冬馬君の春と夏

だかずお

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夏休みが始まった

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冬馬君が咆えている~~、そして叫んでいる~

「ふおぉ~~っっ~あいやぁぁ~~っ」
凄まじいテンションである。

何故か?何故なんだ?
何故なら明日からいよいよ夏休み、そして母、正子からこんな話を聞いたのだ。

「夏休み、大喜、多網達とバリに一週間行くよ」

「きゃあああああああああっ~~~」そりゃこの興奮になってしまう。
「きみ子は?」と、すかさず冬馬君。

「今、多網達が誘ってると思うよ」
冬馬君はガッツポーズを決めた。
ちなみに余談だが、毎回きみ子の旅費はきちんと、きみ子の両親が払ってくれている。

その夜、興奮して冬馬君は眠れなかった、絶対にみんなでバリに行きたい!!
そして夏休み前日
休み前、そしてバリを思い、大ご機嫌スーパーテンションマックス冬馬君はアゲアゲだった。

翌日学校の帰り道
「みんな~夏休み楽しもうね~~行くよ~ファイヤ~」

「冬馬大丈夫?そのテンション」慎司が笑いながら言う。

「大丈夫、大丈夫、冷静だよ~~ぅ」(全然冷静じゃない)

「今回はどんな夏休みになるんだろう?」と山ちゃん

「また行けたら、みんなで心霊スポット以外の探検行こうよ」三郎君が言う(こないだので心霊スポットはこりたみたいだ)

「じゃあ、みんなまたね~~」
ついに冬馬君の夏休みが始まる。
ちなみに、バリまで後2日の今である。
なんと、きみ子参戦決定、多網ファミリー全員集合、もちろん大喜もである。
冬馬君は学校から帰ってきて、さっそく大喜、多網に電話をする。
毎度夏休みの始まりのこの儀式である。

「ねえ、今日泊まりに来ない?」

大喜が言う「明日から夏休みだし、支度して今日の夜からもう行くよ、それにバリ旅行~~」大喜もアゲアゲである。
冬馬君は嬉しさに気絶しそうになるが必死に耐えた「しゃぁ~~あああああ~~~」(なんじゃ?)

多網家族ときみ子は当日冬馬家で待ち合わせとなっている。
冬馬家、最高のバリ旅行決定の瞬間であった!!
今回は一体どんな出来事が待ち受けているやら?

「しゃあ~~~~~っっっ」天に響き渡るガキ共の声
吠える、吠える、吠える、冬馬君は吠えまくる、あまりの嬉しさと興奮にアゲアゲマックス大噴火である。

「のってるか~、みんなと旅行、しかもバリ一週間しゃ~~~」

夕方頃、大喜が家にやって来た。
「冬馬ー~~~っ」 「大喜~~~っ」

二人は熱い握手を交わし「しゃ~~バリ旅行~」ぶち上がった。
今回は夏休み始まったばかりの旅行とあって、帰ってきてからも休みがまだ残ってると考えると涙が出るほど嬉しくなる。

「やったね大喜」

「遂にこの日が来たね冬馬」
二人はさっそく二階の冬馬君の部屋でバリの観光ブックを読んではテンションアガっていたのだ。

「多網ときみ子も、きっと今こんな気持ちだろうね」
最高~~っ!!

こうして夏休みがまた今年もやって来たのだ。

ミ~ン  ミン ミ~~~ンッ ミィンッ~~

翌朝、やはり早くに目の覚める二人
学校の日と違い、休みはなんだか早く目が覚める。
まだ朝の5時である。

二人は早速、下の階のリビングへと向かう。
「いやぁ~始まりましたなぁ~」
この瞬間がたまらないんだよ、と言わんばかりの冬馬君のスーパースマイルである。

「夏はいつも冬馬家に居るから、夏休み、ここに来ないと、なんか変な感じになるよ」大喜が笑う。

確かに、ほとんど一緒にいる。
「はやく、多網ときみ子にも会いたいね」
二人は明日からのバリ旅行を思い、顔を見合わせ、再びワロタそうな。

夏休みが始まった

蝉の鳴き声を聞くと、ああ今年もやって来たんだなぁと心弾む

夏祭りに、花火大会、キャンプに、怖い番組鑑賞(笑)

二人の瞳は輝いている。

「そ~言えば、今年はキャンプ行くのかな?」と大喜。

「恒例の行事だから、行きたい」なにより清香に会いたい冬馬君である。

「また、清香とアミとも遊びたいね」大喜が言った。

すると、これから仕事へ行く隆が起きてきた。
「あれ、もう二人起きてるの」

「そっか、これから仕事かぁ」
大人は偉いなぁ、二人は思ふ。

仕事の支度でリビングが占拠されるので冬馬君が言った。
「そうだ、二階でバリの観光ブック読もう」

隆は思う、俺の英語通じるかな?
まっ、なんかあればサーさんが居るし。(コヤツには分からない、本当のサーの英語力を)

観光ブックを寝っ転がりながら読んでいる二人
「このお寺もなんか凄いね」

「うわぁ~これ美味しそう!夕日が凄い綺麗に見えるって~」

「凄いリゾート地だ~、早く海に入りたい」
しゃ~しゃ~しゃ~~上がり続けるテンション。
更にここから、一ヶ月の休み。
たまらん、たまらんばい~(誰だよ)

その日の午後
二人は外に出た。

「あの川辺に行こうよ」
冬馬君の提案により、二人はいつもの川辺に向かう。

「あのお兄さん居るかなぁ?」

「なんだかんだ、あの告白の事件以来ずっと仲いいね(冬馬君の夏休みより)」大喜が言った。

あのお兄さん今日居るかなぁ?

川辺に居ると、絵を描いている姿を発見。
「あ!あのお兄さんだ」
二人はかけて行く
「こんにちは~」

「あっ、冬馬君に大喜君」

「今日仕事休みなんですか?」

「そうなんだ、時間もあるしここで絵を描いてたんだ」

「二人はまさかの夏休み?」

「そうです」

「良いなぁ、僕も学生時代を思い出すよ、一ヶ月の休み、最高だね」

「お兄さんは夏休みはどう過ごすんですか?」

「ほとんど仕事だよ、あっ、そうだ二人に報告があるんだ」

「えっ?」

お兄さんはニンマリ笑う。
「彼女が出来たよ」

その言葉に冬馬君と大喜はニンマリ
「やった~~~」
三人でいつかの夏の事を思い出す。

「あの時、結果振られたけど、勇気を持って告白して良かったと今でも思ってるよ、みんなのおかげ」
いやぁ~照れる二人。

この場所に来て、このお兄さんに会い、会話するのが、とても面白かった。
少し大人の仲間入りをした様で、名前も知らないし、血の繋がりなんかもないけど、本当のお兄さんが出来た様で嬉しかった。
この場所は和む

「それじゃあ僕達行きますね」

「うん、二人も最高の夏休みをね」

「お兄さんも、彼女によろしく~~」

「ありがとう」
二人はお兄さんに手を振り、川辺を後にした。

「あそこに行くと、あのお兄さんに会えて嬉しいね」
大喜も同じ気持ちみたいだ。

その日の夜
冬馬家では、翌日の旅行の支度が始まり、旅行モードに突入していた。
食事時の会話はバリ話で盛り上がる。
いよいよ明日はバリに出発の日。


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