文太と真堂丸

だかずお

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~ 烏天狗 ~

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どれくらい船に乗っていたのだろうか?
僕が目を覚ますと船はもう陸地に到着していた。

そこで、僕らは 源流さんの城が大帝国に落とされた事を知る事になる。
僕らの横を通った二人の男の会話が耳に入った。

「おいっ、聞いたか?」

「あの源流さんの城が大帝国に落とされたらしいぜ」

「本当かよ?あの辺りも、もうお終いだな」

「あの人は本当良い殿様だったのに」

僕の足は止まる

「なんでも、城のてっぺんに首が吊るされてたらしいんだ、イかれてやがるよ奴等は」
僕は絶句した。
膝が勝手に地面についてしまった。
「僕が仲間に誘ったからだ、僕のせいだ」

「文太さん、そいつは違いますよ、あの殿様は昔から大帝国の申し出を断わっていた。今回たまたま、それが重なっただけ、仕方なかったでごんす」

僕の心は折られた気がした。
初めから無理なんじゃないか、絶対的な支配力、強さ、巨大さ、このままこの国は奴等に占領されるしかない。
駄目かもしれない。
僕は目をつむり、自分の拳を力強く握りしめた。
涙が止まらない、悔しくて・・・
何も出来ない無力な自分が・・・・

文太さん。
一之助も、その光景が何処か過去の自分の場面と重なって見え、胸が張り裂けそうな思いがした。
真っ黒な空はまるで心を反映しているよう、もう今更あがいたところでどうにも出来ないのだ。
そんなことを思っていた時

「文太」
僕が顔をあげた目の前には真堂丸が立っていた。

「大丈夫だ。ここには俺がいる、 未来はまだなにも決まっていないんだ」
それは優しく微笑んでくれた真堂丸の姿だった。
なんて力強い言葉だったんだろう
そして、なんて信頼感があり、心が安心する言葉だったんだろう。
それを聞き、僕の瞳には消えかけていた希望が戻っていた。
涙を袖で拭いながら
「そうですよね、泣いて諦める時間なんて、これっぽっちも無いですよね」
僕は微笑み、そしてすぐさま立ち上がった。 

「ああ そうさ」

「グフっ、先生、文太さん、あっしはあんたらが、ますます好きになった」
そこには真っ直ぐに手を出す一之助の姿があった。

「あっし一之助、あんたらの力になる、あっしも仲間でごんす、よろしく」
片膝をつき、手を差し出す一之助

「一之助さん」もう僕は涙が止まらない

真堂丸は一之助に手を差し出し、一之助もそれに応え二人は握手を交わした。

「それに、文太忘れるな。道来や太一、それに一山達も俺たちの仲間だ」

「そっ、そうだ僕にはこんなにも信頼出来る仲間がいる」
僕は前を見つめ
「はいっ、そうでした もう諦めません」
皆は笑いあった。

遠くからそれを見ていたしんべえ
「あの涙、さては誰がどう金を配分するかで一等弱いあいつが一番少なくて泣いてるんだな。かーっ情けない奴だ」と一人、真剣につぶやいていた。

あっ、やばいあいつらが動きだした、なるったけ限界まで距離をおいて後をつけなきゃな、バレちまったら最後だ。
「絶対にあいつらの持つ大金をすべて、くすねてやるからな」

舟からおりたその地方 もちろん僕にとっては生まれて初めての場所。
「先生、文太さん 頭下げるでごんす」

「えっ?」
僕は前を見て驚いた。こんなところにも大帝国の支配が・・・

列をつくり歩く大帝国の人間
周囲の人々から、恐怖の気持ちが痛いほど伝わってくる。
「この場所は、まずいですね この辺りは奴らの占領地 先を行きましょう」
一之助さんの案で、僕らはそこからすぐ様離れ、次の町を探し歩くことにした。


山路を歩いてる時

「先生」

「ああ」

僕には二人のこのやりとりの意味は分からなかったのだが
次の瞬間、突然、後ろに向かって一之助が走り出す。

すぐさま辺りに響き渡る声
「許してくれ~」

「あっ」
それは、僕の財布を盗んだと思われた男の姿

「たまたま、見つけて後をつけてきちまったんだ」

「お主、文太さんの財布をとったんじゃなかったか?」

「あっ、あれはよお、つい出来心で、ほれっ返すよ」
しんべえは心の中、思った。
あんな、はした金返してやるよ。
お前らが、もっと大金持ってるの俺は知ってるんだからなぁ。

「あっ、ありがとうございます」

「なにを感謝してるでごんす、文太さんあんたの金でしょうが」

「あっ、そうでした」

すっかり辺りは暗くなって来ていた。

「じゃあ、お前はもうあっちに行くでごんす」

「おいっ、冗談じゃねえこんな山路、一人おっかなくて帰れねえ、もう真っ暗じゃねえか」

「もう二度と盗まないから、なっ、頼むよ それに俺は舟に乗り、よくこっちに来るから、この辺りの地形も詳しい、町にも案内出来るから、なっ頼むよ」

「あっしは、信頼出来んがお二人に任せます どうしますか?」

「まっ、僕は構わないですけど」

「俺もだ」

「本当か、ありがとよ 俺はしんべえだよろしく」

そんな成り行きで今僕らは四人で暗い山路を歩いてる。
「さすがに暗いと不気味だなぁ山路は」しんべえが肩をすくませながら、つぶやいた。

「あっ、あそこに小屋がありますよ、誰も使ってなかったら借りちゃいましょうか?」
僕らは山にポツンと一つある小屋の戸を開け、中を覗かせてもらった。 
人が住み、使ってる気配はない。

「こりゃあ良い借りちまおう」
しんべえはすぐさま小屋の中寝転んだ。

「まあ、誰も使ってないようですし、今夜はここで休みましょうか」僕も夜道は恐かったので少し安心した。


ポツッ ポッ ザアアアーー

「あっ、雨ですね」

「良かったでごんす、丁度小屋に入ってからで」

「そう言えば、しんべえさん」

「何だ?」

「次の町までどれくらい歩くんですか」

「そうだな、二時間ってところか」
しんべえは、はやくみんなが眠るのを待ちわびていた、どいつが大金を持ってやがる?
心の中は、お金を探すのに躍起になっていた。

小屋の中は既に真っ暗となり、雨はますます激しさを増し始める

ザァァァァァァァァー ザァァァァァァァァァァァー

「何だか、雨すごいですね」
文太は雨の音に耳をすまし、見知らぬ土地と今の状況に少し不安がりながらも目をつむる。

「けっ、こんな薄気味悪いとこで過ごすなんて嫌だぜ」しんべえさんも僕と同じく怖がっているよう。
激しく降りしきる雨が、この場所の薄気味悪さをよりいっそう引き立たせる。

それは、一瞬の出来事だった。
小屋の入り口の戸は突然斬りひらかれる

「なっ、なんだって言うんだよ」

外の月光が小屋の中に射し込んだ

「えっ?何が起こったんですか?」
それは、どうやら真堂丸によって斬られた様だった。

「まさか、あっしとした事が気づかなかったなんて」

真堂丸は突然外に出て刀を抜き、そして一太刀ふるった様に見えた。
その時初めて気がついたこと、それは月の光に照らされ浮かび上がる三つの影。
そして、何よりも驚いたことは、その三つの影は確かに真堂丸の太刀を避けたのだ、それも三人共全員。

「先生、こいつら」

「ああ」

「強いでごんす」

「あわわわわ」しんべえは悲鳴をあげた、それは暗闇の中、確かに奴らの顔を見たからだ。
その三人は、天狗のお面をつけていた。

「やっ、やべえ やべえことになっちまった」

「なっ、なにがヤバイんですか?しんべえさん」

「こいつら、烏天狗の子供達だ」

「おい、持ち物すべて出せ、金も全部だ、命にはかえられねえ」
しんべえは全力で叫んだ。

天狗の面をつけた三人は縦一列に重なり合うように立ち、不気味に笑っているように見えた。
そして、突然走り出し森の中に消えて行く。

「たっ、助かった 運が良かった?」

「一体何なんですか?あの天狗の面をつけた人達は?」

「良いか、あいつらに絶対手を出すんじゃねえぞ、あいつらに手を出したら、烏天狗が黙ってないからな」

「烏天狗?」

「あの天狗の面をつけた奴等は、ここいらで盗賊まがいな事をして遊んでると聞いた、まさか奴等が本当にそんなことしてるとはな」

「でも、この辺りって大帝国の支配してる土地ですよね? そんなことしたら大帝国が黙ってないんじゃないですか?」

「馬鹿野郎!! いいか、あの天狗の面をつけた奴等は烏天狗の愛する子供達、言わば家族達、烏天狗、やつは、ここいら一帯を支配する大帝国の白い刃の一人だ」

「えっ、そんな」

「お前達、大帝国の幹部連中がどれ程の化け物か知らないだろ」

僕は痛いほど理解していたが話を遮らなかった。

「白い刃と呼ばれる幹部達は、ある地域を任され、そこで城を構え、その土地を支配してるんだ。この辺りはあの化け物、烏天狗が任され支配してる土地だ」

「まっまさか、大帝国の人間達だったのか」

「先生の正体ばれましたかね?」

「さあな」真堂丸は刀を鞘に収める。

「しかし、烏天狗っていえば、あっしも、ずっと聞いて育った程の有名な男、そんなのが幹部なんですね、正直恐ろしいでごんすよ」

「そうだ、大帝国にだけは絶対手を出すなよ、わかったな。少なくとも俺が一緒にいるあいだはな」しんべえは怒る様に言い放つ。
あはは、まさかすでに僕らは大帝国の本拠地に踏み込んだなんて知ったらどうなるんだろう、しんべえさん、気を失うかな。僕は苦笑いした。
事情を知ってる一之助も可笑しいのか、笑いをこらえている。

「明日朝一で次の町に行こう、そこなら奴らの支配下から抜ける」
しんべえは奴等がまた来るんじゃないかという恐ろしさのあまり金の事も考えず目をつむった。
無論、恐怖と不安の波に押しやられ、眠ることは出来ないのだが。

翌朝、昨夜激しく降り続いた雨はすっかりやんでいた。
僕らは山をくだり 町に到着する。

「ほお、思ったより栄えてるごんすね」

「山賊だー、山賊が出たー」町人達のそんな叫び声が辺りに響き渡っている

「ひぃぃぃっ」しんべえは叫び声に驚き、すぐさま柱の影に隠れ、身をかがめた。

町を襲わんとしてるのは、10人程の山賊達
「まったく、都合が悪いでごんす」
一之助が刀を抜こうとしたその時だった。
町人の間から歓声がわきあがる

「うおーっ」

「いいぞー」
それは、刀を持つ二人の男、彼らの纏う衣装の羽織りには心と描いてある

「なんでしょう?彼らは」

彼らの動きを見た僕は言葉を失った。
それはほんの数秒、10からなる山賊が次々と倒れて行ったからだ。

「こいつは、強いっ」一之助も驚いている

「当たり前だべ、あいつらはこの町の治安を守る、光真組の隊長達だ、あの羽織りに数字が書いてあるだろう、あれが少ない程強いんだ、あいつらは2、3番隊長強い訳だぜ」

この時、とある家の窓には赤い血塗られた風車が差し込まれていた。
それは、暗妙坊主と呼ばれる、国一番と名高い殺し屋が殺しをする前に残す合図
そいつは一之助がずっと探し求めていた男だった。


同時刻、場面は変わり、烏天狗の城での出来事

「ねえ、ねえ、パパまだ帰らないの?」

「ああ、面白いよ、面白いよ」

「なになに?」

「何でもさ白い刃の幹部全員、本城に集められてるんだってさ」

「えっ、信じられない10人が揃うなんてはじめてじゃん。だから、パパいないんだ」

「でもどうして?」

「何でも、凄い客人が来るらしいの、それのもてなしだって」

「何それー誰なの?」

「大頭、鬼道様の大層大切な客人らしいよ」

「そりゃすごいね」

「それにしても、昨夜小屋にいたの何あいつ、めちゃくちゃ強いから、面倒くさくて逃げ帰ってきちゃったね僕ら」

「殺しても良かったけど、あれはちよっとパパに譲るよ」

「誰だったんだろうね、あれ?」

「あの様子じゃ、隣町に行ってるよきっと」

「うそー、隣町今行かないほうがいいよ」

「どうして?」

「暗妙坊主が殺しやるから」

「やだーやだやだ こわいよ あいつパパみたいな化け物野郎だ」

「パパも昔言ってたよ、暗妙坊主には手を出すなって」

「ねえ、見に行こうか?」

「面白そうだね」

「何だか楽しい、楽しい、楽しい」

「あっはっはっは」
城の中では三人の天狗の面をした人間の笑声が高らかに響いていた。

何かが起こりそうなそんな予感
空が不気味な程、真っ暗な夕暮れだった。


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