文太と真堂丸

だかずお

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~ 巨大な闇 ~

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ああ   ああ  そうか  こんなにも こんなにもお前は。

ザッ  道来は真堂丸の元に辿り着き、言葉を失なった。
こんなにも疲れきっていたんだ。
道来は真堂丸の疲労の様、傷を見て不覚にも今この状況の最中に声をあげ泣き出しそうになってしまった。

キィンッ   すまないお前を随分疲労させた。
命にかえても私がお前を守るから。

この状況で言える筈がない、この状況で。
どうやって、不知火を倒せないか?などと言えよう。
道来の確信している一つの結論。
あれだけの人数でかかっても、不知火は倒せないだろうと言うことだった。

ようやく心を落ち着け、道来は真堂丸に話しかけることが出来た「真堂丸大丈夫か?」

「道来、何とか俺を不知火の元に、そしてここをその間死守する術をつくれないか?」
真堂丸は分かっていた、このままじゃ仲間達は皆殺しにされることを。

真堂丸 馬鹿野郎

こんな状況でお前は私たちの心配をしていたのか。本当に大馬鹿野郎め。
真堂丸の傷だらけの姿が道来の心に突き刺さる。
道来の頬からひとすじの涙が零れ落ちた。

するとすぐに、一之助、太一が到着する。
二人も、真堂丸の姿を見て驚いていた。
「真の兄貴」 「先生」

グッ こんなにも傷だらけで、疲れきって・・・

「おいっ、一之助、太一。俺たち三人でしばらくこの場をしのげそうか?」

「真の兄貴を休ませるんですか?それなら出来なくたって、なんとかしないと」

「違う、不知火を倒してもらうんだ」
道来のその言葉に一瞬言葉を失った二人

「道来殿、無理を言うな先生はもう限界を超えてる」

「無理だ道来さん、不知火はみんなを信じて真の兄貴を休ませないと、本当に死んじまいますよ」

グッ 道来は唇から血が流れる程強く歯を食いしばり、拳を握っていた。

「それしかないんだ」

ザッ「太一、一之助心配するな、行かせてくれ」

キィンッ   キィンッ   キィンッ

ズガアアアアン  不知火の立つ場所から凄まじい音と仲間達の悲鳴の様な叫び声が太一の耳に入る。
ポタ ポタッ涙が流れる。
「分かったよ、真の兄貴。でも負けたら絶対に許さないっすよ」

「ああ、分かってる」

「先生、ここは命に代えても誰一人通しません。だから安心して行ってきて下さい」一之助が真堂丸に言った。

頷く真堂丸

だが、この時大帝国精鋭部隊が遂に真堂丸達の元に辿り着く。
すでに隊長の黒七を失い兵は僅かなのだが。
しかし、ただの兵に比べ戦力は強大
ここまでしのぎ、減らせたのは、光真組、雷獣の仲間達、一山の弟子達の活躍のおかげであった。

「こんな時に」焦る太一

その時、道来が叫ぶ「真堂丸、俺たちに構わず進め。ここは必ず死守する」

この時、進みかけた真堂丸の足が止まった。

俺がここを離れたらこいつらも死ぬ

真堂丸は究極の選択を強いられる形となる。
どちらかを見捨てなければならない。
どちらかを見殺しに。

ヒュオオオオオオオーーーーッ

「簡単には殺さないよ」
ズバッ

「ぐはっ、怪物めっ」大同の肩から血が噴き出す。

「くそっ、こんなにも強いとはな」雷獣が口から血を吐く。

「諦めないんじゃなかったのかい?」真っ白の肌をちらつかせ黒い歯をむき出しに笑う不知火。

「うおおおおっ」 

ズガアアアアン
不知火の頭に背後から刀を打ち込んだのは誠

「何かしたか?」ニタアアアアアッ

ズバッ

「ぐあっ」

「隊長」叫ぶ、清正、平門。

「うおおおおおおおっ」同時に仕掛けたのは夏目、ガルゥラ

ビュッ 二人の刀をかわすと同時、即座に拳を打ち込む不知火

「ぐはっ」吹き飛ばされる二人
その間、不知火の顔面に強烈な一撃が。
ズガアアアアン  
菊一の強烈な突きが見事に直撃
「ちったあ効いたかよ」

ニヤリ 口から血を流し笑った不知火
「ほんの少しな」

ズバッ「ぐあっ」

倒れゆく仲間達
「ちきしょう」空が槍を不知火に向ける、足はすくんでいた。 化け物めっ。
これが不知火。

「力の差が分かったか?貴様等の攻撃など大した傷にはならない事が」

「さて、楽しめた。そろそろ殺すとしようかねぇ」

ちきしょう、ちきしょうが、地面に倒れるガルゥラは悔しさのあまり地面を殴り、土を握りしめていた。

ザッ 「貴様からだ」不知火が平門を指さす。

「平門逃げろ」誠は全力で叫んでいた。

「やらせねえよ」
清正の刀を不知火が歯で止める

「邪魔だ」

ズガアアアアン
「やめろ、やめてくれ」地面にうずくまりながら叫ぶ清正

「うおおおおおおおおっ、させるかっ」空と海、洞海、氷輪、青鬼五人の攻撃も同時に受け止められる。
「くっ、くそっ」

ニヤリ「雑魚がっ」
ドガアアアアアアアアアアアアンッ

平門は現状を知った、相手と自分達との力量の差を知った。「すまぬ、皆。せめて少しでも傷を」
「うおおおおおおおおおーーっ」不知火に立ち向かって行く平門

「やめろーーーー平門逃げてくれっ」
清正は必死に…必死に声をあげていた。

どうして?どうしてこんな時に頭に浮かぶ

それは清正が光真組に入り平門に出会った頃。
無口で無愛想な俺は人とつるむなど今までした事がなかった。
もちろん慕われた事などある筈もなく、せいぜい嫌われるのが常であった。
そんな中で出会ったあいつ
いつも俺と自分を比べ、俺に負けないように必死に修業をしていた平門。
平門の夢は光真組の二番隊長になること。
最初は生意気でうっとうしかった。
だが、いつしか あいつを弟のように可愛がってしまう自分がいた。

そして来たる隊長試験の時「では勝った方が二番隊長とする」

「負けないぜ清正」

平門はいつだって俺より努力しているのを俺は知っていた。だからあいつになら俺は負けてもいい。
それに俺は二番隊長の座など、実はどうでも良かった。
そんなことを俺は試験前に思っていた。

「勝負あり、勝者清正」
あいつは必死だった、二番隊長の座を常に目指し鍛錬していた。
俺はあいつに決まっても良かった。
俺に負けて、あいつは俺を嫌いになったんじゃないか?
そんなことを産まれて始めて心配した。
そんな心配をするなんて俺らしくもねぇ、俺も人間だな、人に嫌われたくないなんて感じるなんてな。
なんとなくあいつに会いづらく避けていた。
どんな顔して会えば良いのか分からなかったんだ。

数日後、あいつは俺を探していた ガシッ
「清正てめぇ」
ああ、憎いんだろ俺が。努力もしない俺がお前のずっと夢だった二番隊長になっちまったんだから。
好きなだけ殴ってくれても構わない。
そんな気分だった。

「清正てめぇ、試験の時、手ェ抜きやがったな」
平門は気づいていた。

「それにここ数日、俺を避けてんのか?」

「馬鹿野郎」平門は目に涙を浮かべていた。

「俺はな二番隊長になるのは確かに夢だった、だがなそれよりもお前の下、お前と共に一緒に光真組の隊長になれたことが何よりも嬉しかったんだぞ、お前はそんな事も気付かないのか」

平門  すまない 俺はお前の事なんて何も分かってなかったんだな。
俺はいつだって自分のことで頭がいっぱいだった。
人を避けてたのは、自分が傷付くのを怖れていたからかも知れない。
お前の事を全然見れていなかった。
これからはもっとしっかりするから。
お前のことしっかり見てるから。
「なあ、平門、最強の光真組を一緒に築こう」

「ああっ」

ズバッ
「平門ーーーーーーーーーーーーーーーーっ」
清正の前、平門は真っ二つになった。

「貴様ーーっ不知火」誠が立ち向かう

「雑魚め、ゴミが死んだくらいでほざくな」
ドガアアアンッ
誠は吹き飛ばされ地面に倒れる。

清正は直視出来ない現実に放心状態であった。
うっ、うっ、 何も出来ない。
大好きだった友を殺され、たった一撃すらもあびせらない。

「何を泣いているのだい?たかだかゴキが一匹死んだくらいで」

「てめーーーーっ」菊一と青鬼、雷獣、大同が不知火に向かって行く。
ドスッ 殴られ宙を舞う四人「雑魚がっ、うぜえっ」

「ったく、この真っ二つになった人間、なんの役にも立たなかったな」不知火は笑っていた。

俺の大切な大好きな友を、馬鹿にし笑っている。
すまない、平門、お前が侮辱されてるのに一発だって殴り返してやれない、いつまでも駄目な隊長だったな。悔し涙が止まらない。
清正は立ち上がろうとするが、足に力が入らない。

「さて、次は貴様だからそう泣くなよ」
ビュオンッ

キィンッ「それ以上、許さん」
不知火の拳を止めたのは共に戦った全ての者達

「次に俺たちの仲間を侮辱してみろ、許さねぇ」
ギロリ 不知火を睨みつける仲間達。

「みっ、皆 ありがとう」清正と誠が共に戦う仲間達を見る、まるで昔から家族同然の光真組の仲間達と一緒に戦っている様に感じた。

「うおおおおおっ」夏目とガルゥラが不知火に向かって行く
「だから鬱陶しいんだよ、カス共」
二人の首根っこを掴み、持ちあげた。
「ゴミカスに権利などない、力無き者に吠える権利などないのだよ」

「貴様等も死にな、さようなら」ニタアアアアアッ

「やめろーーやめてくれーー」清正は叫んでいた。
これ以上、俺の大切な仲間を……や…め……ろ……

「夏目」  「ガルゥラ」

「させねぇよ」キィンッ 雷獣と誠が相手の目を突く。
それを躱した不知火は咄嗟に二人を手放す。
二人が地面に落ちる前に救出したのは、菊一、洞海。

「まったく笑えないねぇ、大人しく殺されなさいよ」

「しっかし大帝国に刃向かうって言うからどれほど強い奴らかと思えばただの雑魚」

「強いのは真堂丸とか言う奴かい、私とほぼ同等の力を持つバピラを倒したんだからね」

あの野郎そんな化け物を一人で倒していやがったのか、全く恐れ入るな。雷獣が思う。

ヒョオオオオオーー

空は海の隣に立つ「なぁ、今聞くことじゃないが陸は?陸はどうした?」

「目の前の戦いに集中しろっ」

その言葉で空は理解した。
「なぁ、海。お前は死なねぇでくれよ」

「当たり前だ、自分の心配でもしていろ」

「しっかし、貴様ら希望だの、仲間の為だの本当に愚かな理由で行動する阿呆共だな、貴様らなら大帝国側につけば良い地位が手に入っただろう。金や名誉、権力人間の欲するものは手に入るのだぞ」

「絶対的な力の前に貴様らの精神も恐怖ですくみ上がってる頃だろう、さて」

「ひとつ貴様らに提案しようではないか」

「真堂丸を殺せ、そしたら命だけは助けてやろう」

ふぅー

歩きだす菊一
「笑わせんなよ不知火、貴様に売る魂はねぇよ」

ザッ「人間は好かん、だが貴様らはもっと好かん。俺の気高い精神が完全に拒否している」ガルゥラが不知火を睨む。

雷獣「笑わせる、貴様にひれ伏せだと」

誠「光真組は仲間を決して裏切らない」

青鬼「お前達は鬼神にそっくりだ、俺はこっちの人間達が好きだ」

夏目「希望を捨てない人間を舐めんなよ」

大同「真堂丸殿に救われた恩義、一生忘れることはねぇよ、裏切るくらいなら死んだほうがましよ」

海「一山様が信じた人達を自分は信じている」

空「海に同じだ」

洞海「身がすくむ程怖い相手でも、この人達と一緒ならもう何にも怖くない」

氷輪「貴様は嫌いだ」

清正「平門の仇はとらせてもらう」

「誰も仲間と魂は売らねえよ」ギロリ

「やれやれ、全員処刑の様だね、私は残酷だよ」
ニタアアアアアッ

ザッ 瞬時に大きな手に掴まれたのは海であった。
「海ーーーーっ」

ズガアアアアン 地面に叩きつけられる海
「ぐはっ」口から血を吐く。

直後に「一発」ズゴオオオンッ
海の顔面めがけて凄まじい拳が打ち込まれた。
「心配いらないよ、簡単には殺さないから、ギリギリまでなぶる」

ズガアアアアン ズゴオオオンッ
「貴様ーーっ」
何度立ち向かっていっただろう、何度はじかれただろう、身体が悲鳴をあげても、どれほど血が流れても
、足を止めることは出来ない。
大切な仲間が目の前で殴られ続けているのだから。
誰も立ち止まる者はいなかった。
自身の身体がどうなっても。

ズゴオオオンッ
それは残酷な現実だった。
どんなに向かって行っても、誰一人不知火が仲間を殴り続けるのを止める事が出来なかった……

「もうよしてくれ」顔面血塗れになり、その言葉を発したのは海だった。

「ようやく、本音が出たね、いいわね人間の絶望の声」ニヤリ

「殴るのをやめて欲しかったら、真堂丸を殺せ」

ズゴオオオンッ

「グハッ」

「てめぇっ」海を救う為、立ち向かい続ける仲間達

「もっ、もう よして くっ くれ 不知火」今にも消え入りそうな言葉で海は言った。

「だからテメェを助けるかわりに真堂丸を殺すのかい?」

「俺は殺されてもいい、だから仲間を助けてくれ」

ブチッ
「てめぇっ、気にくわないねぇ、やっぱり大嫌いな心の人間共だよ貴様らは」

「やめてくれえっ、もうやめてくれぇー」空が涙を流しながら叫ぶ。

ちきしょう、なんて無力だよ。
俺たちは仲間を一人救うことすら出来ねぇのかよ。
ちきしょう ちきしょう ちきしょう ちきしょう ちきしょう ちきしょう。

ちきしょうが

覆うのは真っ暗な闇

強大すぎる力だった。
「さようなら」

ズクシャ

「ギイヤヤヤアアアアアアアアアアーーーーッ」

「ギイヤヤヤアアアアアーーーーーッ」

ヒュオオオオオオオオオオーーーーッ
地面に倒れ苦しんでいるのは、なんと不知火

「なんだ、何が起こった?」

「うっ、ありがとう」涙を流すのは海

「ううっ、ううっ ありがとう ありがとう」

「真堂丸さん」

ギロリ

ヒョォオオオオオオーー
目の前に立つのは真堂丸の姿だった。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオーッ


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