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付喪仙流の物と者の橋渡し

迷い人形

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 とある日の昼下がり、導士崩れ暗殺者の迎撃をして片付けを済ませた帰りの道中。

「‥ケテ‥タス、ケテ‥」熟れた柿ノ木の下にぼろぼろの人形が助けを求めていた

 少し時代を感じさせられるものの金髪の布製の人形は所々カラスに啄まれたのか綿が飛び出ていたり布地が土で汚れている

「大丈夫か?俺の家で治してやるからな」
 俺、裁縫得意なんだよね

「!?ワタシの声が聴こえるの?」

「そりゃあ付喪神人々の橋渡しをしている邪仙人ですから。ま、新品同様とまでは行かないかもだけれど‥修理治すよ!」

「有難う‥有難う!!」

 感情が良い方向に豊かだなあ、これは相当大切に使われてきたな。呪物化してなくて良かった‥

 ~自宅~

「ただいま」

「お帰りなさい八仙さん!」

「‥後少しでランク上がる‥来い!レア装備!」

 なにやら美さんがぶつくさPCの前で祈ってる

「さちえさんただいま、お昼ごはんは食べました?」

「はい、八仙さんが私が居た時代のお子様ランチを再現してくれたじゃないですか、また作って下さい!」

 昭和初期よりデパートではお子様プレートは老若男女問わず愛されていたらしい。

 この前、ファミレスにさちえさんと行ったときに現代のとは全く異なると、、、
 言うことでちょっと当時のお子様ランチを再現してみたら、これまた大盛況。

「はい、また作らせて頂きましょう(また笑顔を愛でたいんで)‥ところで美さん?」

「なんじゃと!?天井迄回したのに出ない!」

「美様は八仙さんがお出掛けになってからあの調子です。」

 ‥2時間程家をあけたら天井迄課金したんだ


「くうぅッ賭場の勝ち金が‥!!ん?おお、八仙お帰り!なんじゃ、その汚い人形は」


「美さん、さちえさんの護衛の為に暫く部屋に滞在を許可したんですよ?ゲームに夢中になるなら回線契約打ち切りますよ?」


「それは勘弁!」

 美さんは綺麗な五体投地をした。
 いや、必死か!

「はあ‥この人形は帰り道拾ったんです。綺麗にしてあげると約束したもので」

 そういうと、さちえさんが興味津々に人形を見つめる。

「このお人形さん、異国のお姫様みたいで素敵ですね!」

「そ、そうですかね?エヘヘ‥」

「あらお人形さん喋れるんですね!」

「貴女も私の声が聴こえるのですか!?」

「ええ、ハッキリと」

「あの、此方のお嬢さんも邪仙人?様なのですか?」

 人形は俺に問いかける

「ああ、違うよ俺だけ邪仙人でこの子は神隠しで本来なら90以上は越えているよ。因みにそこにいるゲーム廃人は徳が高い仙人様だよ」

 さちえさんは見た目少女の姿だが、ロリばばあって奴だ。

「‥八仙さん私って年齢の概念は結局どうなるんでしょうか?」

 あ、気にしてはいたんだ

「まあ神隠し後からカウントするなら少女でよいのでは?(味覚も子供だしね)」


「のう八仙、その人形私が直してやろうか?」

 ぬうっと背後から美さんが現れた

「‥縫うのは手伝ってもらえますか?」

 以前、美さんがさちえさんに作った猫のぬいぐるみの出来栄えを思い出すと俺の縫い方より繊細で仕上がりも早い。
 此処は任せるか

「任せろ、私が新品同様に縫うてやる!」

「あ、綿詰めと汚れ落としは俺にお任せを」

 ~数時間後~


 なんということでしょう‥
 まるで、アンティークショップで数十万円するような美しい高級感漂う人形へ早変わり。


「素敵!!良かったですねお人形さん!」

 さちえさんは若干興奮している

「そらあ私が緻密に縫い合わせたもの‥当然じゃ!」

「いや、俺の汚れ落としも評価してもらえます?生地も追加せずに再利用できたんですよ?」

 頑固な汚れは本当に落ちにくかった‥


「有難う‥ワタシ、持ち主に大切にしてもらっていたんだけれどその子とお散歩途中に落とされて。」

 持ち主は子供なのか結構良い人形だから持ち主はコレクターかと思った。

「解った、俺が暫く外出時に持ち主探すのを手伝ってあげるよ。」

 まあ、確実に邪魔は入るだろうけれど

「本当!?有難う‥」

 こうしてなんか、付喪仙流本来の活動もすることになった。

「良かったのう八仙。お前、八代目付喪として橋渡しの依頼は久々なんじゃなかろうか?」

 そうなんすよね‥だからこそ

「この依頼は時間かけてでも探して見せますよ」






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