29 / 196
エルフォードの亡霊5
しおりを挟む
4日目の朝を迎えた。
エレナの意識は戻らない。
ただ昏々と眠り続ける、その表情は安らぎに満ちており、来るべき旅立ちの時を穏やかに待っているようであった。
ゼロは朝から昨夜の戦いの後始末をしていた。
敷地内のそこかしこに散乱している魔物の死体を回収して完全に灰になるまで焼却する作業を繰り返していた。
屋敷の使用人が手伝いを申し出たが、魔物の死体であることもあり、ゼロが1人で処理することにした。
1人で作業をしているゼロのもとにマイルズが休憩の誘いに来た。
「ゼロ殿、お茶でもいかがですか?」
マイルズに誘われて作業を中断して屋敷の庭先のテーブルで休憩を取ることにする。
「先ほどエレナ様が意識を取り戻しました。ただ、混濁気味で私共に視線を向けて頷く程度の反応しかありません。今は主治医が診ておりますが、安定はしているものの、長くはないようです」
「そうですか」
「もう、本当にその時なのですね」
ゼロは何も答えられなかった。
「そういえば、ゼロ殿に依頼する前に高位の神官様にお願いしたことを覚えておいでですか?」
「はい、解決に至らなかったと」
「左様でございます。神官様を恨むような気持ちはないのですが、仮にあの時にゼロ殿にお願いしたならば結果は変わっていたのでしょうか」
ゼロは思案した後に口を開いた。
「仮定の話しはしたくはありませんが、数ヶ月前、まだエレナさんの夢の中に潜んでいた夢魔を突き止められたかどうかは自信がありません。また、セレナさんの霊も相当弱っていましたから、死霊術師として意志の疎通ができたかどうか・・・。ただ、セレナさんの霊は邪気を纏っていなかったからこそ霊を浄化しようとする神官では彼女に気がつかなかったのだと思います。これは死者を隣人とする死霊術師と聖職者の違いであって、能力の問題ではありませんね」
「そうですか・・・」
マイルズはお茶を啜る。
「それからもう一つ、奴にとどめを刺す機会を私に譲っていただいて、心遣いに感謝いたします」
マイルズの謝意にゼロは肩を竦める。
「実は、マイルズさんに華を持たせただけではないのですよ」
「と申しますと?」
「夢魔を確実に仕留めるために聖水を使うことは不可欠だったのですが、実は私は聖水が体に付着すると火傷をしてしまうのですよ」
ゼロは笑った。
「それは・・・何故」
「別に私が浄化されてしまうとか、私が魔物とかいうわけではありません。ただ、死霊術師の私は常に体に死霊の気を纏っているんです。その気に聖水が反応してしまいまして、軽い火傷を負ってしまうんです」
「それはそれは、不便なものですな。でも、そのおかげで私はあの時だけはエレナ様の騎士でいられたのですよ」
そう語るマイルズは事を成し遂げた男の表情だった。
お茶を飲み終え、ゼロは作業に戻り、マイルズもエレナの寝室に戻っていった。
その後もゼロは黙々と作業を続け、太陽が天頂を越えて午後になり、ゼロの作業も殆どが終わりそうな頃、1頭の馬が屋敷の敷地に駆け込んできた。
馬を操る男の他に1人の少女が乗っており、屋敷内から飛び出してきたメイド達に案内されて中に駆け込んでいった。
エレナの孫娘のセシルが到着したようだ。
ゼロはその様子を横目に作業を終えて後片付けに取りかかった。
そして、一刻程の後、片付けも終えて休んでいたゼロの前にマイルズが現れた。
「先ほどエルフォード家当主エレナ・エルフォード様にあらせられましてはご逝去なさいました」
「・・・間に合いましたか?」
「はい、セシル様が到着した折にはエレナ様も僅かながら意識があり、穏やかな笑顔でセシル様を迎え、そのお手を握ることもできました。それから半刻程、2人きりの時間を過ごすことができ、最期は私共使用人を含め、セシル様に見守られながら眠るように旅立たれました。それは安らかな旅立ちでした」
「それは良かったですね」
マイルズはゼロに深々と頭を下げた。
「此度の一件、わがエルフォード家はゼロ殿にはどれほど感謝してもし尽くせない程の大恩を賜りました。つきましては、エレナ様の安らかなご様子をご覧になっていただきたいことと、次期当主セシル・エルフォード様がご挨拶とお礼を述べたいとのことです」
言葉を聞いたゼロは首を振った。
「どちらもお断りします」
「なんですと?」
「私のここでの役目は終わりました。確かに私はマイルズさんの、エルフォード家の依頼を受けて参りました。しかし、ご存知のとおり私は死霊術師です。死霊の気を纏っている私が安らかな死を迎えた方に近づくのは好ましくありません。それに、次期当主のセシルさんは新たなエルフォード家を担う者として、私のような者と接点を持たない方がいいでしょう」
「しかし、ゼロ殿!当家はそのようなことは・・」
ゼロはマイルズの言葉を遮る。
「それは分かっています。それでもです。お気持ちだけで。お断りさせていただきます」
「しかし、それではゼロ殿に何も報いることができないではありませんか」
「いえ、今回の依頼ではたっぷりと報酬をいただけますから」
ゼロは笑った。
「そんなもので今回のご恩は!」
食い下がるマイルズを前に暫く考え込んだゼロは
「そうですね、実は今回の一件でマイルズさんと知己を得られたことは私に取って大きな収穫なんですよ」
「なんと!」
「昨夜の戦いの最中、不謹慎ですが、マイルズさんと共に戦った時、安心して背中を任せられる仲間がいるのもいいと思いましてね」
「それは光栄でありますな」
「そうですね、今回の報酬以外で私に報いてくれるならば私の友になってくれて、たまに酒でも酌み交わしてもらえれば十分ですよ」
マイルズはゼロの手を握った。
「私の方こそ、この歳になりまして素晴らしい友を得られるならば嬉しい限りです。お互い歳は離れておりますが、このガストン・マイルズ、ゼロ殿の生涯の友とさせていただきましょう」
2人は固い握手をした。
「それでは、依頼も達成したので、私は風の都市に戻ります。ああ、歩いて帰りますからね、送りの馬車は不要です」
ゼロは歩き出し、マイルズはゼロを正面門まで見送った。
「ゼロ殿はどう思われても、この一件はエルフォード家は決して恩を忘れることはありません。ゼロ殿に危機が迫るならばエルフォードは全力を持って支援させていただきます。私個人としても友の危機とあらば万難を排して駆けつけますぞ」
ゼロは苦笑した。
「マイルズさんも引き下がりませんね」
「粘り強い引かない心、鉄壁の守り。それがエルフォード騎士の本懐でありますので」
ゼロとマイルズは最後に再び固い握手をして別れた。
風の都市に向かって歩き出した時、涼やかな風がゼロを包んだ。
風に誘われてエルフォード屋敷を振り返ってみたところ、屋敷の2階テラスからゼロを見送る少女の姿があった。
その少女は振り向いたゼロに深々と頭を下げた。
ゼロも軽く手を上げて応えた後に踵を返し、その後は振り返ることなく風の都市に向かって歩いていった。
エレナの意識は戻らない。
ただ昏々と眠り続ける、その表情は安らぎに満ちており、来るべき旅立ちの時を穏やかに待っているようであった。
ゼロは朝から昨夜の戦いの後始末をしていた。
敷地内のそこかしこに散乱している魔物の死体を回収して完全に灰になるまで焼却する作業を繰り返していた。
屋敷の使用人が手伝いを申し出たが、魔物の死体であることもあり、ゼロが1人で処理することにした。
1人で作業をしているゼロのもとにマイルズが休憩の誘いに来た。
「ゼロ殿、お茶でもいかがですか?」
マイルズに誘われて作業を中断して屋敷の庭先のテーブルで休憩を取ることにする。
「先ほどエレナ様が意識を取り戻しました。ただ、混濁気味で私共に視線を向けて頷く程度の反応しかありません。今は主治医が診ておりますが、安定はしているものの、長くはないようです」
「そうですか」
「もう、本当にその時なのですね」
ゼロは何も答えられなかった。
「そういえば、ゼロ殿に依頼する前に高位の神官様にお願いしたことを覚えておいでですか?」
「はい、解決に至らなかったと」
「左様でございます。神官様を恨むような気持ちはないのですが、仮にあの時にゼロ殿にお願いしたならば結果は変わっていたのでしょうか」
ゼロは思案した後に口を開いた。
「仮定の話しはしたくはありませんが、数ヶ月前、まだエレナさんの夢の中に潜んでいた夢魔を突き止められたかどうかは自信がありません。また、セレナさんの霊も相当弱っていましたから、死霊術師として意志の疎通ができたかどうか・・・。ただ、セレナさんの霊は邪気を纏っていなかったからこそ霊を浄化しようとする神官では彼女に気がつかなかったのだと思います。これは死者を隣人とする死霊術師と聖職者の違いであって、能力の問題ではありませんね」
「そうですか・・・」
マイルズはお茶を啜る。
「それからもう一つ、奴にとどめを刺す機会を私に譲っていただいて、心遣いに感謝いたします」
マイルズの謝意にゼロは肩を竦める。
「実は、マイルズさんに華を持たせただけではないのですよ」
「と申しますと?」
「夢魔を確実に仕留めるために聖水を使うことは不可欠だったのですが、実は私は聖水が体に付着すると火傷をしてしまうのですよ」
ゼロは笑った。
「それは・・・何故」
「別に私が浄化されてしまうとか、私が魔物とかいうわけではありません。ただ、死霊術師の私は常に体に死霊の気を纏っているんです。その気に聖水が反応してしまいまして、軽い火傷を負ってしまうんです」
「それはそれは、不便なものですな。でも、そのおかげで私はあの時だけはエレナ様の騎士でいられたのですよ」
そう語るマイルズは事を成し遂げた男の表情だった。
お茶を飲み終え、ゼロは作業に戻り、マイルズもエレナの寝室に戻っていった。
その後もゼロは黙々と作業を続け、太陽が天頂を越えて午後になり、ゼロの作業も殆どが終わりそうな頃、1頭の馬が屋敷の敷地に駆け込んできた。
馬を操る男の他に1人の少女が乗っており、屋敷内から飛び出してきたメイド達に案内されて中に駆け込んでいった。
エレナの孫娘のセシルが到着したようだ。
ゼロはその様子を横目に作業を終えて後片付けに取りかかった。
そして、一刻程の後、片付けも終えて休んでいたゼロの前にマイルズが現れた。
「先ほどエルフォード家当主エレナ・エルフォード様にあらせられましてはご逝去なさいました」
「・・・間に合いましたか?」
「はい、セシル様が到着した折にはエレナ様も僅かながら意識があり、穏やかな笑顔でセシル様を迎え、そのお手を握ることもできました。それから半刻程、2人きりの時間を過ごすことができ、最期は私共使用人を含め、セシル様に見守られながら眠るように旅立たれました。それは安らかな旅立ちでした」
「それは良かったですね」
マイルズはゼロに深々と頭を下げた。
「此度の一件、わがエルフォード家はゼロ殿にはどれほど感謝してもし尽くせない程の大恩を賜りました。つきましては、エレナ様の安らかなご様子をご覧になっていただきたいことと、次期当主セシル・エルフォード様がご挨拶とお礼を述べたいとのことです」
言葉を聞いたゼロは首を振った。
「どちらもお断りします」
「なんですと?」
「私のここでの役目は終わりました。確かに私はマイルズさんの、エルフォード家の依頼を受けて参りました。しかし、ご存知のとおり私は死霊術師です。死霊の気を纏っている私が安らかな死を迎えた方に近づくのは好ましくありません。それに、次期当主のセシルさんは新たなエルフォード家を担う者として、私のような者と接点を持たない方がいいでしょう」
「しかし、ゼロ殿!当家はそのようなことは・・」
ゼロはマイルズの言葉を遮る。
「それは分かっています。それでもです。お気持ちだけで。お断りさせていただきます」
「しかし、それではゼロ殿に何も報いることができないではありませんか」
「いえ、今回の依頼ではたっぷりと報酬をいただけますから」
ゼロは笑った。
「そんなもので今回のご恩は!」
食い下がるマイルズを前に暫く考え込んだゼロは
「そうですね、実は今回の一件でマイルズさんと知己を得られたことは私に取って大きな収穫なんですよ」
「なんと!」
「昨夜の戦いの最中、不謹慎ですが、マイルズさんと共に戦った時、安心して背中を任せられる仲間がいるのもいいと思いましてね」
「それは光栄でありますな」
「そうですね、今回の報酬以外で私に報いてくれるならば私の友になってくれて、たまに酒でも酌み交わしてもらえれば十分ですよ」
マイルズはゼロの手を握った。
「私の方こそ、この歳になりまして素晴らしい友を得られるならば嬉しい限りです。お互い歳は離れておりますが、このガストン・マイルズ、ゼロ殿の生涯の友とさせていただきましょう」
2人は固い握手をした。
「それでは、依頼も達成したので、私は風の都市に戻ります。ああ、歩いて帰りますからね、送りの馬車は不要です」
ゼロは歩き出し、マイルズはゼロを正面門まで見送った。
「ゼロ殿はどう思われても、この一件はエルフォード家は決して恩を忘れることはありません。ゼロ殿に危機が迫るならばエルフォードは全力を持って支援させていただきます。私個人としても友の危機とあらば万難を排して駆けつけますぞ」
ゼロは苦笑した。
「マイルズさんも引き下がりませんね」
「粘り強い引かない心、鉄壁の守り。それがエルフォード騎士の本懐でありますので」
ゼロとマイルズは最後に再び固い握手をして別れた。
風の都市に向かって歩き出した時、涼やかな風がゼロを包んだ。
風に誘われてエルフォード屋敷を振り返ってみたところ、屋敷の2階テラスからゼロを見送る少女の姿があった。
その少女は振り向いたゼロに深々と頭を下げた。
ゼロも軽く手を上げて応えた後に踵を返し、その後は振り返ることなく風の都市に向かって歩いていった。
0
お気に入りに追加
286
あなたにおすすめの小説
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる