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第一章
不要な骨董品
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長旅に備えてアウセルポートの商店街で生活必需品を買うことになった。
昼間の商店街は多くの人で賑わっている。
「さっさと買い物を終わらせて、出発しよう」
長年研究に打ち込んでいたせいか、人混みに慣れておらず、なんだかとても疲れる。
それに、指名手配されていないか気にしながら通りを歩くのも、神経を使って大変なのだ。
実際に指名手配されれば、町中の警吏から追われて大変なことになる。俺は反対したのだが、マトビアに「だからこそ、いま買い物をするべきです」などと意見されて、スピカもそれに同意したことで無謀なショッピングが決行されたわけだ。
露天が並ぶ道を歩くマトビア。その陳列棚にある木彫りの熊を見つけると、たがつすがめつじっくりと眺める。
「それは辺境の町、フォーロンの骨董品だぜ。手工芸で一点物。売っているのはうちだけ」
人の良さそうな露天の商人がマトビアの購買意欲をくすぐる。
「おいおい、これからの長旅に必要な物だけ買おう」
「……」
マトビアは木彫りの熊をつかむと、うん、と力強く頷いた。
絶対、必要ないだろ……。
「この愛くるしい置物をいただけますか?」
「はいよ」
マトビアが会計を済ませていると、スピカが慌てて走ってきた。
「大変です! 兵隊がこっちに来ます!」
走ってきた先を見れば、兵士の黒っぽい服がぞろぞろ動いて道を封鎖している。
「まさか軍隊が追ってきたのか!?」
「さあ! 姫様!」
屈んだスピカの背に乗ると、マトビアは木彫りの熊をギュッと握りしめた。
「すぐに船に乗り、港を離れましょう!」
商店街を抜けて、港に続くレンガ道を走る。
兵士たちは、まだすべての船を掌握しきれていない。拿捕された船は数隻しかいないようだ。
停泊している魔力走行船に乗りこんで、タービンを回した。
船が桟橋を離れるころには、港に兵士が続々と集まり始めていた。俺たちに向かって、数名の兵士が止まるように怒鳴り声を上げている。
「あれは……いくつか船がこっちに来ています!」
港の出入り口を封鎖するように、手漕ぎの船が直線上に並んでいた。帆もなく、オールで漕いでいるというのに、恐ろしく速い。
「これはまずい」
先頭をいく船には見覚えのある旗が掲げられている。
「あの軍旗は、帝国の将軍のものですね」
「デウロン将軍だ」
「デウロン?」
軍に詳しくないスピカが頭を傾げる。
貴族のなかでは有名な脳筋将軍だ。父が俺を断罪したときに、見せしめとしてあの脳筋将軍の下に就かせようとしていた。俺とは真逆で、根性論至高主義の筋肉大好き老人だ。
「皇子! お迎えにあがりましたぞ!」
上半身裸で船のへりに立ったデウロンは、筋肉で威嚇するように両腕を広げた。デウロンの体はでかい。俺の身長の頭ひとつ高く、腕の太さは太腿のようだ。
周りのデウロンの兵士は、ヒイヒイ言いながら船を漕いでいる。
「戻る気はない!」
デウロンにそう伝えると、すぐに返事が返ってきた。
「そういうわけにはいきません! 皇女様を早く引き渡してくだされ、どんどん罪が重くなりますぞ!」
「な、なんだと?」
脱獄の罪に加えて、皇女誘拐の罪までついてきてたのか。
俺は魔力を開放して、タービンをフル回転させた。
休息をとったおかげで、魔力は完全に回復している。
フルスロットルでデウロンの船めがけて突進した。
「えっ! ちょっと、何をする気ですか!?」
腰が抜けて、老婆のようになったスピカがマトビアを引き連れて、俺の元にやってくる。
洋上を飛ぶようにバウンドする船。
マトビアとスピカは俺にくっついて、胸と腰にしがみついた。
「「きゃあぁー!」」
前方のデウロンはニヤリと不気味な笑みを浮かべて、俺の船を待ち構えた。
船ごと受け止める気なのか。
さすが、脳筋将軍。
しかし予想と違って、俺の船は脳筋将軍の上を飛んだ。
「『浮揚』」
唖然とするデウロンの顔を下にして飛び越えると、盛大に魔力走行船は着水する。白波が立ち、船内はびしょ濡れになった。
その瞬間、船尾に衝撃が走った。
後ろを見れば、デウロンの手に銛がある。上空を飛ぶわずかな間に、銛を取り、そしてスクリューに当てたのだ。
「なかなかやるな。さすが将軍だ」
スクリューの羽一枚が損傷したのか、スピードが出ない。
「動力と推進力の効率が悪いな……」
動力の回転計の値は変わらないが、速度計では半分に減速していた。
しかしそれでも人が漕ぐよりは速い。次第にアウセルポートの港から離れていった。
「気合を入れて漕がんか!」
後方ではデウロンが手下を怒鳴り散らしている。
だが、この船に追いつく気配はない。やがてあきらめると港に戻っていった。
船の損傷はあったものの、帝国の包囲網を突破することはできたようだ。
「フェア様、さすがに無茶をし過ぎですよ!」
「ぶ、ぶつかるかと思いました」
ああいう将軍を目の当たりにすると、どうしても闘争本能が掻き立てられる。
父の悪いところが遺伝したのだろう。
「申し訳ない。後先なく行動してしまったな」
「ほんとですよ」
「今度からはやめてくださいね。いいですか?」
かなり冷たい。
もう誰も俺が皇子だったということを覚えていないのでは?
「はい、分かりました……」
***
アウセルポートから離れて、船を停泊させ、スクリューを確認する。
海に潜り、船尾に回り込むと、羽が一枚めくれたように曲がっていた。
割れているのかと思っていたが、銛ぐらいでは壊れないようだ。これなら修理できる。
海面から顔を出すと、船尾のへりからスピカが身を乗り出した。
「どうですか? 直せそうですか?」
「完全に直すには、船をメンテナンスできる漁港に立ち寄らないと無理だな」
かといって、アウセルポートには戻れない。
「速度は落ちるが、立ち寄れるような港を探しながら進むか」
もし本気の軍艦などで追われたら、捕まってしまう。早めに港に立ち寄らないと。
しかし、この先、港なんてあったか?
昼間の商店街は多くの人で賑わっている。
「さっさと買い物を終わらせて、出発しよう」
長年研究に打ち込んでいたせいか、人混みに慣れておらず、なんだかとても疲れる。
それに、指名手配されていないか気にしながら通りを歩くのも、神経を使って大変なのだ。
実際に指名手配されれば、町中の警吏から追われて大変なことになる。俺は反対したのだが、マトビアに「だからこそ、いま買い物をするべきです」などと意見されて、スピカもそれに同意したことで無謀なショッピングが決行されたわけだ。
露天が並ぶ道を歩くマトビア。その陳列棚にある木彫りの熊を見つけると、たがつすがめつじっくりと眺める。
「それは辺境の町、フォーロンの骨董品だぜ。手工芸で一点物。売っているのはうちだけ」
人の良さそうな露天の商人がマトビアの購買意欲をくすぐる。
「おいおい、これからの長旅に必要な物だけ買おう」
「……」
マトビアは木彫りの熊をつかむと、うん、と力強く頷いた。
絶対、必要ないだろ……。
「この愛くるしい置物をいただけますか?」
「はいよ」
マトビアが会計を済ませていると、スピカが慌てて走ってきた。
「大変です! 兵隊がこっちに来ます!」
走ってきた先を見れば、兵士の黒っぽい服がぞろぞろ動いて道を封鎖している。
「まさか軍隊が追ってきたのか!?」
「さあ! 姫様!」
屈んだスピカの背に乗ると、マトビアは木彫りの熊をギュッと握りしめた。
「すぐに船に乗り、港を離れましょう!」
商店街を抜けて、港に続くレンガ道を走る。
兵士たちは、まだすべての船を掌握しきれていない。拿捕された船は数隻しかいないようだ。
停泊している魔力走行船に乗りこんで、タービンを回した。
船が桟橋を離れるころには、港に兵士が続々と集まり始めていた。俺たちに向かって、数名の兵士が止まるように怒鳴り声を上げている。
「あれは……いくつか船がこっちに来ています!」
港の出入り口を封鎖するように、手漕ぎの船が直線上に並んでいた。帆もなく、オールで漕いでいるというのに、恐ろしく速い。
「これはまずい」
先頭をいく船には見覚えのある旗が掲げられている。
「あの軍旗は、帝国の将軍のものですね」
「デウロン将軍だ」
「デウロン?」
軍に詳しくないスピカが頭を傾げる。
貴族のなかでは有名な脳筋将軍だ。父が俺を断罪したときに、見せしめとしてあの脳筋将軍の下に就かせようとしていた。俺とは真逆で、根性論至高主義の筋肉大好き老人だ。
「皇子! お迎えにあがりましたぞ!」
上半身裸で船のへりに立ったデウロンは、筋肉で威嚇するように両腕を広げた。デウロンの体はでかい。俺の身長の頭ひとつ高く、腕の太さは太腿のようだ。
周りのデウロンの兵士は、ヒイヒイ言いながら船を漕いでいる。
「戻る気はない!」
デウロンにそう伝えると、すぐに返事が返ってきた。
「そういうわけにはいきません! 皇女様を早く引き渡してくだされ、どんどん罪が重くなりますぞ!」
「な、なんだと?」
脱獄の罪に加えて、皇女誘拐の罪までついてきてたのか。
俺は魔力を開放して、タービンをフル回転させた。
休息をとったおかげで、魔力は完全に回復している。
フルスロットルでデウロンの船めがけて突進した。
「えっ! ちょっと、何をする気ですか!?」
腰が抜けて、老婆のようになったスピカがマトビアを引き連れて、俺の元にやってくる。
洋上を飛ぶようにバウンドする船。
マトビアとスピカは俺にくっついて、胸と腰にしがみついた。
「「きゃあぁー!」」
前方のデウロンはニヤリと不気味な笑みを浮かべて、俺の船を待ち構えた。
船ごと受け止める気なのか。
さすが、脳筋将軍。
しかし予想と違って、俺の船は脳筋将軍の上を飛んだ。
「『浮揚』」
唖然とするデウロンの顔を下にして飛び越えると、盛大に魔力走行船は着水する。白波が立ち、船内はびしょ濡れになった。
その瞬間、船尾に衝撃が走った。
後ろを見れば、デウロンの手に銛がある。上空を飛ぶわずかな間に、銛を取り、そしてスクリューに当てたのだ。
「なかなかやるな。さすが将軍だ」
スクリューの羽一枚が損傷したのか、スピードが出ない。
「動力と推進力の効率が悪いな……」
動力の回転計の値は変わらないが、速度計では半分に減速していた。
しかしそれでも人が漕ぐよりは速い。次第にアウセルポートの港から離れていった。
「気合を入れて漕がんか!」
後方ではデウロンが手下を怒鳴り散らしている。
だが、この船に追いつく気配はない。やがてあきらめると港に戻っていった。
船の損傷はあったものの、帝国の包囲網を突破することはできたようだ。
「フェア様、さすがに無茶をし過ぎですよ!」
「ぶ、ぶつかるかと思いました」
ああいう将軍を目の当たりにすると、どうしても闘争本能が掻き立てられる。
父の悪いところが遺伝したのだろう。
「申し訳ない。後先なく行動してしまったな」
「ほんとですよ」
「今度からはやめてくださいね。いいですか?」
かなり冷たい。
もう誰も俺が皇子だったということを覚えていないのでは?
「はい、分かりました……」
***
アウセルポートから離れて、船を停泊させ、スクリューを確認する。
海に潜り、船尾に回り込むと、羽が一枚めくれたように曲がっていた。
割れているのかと思っていたが、銛ぐらいでは壊れないようだ。これなら修理できる。
海面から顔を出すと、船尾のへりからスピカが身を乗り出した。
「どうですか? 直せそうですか?」
「完全に直すには、船をメンテナンスできる漁港に立ち寄らないと無理だな」
かといって、アウセルポートには戻れない。
「速度は落ちるが、立ち寄れるような港を探しながら進むか」
もし本気の軍艦などで追われたら、捕まってしまう。早めに港に立ち寄らないと。
しかし、この先、港なんてあったか?
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