7 / 60
第1章 ヒロイン視点
7.辞書をお貸ししましょうか
しおりを挟む
「シャル!あなたのオススメのお店はどこですか?」
「私ですか?あっ!あそこのお店のケーキはとても美味しかったですよ。」
「この前そこに連れていった時あんまり好きじゃありませんとか言ってなかった?」
あ…
しまった…
***
何故私は今殿下とジュンシー様と共に商業地区にいるのでしょう。
殿下に例のごとく誘われて来たのですが何故かジュンシー様がいらっしゃいました。
「ごめんね。せっかくあなたとの逢い引きの予定だったのに。」
「ジュンシー様がいらっしゃるのはいいのですが…逢い引きの意味を辞書で引き直されたらいかがですか?」
「じゃあデート?」
「そこではありません。」
「えーっと"逢い引き"ってどういう意味の言葉なんですか?」
『ジュンシー覚えなくていいよ。それよりどこ行きたいの?』
「?リヴィ焦ってるんです?あぁ!そういう事かぁ~。」
焦って言語変わるものなんですか?
ジュンシー様なんで嬉しそうなんですか?
殿下に何か仰ったようですが声が小さく聞き取れません。
殿下の笑顔が少し固いような?気もしなくもないですね。
何かお2人でお話されておりますし私居なくてもいいんじゃないですか?
殿下だけでしたらどうやって破棄に持ち込むための嫌味とか性格の悪い演技とか出来ますけどお客様がいらっしゃる前でする訳には行きません。
それにそこで殿下にいい印象とか与えたくないですし王族の話相手など疲れるので正直嫌です。
結論として私は帰りたいです。
「私が王族という高貴な方々の中にいるだなんて心苦しいですわ。本日は誠に残念ですが置いたまさせて頂きたいのですがよろしいですか?」
何故止めるんですか?
連れていくんですか?
話しかけるんですか?
***
そして今…
前回の演技のボロが出てしまいました。
いつもは気をつけているんですよ!
でもですね!
今日はそういう性格悪い?高慢そうな?わがままな?演技はしてないんです!
だからそのボロが…
「殿下とご一緒した時に頂いたものがあまり好みではありませんでしたの。別の日に侍女が買ってきてくれたものは美味しかったですわ。」
く、苦しい…
でも、おかしくはないはずです。
実は殿下とご一緒した時に頂いたのが1番好みのものでしたがそれは秘密です。
とゆうかそんなこと気にしてないでしょうしそこまではいいでしょう。
「ねぇシャル。」
「は、はい。」
「リヴィと行ったことないお店でオススメのお店とかある?」
「殿下と?ですか?……貴族があまり行くような場所ではないですが…よろしいでしょうか?」
「もちろん!」
***
「こちらです。私実は料理などにも興味がありまして…貴族がやるような事ではないとわかってはおりますけど…その…こっ、こちらのお店は他では扱っていない食品も置いてありまして…」
連れてきたのは平民向けのお店が多く、特に食品でも珍しいものを平民でも届くほどの値段で扱っているお店です。
殿下は珍しく驚かれたのか目を見開いておりますし、ジュンシー様はぱちぱちと瞬きをしています。
つ、連れてくるんじゃなかったです…
『…………れない…』
え?なんとおっしゃいました?
『やはりシャル…あなたのような素晴らしい女性を我が…いてっ』
『人の婚約者に何するの…』
あのー。ジュンシー様?いつまで私の両手を握っておられるのです?
「あのー。そろそろ手を…」
「あぁ!これはすまない。でも滑らかで綺麗な手ですね。ずっと触っていたくなるほど。」
「ありがとうございます。侍女やメイドが頑張ってくれているからですわ。」
笑顔笑顔。忘れてはいけません。
「あなたは料理もするの?」
ピキっ。笑顔が引き攣りそうです。
貴族なのにとか考えたらおかしいですよね?わかってますよ!
でも好きなんです!
追求しないでください!
「するという程ではございません。家の料理人の凄さがわかりますわ…私にはとてもあれ程のものを毎日…無理ですわ。」
なんですかその目は!
やめてください!
何だかいたたまれなくなるじゃないですか!
「よかったら今度何か作ってよ。」
嫌ですよ!
体調崩されたら私のせいじゃないですか!
そんなのお断りですよ!
「えっ!ずるい!私にも作ってくださいよー。」
なんでジュンシー様まで!
余計に無理ですよ!
「お2人ともお心遣いは嬉しいのですが王族の方々が口にするものを作るなど私には荷が重いですわ。それに体調を壊されたりした場合に私では責任をとる事が出来ませんので、慎んでお断り致します。」
にっこりと笑顔を作ります。
お2人して不貞腐れたような表情はやめてください!
そこまで気を使って頂きたくないです!
あ、殿下にゲテモノでも送ったら嫌で婚約破棄してくださいますかね?
…やめておきます。
これで毒を盛ったなどと言われては困りますので。
「私ですか?あっ!あそこのお店のケーキはとても美味しかったですよ。」
「この前そこに連れていった時あんまり好きじゃありませんとか言ってなかった?」
あ…
しまった…
***
何故私は今殿下とジュンシー様と共に商業地区にいるのでしょう。
殿下に例のごとく誘われて来たのですが何故かジュンシー様がいらっしゃいました。
「ごめんね。せっかくあなたとの逢い引きの予定だったのに。」
「ジュンシー様がいらっしゃるのはいいのですが…逢い引きの意味を辞書で引き直されたらいかがですか?」
「じゃあデート?」
「そこではありません。」
「えーっと"逢い引き"ってどういう意味の言葉なんですか?」
『ジュンシー覚えなくていいよ。それよりどこ行きたいの?』
「?リヴィ焦ってるんです?あぁ!そういう事かぁ~。」
焦って言語変わるものなんですか?
ジュンシー様なんで嬉しそうなんですか?
殿下に何か仰ったようですが声が小さく聞き取れません。
殿下の笑顔が少し固いような?気もしなくもないですね。
何かお2人でお話されておりますし私居なくてもいいんじゃないですか?
殿下だけでしたらどうやって破棄に持ち込むための嫌味とか性格の悪い演技とか出来ますけどお客様がいらっしゃる前でする訳には行きません。
それにそこで殿下にいい印象とか与えたくないですし王族の話相手など疲れるので正直嫌です。
結論として私は帰りたいです。
「私が王族という高貴な方々の中にいるだなんて心苦しいですわ。本日は誠に残念ですが置いたまさせて頂きたいのですがよろしいですか?」
何故止めるんですか?
連れていくんですか?
話しかけるんですか?
***
そして今…
前回の演技のボロが出てしまいました。
いつもは気をつけているんですよ!
でもですね!
今日はそういう性格悪い?高慢そうな?わがままな?演技はしてないんです!
だからそのボロが…
「殿下とご一緒した時に頂いたものがあまり好みではありませんでしたの。別の日に侍女が買ってきてくれたものは美味しかったですわ。」
く、苦しい…
でも、おかしくはないはずです。
実は殿下とご一緒した時に頂いたのが1番好みのものでしたがそれは秘密です。
とゆうかそんなこと気にしてないでしょうしそこまではいいでしょう。
「ねぇシャル。」
「は、はい。」
「リヴィと行ったことないお店でオススメのお店とかある?」
「殿下と?ですか?……貴族があまり行くような場所ではないですが…よろしいでしょうか?」
「もちろん!」
***
「こちらです。私実は料理などにも興味がありまして…貴族がやるような事ではないとわかってはおりますけど…その…こっ、こちらのお店は他では扱っていない食品も置いてありまして…」
連れてきたのは平民向けのお店が多く、特に食品でも珍しいものを平民でも届くほどの値段で扱っているお店です。
殿下は珍しく驚かれたのか目を見開いておりますし、ジュンシー様はぱちぱちと瞬きをしています。
つ、連れてくるんじゃなかったです…
『…………れない…』
え?なんとおっしゃいました?
『やはりシャル…あなたのような素晴らしい女性を我が…いてっ』
『人の婚約者に何するの…』
あのー。ジュンシー様?いつまで私の両手を握っておられるのです?
「あのー。そろそろ手を…」
「あぁ!これはすまない。でも滑らかで綺麗な手ですね。ずっと触っていたくなるほど。」
「ありがとうございます。侍女やメイドが頑張ってくれているからですわ。」
笑顔笑顔。忘れてはいけません。
「あなたは料理もするの?」
ピキっ。笑顔が引き攣りそうです。
貴族なのにとか考えたらおかしいですよね?わかってますよ!
でも好きなんです!
追求しないでください!
「するという程ではございません。家の料理人の凄さがわかりますわ…私にはとてもあれ程のものを毎日…無理ですわ。」
なんですかその目は!
やめてください!
何だかいたたまれなくなるじゃないですか!
「よかったら今度何か作ってよ。」
嫌ですよ!
体調崩されたら私のせいじゃないですか!
そんなのお断りですよ!
「えっ!ずるい!私にも作ってくださいよー。」
なんでジュンシー様まで!
余計に無理ですよ!
「お2人ともお心遣いは嬉しいのですが王族の方々が口にするものを作るなど私には荷が重いですわ。それに体調を壊されたりした場合に私では責任をとる事が出来ませんので、慎んでお断り致します。」
にっこりと笑顔を作ります。
お2人して不貞腐れたような表情はやめてください!
そこまで気を使って頂きたくないです!
あ、殿下にゲテモノでも送ったら嫌で婚約破棄してくださいますかね?
…やめておきます。
これで毒を盛ったなどと言われては困りますので。
0
お気に入りに追加
324
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる