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04.国王陛下、お姫様になる
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国王陛下を結婚させよう会議、第二回を開催しようとしたダリオだが、主旨を聞いた者達は、ヴェント公爵が領地に戻っている状況では、婚約を勧めるための話を勧めることも出来ないだろうと却下してきた。
とはいえ、これからどうしていいのか。 告白から、数日……全くもって何も変わらず仕事が進められている。 変わらない日々。
お出かけしたい。
デートしたい。
キスしたい。
もんもんとした気持ちがピークを迎えて、ついに叫んでしまった。
「あああぁぁぁぁぁぁぁっぁ」
突然に叫べば、ギョッとした顔でヨミや、側にいた俺とヨミ付きの侍女が振り向く。
「陛下、どうなされたのですか!!」
凄い勢いで近寄ってきたヨミは、熱を測り、目を見て、口を開けさせてくる。
か、かかっかかかおが近いですよヨミさん!!
「陛下、もう一度失礼します。 お熱が上がったようですね。 今日の仕事は私に任せてお休みくださいませ!!」
そう言って……自分よりも小柄なヨミは俺を姫抱っこして寝室まで運んでいこうとする。 両手で顔を隠し、俺は呟くしかなかった。
「辞めて……」
「大人しくなさってください」
「歩けるから」
「先ほどより熱が上がっております。 了承できません」
「大丈夫だから」
「大丈夫でない者ほど、そういうものです」
「し、仕事に戻らないと」
「私が信用できませんか?」
「だ、だから!!」
顔が近いと文句を言おうとしたが、ダリオは首を激しく横に振り自分の考えを否定した。 いや、いや、この接近度を利用せずにどうする。 というか、ここで拒絶すれば近寄られる事がイヤなのだと判断され、明日から計ったように1m以内に近寄らないとかしかねない。
それに嫌な訳ではない。
ただ、恥ずかしいだけなのだ!!
特に、周囲の視線が……。
見てはいけないと、必死に視線を背けるが、誰もが視線の端っこでヨミに姫抱っこされるダリオを何事かと見ていた。 そして見ていたが触れてはいけないものとして処理をされる。
それがまた痛々しい……。
そんな中唯一声をかけてきた者がいた。
「どうした? 大変そうだな。 俺が運んでやろうか?」
窓から赤い騎士服を手にした上半身裸の巨体の青年エルオーネ・テンペラータ公爵令息、ダリオの学友の一人が窓から顔を覗かせる。
「エルオーネ様、汗臭い恰好で陛下に近寄らないでくださいませ」
「十分に汗は流してきた。 コレは水」
そう言いながら、器用に熱の魔法を使って水分を蒸発させ、窓を乗り越えたところでエルオーネは気付いた。 邪魔をするなと言うダリオの視線に数秒考えこみ、愛想の良い笑みを浮かべて片手をあげ去ろうとした。
「……じゃぁ、まぁ……俺はお邪魔なようなので」
「いえ、邪魔だと言うつもりは……そうですわ!! 訓練がお済でしたら、陛下の側にいて頂けるかしら? 私は、まだ仕事が残っておりますので」
「いやいや、そこは俺が、お嬢の仕事を手伝うから、看病の方はお嬢がするといい、その方が陛下も喜ぶ」
「でしょうか?」
と、顔を見てくるから必死で頷いた。
好きな女性の看病と天秤にかければ、当然好きな女性に決まっている。 ただ……悩むのは、何時まで俺はヨミに姫抱っこをされているのかというところだ。
「ですが、陛下がお休みになる分の仕事もありますので、2人分の仕事をエルオーネ様に押し付けるのは気が引けます。 なので、こうしましょう!」
そして、寝室に並べられるデスク2つ。 看病らしいことは侍女達がする事でケリがつけられる。 何かが色々違う。
デートを望んでた結果、どうしてこうなった?
もしや、これが世間で噂のお家デートか?!
うん、違うな……。
「あの、俺にも仕事を……」
「陛下は余り丈夫ではないのですから、無理をなさらないでください」
「それは、子供の頃の事で今は結構丈夫だからさぁ、あぁ、えっと、ここ何年かヨミは特訓を見に来ていないから知らないだろうが、エルから5本に1本はとれるようになったんだぞ」
の言葉にエルオーネを睨むヨミ。
「……なぜ、俺を睨む……」
「私の可愛い陛下に剣を向けたのですか……」
「そんな深淵を覗いたような目で睨むな……訓練だ、傷をつけることは……たまにしかない。 な、なぁ……」
ダリオに助けを求めるエルオーネだが、ダリオは拗ねていた。
「なぜ、俺を抜きに仲良くじゃれてんだよぉ」
「ちょ、ま、まて叩くな、叩くな!! や、辞めろ!! 俺が悪い訳じゃないだろう。 訓練だ、不可抗力だ、陛下にも自衛手段は重要だろうが!! そ、そうだ、そんなに心配なら、今度訓練を見に来てはどうだ?」
エルオーネの提案にヨミは考え込む。
とはいえ、これからどうしていいのか。 告白から、数日……全くもって何も変わらず仕事が進められている。 変わらない日々。
お出かけしたい。
デートしたい。
キスしたい。
もんもんとした気持ちがピークを迎えて、ついに叫んでしまった。
「あああぁぁぁぁぁぁぁっぁ」
突然に叫べば、ギョッとした顔でヨミや、側にいた俺とヨミ付きの侍女が振り向く。
「陛下、どうなされたのですか!!」
凄い勢いで近寄ってきたヨミは、熱を測り、目を見て、口を開けさせてくる。
か、かかっかかかおが近いですよヨミさん!!
「陛下、もう一度失礼します。 お熱が上がったようですね。 今日の仕事は私に任せてお休みくださいませ!!」
そう言って……自分よりも小柄なヨミは俺を姫抱っこして寝室まで運んでいこうとする。 両手で顔を隠し、俺は呟くしかなかった。
「辞めて……」
「大人しくなさってください」
「歩けるから」
「先ほどより熱が上がっております。 了承できません」
「大丈夫だから」
「大丈夫でない者ほど、そういうものです」
「し、仕事に戻らないと」
「私が信用できませんか?」
「だ、だから!!」
顔が近いと文句を言おうとしたが、ダリオは首を激しく横に振り自分の考えを否定した。 いや、いや、この接近度を利用せずにどうする。 というか、ここで拒絶すれば近寄られる事がイヤなのだと判断され、明日から計ったように1m以内に近寄らないとかしかねない。
それに嫌な訳ではない。
ただ、恥ずかしいだけなのだ!!
特に、周囲の視線が……。
見てはいけないと、必死に視線を背けるが、誰もが視線の端っこでヨミに姫抱っこされるダリオを何事かと見ていた。 そして見ていたが触れてはいけないものとして処理をされる。
それがまた痛々しい……。
そんな中唯一声をかけてきた者がいた。
「どうした? 大変そうだな。 俺が運んでやろうか?」
窓から赤い騎士服を手にした上半身裸の巨体の青年エルオーネ・テンペラータ公爵令息、ダリオの学友の一人が窓から顔を覗かせる。
「エルオーネ様、汗臭い恰好で陛下に近寄らないでくださいませ」
「十分に汗は流してきた。 コレは水」
そう言いながら、器用に熱の魔法を使って水分を蒸発させ、窓を乗り越えたところでエルオーネは気付いた。 邪魔をするなと言うダリオの視線に数秒考えこみ、愛想の良い笑みを浮かべて片手をあげ去ろうとした。
「……じゃぁ、まぁ……俺はお邪魔なようなので」
「いえ、邪魔だと言うつもりは……そうですわ!! 訓練がお済でしたら、陛下の側にいて頂けるかしら? 私は、まだ仕事が残っておりますので」
「いやいや、そこは俺が、お嬢の仕事を手伝うから、看病の方はお嬢がするといい、その方が陛下も喜ぶ」
「でしょうか?」
と、顔を見てくるから必死で頷いた。
好きな女性の看病と天秤にかければ、当然好きな女性に決まっている。 ただ……悩むのは、何時まで俺はヨミに姫抱っこをされているのかというところだ。
「ですが、陛下がお休みになる分の仕事もありますので、2人分の仕事をエルオーネ様に押し付けるのは気が引けます。 なので、こうしましょう!」
そして、寝室に並べられるデスク2つ。 看病らしいことは侍女達がする事でケリがつけられる。 何かが色々違う。
デートを望んでた結果、どうしてこうなった?
もしや、これが世間で噂のお家デートか?!
うん、違うな……。
「あの、俺にも仕事を……」
「陛下は余り丈夫ではないのですから、無理をなさらないでください」
「それは、子供の頃の事で今は結構丈夫だからさぁ、あぁ、えっと、ここ何年かヨミは特訓を見に来ていないから知らないだろうが、エルから5本に1本はとれるようになったんだぞ」
の言葉にエルオーネを睨むヨミ。
「……なぜ、俺を睨む……」
「私の可愛い陛下に剣を向けたのですか……」
「そんな深淵を覗いたような目で睨むな……訓練だ、傷をつけることは……たまにしかない。 な、なぁ……」
ダリオに助けを求めるエルオーネだが、ダリオは拗ねていた。
「なぜ、俺を抜きに仲良くじゃれてんだよぉ」
「ちょ、ま、まて叩くな、叩くな!! や、辞めろ!! 俺が悪い訳じゃないだろう。 訓練だ、不可抗力だ、陛下にも自衛手段は重要だろうが!! そ、そうだ、そんなに心配なら、今度訓練を見に来てはどうだ?」
エルオーネの提案にヨミは考え込む。
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