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陣中飯屋

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「ちくしょう俺等だって自分の畑の収穫せにゃならんのに戦が長引くからってなにもこんな山奥で一週間も留まらなくたってええじゃないか」

「ほんに…兵糧だって尽きかけてるしなあ」

「銭だけはあるが食い物…」


 さあさあお集まりくだされ!

「なんだあ?」

「!うお大きな鍋にうまそうな粥が!」


 ええ、おら…わたくしめは東の國より遥々とやって参りました流れの飯屋にございまする!


「飯屋?」

 はい、金さえ払って頂けましたら腹一杯食べられますだよ!


「「「「おーー!」」」」


「俺たちゃあ銭だけはたんまりあんだおっちゃん美味い飯たのめるかい?」


 おまかせあれ!(まだまだ若いべ失敬な)


 さあさあ熱いうちに旬の野菜をふんだんに使った粥を更に酒、茶もございますぞ!


「ウウッ生きていてよかった!」


「嗚呼、これで力は蓄えられたし、戦が始まっても生きて帰れる!」


 げへへ毎度ありがとうございますだべ


(実はこの食糧や酒、茶葉は貴方等の雇い主のところから掻っ払ってるから元手ゼロでなんて素晴らしい商売か…さて、そろそろお上にバレる前に撤退すんべ)
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