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残念ですええ。
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「(落ち着かん)」
ここはこ洒落たレストラン
詳細はよく解っておらんが目の前に座る派手でなく上品なドレスを着用しなんというか品のある謎の淑女な方に御馳走になっている。
事の発端は6日前だったか道楽者の俺は日課の散歩をしながら道中生えてる草花を観察したり虫の生活を覗いてみたり…
平日あくせく働く人間を後目に悠々自適にふらついていたのだが、その日は1ヶ月の中でも特に暑く、近所の水瓶のメダカやボウフラも干からびていた。
「暑い…日傘差しても暑い…そろそろ帰るか」
帰路に着こうと踵を返して歩いていると
「ちょっとアンタ!こんな狭い道で傘広げてるんじゃないわよ!危ないじゃないこれだから最近の若者は!だいたいこんな平日の真っ昼間から貴方無職なのかしら?もうペラペラグチグチペラペラグチグチーーーー」
なんか絡まれた女性ってヒスるとめんどくさくて苦手だわー暑いし早く帰りたいし、適当に肯定して謝って去るか。
「そうですよね、本当に申し訳ありません。今後気を付けますので失礼しm…」
「ちょっと!なに立ち去ろうとしているの!お話ししたとおり私とお食事して貰うわよ!!」
「…は?」
…で、今に至るわけでして気まずいなあ
テーブルマナーは基礎中の基礎だけはこの6日いないに頭に叩き込んだけれどドレスコードとか疲れるわあ。この日のためにスーツを卸したんだぞこのやろー。
そんな不満と緊張の中、淑女は問いかける
「ねえ。もし良ければ私の物になって貰えないかしら?」
突然の気狂いな発言に全身に悪寒が走る
「…申し訳ありませんそういうのはちょっと」
「そう…」
淑女はシュンとしてしまった愛人だとか恋人だとかもっとマシな言い分あるのに何故、物なのかこういう堂々と所有物宣言する奴に録なのはいない経験上崖っぷちに追いやられる処で選択をさせられる。
恐らく関わればしつこく物にしようとしてくるだろう。
ここの食事を終わらせたら俺が食べた分の代金は置いてとんずらするのが吉だろう。
~それから~
他愛のない噺をしながら食事を済ませ俺は化粧室に向かう淑女を見送ったあと伝票を見る。
「(うん…ランチでも結構な御値段だねぇ、まあいいやえっと確か丁度の額があったあった)すみませ~ん」
「会計は別々で、先に支払っちゃうんで後の支払いは連れが手洗いから戻ってきたらお願いします」
「畏まりました」
ふう…本来こういうのって全額払ってとかの方が格好がつくのだろうが俺はプー太郎なんだ自分の食った料金を払えるだけ偉い!
よし、とんずら…「お待ちください」
「!?うお…え、俺?」
如何にも紳士!って感じの男が現れた
「はいあなた様です。私はあなた様とお食事されておりました女性に仕える執事にございます。」
へーすげぇ付き人なんて生で始めてみたよ
「そうなんですねお食事にお呼ばれ頂き有り難うございます。まあ、俺無職なので自分が飲み食いした分しか払えませんでしたが彼女が戻ってきたら楽しいお食事でしたとお伝え下さい。では「あなた様はお嬢様の物になるとお決めでございますか?」…いいえ」
執事さんの目が怖いのだが?
「あの俺もう行きますね?失礼致します。」
店前で俺は深々とお辞儀をし、踵を返して足早にその場から離れた。
「…残念ですええ。」
途中背後からボソッと執事の声が聞こえたような気がする。
ここはこ洒落たレストラン
詳細はよく解っておらんが目の前に座る派手でなく上品なドレスを着用しなんというか品のある謎の淑女な方に御馳走になっている。
事の発端は6日前だったか道楽者の俺は日課の散歩をしながら道中生えてる草花を観察したり虫の生活を覗いてみたり…
平日あくせく働く人間を後目に悠々自適にふらついていたのだが、その日は1ヶ月の中でも特に暑く、近所の水瓶のメダカやボウフラも干からびていた。
「暑い…日傘差しても暑い…そろそろ帰るか」
帰路に着こうと踵を返して歩いていると
「ちょっとアンタ!こんな狭い道で傘広げてるんじゃないわよ!危ないじゃないこれだから最近の若者は!だいたいこんな平日の真っ昼間から貴方無職なのかしら?もうペラペラグチグチペラペラグチグチーーーー」
なんか絡まれた女性ってヒスるとめんどくさくて苦手だわー暑いし早く帰りたいし、適当に肯定して謝って去るか。
「そうですよね、本当に申し訳ありません。今後気を付けますので失礼しm…」
「ちょっと!なに立ち去ろうとしているの!お話ししたとおり私とお食事して貰うわよ!!」
「…は?」
…で、今に至るわけでして気まずいなあ
テーブルマナーは基礎中の基礎だけはこの6日いないに頭に叩き込んだけれどドレスコードとか疲れるわあ。この日のためにスーツを卸したんだぞこのやろー。
そんな不満と緊張の中、淑女は問いかける
「ねえ。もし良ければ私の物になって貰えないかしら?」
突然の気狂いな発言に全身に悪寒が走る
「…申し訳ありませんそういうのはちょっと」
「そう…」
淑女はシュンとしてしまった愛人だとか恋人だとかもっとマシな言い分あるのに何故、物なのかこういう堂々と所有物宣言する奴に録なのはいない経験上崖っぷちに追いやられる処で選択をさせられる。
恐らく関わればしつこく物にしようとしてくるだろう。
ここの食事を終わらせたら俺が食べた分の代金は置いてとんずらするのが吉だろう。
~それから~
他愛のない噺をしながら食事を済ませ俺は化粧室に向かう淑女を見送ったあと伝票を見る。
「(うん…ランチでも結構な御値段だねぇ、まあいいやえっと確か丁度の額があったあった)すみませ~ん」
「会計は別々で、先に支払っちゃうんで後の支払いは連れが手洗いから戻ってきたらお願いします」
「畏まりました」
ふう…本来こういうのって全額払ってとかの方が格好がつくのだろうが俺はプー太郎なんだ自分の食った料金を払えるだけ偉い!
よし、とんずら…「お待ちください」
「!?うお…え、俺?」
如何にも紳士!って感じの男が現れた
「はいあなた様です。私はあなた様とお食事されておりました女性に仕える執事にございます。」
へーすげぇ付き人なんて生で始めてみたよ
「そうなんですねお食事にお呼ばれ頂き有り難うございます。まあ、俺無職なので自分が飲み食いした分しか払えませんでしたが彼女が戻ってきたら楽しいお食事でしたとお伝え下さい。では「あなた様はお嬢様の物になるとお決めでございますか?」…いいえ」
執事さんの目が怖いのだが?
「あの俺もう行きますね?失礼致します。」
店前で俺は深々とお辞儀をし、踵を返して足早にその場から離れた。
「…残念ですええ。」
途中背後からボソッと執事の声が聞こえたような気がする。
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