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離したくない
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馬車から飛び降りた姿に、ハルの眼差しがふっと緩む。が、その胸のうちは少々複雑なものであった。
これから、この場で血の惨劇が繰り広げられる。
できることなら、サラには馬車の中でおとなしく待っていて欲しかった。けれど、狭い馬車の中でファルクと二人っきりという状況にサラが耐えられないであろうことも、何より、サラが自分に会いたがることも分かっていた。
サラがドレスの裾をたくしあげ、駆け足でこちらに向かってくる。そして、その足元は裸足であった。
必死になって走り寄ってくる姿は、まるで初めて出会ったあの時と同じ。
ただひとつ違うのは。
あと少しで触れ合えるという距離で、突然サラは地面を蹴り、両手を広げ飛び込んできた。その身体をハルはしっかりと受け止める。
羽のよう軽く柔らかい身体を抱きしめる。
サラの髪から甘い香りが漂い、鼻腔をくすぐった。
「ハル、会いたかった!」
そう、あの時と違うのは。
自分もこうしてサラに触れ、抱きしめたかったということ。
「サラ、どうして裸足なの? 靴は? 怪我をしてしまうよ」
「履いている余裕なんてなかったの。私ね、靴であの男の顔を叩いて逃げ出してきた」
馬車の中でファルクともみ合ったのか、サラの髪もドレスも乱れていた。
「靴で……? 無茶をするね」
ハルはくすりと笑う。しかし、サラの行動に逆上したファルクが彼女に何か仕掛けたかもしれないと思えば、実際は笑い事ではなかった。だが、サラの顔を見る限り、何かされたという心配はなさそうだ。もっとも、ファルクの利き手の指を何本か折ってやったのだ、そうそうサラにひどいことはできないはず。
「何もされなかった?」
サラはこくりとうなずく。
「早くハルに会いたくて。たった数日会えなかっただけなのに胸がどうにかなってしまいそうなくらい苦しくて。じっとしていられなかった」
俺も、同じだよ。
「ハルのこと心配した。もしものことがあったのではないかと思って。ハルに限ってそんなことはないと信じていたけれど、でも不安で……大丈夫だった?」
「ああ」
「よかった。本当によかった」
今まで何をしていたの?
どうして私を、ひとりにしたの?
どうしてすぐに会いに来てくれなかったの?
どうして?
そう、責めるわけでもなく、純粋に自分の身を案じてくれ、再会を喜ぶサラにつきりと胸の奥が痛んだ。
「ごめんね。寂しい思いをさせてしまったね」
「ううん、こうしてハルに出会えたのだもの、無事でいてくれたのなら、もうそれだけで……それだけでいいの」
もう二度と離れないとばかりに、サラはぎゅうっと、きつく背中に腕を回してしがみついてくる。
サラのふわふわの髪を、何度も優しくなでた。指の間を柔らかな髪がすべり毛先へと抜けていく。
甘えてくるサラが可愛いと思った。
愛おしい。
手放したくない。
自分のものにすると決めたのに。
「そんなにしがみついたら、痛いよ」
「うん」
頷きながらも、背中に回されたサラの腕はいっこうに緩むことはなく、それどころかますます締めつけ離れようとはしない。
腕の中でサラが肩を小刻みに震わせる。
「泣いているの?」
「泣いてない」
「顔を見せて」
びたりと胸に顔をうずめたサラのあごに指先をかけ上向かせようとするが、サラはいや、と首を振る。
力のない抵抗だった。
サラ、ともう一度ささやいて呼びかけ、あごを持ち上げ首を傾げのぞきこむ。
抱きついたまま、今度は素直にそろりと顔を上げたサラの潤んだ瞳が真っ直ぐにこちらを見上げる。
泣いてはいない。けれど、目の縁にたまった大粒の涙は今にもこぼれおちそうで、そんな顔で、瞳で見つめられたら決心が鈍ってしまいそうだった。
サラとは今夜限りという決心が。
「花が」
乱れたサラの髪を指ですき、とれかかった花をさし直し整える。
「ドレス、似合っているよ」
蒼い月の光をまとった純白のドレスがしっとりと艶やかな光沢を放つ。サラ自身が淡い光を放っているようであった。
「エレナさんが手がけてくれたドレスなの。素敵でしょう? あの男との結婚式は死ぬほど嫌だったけれど、ドレスだけは気に入っているの」
髪に触れていたハルの手が慈しむように、サラの頬にあてられる。
「少しお化粧もしているね」
「お、おかしくないかな?」
「どうして? きれいだよ」
「ほんとう? ほんとに?」
褒められ、頬を赤く染めるサラにハルはうなずく。
「見違えるほど、きれいだ」
ハルの手がそっとサラの頬をなでる。
お化粧でうまく隠してはいたが、頬がまだ少し紫色に腫れていた。
「まだ痛む?」
サラは平気と首を振り、そこでようやく今気づいたというように目を見開く。
「ねえハル、その姿……」
ハルの格好はサラとは対照的に、上下真っ黒な衣装に身を包んでいた。
まるで自身すら闇に溶け込む漆黒色。
途端、サラの顔に不安の翳りがにじむ。
そこへ。
「くそ! こっちが下手に出ていればいい気になって、あのがき! 少しばかり痛い目にあわせておけばよかったか」
口汚く罵り声を上げ馬車から降り立ち姿を現したファルクは、顔面を手で押さえ御者台に座る男に指を突きつける。
「おまえ!」
「ひ……っ!」
「なぜ、私の命令に従わなかった」
「そんな、無理です……ひき殺すなどできるわけが……」
「うるさい! 黙れ黙れ! 私の命令に従えないのなら、おまえは即刻くびだ!」
くびと言い渡された御者台の男は肩を落とし、力なくうなだれる。
「それでも、人殺しになるよりは、よっぽどいい……」
「いいえ! 彼は、ロアルさんはトランティア家の大切な御者よ。くびだなんてあなたが勝手に決めていいことではないわ。そもそも、そんな権利などあなたにはない!」
「サラ様……」
ロアルと呼ばれた男の目にじわりと涙がにじむ。
使用人である自分をかばってくれたどころか、名前まで覚えてもらえていたことがよほど嬉しかったらしい。
「ロアル? 誰だね、そいつは? ああ……この使えない男(くず)のことかね?」
言って、ファルクは御者台の男を一瞥すると、ねっとりとした視線をサラに向けた。
「それにしても、おまえはいつからこの私に意見するようになったのかね? 小娘が、生意気にもほどがある。まあいい、後でたっぷりと痛いお仕置きをしてやる。この間はし損ねたからね。あの時は私も油断をしたのだよ。まさか、おまえがあんな真似をするとは予想もしなかったから。だが、今回はそうはいかないよ。別荘に着いたらすぐにおまえの手足を縛りあげてやろう」
「後でなど、ないもの! もう、お屋敷には戻らない。私はハルと一緒に行く」
すかさず言い放つサラを、ファルクは鼻であしらう。
「おやおや、男が現れてずいぶんと気が大きくなっているようだね。おまえがいったい誰のもので、どういう立場なのか、じっくりとわからせてやろう。その身体に嫌というほど教え込んでやる」
最後に、ファルクの目がハルへとそそがれた。
「正直、驚いたよ」
よもや、本当にハルがこの場に現れるとは思わなかったらしいファルクは、やれやれとため息をつく。
「まさか、本当にやって来るとは……わざわざ殺されに来るとは、どうしようもない愚かな男だ。正真正銘の馬鹿だ」
侮蔑を込めて吐き捨てるファルクを、ハルの視線が真っ直ぐに射る。月明かりの下に映し出された藍色の瞳は、皓々と輝く月光さえも弾くほどに鋭利な光を放っていた。
「それとも、私が言ったことは冗談だと、脅しだと思っていたのかな?」
「いや、冗談とも脅しとも思っていない。約束しただろう?」
「約束だと?」
「忘れたのか? 今夜」
いつの間にか手にしていた瓶を、ハルはファルクの前に見せつけた。
「これを貴様に返すと」
ファルクはにたりと唇を歪め嗤った。
「そうだったな。では……」
返して貰おうと、とファルクはさっと右手を高々とあげた。
これから、この場で血の惨劇が繰り広げられる。
できることなら、サラには馬車の中でおとなしく待っていて欲しかった。けれど、狭い馬車の中でファルクと二人っきりという状況にサラが耐えられないであろうことも、何より、サラが自分に会いたがることも分かっていた。
サラがドレスの裾をたくしあげ、駆け足でこちらに向かってくる。そして、その足元は裸足であった。
必死になって走り寄ってくる姿は、まるで初めて出会ったあの時と同じ。
ただひとつ違うのは。
あと少しで触れ合えるという距離で、突然サラは地面を蹴り、両手を広げ飛び込んできた。その身体をハルはしっかりと受け止める。
羽のよう軽く柔らかい身体を抱きしめる。
サラの髪から甘い香りが漂い、鼻腔をくすぐった。
「ハル、会いたかった!」
そう、あの時と違うのは。
自分もこうしてサラに触れ、抱きしめたかったということ。
「サラ、どうして裸足なの? 靴は? 怪我をしてしまうよ」
「履いている余裕なんてなかったの。私ね、靴であの男の顔を叩いて逃げ出してきた」
馬車の中でファルクともみ合ったのか、サラの髪もドレスも乱れていた。
「靴で……? 無茶をするね」
ハルはくすりと笑う。しかし、サラの行動に逆上したファルクが彼女に何か仕掛けたかもしれないと思えば、実際は笑い事ではなかった。だが、サラの顔を見る限り、何かされたという心配はなさそうだ。もっとも、ファルクの利き手の指を何本か折ってやったのだ、そうそうサラにひどいことはできないはず。
「何もされなかった?」
サラはこくりとうなずく。
「早くハルに会いたくて。たった数日会えなかっただけなのに胸がどうにかなってしまいそうなくらい苦しくて。じっとしていられなかった」
俺も、同じだよ。
「ハルのこと心配した。もしものことがあったのではないかと思って。ハルに限ってそんなことはないと信じていたけれど、でも不安で……大丈夫だった?」
「ああ」
「よかった。本当によかった」
今まで何をしていたの?
どうして私を、ひとりにしたの?
どうしてすぐに会いに来てくれなかったの?
どうして?
そう、責めるわけでもなく、純粋に自分の身を案じてくれ、再会を喜ぶサラにつきりと胸の奥が痛んだ。
「ごめんね。寂しい思いをさせてしまったね」
「ううん、こうしてハルに出会えたのだもの、無事でいてくれたのなら、もうそれだけで……それだけでいいの」
もう二度と離れないとばかりに、サラはぎゅうっと、きつく背中に腕を回してしがみついてくる。
サラのふわふわの髪を、何度も優しくなでた。指の間を柔らかな髪がすべり毛先へと抜けていく。
甘えてくるサラが可愛いと思った。
愛おしい。
手放したくない。
自分のものにすると決めたのに。
「そんなにしがみついたら、痛いよ」
「うん」
頷きながらも、背中に回されたサラの腕はいっこうに緩むことはなく、それどころかますます締めつけ離れようとはしない。
腕の中でサラが肩を小刻みに震わせる。
「泣いているの?」
「泣いてない」
「顔を見せて」
びたりと胸に顔をうずめたサラのあごに指先をかけ上向かせようとするが、サラはいや、と首を振る。
力のない抵抗だった。
サラ、ともう一度ささやいて呼びかけ、あごを持ち上げ首を傾げのぞきこむ。
抱きついたまま、今度は素直にそろりと顔を上げたサラの潤んだ瞳が真っ直ぐにこちらを見上げる。
泣いてはいない。けれど、目の縁にたまった大粒の涙は今にもこぼれおちそうで、そんな顔で、瞳で見つめられたら決心が鈍ってしまいそうだった。
サラとは今夜限りという決心が。
「花が」
乱れたサラの髪を指ですき、とれかかった花をさし直し整える。
「ドレス、似合っているよ」
蒼い月の光をまとった純白のドレスがしっとりと艶やかな光沢を放つ。サラ自身が淡い光を放っているようであった。
「エレナさんが手がけてくれたドレスなの。素敵でしょう? あの男との結婚式は死ぬほど嫌だったけれど、ドレスだけは気に入っているの」
髪に触れていたハルの手が慈しむように、サラの頬にあてられる。
「少しお化粧もしているね」
「お、おかしくないかな?」
「どうして? きれいだよ」
「ほんとう? ほんとに?」
褒められ、頬を赤く染めるサラにハルはうなずく。
「見違えるほど、きれいだ」
ハルの手がそっとサラの頬をなでる。
お化粧でうまく隠してはいたが、頬がまだ少し紫色に腫れていた。
「まだ痛む?」
サラは平気と首を振り、そこでようやく今気づいたというように目を見開く。
「ねえハル、その姿……」
ハルの格好はサラとは対照的に、上下真っ黒な衣装に身を包んでいた。
まるで自身すら闇に溶け込む漆黒色。
途端、サラの顔に不安の翳りがにじむ。
そこへ。
「くそ! こっちが下手に出ていればいい気になって、あのがき! 少しばかり痛い目にあわせておけばよかったか」
口汚く罵り声を上げ馬車から降り立ち姿を現したファルクは、顔面を手で押さえ御者台に座る男に指を突きつける。
「おまえ!」
「ひ……っ!」
「なぜ、私の命令に従わなかった」
「そんな、無理です……ひき殺すなどできるわけが……」
「うるさい! 黙れ黙れ! 私の命令に従えないのなら、おまえは即刻くびだ!」
くびと言い渡された御者台の男は肩を落とし、力なくうなだれる。
「それでも、人殺しになるよりは、よっぽどいい……」
「いいえ! 彼は、ロアルさんはトランティア家の大切な御者よ。くびだなんてあなたが勝手に決めていいことではないわ。そもそも、そんな権利などあなたにはない!」
「サラ様……」
ロアルと呼ばれた男の目にじわりと涙がにじむ。
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「ロアル? 誰だね、そいつは? ああ……この使えない男(くず)のことかね?」
言って、ファルクは御者台の男を一瞥すると、ねっとりとした視線をサラに向けた。
「それにしても、おまえはいつからこの私に意見するようになったのかね? 小娘が、生意気にもほどがある。まあいい、後でたっぷりと痛いお仕置きをしてやる。この間はし損ねたからね。あの時は私も油断をしたのだよ。まさか、おまえがあんな真似をするとは予想もしなかったから。だが、今回はそうはいかないよ。別荘に着いたらすぐにおまえの手足を縛りあげてやろう」
「後でなど、ないもの! もう、お屋敷には戻らない。私はハルと一緒に行く」
すかさず言い放つサラを、ファルクは鼻であしらう。
「おやおや、男が現れてずいぶんと気が大きくなっているようだね。おまえがいったい誰のもので、どういう立場なのか、じっくりとわからせてやろう。その身体に嫌というほど教え込んでやる」
最後に、ファルクの目がハルへとそそがれた。
「正直、驚いたよ」
よもや、本当にハルがこの場に現れるとは思わなかったらしいファルクは、やれやれとため息をつく。
「まさか、本当にやって来るとは……わざわざ殺されに来るとは、どうしようもない愚かな男だ。正真正銘の馬鹿だ」
侮蔑を込めて吐き捨てるファルクを、ハルの視線が真っ直ぐに射る。月明かりの下に映し出された藍色の瞳は、皓々と輝く月光さえも弾くほどに鋭利な光を放っていた。
「それとも、私が言ったことは冗談だと、脅しだと思っていたのかな?」
「いや、冗談とも脅しとも思っていない。約束しただろう?」
「約束だと?」
「忘れたのか? 今夜」
いつの間にか手にしていた瓶を、ハルはファルクの前に見せつけた。
「これを貴様に返すと」
ファルクはにたりと唇を歪め嗤った。
「そうだったな。では……」
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