冬馬君の夏

だかずお

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『チップ攻防』

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「いらっしゃいますー」

ちょっと変な日本語だが、一同は喜んだ。
「わーこれなら日本語が通じる」

誰よりも安心した、隆
すぐさま「ビールください」

かはっ、彼はこれだけで幸せであった。
外国で俺の言葉を理解してくれた~くうっー泣きそう。

チェンさんニヤリ

良い流れだ、グッドジョブ

こりゃ、チップは期待できる。

観光客は良いんだチップの支払いが、観光客は 。
ふふっニヤリ

多網は炒飯を見つけ一旦目を閉じカッと開きプリッとかました「めしー」

冬馬君大喜はラーメンを見つけ「ひゃっほー」

きみ子はチンジャオロース定食「しゃー」

子供達は大ご機嫌

チェンさんはすかさず目でチラチラ見てうったえている(さあ、チップを)

気づいた多網 はっ!!

ぷりっとオナラをし、それを手で掴みチェンさんにかがせてあげた。

ぎゃあ

ニコニコ 気の利いた事をしたと多網ご満悦

なんぢゃーこいつ ビビったチェンさん。

だが引かなかった「うふふ」また大人達を見つめニコニコたっている。

あっ、気づいた隆

「すいません、忘れてた注文以上で」

顔が引きつるチェンさん

「オッケー」ムスッと去って行く。

続いて注文が届く

あまりの料理の量に感動「わおー」

「一人前でこんなにある」ときみ子

この反応いける、ニヤリとチェンさん。

減っているコップの水をすかさず注ぎたす。

ナイスねー私 完璧ねー

ニッコリ笑顔に手を出し

この流れとフォーム完璧 チェンさんは笑った。
(さあ、チーップ)

すかさず出された手を繋ぐきみ子

「ふふっ、握手ね、サインは後ね」

ムキーッなんぢゃこのファミリーは

炒飯をパクリ「うーん米が違うけどまあ良い」なかなか辛口多網君

チェンさん自身の40年を振り返る

私のチップ連続もらい続けてきた記録をとざしてはならない。

どんな記録ぢゃい!!
他の面に精出してくれぃ!

厨房に行き、杏仁豆腐をお皿に盛り

「これサービス、サービス」と持って来た。

「わーありがとうございます」喜ぶ一同」

さらにチップを思い出させるべく日本語で語り出す。

「わたしは日本住んでた、日本はレストランで食べたあとあれ出さないでしたけ?」

きみ子は思った何を言ってんだこの人。

「あれ?出す?」と大喜

すかさず今だとチェンさん「あっはっは、そのあの チッ 」

すかさず多網が口をはさむ

「すぐ出す チッコ」

ムキーッ それぢゃねー

皆はチェンさんがなんか変なギャグを言いたかったんだなと解釈し笑った。

「あはっあはあはははっ」変なつくり笑いである。

なんとかしてチップと言う言葉に辿り着かせたいチェンさん。

その時、脳に電流が走った

ビビビビビビ

チェンさんは日本にいた時に見たアニメ チップとデールを思い出した。
よしこのタイトルを使おう。

いきなり
「こほん、 デールと?」

「はっ?」

「なになにとデール?」

「なにとデール?」

アホウ 誰が分かるか!!!

きみ子は思った

頭おかしいんかこいつ

多網はハッとした

「ヘンゼルとグレーテル」

なんか近いがちゃう。

「うーっ」じれったいチェンさん

手はピクピク チップが欲しくて動いている

チェンさんはニッコリ笑い「ごゆっくり」

最後の手段

会計時に直接言う、ニヤリ笑った。

何度もここまでやってダメな時はあった、だが最後にわたし勝つね。

「あーお腹いっぱい」

冬馬家大満足。

「さて、支払いして帰りましょう」多網ママ

レジの所、チェンさん言った。

「チップまだよ」

言えるなら~最初からそれでええやないか 笑

「あっ、すいません どのくらいだろう?」とサー

その時だった、大量に食べた二人の猛者がこき始めた。
言わずと知れた、多網ときみ子

そりゃあ、もうブッブ プップすさまじい。

「チップいくらですか?」とサー
チップいくらですか?とはこれまた凄い質問だが。

チェンさんは、凄まじいオナラに向かって言った。

「もうやめ、やめいらない」そう彼はオナラに向かって言ったのだった。決してチップにではない。

「あっ、良いんですか、すいませーん」素直に聞き入れそそくさと店を出る冬馬ファミリー達。

チェンさんの連勝記録は終わった。

「良い人だったねー」と喜ぶみんな

歩いてすぐ、ホテルに着いた。

「今日は沢山まわったね、ゆっくり休みましょう」と正子

時刻は22時だった。

いよいよ明日がスペイン最後の日

皆は多網家の部屋に集まっている

「明日はモンセラットって言う場所行くよ、電車乗って行くんだ」と隆

「わぁー」喜ぶ子供達

「観光ブックで見た、岩山に囲まれてる街でしょ」と冬馬君

本を開きみんなで見ている。

「わぁー楽しみ」きみ子もご機嫌だ。

「明日、朝食食べて出発するから、もうあなた達は寝なさい」正子が子供達にベッドに入るよう言った。

「わたしたちはせっかくだし、部屋で飲みません?」隆がサーを誘う。

「良いですね」喜ぶサー

二人は近くのスーパーに酒を買いに向かった。

「良いなぁー大人達だけ~」と冬馬君と大喜

「私達はもう寝るから」と正子

すると多網ときみ子の目が光り

「でも、おばちゃん達 明日が最後だよ一緒に乾杯してから寝れば」ときみ子

頷く多網「最後のスペイン夜近い」

顔を見合わせる母たち。

「それもそうね」

そう二人は母たちもあちらの部屋に行かせれば、夜中の語り合いが出来ると踏んだのである。

気づいた冬馬君と大喜

「そうだよ、最後だし」

「僕らも寝てるからさ」

全く出番のない多美も叫ぶ

「おキョー」

なんぢゃ?

そんなこんなしてる間に、隆達がもどり

「ぢゃあ、こっちの部屋で飲んでるから」
二人は冬馬家の部屋に行った。

「二人もさあ」と冬馬君

「ぢゃあ、せっかくだし、ちゃんと寝てるのよ」

「はあいー」大きな声を返事する子供たち。

大人達が部屋を出た後、叫んだ。

「しゃー夜中の語り合い~~っ」

ベッドにごろーん

この瞬間やはりたまらない。

だがやっぱりこんなセリフが出てしまう。

「ああ、もう明日が最後かー、なんかあっと言う間に終わっちゃう」と冬馬君

「でも、まだ明日もある」再び笑顔で冬馬君

「あーまだ帰りたくないなぁ」ときみ子

「もう、しみじみ思っちゃう、楽しかったなぁって」きみ子は笑った。

「行きの空港が懐かしい」ボソリと多網

「あーあん時良かったなぁ」大喜が言う。

子供たちは終わりが近いスペイン旅行にしみじみしていた。

「と言っても、明日、いや今を楽しもう~~」と子供たちは語り始めた。

この夏休みも楽しかった

日本に帰れば夏休みも、残りわずか

冬馬君はホテルの外の景色を眺めた

いつまでも、皆でこう過ごしていたいなぁ

本当に皆で過ごすこの時が面白かった。

夜ベッドの上で寝っ転がりながらみんなで語り合う時間も本当に最高だ。

いつまでも部屋に大人が戻らず語り合いたい気分である。

みんなで話しては大笑い、盛り上がった。

「今や旅行にきみ子はかかせないよ」冬馬君が言った。

「ありがとう、また冬馬婆ちゃん家にも行きたいね」微笑むきみ子

「あーあの旅行楽しかったなぁ」と大喜

「あのレンタルビデオ屋」と多網

「あー懐かしい」と盛り上がる。

「あの畳の匂い」と鼻をひくひくさせるきみ子を見て笑った。

すると、ドアが動く音

「帰ってきた」大喜が言う

「みんな寝たふり」ときみ子

多網父と母が戻り、僕らの夜中の語り合いは幕を閉じた。

明日はいよいよスペインラストの日

目一杯 遊ぼう!!

みんなは眠りについた。




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