(続)人斬り少女は逃がさない

怖いねぇ

研師に依頼して約１ヶ月経った
遂にその日はやってきた

「おお‥素晴らしい」
目の前には鞘を抜き刃を見る外観に溶け込める透けた見事な刀身

鑑定も依頼し、やはり無銘だったが役所で登録証が発行できる基準はクリアしているようだ序でに最寄りの警察署にも寄った登録証を見せ書類に書く

有休を使った木曜日の昼下がり、正式にこの刀は所有権を手に入れた

所有者は俺、この刀には存分に手入れを怠らぬよう心に誓ったのであった本来の主人が来る迄は俺と共に居てくれ

何はともあれ帰宅

もう人を斬ることはなかろうこの無銘の刀は拵えを脱ぎ捨て白鞘に収め、桐箱の中でしばし眠る



明日は仕事、寝る支度をし部屋の明かりを消す

明かりを消えた部屋をじっとみる黒髪ロングの喪服姿の女性は微笑む








※少女視点※

「ﾌﾌﾌｯ」この１ヶ月‥不眠不休で培った狙撃術
練りに練った計画、楽しみだ私の玩具が派手に壊れる様を想像するとゾクゾクする

「嗚呼、嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼！！！今すぐにでもあの玩具をじっくり急所を避け撃ち無様に命乞いしながら希望を持たせてから絶望の淵に叩き落としたい！」

最後は死んじゃうけれど大丈夫その恐怖で歪んだ顔を永遠に私のコレクションの仲間にして部屋に飾るわ

‥待っていてもうすぐよでも焦らない
まだ１ヶ月あと少しじっくり念入りに、、、
舌を舐め本来の殺人衝動に駆られた彼女の姿は月夜に踊る





翌朝出勤前にニュースを観ていると最近連続射殺事件が横行しているらしい
犯行には同じ弾丸が、弾痕が一致したとか
被害者同志には全くの無縁らしい
ただ性別は皆男で俺くらいの年齢、俺くらいの背丈、独身、何かしらの武道に成通している人達が被害にあっているらしいが
まさか俺が本丸だとは思うわけがなく

ただボーッと「怖いねぇ‥」の一言で朝食を済ませ職場へ向かう