冬馬君の夏

だかずお

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『バルセロナ初日の夜』

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「さーて、食事に出発~~」

「おーっ」

初バルセロナの街に出陣じゃー興奮する、冬馬家一行。
嬉しくて飛び跳ねる子供達。

時刻は22時近くだった。

「夜だけど大丈夫かな?」正子が言う

「まあ、すぐ隣にレストランあったし」と隆

多網母が「タクシーで見てたら、みんなレストラン外のデッキでご飯食べてましたよ」

「じゃあ、大丈夫そうですね」サーが言った。

何故か、鼻をくんくんさせながらきみ子が「結構夕飯時間遅いのかな~」

「よしっ、じゃあ出発~~」

みんなはホテルの外に出た。
すぐ横のレストランの外のテラスに沢山の人がご飯やビールを飲んでいる。

「うほーっ」叫ぶきみ子
きみ子は観光ブックで食べたい物を入念に本で調べていた。

「パエリヤ、パエリヤ」

「さばの味噌煮」と多網

そりゃ、ないと思うぞ。

一行はレストランに入った。

「いらっしゃい、席にどうぞ(スペイン語)」

グラシャース!!

みんなは、テラス席に。

「お腹へったー」と大喜

「では、さっそくスペインのビールを飲もう」ニンマリ隆

メニューを指差し、注文はすんなりでき、隆は安心していた。
なんだぁ、何とかなるもんだなぁ~~ 心配して損した~、やってみりゃなんとかなるもんだ。

注文に指差しただけだが。

そして大人達はビールで乾杯。

「じゃあ、無事にスペイン到着に乾杯~~」

こうしてスペイン旅行
スペイン初のディナーがはじまる。

テンションマックス冬馬家族達

キョロキョロ辺りを見回し冬馬君が「日本人がいない」
本当にスペインに来てるんだなぁ、そんな事を実感した。
日本じゃないんだ。
この空もスペインから眺めてる夜空

「んーっ、スペインのビールも良いですね」とサー

「うんっ、うまい」ビールがあるとご機嫌な親父達

ヨダレを垂らし「パエリヤ、パエリヤ」と料理の到着を待つきみ子

「味噌煮、さばの」とヨダレを垂らす多網

んーっ、ないよ~っ。

見慣れない風景、初めてのこの空気感、まわりから流れてくる異国の言葉。ああ、僕は外国にいるんだなぁ、しみじみとそんなことを感じていた。

するとパエリヤ到着

「おほーっ」叫ぶ多網ときみ子

さっそく皿に取り分け

「いっただきまーす」

ハフハフ

ムシャムシャ

ブリブリ

んっ、最後の音おかしいぞ。もうこいたか?

「うまーっ」きみ子は泣いた そしてブリった。

多網は嬉しさのあまり一人手を振っている。

なんちゅー謎な表現方法、まさに多網アート

「うまいよー」喜ぶ冬馬君に大喜と大人達

ああ、すでに来て良かった~

この旅ありがとう!!

「美味しいおつまみにビール至福のひとときですなぁ」ニンマリと隆がハムを口にして パクッ 「かーっ」そしてすかさずビールを口にゴキュゴキュゴクッ。

「ぷはーっ、夏のビールはまた格別にうまい」ニンマリ隆最高の笑み。

「そう言えば、明日はどこ行きます?」と正子

「やっぱり」みんなは声をあげ

「サクラダファミリア」言わずと知れたガウディの建築

「ねースペインの富士山は?」冬馬君はまだ、こないだの多網の嘘を信じていた。

多網は鼻くそをほじった

なんぢゃー

夜のバルセロナの風は心地よく

スペイン初の夜はとても居心地いいものとなった。

ああ、この空気感なんか良い、嬉しい冬馬君である。

食事を終え、旅の疲れもあったので、すぐさますぐ隣のホテルに戻るみんな。

「ふぁー今日はぐっすり眠れそう」と大喜

「あー横になって寝れる嬉しい」とサー

ここで、出番の全然ないことに怒った多網の妹、多美が叫ぶ


「ちゃーーーーーー」


以上。

部屋に戻り「おやすみなさーい」正子と隆とはいったんお別れ。

子供達は部屋に入り寝まきに着替え、すぐさまベッドにごろりん。

「あーっ、なんだか部屋って落ち着く」と冬馬君

外から部屋に戻ってきたこの安心感というのか、リラックス感もまたたまらない。

「明日はサクラダファミリアかー楽しみだな」きみ子はにっこり。

そして、やはり旅行初の夜、疲れてると言えど、やはりまだまだ寝たくはない子供達。

冬馬君が言った「バルセロナで初の夜中の語り合いだ~」

「ひやっほー」子供達は大はしゃぎ、ベッドの上にみんな飛びのった。

「ごろーん、この瞬間たまりませんなー」と大喜

多網もにんまり笑いポツリ「至福」

冬馬君が言った「多網が持ってきた怖い本読んでよ」

ビクッ
その言葉で誰よりも驚いたのは多網父ことサー

嘘だろ、せっかくゆっくり寝れると思ったのに怖くて眠れなくなる。
しかも何故スペインに来て彼らは怖い話なぞするんだ。

部屋は暑かったがサーは布団をかぶった。

きみ子が本を読み始める
「あれは、三年前の話だった」

「ひゃースペイン旅行初日のベッドの上の怪談話ワクワクする~」喜ぶ冬馬君。

多網も大喜も嬉しそう、このみんなでベッドの上のこの時間最高~

冷や汗をかきはじめるサー

ああ、何が最高だよーっ~何にも聞こえないぞ聞かないぞぅ~寝よう。

「すると、見たことない女の子が」

「ひゃあ」布団をかぶる冬馬君達

目をつむって、必死に寝ようとしてるのにしっかり全部きいているサー

あわわわ、それおばけだよ~ 絶対おばけじゃん、一人一番テンパるサー。

「それは親戚のA子ちゃんでした」

なんだ、おばけじゃないのか、親戚かぁ、おどかさないでよ、そんなおちいらないよぉー

一番真剣に聞いている。

「でもA子ちゃんは実は三年前に亡くなっていたのです」

「ぐわふぅーやっぱりー」その奇声はサーだった。

何よりもその声に驚く子供達

「ぎゃーびっくりしたぁ」

「サーどうしたの?」

「あっ、ごめんちょっと喉に唾がひっかかった(どんな嘘ぢゃい)別に全然まったく怖い話聞こえて怖かった訳じゃないよ」

冬馬君は即座に思った、怖かったんだ、しかも聞いてた。

きみ子は話を読み続ける

10分たった頃には、疲れていたのか、冬馬君達は夢の中。

きみ子は気づかず一人読んでいる。
話はクライマックスに
「扉をあけると、A子ちゃんが笑っていたのです」

「あわわわわわ」きみ子は読んでいて驚いた。
「こわっ」



「ぎゃふぁん」一番驚いていたのは同じ部屋の変な奇声を発する男

きみ子は周りを見てみんな寝ていたことにようやく気がついた。

「えっ、嘘みんな寝てる、さっきの声は?」

布団に潜っているサーの姿はきみ子からは見えなかった。
叫ぶきみ子「おばけー」

それを聞き奇声が(もはや名前すらない)布団から飛び出した

「おぎゃー」

まさに桃じゃなく布団から産まれた 奇声太郎とでも言おうか。

驚きのあまり、目ん玉が飛び出しかけていた。

それを見、驚いたきみ子の表情も一変する、無意識に備わったきみ子の肉体防衛本能だろうか。

きみ子の顔はゴリラが大好きなバナナを奪われ更にオケツを思いっきりはたかれ怒った時の顔になった。(どんな例えじゃ)

「ぎゃあああ怪物」サー失神。

「どわぁー おじんゾンビ~」きみ子気絶。

二人は朝まで起きることはなかった。


そして、いよいよ7時

多網はすぐさま起きた、何故なら朝食のブュッフェの時間。

口からはよだれが垂れ、頭のなかには白い御飯に納豆、味噌汁が浮かんでいた。

だからないよー

大喜も起きる「さすが多網はやいね」

頭に何故か白いタオルを巻き言った。

「ペコペーコ」本人的には英語を喋ってるつもり。

大喜はちょっと分かったのだが、こと多網は日本語の音を英語っぽく発音したのが英語だと思ってるのではないだろうか? いやまさかね。

冬馬君も目を覚まし「頭にタオルまで巻いて多網気合い入ってるーっ」

そして7時半にはみんな起き、ホテルの朝食を食べる場所に向かった。

ニッコリ笑ってホテルの人達が出迎えてくれた。

「オラー」

「オラー」

テーブルに並べられてる沢山の食べ物。

いったん多網はキョロキョロご飯を探したが見当たらず スタッフに聞いていた「ごはーんどーこっ?」

困る男の人「分からないー(スペイン語)」

後ろから正子が「多網ここにはご飯はないよ」

多網は頷き、すぐさま片っ端の料理を皿に盛り出した。

きみ子は既に食っている「うまー うまー」

ソーセージにパンにスクランブルエッグ、シリアルにチーズ。
「しゃー限界までくうでぇー」すごい気迫である。

多網も負けてない、おいてある、ソーセージを1人皿に持ってきてしまっている。

「こらっ、多網」と多網母

みんなよく、朝からそんな食べれるなぁーと二人の食欲に驚くサー。

ムシャ ムシャ バク バク

「二人食べすぎだよ~」冬馬君と大喜は笑っている。

部屋に戻ると二人はトイレの争奪戦に必死だった。


そして、いよいよ


この時が来た。

「さて、いよいよバルセロナの街に出発」

まずは、サクラダファミリア

冬馬家族がバルサの街に繰り出す。

「準備は良いー?」と正子

「オーッ 出発ーっ」

いよいよ観光が始まる!!



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