【R18】利用される日々は終わりにします【完結】

迷い人

文字の大きさ
上 下
70 / 75
08

69.嫉妬と欲望 02

しおりを挟む
 白い肌、その膨らみは豊かとは言えないが、若々しい張りを持ち艶めかしく誘ってくる。 その身体が快楽を欲しているのだと、情欲に熟れ赤く固くヴェルディの乳首は実っていた。 そっと指先で触れて、捻り上げる。

「っは、ぁっ!!」

 顔をしかめ、身を捩る。

「あぁ、随分と硬くなっている。 自分で、快楽を求めて触った事は?」

 冷静を演じ耳もとで囁き、指先で捏ねまわし、軽く摘まんで捻り上げる。

「ぁっ、んっ、そんな事……してない」

 ヴェルディの熱が、もう1段階上げながら身体を震わせ、形の良い肉のふくらみがフルリと揺れる。 手の中で包みこみ、手のひらで優しく揉み上げる。

「柔らかくて、とても……美味しそうだ」

 首筋から、鎖骨のラインを舌で舐め、吸い付き、赤い痕をつける。 それは……肌を人に見せる事に躊躇いの無いヴェルディへの鎖……にしたかったから。

 白い肌に、口づけ、甘く吸い付き、歯を当て、印を増やしていく。 身体をふるわせ捩り、甘い声を漏らしていく。

「あの男に、欲情に触れてくれと頼んだ時は? 処理をしてもらっていたのか?」

「そんなこと!! していない!!」

 将来を誓っていると言っていたのに、見せつける激しく見せる拒絶に、無意識に笑っていた。 叫び、否定され、責めるような声、それに安堵する自分がとてもバカバカしいとシグルドは思った。

 あの男は特別だった。 あの男だけは嫉妬を持って殺していた。 だが……あぁ、満足だ……。 耳元に口づけ甘く息を吹きかけるように話す。

「そうか……」

 フルリと震えるヴェルディの身体が愛おしい。

「可愛いよ」

「本当?」

 甘えるような声が、心をくすぐってくる。

 愛おしい。
 愛おしい。

 可愛い子。

「あぁ、本当だとも……」

 その思いのままに、白い肌を大切に触れて、撫でて、そして口づけた。 舌で唇をこじ開け、舌をさしこみ、奪うように舐めとり、吸い上げ、絡めとり、貪り食らうように荒々しく口づける。

 慣れないながらも舌を絡め孵す様子に、愛おしさと欲を煽る。

 破れて下着が覗き見える中に指を滑り込ませた。 両足の間……ショーツの上からでも快楽に蜜を溢れさせているのが分かった。 指先で拭い取り、指にからめながら、情欲を露わにする両足の間を触れ撫で、柔らかな肉を手で包み込み、指先で割れ目の先……肉芽を探った。 ただ、それだけのこと……。

「っん、ぁっ、っああーー」

 ヴェルディの身体が弓なりに張り詰め、喘ぎ、そして息を荒げ……激しく呼吸を繰り返す。

 ヴェルディの耳元に甘く優しく囁くようにシグルドは聞き、髪を撫でた。

「気持ちよかったか?」

 耳元から目元にキスをする。

「ぁ……うん……」

 素っ気ない言葉だけれど、表情を見ればソコに恥じらいがあるのは分かった。 喉の奥が締まり乾く……興奮しているのが分かった。 だけれど、薬を打たれた衝動だと思えば……大切だと思えば思うほど手を出せないと思った。

 昨日は……もっと、簡単だったのに。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】 妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。

【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない

ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。 既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。 未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。 後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。 欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。 * 作り話です * そんなに長くしない予定です

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

処理中です...