冬馬君の夏

だかずお

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『それぞれの夏』

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ミーン ミン ミン ミーン

蝉は鳴く

ぺろ ぺろ ぺろリッ

虎鮫代ちゃんじゃないよ

こちらはニッコリ三人の発する音

「あーっやっぱり夏のコーラアイスは最高」大ご機嫌な冬馬君に大喜、多網

「夏のさっぱりアイスはたまらないね」

ペロ ペロッ
アニメを観ながら、コーラアイスを食べご満悦である。

あー至福

「あーっ夏休み最高~~」大喜が言った。

「今日は何して遊ぼうか?」と冬馬君

すると突然立ち上がりカーテンを閉める多網

「お化けがでるぞー」

「ひやあっ、三人は布団にもぐる」

夏の昼さがり、布団に入りくつろぐ三人

ミーン ミン みん ミーン 外は快晴青空だ。

「いやーたまらない」と大喜

「うん、学校があったら、今頃まだ授業があるよ、この時間寝れるのは最高」

「ごろーん」

冷房がついた部屋くつろぐ三人

「かはーっ、最高」ニンマリ微笑む

「ずっとこの生活してたいよ」と冬馬君

夏休み、皆が泊まりに来ていてこの部屋でくつろぐ時間は最高にたまらない。(そう、何度も何度も言おう)

多網がカバンから怪談の本を出し読み始める

「ひやあっ」

三人は身体を寄せ合い、昼から寝ながら怪談話

「待ってました」

布団にもぐりワクワク

いやーこれ聴きながら眠るのがまたたまらん、と冬馬君

外ではミンミン蝉が鳴く

「そして、そのA君の横には、いるはずのない女性が」

「ひやあっ~~」叫ぶ二人

布団にもぐれー

三人はきやっきゃきやっきゃはしゃいでる

そして、多網は次の話を読んでいる

「その道の先に古い家があった」

二人は布団にもぐり聴いている
一人読み続ける多網
そして、話は終わりに近づく

「その家は二度と見つからなかったのである」

ぶるり 読んでいた多網が怖くなる

「いまの怖い」と多網

怖くなり二人の顔を確認

ハッ

ぐぅー二人はぐうすか寝ていた。

多網もすぐさま布団にもぐる

ぶるぶる

プシューッ

その強烈な匂いに目を覚ます二人

「えっ、なにこの匂い お化け?」

ミーン ミーン ミン

三人は冷房の効いた部屋、寝っ転がっている

「あー今年の夏休みも色々やったなぁ」と大喜

「楽しかったなぁ」

三人は夏休みを振り返っていた。

すると多網が「キャンプ」

「あー楽しかった」と冬馬君

大喜が「夏休み前だっけ?とけたみさん家に泊まって七夕祭り」

「あーなんか既に懐かしい」

「みんなで、キャンプ後の旅館も最高だったな」

「はぁー清香とアミにも会いたい」

「バーでカマーン正子の暴れっぷり」

「あはははは」

「それにこないだのスペイン旅行」

「ウェルカムウィメンもやばかったね」と皆それに大爆笑。

盛り上がる三人

「今回の夏休みも沢山思い出できたね」

「残りの夏休みも、まだまだ遊ぶぞー」

「おーーーーーーーっ」

冬馬君の部屋は賑わっている。

今日の冬馬君はいつもと違う、場面を変えそれぞれの夏を覗いてみる。

ブリッ ぷしゅー ぶりりりりっ

「げははは、この漫画ちょーおもしれーんだけど」

ぶりッ ぷしゅー

「ちょっときみ子下品よ、そんなプップオナラばかり」

「うるさいなー屁は女の子のたしなみなのあっち行っててよねママ」 ブリッ

母は思った、どんな躾でこうなったんだろうか?
あっ、私の躾か。

ブリッ~~ げはははははははは

屁と笑い声ならぬ雄叫びは近所に響き渡る。

「ああ、スペイン旅行楽しかったなぁ」スペインの旅を思い浮かべ部屋の窓から青空を見上げた。

空は国境を越えてどこまでも繋がっている

まだ、冬馬君達はみんな一緒にいるのかなぁ。
そんなことを思い

ぶっこいた ブリッ ブリブリブリ~~

「あっ、すごいのでたった」

さて、彼女はどうだろう

ペロッ ペロッ ペロ ぺろ ぺろ ぺろー

「かあーっパリパリベロりうまい(どんな意味じゃい)このソーダアイス」

なにが嬉しいってこうして、ずっと舌をペロ ペロ 出来るのがたまらん。

いつも、やってるだろ!!

そう、こ奴は 虎鮫代ちゃん。

今日はちょっと少なめにして10本にしとこうかな。
まだ4本だから後9本食べられる(うおっ、計算まったく出来とらん)」

ペロ ペロ ペロッ ペロブリッ あっ嘘 黒い禁断の実がでたった。

軽い下痢か?虎鮫代ちゃん。

いいや、しばらくほっとこ

ペロ ペロッ 。

いいんかい!!

さて、多網父サーは?

はひゅ はひゅ はひゅ

彼は走っていた

おっ、どうした?

そう昼休み

出来るだけ職場から離れる為一人走る男サー。

僕の憩いの場へ、こないだの場所じゃ会社の人が通ったから落ちつかない

はひゅ はひゅ

メロス(走れメロス)ではないが走るサー

ベンチに座り

ふぅーっ 落ち着く サーは深呼吸して、一人弁当を食べた

ムシャ ムシャ

パク パク ゴクリッ

「うーまっしゅ」 多網父ことサーは思った。

この言葉流行語大賞に選ばれないかな?

いっぱい 使っとこ

うーまっしゅ ウマっしゅ うマッシュ ウメッシュじゃないよ うーまっしゅだよ うーまーっしゅ!!

うん、選ばれないだろう。

あっ、やばい昼休み終わっちゃう

全力で走り戻るサー

なんと、サーの後ろのベンチでご飯を食べていた職場の人は一部始終を見ていた。
彼は今ベンチにいない。

えっどこ?

サーのひとりごとにびっくりしてひっくり返っていた。

職場に戻り、なにやら話は一発芸するとしたらなにする?であった。

サーは話を間接的に聴いている

もしも自分が流行語大賞に輝いた うーまっしゅ をダンスしながらみんなの前で踊ったら馬鹿うけだろうな、
ははっ、このクールな僕は絶対にそんなこと出来ないが。
自分と言うキャラがそんなことをやったと想像したら、あまりの恥ずかしさに顔をあからめた。

サーは時計を見た

「よしっ、後映画3本ぶんの時間で帰れる」
(だから、その基準はなんぢゃい 笑)

サザエさんにすると、12回ぶんか、あっ駄目だサザエさん単位じゃ長く感じるぅー。

しかし、今日のサーは気分が良い。

何故か?

そう、明日が休みだからである。

休み前の仕事終了時のテンションはいつもの終了時より三倍にはなる。

「明日はくつろぐぞ、イッツア、サータイム」

サーは空想の中で、激しく頭を振りかざし踊った。
こんな自分を職場の人間が見たらびっくりするだろう、だがここは私の頭の中、いいのだ、いいのだ!!

どこまでも どこまでも

高く サナギを脱ぎ捨て

高く

高く

ハイに

そして

さなぎから

ぬける

しゅるり

さあーーサー


ジャンプ


見よ


これが生まれ変わった


スーパー サーだ!!!!!


フハハハハハハハハハハハハハ

サーはあまりのテンションに空想から現実に飛び出し踊ってしまっていた。

「なにやってるんだね、君は」

「ぶっ、部長 はっしっ、しまったあああああああああああ」
顔がゆでたこになり。

みんなはあっけにとられていた。

「本当に申し訳ございませんでしたあああっ」

その日の終了時

サーは瞬間移動したかのように職場から消えたそうな。

今日のお話は皆の夏の一コマであった。


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