2 / 22
2.からかわないでくださいまし!
しおりを挟む
「あらあら!あの子もやっとちゃんと気持ちを伝えたのね~。」
「し、知ってたのですか?!」
「うふふ~。当たり前じゃない。」
そう言って笑う王妃様の笑顔はさっき見た王子殿下の笑顔と重なって…
「ティアってば顔が赤くなってるわよ?少しはエドのこと異性として見てくれたのかしら~。」
楽しそうですわね…
「顔が赤いのは王子殿下が無理やりキスしてこられて…しかも教室の真ん中…なんては事を…ごほんっ!王子殿下のことはやはりそうは見れませんわ。」
「可哀想に~。それに無理やりはいただけないわね、殴ってよかったのに~。」
王族を殴ってはダメでしょう。
「でもティアはその前になんて言ったのかしらぁ?」
「殿下に男として好きじゃないのかと聞かれましたので“考えたこともございませんわ。”と申しましたね。」
「うんうんそのあとは?」
エルナおば様の青い瞳がキラキラと輝いてこちらを見ておられます。
そんな期待されるようなことないのですが…
「殿下も私のことなど異性として好きではないと思っておりましたので…そのままお尋ねしまして殿下が他の方と恋愛したいならならと申しましたら遮られまして…」
どうして事細かに説明してしまっているのでしょう。
なんともむず痒い感覚がしますわ。
でもこの視線が…眩しい…
「それは怒るわよね~。」
楽しそうですわねエルナおば様…
怒るとは誰がでしょうか?意味が分かりませんわ。
でもこんな相談できるのもエルナおば様くらいしか居ないという自分が悲しいですわ。
貴族は足の引っ張り合い。
弱みなんて見せられません。
私の立場上余計に…
お母様に相談するのも考えましたがあとが怖くてやめましたわ。
主に陛下の心労的な意味合いで。
「いったいどなたがお怒りになるのですか?」
エルナおば様?肩を震わせて笑わないでくださいまし!
酷いんじゃありません?
「我が息子ながら不備ね~。全く伝わってないじゃない。あーおかしい。」
意・味・が・わ・か・り・ま・せ・ん!
「何故王子殿下がお怒りになるのです?」
「あらあら本当にわかってないのね~。」
「分からないから聞いているのです!説明してくださいよ!」
「だめ~私からは話せないわよ~。」
「え?」
「直接聞いてきなさい~。殴ってもいいわよ?」
「直接…殴りませんから!そんなことして不敬罪に問われたら困りますもの!」
「大丈夫よ!正式な書類で許可出すわよ~。」
え?
エルナおば様?何書いているのです?
「はい。」
はい?
受け取った書類に目線を落とします。
我が息子、エドウィン・ハワードを殴ることを許可します。エレナ・ハワード。
「エレナおば様?」
「さぁこれで問題ないわ~。」
「あってもなくても問題しかないですわよ!怪我でもさせてしまったらどうするのですか?!」
「ティアの力で怪我はさすがにしないわよ~。」
た、確かに…
「だからね?大丈夫よ~。さぁあの子の部屋に行くわよ~今日は落ち着かなくて部屋にいるでしょうからね~。」
今からですか?
引っ張らないで下さいまし~!
「し、知ってたのですか?!」
「うふふ~。当たり前じゃない。」
そう言って笑う王妃様の笑顔はさっき見た王子殿下の笑顔と重なって…
「ティアってば顔が赤くなってるわよ?少しはエドのこと異性として見てくれたのかしら~。」
楽しそうですわね…
「顔が赤いのは王子殿下が無理やりキスしてこられて…しかも教室の真ん中…なんては事を…ごほんっ!王子殿下のことはやはりそうは見れませんわ。」
「可哀想に~。それに無理やりはいただけないわね、殴ってよかったのに~。」
王族を殴ってはダメでしょう。
「でもティアはその前になんて言ったのかしらぁ?」
「殿下に男として好きじゃないのかと聞かれましたので“考えたこともございませんわ。”と申しましたね。」
「うんうんそのあとは?」
エルナおば様の青い瞳がキラキラと輝いてこちらを見ておられます。
そんな期待されるようなことないのですが…
「殿下も私のことなど異性として好きではないと思っておりましたので…そのままお尋ねしまして殿下が他の方と恋愛したいならならと申しましたら遮られまして…」
どうして事細かに説明してしまっているのでしょう。
なんともむず痒い感覚がしますわ。
でもこの視線が…眩しい…
「それは怒るわよね~。」
楽しそうですわねエルナおば様…
怒るとは誰がでしょうか?意味が分かりませんわ。
でもこんな相談できるのもエルナおば様くらいしか居ないという自分が悲しいですわ。
貴族は足の引っ張り合い。
弱みなんて見せられません。
私の立場上余計に…
お母様に相談するのも考えましたがあとが怖くてやめましたわ。
主に陛下の心労的な意味合いで。
「いったいどなたがお怒りになるのですか?」
エルナおば様?肩を震わせて笑わないでくださいまし!
酷いんじゃありません?
「我が息子ながら不備ね~。全く伝わってないじゃない。あーおかしい。」
意・味・が・わ・か・り・ま・せ・ん!
「何故王子殿下がお怒りになるのです?」
「あらあら本当にわかってないのね~。」
「分からないから聞いているのです!説明してくださいよ!」
「だめ~私からは話せないわよ~。」
「え?」
「直接聞いてきなさい~。殴ってもいいわよ?」
「直接…殴りませんから!そんなことして不敬罪に問われたら困りますもの!」
「大丈夫よ!正式な書類で許可出すわよ~。」
え?
エルナおば様?何書いているのです?
「はい。」
はい?
受け取った書類に目線を落とします。
我が息子、エドウィン・ハワードを殴ることを許可します。エレナ・ハワード。
「エレナおば様?」
「さぁこれで問題ないわ~。」
「あってもなくても問題しかないですわよ!怪我でもさせてしまったらどうするのですか?!」
「ティアの力で怪我はさすがにしないわよ~。」
た、確かに…
「だからね?大丈夫よ~。さぁあの子の部屋に行くわよ~今日は落ち着かなくて部屋にいるでしょうからね~。」
今からですか?
引っ張らないで下さいまし~!
0
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
【書籍化決定】断罪後の悪役令嬢に転生したので家事に精を出します。え、野獣に嫁がされたのに魔法が解けるんですか?
氷雨そら
恋愛
皆さまの応援のおかげで、書籍化決定しました!
気がつくと怪しげな洋館の前にいた。後ろから私を乱暴に押してくるのは、攻略対象キャラクターの兄だった。そこで私は理解する。ここは乙女ゲームの世界で、私は断罪後の悪役令嬢なのだと、
「お前との婚約は破棄する!」というお約束台詞が聞けなかったのは残念だったけれど、このゲームを私がプレイしていた理由は多彩な悪役令嬢エンディングに惚れ込んだから。
しかも、この洋館はたぶんまだ見ぬプレミアム裏ルートのものだ。
なぜか、新たな婚約相手は現れないが、汚れた洋館をカリスマ家政婦として働いていた経験を生かしてぴかぴかにしていく。
そして、数日後私の目の前に現れたのはモフモフの野獣。そこは「野獣公爵断罪エンド!」だった。理想のモフモフとともに、断罪後の悪役令嬢は幸せになります!
✳︎ 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
私のことを嫌っている婚約者に別れを告げたら、何だか様子がおかしいのですが
雪丸
恋愛
エミリアの婚約者、クロードはいつも彼女に冷たい。
それでもクロードを慕って尽くしていたエミリアだが、クロードが男爵令嬢のミアと親しくなり始めたことで、気持ちが離れていく。
エミリアはクロードとの婚約を解消して、新しい人生を歩みたいと考える。しかし、クロードに別れを告げた途端、彼は今までと打って変わってエミリアに構うようになり……
◆エール、ブクマ等ありがとうございます!
◆小説家になろうにも投稿しております
夫の告白に衝撃「家を出て行け!」幼馴染と再婚するから子供も置いて出ていけと言われた。
window
恋愛
伯爵家の長男レオナルド・フォックスと公爵令嬢の長女イリス・ミシュランは結婚した。
三人の子供に恵まれて平穏な生活を送っていた。
だがその日、夫のレオナルドの言葉で幸せな家庭は崩れてしまった。
レオナルドは幼馴染のエレナと再婚すると言い妻のイリスに家を出て行くように言う。
イリスは驚くべき告白に動揺したような表情になる。
子供の親権も放棄しろと言われてイリスは戸惑うことばかりでどうすればいいのか分からなくて混乱した。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる