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花火をするの巻
しおりを挟む二人が家に着いた頃には夕方の18時を過ぎていた。
玄関を開けると正子がお帰りなさいと出迎えてくれた。
「さっき清香ちゃんのお母さんから電話あって、無事に家出てもうすぐそちらに着くと思うから心配しないで下さい。って連絡くれたよ」
二人は、ほんのさっきまで向こうの家に居た事を思うと、向こうの家が恋しくなった。
「ああ 昨日の今頃は、みんなで夕食食べてたぐらいだったっけ」冬馬君が言った。
「そうだね、これから始まったって感じだったよ」
大喜もよっぽど楽しかったみたいだ
暫くすると隆も帰って来た
「ただいまー」
「いやー今日も暑かった ビールビール」
「そう言えば二人共 キャンプで知り合った清香ちゃん達の家に泊めてもらったんだって どうだった?」
「キャンプの思いで話とかも、みんなでしたよ」
「また行きましょうだって」
二人は意気揚々と話ている
すると隆が 「あっそうだ」
「じゃーん」
「仕事の帰り 買ってきたんだ」
それは花火だった
「ご飯食べたらみんなでやろう」
「やったー」二人はまだ今日のイベントが続いている様で嬉しかった。
ご飯を食べて少しテレビなどを観て休憩してると「さてそろそろ行こうか」隆が言った。
「でも、今公園とかうるさいから出来ないんじゃないの?」と正子
「川の土手に良い場所あるんだ」
四人で夏の夜を歩いた
蒸し暑い夜だったが冬馬君はそんなの気にしない程 ワクワクしていた。みんなで夜歩いて花火をしに行く。
大喜も家に泊まるし、夏休みもまだ半分以上残ってる、嬉しい。
大喜も同じ気持ちだった。
二人は川の土手に向かう間もかけずり回っている
「子供は元気だなあ」隆が笑って呟く
隆はバケツの他にビールも持って来ていた。
「着いた、ここなら大丈夫 バケツに水入れるから、さあ始めよう」
みんなでいっせいに手に花火を持って火を付けて横に並ぶ、色鮮やかに飛び散る火花はとても綺麗
冬馬君は自分の手に持ってる花火の閃光をじっと見つめ眺めながら、清香とも一緒に花火やりたいな、などと考えていた。
花火の光があまりに幻想的に見えて何度か夢の中に居るような気さえした。
「さてこいつをやってみたかったんだ」それは打ち上げ花火
隆が打ち上げ花火を下にセットし「さあ行くぞ」
三人はそこから少し離れた、うわぁーすごそう。
隆が火を付け、すぐに、こちらに戻ってくる
「さあ上がるぞ」
しかし何もあがらない
「あれっ」
隆が火が付いて無かったのかと思い、点火するぞと言い、また花火に向かって行った。
その瞬間パーン、見事な音をたてて、花火が飛び出して行った。
とても綺麗だったが
隆はビックリすっ転んでひっくり返っていた
みんな大爆笑だったが、一番笑っていたのは正子だった
「さてと、いよいよ最後に残してた、線香花火やろうか」隆は線香花火を最後に残していたのだ。
「慎重に持ってれば長く続くから、誰が長く続くか勝負だ」隆が言った。
「昔からうまいんだ」自信満々の隆
火を付けてみんな、揺れない様に慎重に持っている
さあ誰が一番長持ちするか?
火をつけ始めると、すでに落とした人物がいた。
そう、その名は
隆
それは隆
ああ隆
それを見て正子が「ちょっとそれ早過ぎでしょ」と大爆笑 その揺れで正子のも落ちてしまう「しまった」
冬馬君と大喜は慎重に動かない様に持っている
ついに「あっ、落ちちゃった」と大喜
冬馬君のが最後まで残っていた
全ての線香花火も終わり
「じゃあ片づけてそろそろ帰ろう」正子が花火のゴミをまとめている。
夏の夜の楽しいひと時。みんなで、手を繋ぎ歩いてお家に帰った。
「ただいまー」
家に帰ってきた頃
さすがに冬馬君も大喜も、眠くなっていた様でその日はそのまま布団に入りすぐに夢の中
夜は眠りに着くまで二人共、清香やアミの事などを語り合いたかったが疲れていたのか、すぐに眠ってしまっていた。
夜空には星達がうっすらと浮かんでいる
静かな夏の彩られた一日はこうして更けていった。
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