吹きかけるようにこたえる。

「ヨミの中を、俺が解すの。 そういうの言わせないでくれるかなぁ」

 くわっと目が見開かれたかと思うと、突風が巻き起こり思わず手の力を抜いてしまえば、ヨミは壁際まで逃げ去ってしまった。

「ダメです!! そんな事、陛下にさせられるはずないじゃないですかぁ!!」

「なんで?!」

「なんでって、なんでって、あんなお手間をかけさせるなんて、私には出来ません!!」

 な、何を習ってきた!!

「俺に、ヨミの準備を手伝わせてくれないかなぁ?」

 壁際の猫をどう捕獲すればいいのか? そっと、優しく優しく話しかけ距離を縮めようとした。

 だが、

「今日のところは、これで許して差し上げますわ!!」

 そんな言葉を残してヨミは部屋から逃げ出してしまった。

「……せきにんしゃぁああああああああ!!」



 俺達の関係は、まだまだ進展が難しいらしい。

 それでも、今日のところはと言っているあたり、ここで終わるつもりはないのだろうと……期待してもいいのだろうか?



 終わり
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