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御前会議2
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イバンス王国派遣部隊のイザベラからの報告を受けてアイラス王国では御前会議が開かれていた。
アイラス王の御前に王国政府関係者が揃うが、その末席には場違いな者が座っている。
風の都市の冒険者ギルド長のランドルと業務責任者のシーナだ。
通常ならば一都市の冒険者ギルド関係者が出席を許される会議ではないのだが、今回は特別に要請されての出席である。
また、普段は御前会議に出席してもほとんど発言せずに政治に介入することの無い有力貴族エルフォード家当主のセシルの姿もあるが、今回は執事のマイルズを伴っていた。
会議の冒頭にイザベラからの報告によりイバンス女王の生存と王国の現状の一端が判明し、一連の事件が風の都市の冒険者ゼロの仕業でなく、ノー・ライフ・キングの出現によるものであり、ゼロの働きにより唯一、鉱山の街が持ちこたえていたこと。
ゼロの死霊を主力とした反攻作戦により国の奪還を試みるが、それでも不足する戦力を補うためにアイラス王国を通じて各国の協力を要請することが伝えられた。
「とりあえず、我が国の冒険者の所業でないことが明らかになったのだ。リングルンドの要請と併せて各国に伝達するべきだろう」
「しかし、反攻作戦の主力を担うのが件のネクロマンサーとは・・・。他国の理解を得るのは難しいのではないか?むしろ、我が軍からの追加派遣を行うべきではないか?」
出席者の意見を聞いていたアイラス王が頷く。
「皆の意見は尤もだ。しかし、我が軍を追加するにしても多くは送れまい。その冒険者の助力なくしてイバンス王国の奪還は難しい。しかし、余はそのゼロなる冒険者のことをよく知らぬ。先の大戦の折にはその身を挺して魔王を討伐したにも関わらずだ。ネクロマンサーというだけで情報を規制して、彼の功績は闇に葬られたのだ。そこで今日はゼロと縁深い者に出席してもらった。まず、ゼロのことを理解することから始めよう」
そう言ったアイラス王に促され、先ずはセシルが口を開いた。
「我がエルフォード家はゼロ様に危機を救われました。その一件以来、我が家とゼロ様は親好を深めて参りました。彼の人となりを言えば、誠実で誇り高い。彼との縁は我が家の財産であります。加えて私の婚約者であるルーク・クロウシスも家の危機をゼロ様に救われ、大恩を賜りました。不敬を覚悟で言えば、ゼロ様に仇なす者あるならば、エルフォード家とクロウシス家は如何なる者、国家であろうとも、家名を掛けて刃を向ける覚悟があります」
「ゼロ殿は私の生涯の友であり、彼と知己を得たことは私の誇りであります。ゼロ殿の大事とあらば、私は何を差し置いても剣を手にゼロ殿の下に駆けつける所存。仮にゼロ殿が人々の敵となるならば・・・ゼロ殿を討つべく剣を取るか、ゼロ殿と肩を並べて戦うか。正直、どちらも魅力的で悩みますな」
悪戯っぽく笑うセシルと無表情で語るマイルズに他の出席者は顔を見合わせ、アイラス王は苦笑しながら聞き入る。
続いて風の都市の冒険者ギルド長のランドルが立ち上がる。
「ゼロは風の都市の冒険者ギルドに所属しておりますが、仕事に対する姿勢と人柄は誠実であり、何より誇り高い。指名依頼を断ることは殆ど無く、他者が避けるような割の合わない仕事も積極的に請け負ってくれています。現に今回の反攻作戦もわざわざイバンス王国からの指名依頼という形式を取っているほどです。彼の真摯な仕事のおかげで当ギルドの依頼の未処理案件率は他のギルドに比べて著しく低くなっています。何より、救国の英雄レオン達のパーティーはゼロの指導を受け、ゼロの背中を見て英雄にまで成長しましたし、聖女・・今は聖女の名を返上していますが、セイラ・スクルドもその成長にはゼロの影響を大きく受けています。ゼロが当ギルドに所属して幾年も経ちますが、今や彼は風の都市の冒険者ギルドに無くてはならない存在です。特に彼の人となりならば、当ギルドの業務責任者であるシーナ・リドルナが一番理解しています」
ランドルはシーナに発言を促す。
「ゼロさんはネクロマンサーです。皆さんが思っているとおり、他者に忌み嫌われる不遇職でありますが、そんなことはゼロさんが一番理解しています。それでもゼロさんは自分の職業に誇りを持ち、黙々とその道を歩み続けてきました」
言葉を切って鋭い視線で諸侯を見渡した後に発言を続ける。
「普段の彼は感情の起伏が殆ど無いものの、基本的には穏やかで優しい人です。しかし、その反面、冷徹で情け容赦ない一面を持っています。時として目的のためには手段を選ばず、自らの命すらも意に介さずに前に進もうとしてしまいます。・・・正直申し上げて、今回の件はゼロさんのことを信じている私や私の友であり、私と同じくゼロさんの愛人である賢者レナ・ルファードも不安がありましたし、後を追う覚悟でゼロさんを討つ覚悟もありました。なぜなら、ゼロさんは誠実で誇り高く、私利私欲では動きませんが、何らかの事情で、ゼロさんの価値観に合致する事態が発生した場合、ゼロさんは世界を敵に回すことに迷いはないでしょう」
自分とレナがゼロの愛人であることをサラリと話すシーナ。
「私も含めてゼロさんを知る殆どの者が彼のことを誇り高いと言います。でも、ゼロさん自身は自らをそう評価していません。自らの職に誇りと信念を持っていることは間違いありませんが、そのことについては殆どひけらかすことなく、自分の選んだ道を歩み続け、極めようとしており、その結果として彼に対する評価がついて回っているのです」
会議場が静まり返る。
ゼロの人となりと冒険者としての評価だけを聞けば優秀な冒険者であることは理解できる。
しかしながら、どうしてもゼロのことを受け入れることができないのだ。
「とにかく、リングルンドの要請に従って各国に援軍の派遣を呼び掛けるべきだ。東の連邦国や共和国は多少なりとも応じてくれるだろう」
「だが、作戦の主力をネクロマンサーの死霊が担うとは・・・。死霊を駆逐するのに死霊を使う、本末転倒ではないか」
「うむ、ネクロマンサーの力を借りるとは・・・。他国だけでない、国内でも支持を得られまい」
「我が国がそのゼロなるネクロマンサーと関係が深いとなれば、我が国に対する他国からの評価も地に落ちかねん」
「やはり、その汚らわしいネクロマンサーを排除して策を練るべきだ」
「同意する。そのゼロにはまた裏仕事を回し、作戦の主力は我が軍とイバンス軍が担うべきだ」
諸侯の意見に呆れ顔のセシルやマイルズ。
ランドルも同様であり、シーナに至っては怒りの表情で諸侯を睨みつけている。
その時、
「いい加減にせぬか!」
アイラス王が一喝した。
「皆の考えも理解できる。しかし、考えを改めよ!現実的に我が国の派遣部隊とイバンス軍の残存兵力、合わせて千程度の寄せ集めに主力が務まるのか?皆が忌み嫌うネクロマンサーに世界を救われた現実からいつまで目を背けているのだ?セシルを始めとしてこの場にいる者だけでない。他にも多くの者がゼロとの縁を紡いできたと聞く。ネクロマンサーという不遇職にありながら人々との縁を広げてきたのはその人柄や仕事に対する姿勢あればこそではないのか?」
イバンス王の言に皆が静まり返る。
「確かに、他国からの理解を得難いだろう。しかし、我等までがゼロに疑念を抱いたままでは足下をすくわれるぞ!我が国だけでもゼロを信じて他国の疑いの目からゼロを守らなくてどうする?他国と同じように我等までがゼロを疑ったまま、ゼロを追い込んでしまう危険性を考えてみよ!リドルナ嬢が言うとおり、何らかのきっかけでゼロまでもが敵に回るぞ!そうなった時、我が国だけでなく、世界が滅ぶやもしれぬぞ」
最早誰もアイラス王に異論を唱える者はいなかった。
御前会議の結果、直ちに各国への使者の派遣と追加派遣部隊を捻出するための軍の再編が行われることが決定したのであった。
アイラス王の御前に王国政府関係者が揃うが、その末席には場違いな者が座っている。
風の都市の冒険者ギルド長のランドルと業務責任者のシーナだ。
通常ならば一都市の冒険者ギルド関係者が出席を許される会議ではないのだが、今回は特別に要請されての出席である。
また、普段は御前会議に出席してもほとんど発言せずに政治に介入することの無い有力貴族エルフォード家当主のセシルの姿もあるが、今回は執事のマイルズを伴っていた。
会議の冒頭にイザベラからの報告によりイバンス女王の生存と王国の現状の一端が判明し、一連の事件が風の都市の冒険者ゼロの仕業でなく、ノー・ライフ・キングの出現によるものであり、ゼロの働きにより唯一、鉱山の街が持ちこたえていたこと。
ゼロの死霊を主力とした反攻作戦により国の奪還を試みるが、それでも不足する戦力を補うためにアイラス王国を通じて各国の協力を要請することが伝えられた。
「とりあえず、我が国の冒険者の所業でないことが明らかになったのだ。リングルンドの要請と併せて各国に伝達するべきだろう」
「しかし、反攻作戦の主力を担うのが件のネクロマンサーとは・・・。他国の理解を得るのは難しいのではないか?むしろ、我が軍からの追加派遣を行うべきではないか?」
出席者の意見を聞いていたアイラス王が頷く。
「皆の意見は尤もだ。しかし、我が軍を追加するにしても多くは送れまい。その冒険者の助力なくしてイバンス王国の奪還は難しい。しかし、余はそのゼロなる冒険者のことをよく知らぬ。先の大戦の折にはその身を挺して魔王を討伐したにも関わらずだ。ネクロマンサーというだけで情報を規制して、彼の功績は闇に葬られたのだ。そこで今日はゼロと縁深い者に出席してもらった。まず、ゼロのことを理解することから始めよう」
そう言ったアイラス王に促され、先ずはセシルが口を開いた。
「我がエルフォード家はゼロ様に危機を救われました。その一件以来、我が家とゼロ様は親好を深めて参りました。彼の人となりを言えば、誠実で誇り高い。彼との縁は我が家の財産であります。加えて私の婚約者であるルーク・クロウシスも家の危機をゼロ様に救われ、大恩を賜りました。不敬を覚悟で言えば、ゼロ様に仇なす者あるならば、エルフォード家とクロウシス家は如何なる者、国家であろうとも、家名を掛けて刃を向ける覚悟があります」
「ゼロ殿は私の生涯の友であり、彼と知己を得たことは私の誇りであります。ゼロ殿の大事とあらば、私は何を差し置いても剣を手にゼロ殿の下に駆けつける所存。仮にゼロ殿が人々の敵となるならば・・・ゼロ殿を討つべく剣を取るか、ゼロ殿と肩を並べて戦うか。正直、どちらも魅力的で悩みますな」
悪戯っぽく笑うセシルと無表情で語るマイルズに他の出席者は顔を見合わせ、アイラス王は苦笑しながら聞き入る。
続いて風の都市の冒険者ギルド長のランドルが立ち上がる。
「ゼロは風の都市の冒険者ギルドに所属しておりますが、仕事に対する姿勢と人柄は誠実であり、何より誇り高い。指名依頼を断ることは殆ど無く、他者が避けるような割の合わない仕事も積極的に請け負ってくれています。現に今回の反攻作戦もわざわざイバンス王国からの指名依頼という形式を取っているほどです。彼の真摯な仕事のおかげで当ギルドの依頼の未処理案件率は他のギルドに比べて著しく低くなっています。何より、救国の英雄レオン達のパーティーはゼロの指導を受け、ゼロの背中を見て英雄にまで成長しましたし、聖女・・今は聖女の名を返上していますが、セイラ・スクルドもその成長にはゼロの影響を大きく受けています。ゼロが当ギルドに所属して幾年も経ちますが、今や彼は風の都市の冒険者ギルドに無くてはならない存在です。特に彼の人となりならば、当ギルドの業務責任者であるシーナ・リドルナが一番理解しています」
ランドルはシーナに発言を促す。
「ゼロさんはネクロマンサーです。皆さんが思っているとおり、他者に忌み嫌われる不遇職でありますが、そんなことはゼロさんが一番理解しています。それでもゼロさんは自分の職業に誇りを持ち、黙々とその道を歩み続けてきました」
言葉を切って鋭い視線で諸侯を見渡した後に発言を続ける。
「普段の彼は感情の起伏が殆ど無いものの、基本的には穏やかで優しい人です。しかし、その反面、冷徹で情け容赦ない一面を持っています。時として目的のためには手段を選ばず、自らの命すらも意に介さずに前に進もうとしてしまいます。・・・正直申し上げて、今回の件はゼロさんのことを信じている私や私の友であり、私と同じくゼロさんの愛人である賢者レナ・ルファードも不安がありましたし、後を追う覚悟でゼロさんを討つ覚悟もありました。なぜなら、ゼロさんは誠実で誇り高く、私利私欲では動きませんが、何らかの事情で、ゼロさんの価値観に合致する事態が発生した場合、ゼロさんは世界を敵に回すことに迷いはないでしょう」
自分とレナがゼロの愛人であることをサラリと話すシーナ。
「私も含めてゼロさんを知る殆どの者が彼のことを誇り高いと言います。でも、ゼロさん自身は自らをそう評価していません。自らの職に誇りと信念を持っていることは間違いありませんが、そのことについては殆どひけらかすことなく、自分の選んだ道を歩み続け、極めようとしており、その結果として彼に対する評価がついて回っているのです」
会議場が静まり返る。
ゼロの人となりと冒険者としての評価だけを聞けば優秀な冒険者であることは理解できる。
しかしながら、どうしてもゼロのことを受け入れることができないのだ。
「とにかく、リングルンドの要請に従って各国に援軍の派遣を呼び掛けるべきだ。東の連邦国や共和国は多少なりとも応じてくれるだろう」
「だが、作戦の主力をネクロマンサーの死霊が担うとは・・・。死霊を駆逐するのに死霊を使う、本末転倒ではないか」
「うむ、ネクロマンサーの力を借りるとは・・・。他国だけでない、国内でも支持を得られまい」
「我が国がそのゼロなるネクロマンサーと関係が深いとなれば、我が国に対する他国からの評価も地に落ちかねん」
「やはり、その汚らわしいネクロマンサーを排除して策を練るべきだ」
「同意する。そのゼロにはまた裏仕事を回し、作戦の主力は我が軍とイバンス軍が担うべきだ」
諸侯の意見に呆れ顔のセシルやマイルズ。
ランドルも同様であり、シーナに至っては怒りの表情で諸侯を睨みつけている。
その時、
「いい加減にせぬか!」
アイラス王が一喝した。
「皆の考えも理解できる。しかし、考えを改めよ!現実的に我が国の派遣部隊とイバンス軍の残存兵力、合わせて千程度の寄せ集めに主力が務まるのか?皆が忌み嫌うネクロマンサーに世界を救われた現実からいつまで目を背けているのだ?セシルを始めとしてこの場にいる者だけでない。他にも多くの者がゼロとの縁を紡いできたと聞く。ネクロマンサーという不遇職にありながら人々との縁を広げてきたのはその人柄や仕事に対する姿勢あればこそではないのか?」
イバンス王の言に皆が静まり返る。
「確かに、他国からの理解を得難いだろう。しかし、我等までがゼロに疑念を抱いたままでは足下をすくわれるぞ!我が国だけでもゼロを信じて他国の疑いの目からゼロを守らなくてどうする?他国と同じように我等までがゼロを疑ったまま、ゼロを追い込んでしまう危険性を考えてみよ!リドルナ嬢が言うとおり、何らかのきっかけでゼロまでもが敵に回るぞ!そうなった時、我が国だけでなく、世界が滅ぶやもしれぬぞ」
最早誰もアイラス王に異論を唱える者はいなかった。
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