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第一章 クッキング無双への一歩

基礎は実践あるのみ

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 ギルドホールにFランク冒険者(仮)の新人達が集められた。
 これから先輩冒険者方と帝都の外部、南の比較的に雑魚魔物モンスターしか生息しないナッタ草原で、冒険者のいろはを叩き込んで貰う。


 ‥ギルド所長の説明はざっくりとこんな感じだ
 早速俺ら新米冒険者とEランク冒険者の先輩方3名と副所長のハッカクさんがナッタ草原へ向かう


 ~ナッタ草原~

「では‥新人冒険者の諸君、これから一日この草原で過ごして貰う。日中は魔物を倒し、夜に備え薪を集め、食糧調達やテントを張り。夜は夜襲に気をつけ、各自早朝まで生き延びられたならば今回の講習で、晴れてFランク冒険者として活動できる!」


 講習という実践行動で学べて、各々に任せる形なのは、大変解りやすくてたすかった。

「また、万が一の場合‥この草原の魔物なら余裕で倒せるEランクの冒険者が巡回しているから、みんな安心して今回の講習に集中してくれ。では、以上だ。‥ちなみにスキルや魔法は習得すると勝手に使えるようになるから、レベルが上がって使えるなら使ってみるがよい。MP切れには気を付けるように~。」

 「「「「はい!」」」」

 Eランク冒険者の講習を受ける新人は俺を含めて4人、冒険者はパーティーを組む事も、ソロで活動も自由。

 ‥なるべく帝王さまにお会いできるよう、悪目立ちして勧誘が続いたら嫌なので暫く、ソロでバンバン魔物を狩ってレベルあげたいな‥なんて考えていたら、目の前にスライムが現れた。
 
 初めての戦闘、取り敢えずマジックリングから細身の鉄剣を取り出した。

「セイッ!」おお、、、案外呆気なかったなあ
 スライムを一撃で倒せた、核も破壊できたようだ。
 魔物には、心臓のような動力部分として、核がからだの何処かに埋まっている。

 それを壊せば消滅か、遺体のまま残り、アイテムや食糧や加工品として使われるのである。

 冒険者は魔物の一部を回収し、ギルドにクエストクリアの報告をする。


 
 目の前のスライムや、緑小鬼ゴブリンを無心で狩り続けていると、、
 何やら魔力が集まってきた。これが、レベルが上がった証拠らしい‥

 ちなみに、魔法は習得すると頭の中ではもう理解しているので、すきな時に放つ事ができる。
 
 その仕組みは、詳しくは知らない。

「あ、ファイアーボールを習得できた」
 
 これがあったらもう、火打石はMP切れ以外必要ないな‥火加減も、調整できれば調理も楽だな

「それにしても、ゴブリンの数多くない?」

 さっきからやたらエンカウントするの、ゴブリンなんだ‥
 経験値が高いから、美味しい戦闘なんだけれども‥錆びたナイフや、古びた弓を扱うゴブリンだけでなく、魔法帽子をかぶったゴブリンに、やたら大きくて筋肉質なゴブリン‥
 まあ、全部倒せたから問題ないか。


 戦闘をしながら薪を集め、食べられそうな物も採ってくる。
 その度、マジックリングに収納すれば、身軽でサクサク探索できたので、妹には感謝しかない

 最高のプレゼントを貰えて幸せ!


 ~昼頃~

 取り敢えず集合地点に戻って昼飯の準備をする
 薪を石ころで囲い、ファイアーボールで着火。持ってきた小釜で湯を沸かす。

 その間に、先程近くの川原で採れたクイーン鯉の下味をつけておく。
 (内臓や鱗は川の水で処理済み)

 湯が沸けばマジックリングの空間から、マグカップを取り出し、茶葉を入れ、湯を注ぎ優雅なティータイム。

 一服している間に下味をつけたクイーン鯉を、
 拾った枝で突き刺し、じっくり焼く。
 
 こんがり焼けたら青葉を皿にして、頬張る。
 
 味付けは塩と、畑の一画で採れた香草とレモンは一切れ贅沢に絞りだした。

「上手い!」冒険者になっても何とかなりそうだなぁ、、、



 ※副所長ハッカク視点※

 私は、今回の実践講習では戦闘料理人であるシモツキ君の観察も任されていた。

 彼は元々冒険者だったかと思う程、野営の生活を黙々とこなしていた。
 
 魔物も、実は最近ゴブリンファイターやマジックゴブリンの出現報告もあり、密かにDランクの冒険者に監視、討伐を依頼していたのだが‥どうやらこの辺りには出現してなさそうだ。

「副所長!報告です」
 
 む、噂をすれば「ご苦労、倒してくれたのかね?此処等にはまだ出現してないからな。新人達に被害が出てなくて‥「討伐したのは、あの実践講習中のシモツキ殿です!」良かっえ、ええ!?」

「それが‥本人は全く気づいてない様子でしたがゴブリンファイター、マジックゴブリン他、アーチャーゴブリンと、次々と討伐しながら採集し、ヒスイ湖で釣りをしておりました」

「そうか‥結構近くまで魔物はいたのね。結果的には音沙汰なく解決できたことだし、、それにしても、彼の職業ジョブがレアだとはいえ冒険者としては今回が初めて、魔物すら討伐したのは初だろう?」

「はい、以前の鑑定書の記されていた通りでしたら彼は戦闘経験は皆無。調理の方は元々趣味だった模様で、調理スキルは結構な実力です」

「うーん、まあ夜営があるから‥引き続き散策しといてくれる?」

「はっ!」(隠密)スキルを使い、持ち場に戻ったDランク冒険者

 副所長のハッカクは悩んだ

「後でレポートに纏めないと駄目っぽいな、めんどうくさいなあ‥」

 最近、夜な夜なかみさんに内緒で毎日行っているパブに通えなくなることに‥


「副所長!大変だー!!」
 Eランクの冒険者が走ってきた

「どうしたんだそんなに慌てて」

「俺らパーティーで新人の安全確保してる際、オークが3体此方に向かって来てるんだ!今俺らの仲間のふたりが、新人と共に此方に逃げている俺は先に伝言の為にスキル(ハヤブサ)で飛んできたんだ‥!」

 オークが3体?

「副所長!そのオークは2体仕留めましたが、、仕留めそこねた一匹が、此方に向かってきております!」Dランクの冒険者が報告に来た

「ご苦労、後一体ならまあ私らで片付けられる‥いや、私達は手を出さないであの子に任せてみよう」

 副所長ハッカクは、のほほんと昼食をとる俺に眼をやる

「正気ですか!?あいつはまだFランクで新人、しかも実戦講習中ですよ?」

 Eランクの男が叫ぶ

「あ、キミは知らなかったけ?彼はね、職業ジョブが戦闘料理人で、今日の講習を観察していてもぶっちゃけ、、、此処等の魔物も隣国の魔物も余裕で倒せるくらい実力あるから大丈夫だ。」

「しかし‥ゴブリンファイターと比べるとオークはDランク冒険者の中でも苦戦しながら倒す魔物‥シモツキ殿の実力は確かですが、万が一は私が援護しても?」

 Dランクの男は副所長に懇願する

「ああ勿論‥というか万が一、億が一になったら私も加勢するから。大丈夫だろうけどね!」

 Eランクの男は告げる

「俺も此処で観察してもいいすか?仲間も、新人達も無事なようですし‥彼も期待のルーキーらしいし、俺も學べることがあるかもですし。」

「ああ勿論だ。よく見てなさい、、彼はね期待どおりの活躍をするさ!」



 一方、俺は昼食を食べていると‥
 けたたましい鳴き声と共に草むらからでっかい二足歩行の豚が現れた。

 確か、あれはオーク‥市場の肉の価値は安い部位でも銀貨5枚懸かる。高級食材だ!狩らない訳にはいかない‥食卓が豪華になる、、明日の夕食はオーク肉のステーキ!

「よっしゃあ!新鮮な部位を頂くぞ!」

 俺は、マジックリングから肉切り包丁を出した
 倒したらそのまま解体するためだ。

「おらあ!血抜きして鮮度を保って俺と妹の糧となれぇ!!」

 結果、オークはあっという間に倒されて枝肉から精肉にされ、マジックリングの中に収納された


 俺は予期せぬ収穫にご機嫌だ、夜が更ける前に夕飯の支度をしなくちゃ。
 さっき捌いたオーク肉と、畑で採れた野菜と、あとは‥この草原で狩れそうな兎や鳥も探してこよう。




 ※副所長ハッカク視点※

「えーーーーっ!まじか、副所長?戦闘料理人ってあんなに強いんですか?只の肉切り包丁を出したと思ったらそのまま解体しやがった‥」 

「うん‥私も想定外の強さで驚いている。つーか彼、終始食材としか見ていなかったんだが」

「ええ‥実はスキル(投影)で先程の戦闘を録画したのですが、確かに終始どう調理しようだとか‥明日の夕食はステーキ!と、嬉々として解体作業に入ってます」
 
 Dランクの男は隠密行動に長けたジョブである
 盗賊の上位職忍びアサシンであるスキル(投影)で情報を記録し、魔力で紙に映像を写し出せる。

「え、今の(投影)してくれてたの?後でくれないかな。報告書と一緒に提出するから」

「御意」

「あのう‥僕にも貰えませんか?実は魔物の捌きかたパーティー全員苦手なので、教材として」


「教材‥それ使えそうだな、、この子にも上げてくれる?」

「畏まりました」
「やった!有り難うございます!」

 ハッカクは思った、教材として売ればギルドの資金も潤うんじゃね?と



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