文太と真堂丸

だかずお

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~ 塞がれた希望 ~

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アアアーー アアアーー アアアー

氷輪は尊敬する男、秀峰に身を捧ぐ決意を決めた。
大帝国の思想、やり方が大嫌いだった俺だが、この男の為になら。
その日、二人は丘の上に立っていた。
「氷輪、私はいつか鬼道を超え上に立つつもりだ、刀を持った以上、私は頂点を目指す、欲しい物はすべて手に入れるつもりだ」

「あんたなら、間違いなく出来るぜ、俺もそれを絶対に見届ける」

「どこまでも、私について来い」秀峰は微笑む。

これ程、頭がきれ、強い人間。
こんな人間がそうそういるはずない、大帝国の頂点など秀峰さんなら簡単になれる、俺はそう信じていた。
そう、あの日までは。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーー

「氷輪、今日は大帝国の幹部が数人集まる、大事な場がある、私の付き添いとして一緒に来ないか?無論城の入り口まで私を送るまでだが」

信じられなかった。
そんな重要な場に、付き添いとして俺を選らんでくれた。秀峰さんの俺への信頼がなにより嬉しかった。
しかし、大帝国の幹部など、一般兵が会う機会などほぼ皆無。
一体他にどんな連中が?どれほどの猛者なんだ?
だが、秀峰さんは間違いなく、ずば抜けているはずだ、大帝国は既に秀峰さんの手中にある。
俺はそれを全力で力添えする。

秀峰を大帝国の城に送り、外で待つ氷輪。

「他の幹部は、ここを通るのか?秀峰さん、他の幹部に威嚇でも俺がしといてやりますよ」氷輪は笑った。

ヒョオオオオオオー

一刻ほど過ぎた頃

氷輪は絶句することとなる

自身の想像をはるかに超えた脅威

真っ黒な大きな木の箱を赤い着物を着た四人の女が掲げて歩いてくる。
箱の中から人間の首が外に飛び出し、ゴロゴロ捨てられていた。

中に得体の知れない者がいる

氷輪の全神経が叫ぶ

ダメだ ダメだ ダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだ。
絶対に関わってはいけない。
自身の脚に何かが濡れ、かかっている。
俺は漏らしている、姿すら見えない、この者が近くにいるだけで。だが今はそんなことは、どうでも良かった。
たっ頼む はやく 行ってくれ この時よ、一刻もはやく流れてくれ。

秀峰さんっ   助けてくれっ 助けてくれっ

通り過ぎようとした、その瞬間だった。

それは、まるで天から聞こえる様に頭上から響く。

「妾が怖いか?人間や」

あっ、あつあっあっ ああああああああああ

氷輪は悟る、自分はこれから殺されることを。
それは、もう良い。
そんなことは良い。
だが、たっ頼む どうか一思いに殺してくれっ。
氷輪の願いはそれだけだった。
何故なら、転がり落ちる首の歯は全て抜かれ、生きながらに皮を剥がされ焼かれていたのだ。
この中にいる奴は、俺が死ぬまで、どんな拷問を俺に課すと言うのだ?

あっ あっ ああああああああああああああああ

「さあ、こちらに来い 死ぬまで苦しめてやろう」

おおおおおおおおおおおおおおおおっっ

「待ってください女狐さん」

背後に立つのは秀峰だった。
氷輪の両の瞳からは涙がこぼれ落ちていた。
怖かった、怖かった もう自身の体裁などどうでも良かった。
己は尊敬する秀峰さんの前で、失禁し、鼻水、涙を垂れ流しながら身体を震わせていた。
秀峰さんなら、俺を助けられる力がある
秀峰さん、こいつをやっつけてくれ

「おや、秀峰や、妾の餌を奪うのか?」

「女狐さん、すいません。こいつは私の部下なので」

「だから、どうしたっ」女狐は叫んだ

「邪魔をするのかい?」

秀峰さん、頼むっやっつけてくれっ
彼なら勝てる、そう信じていた。

ザッ

突如、秀峰は地面に頭をつけ、土下座していた。

「どうか、お願いします。舐めろと言うのなら、この秀峰、道に落ちる糞でも舐めます。どうかここは、おさめて下さい」

やっ、やめてくれ秀峰さん あんたがそんな事。
おっ、俺なんかの為に。

「アッハッハ アッハッハ  踏め」

女狐をかかげる、内の一人は通りざまに秀峰の顔を地面にめり込む程、強く踏みつけて行った。

屈辱

自身なら、良かった。 秀峰さんがこんな目に。

「すっ、すいません 俺」

「すまんな氷輪、私の気がまわらなかった。こんな場所にお前を連れて来たらどうなるかくらい察せなかった私の失態だ」

「なぁ、秀峰さん あんな化け物なのかよ、幹部の連中って」

「ああ」

「なぁ、もうやめよう、一緒に逃げよう。無理だよ大帝国の頭になるなんて」
俺は、まだ何も知らなかった。
井の中の蛙だった。
どれほど恐ろしい世界に足を踏み入れてしまったのか全く知らなかったのだ。
これが、この時代に刀を持ち生きるという事。
あんな連中と闘い、相手にしなければならないという事。
こんな世界に足を踏み入れたら、最期。
もう絶対に無事ではすまないだろう。
先に見えるのは地獄も色褪せる程の真の闇

「秀峰さん、あんた あんな連中を知ってて何故?」

「氷輪、面白くはないか?」

「えっ?」

「自身の全く手に負えない状況に足を踏み入れ、あんな化け物がうごめく世で頂点をとり生きる様が」

「私はやる、必ず大帝国の頂点に立ってみせる。その為なら、なんだってするぞ」

「いかれてるぜ、あんた。先に待つのは絶望だけだ、一緒に逃げましょう」

「笑わせる氷輪、私はもう足を踏み入れた。もう抜けることは不可能。逃げるだと?」

笑わせるな

「この世界の何処に逃げ場などある」

「死ぬか、生きるか それしか残ってないんだよ」

「去れ、氷輪。 故郷や大事な人を持つな、いずれ全て大帝国に支配される、それまで一人、逃げ生きろ」

秀峰は立ち上がる

「秀峰さん」

いや、覚悟がなかったのは俺のほうだ、どんな目にも耐えて見せよう、あなたの手足になろう。
今日から俺は本当に全てをあなたに捧げる。
この身、魂全てを。

「秀峰さん、俺はあんたの為ならなんでもします」

秀峰はほくそ笑む。
実は全て秀峰の計算の内の出来事。
こうなる状況は読めていた、欲しかったのは真の忠誠者。
結果は賭けであったが、半端者なら吐いて捨てる程いる。
そう、秀峰は氷輪を試していたのだ。
全ては、氷輪の覚悟を見、決断させる為。
女狐が通る時刻、場所までも計画の内だった。

「氷輪、お前は私の大切な部下だ」

無論、氷輪はこの事を知る由もない。
この時、自身の真の忠誠者がまた一人生まれた。

時は現在に戻る

「いまだに信じられない、あの秀峰さんが破れ、死んだとはな」

「貴様を殺し、仇を討つ」

道来は、この二人の関係に形は違えど、自分と太一に似てるものを見た。
もし、自身が秀峰に敗北していたら、太一もきっと同じことをしただろう。
殺し、殺され、そこから生まれる怨念や恨みの輪廻。
道来は悲しい表情を浮かべる。

「私にお前を斬ることは造作もない、だが私とにはお前を斬る理由がない」

「笑わせる、理由だと?やらなきゃ、殺されるからだろ」

キィンッ  キィンッ  キィンッ  キンッ

「あの人はどこまでも一人だった、分かっていたさ、何かの時は俺を躊躇なく俺を、斬り捨てるだろうと、だが、そんな事覚悟の上、忠誠を誓ったんだ」

キィンッ   キィンッ  キンッ

道来は、この経緯の中、どうしても気がかりな事が一つあった。
それは、とても重大なこと。
これからの局面を分ける非常に重要な。
道来の頭によぎるのは、まさかの最悪な事態。
一瞬、呼吸すら、ままならなくなる。

「氷輪一つ聞きたい事がある」

道来は何かの覚悟を決め、氷輪を見つめていた。

場面は変わり城の外。
「外はもう大丈夫でごんすね、どうやらこいつらは大帝国とは全く関係のない奴らでごんすね」

「ああ、良かった。こんな近くに大帝国がいたら、見つかるのは時間の問題だったからな」太一が言う。

「どちらにしても、あっしらは早く動かねば、あっしらの居場所が見つかってからじゃ、鬼道や三國人に到達するのはかなり厳しくなる」

「真の兄貴が動けそうなら、すぐにでも動かないと、戻って話をしよう。この奇襲がいよいよ、大帝国との最期の決闘になるかもってことか」

「おいっ、それより道来は大丈夫かよ?」しんべえが道来と氷輪の向かった城を見る

「大丈夫。彼は強い、よしっ、あっしらも城に向かおう」

ヒョォオオー 城の中

道来が口を開く
「氷輪、お前。これが全ては偶然ではあるまいな。女狐を真似る者に町を襲わせ」

「ああ」

道来の背筋が凍りつく

なんて事だ

額からは汗がしたたり落ちる

「お前  ハッ  ハッ(呼吸が乱れる) 何故 分かった」

「何故、俺達があの場所にいる事を?」

「大帝国からの報告により」

道来の不安は的中する
全て、奴らは知っていた、なっ 何故だ?何故来なかった?
途端脳裏に最悪の展開が浮かぶ。

文太、真堂丸

「お前達は愚かだ、本当に大帝国を敵にまわし勝てるとでも?最初から結果の決まっていた戦だった事にようやく気付いたのか?」

「あわれなり道来、秀峰さんとはやり口が違ったな、彼は幹部になり大帝国の内側から入った、貴様らの様な馬鹿なやり方はしなかった、まあ、貴様らとは目的も違ったかも知れんがな」

「なぁ、道来 教えてやろうか?お前達がこれからどうなるのか? 何故居場所の知れてるお前達を大帝国が襲わないかを」

「くっくっく、俺に勝ったらな」

キィンッ  キィンッ  キィンッ

心を落ち着けよ、道来。
次の策はまだある、今すぐにでも、俺らが文太の村に戻り、この事を伝え逃げれば、まだなんとかなるかも知れない。

キィン   キィンッ  キィンッ

まだ、なんとかなる  いつだって、そうだ。
道来は再び前を向く。
この氷輪の言葉から推測出来た恐ろしい事実、大帝国は我々の居場所を知っている……

「なぁ、あんた。まだ希望にすがってるぜ。鬼道は馬鹿じゃない」

「あんたには、分かるだろう。もう、お前達が絶対に逃げられない理由を 」

「理由だと?」

「どうしたって無理なんだよ、道来さん」
ニヤリ

「もう、どこにも逃げられない、大帝国を敵にまわした以上、最初から逃げ場など、何処にもなかったのさ」

「お前達は全員死ぬ、時は近い。分かるか?こう言ってやろう、逃げられないんじゃない、お前達は逃げないんだよ  アッハッハ アッハッハッハ」

道来には氷輪の言動から、大体が見えていた。

ああ、そうか

俺たちはもう、逃げられないだろう。

ヒョォオオオオオオオー

道来は刀をしまう

「?」

「氷輪、一つ頼みがある」

「頼みだと?」

「私を殺す時期を少し延ばしてくれないか?約束しよう、私はお前に斬られることを、二言はない」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーー


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